戦国自衛隊 in wonderful world 作:名無し様
異世界 漂流 22日目
デュラハン、後から聞いたがベルディアの討伐から丸1日が経った。的場達は現在、冒険者ギルドでデュラハンを撃破した報酬を貰っていた。
本来は、ギルドに所属していないのでこのような事はないが、今回は特殊で特別にこの街のお偉いさんが許可したらしい。
「え~っと、……マトバさんのパーティーですよね。」
冒険者ギルドの受付嬢は先頭にいた的場に近づき、話始めた。
「え~っと。マトバさんのパーティー、並びにデュラハンを浄化してくださったカズマさんのパーティーには、魔王軍幹部ベルディアを見事討ち取った功績を称えて……ここに、三億エリスを与えます。」
「「「「さっ!?」」」」
「均等に分けるようにしてくださいね………。」
その金額にこのギルドにいた冒険者、そして隊員達全員が絶句した。
「おいおい三億ってなんだ、奢れよカズマ~。」
「カズマ様、奢って奢って~。」
「おいダクネス、めぐみん、お前らに一つ言っておく事がある!これからは冒険の数が減ると思う!大金が入った手前、危険なく安全に暮らしたいからな。」
「おい待て!強敵と戦えなくなるのはとても困るぞ!と言うか、魔王討伐の話はどうなった!?」
「私も困りますよ、私はカズマについていき魔王を倒して最強の魔法使いの称号を得るのです!」
どんどん盛り上がるギルド内で申しわけなさそうに受付嬢が的場に一枚の手紙を渡した。
「え~っとですね。今回、マトバさん一行の………その、奇妙な乗り物により街道と街の窓ガラスが損壊し、被害がでておりまして………。」
先ほどまで、盛り上がっていたギルド内が一気に静かになる。
「全ては請求はしませんが、………一部払ってもらいたく請求額は合計で……1億エリスとなります。」
そそくさと、冒険者は自分のしていた事に戻っていった。隣では、和真達がいて和真の後ろでアクアこと駄女神が笑いをこらえている。
すると、また受付嬢が手紙を出して今度は和真に渡した。
「え~っと、そしてカズマさんのパーティーには……その……めぐみんさんが毎日爆裂魔法撃っていた所に、ちょうど、商人の馬車が通り爆裂魔法に巻き込まれて積み荷が全て駄目になるという事態が発生しました。」
その言葉に、めぐみんはすぐさま反応して逃げ出そうとした、しかし和真に襟を持たれて捕まった。
「こちらも、全額は払わなくていいので、一部だけよろしくお願いします。」
そして、受付嬢は急いで奥の方に引っ込んだ。
「報酬は1億5000万エリス……。請求が2億エリス……。」
「……一体、何が載っていたのよ…………。」
「……………カズマ。明日は、金になる強敵相手のクエストに行こう!」
和真の隣にいたダクネスがそう言うと、和真はそっと目を閉じると何かを決意したみたいだ。
それに構わず、的場達はそそくさと自分達の拠点に戻って行った。
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報酬を貰い、拠点に帰ってきた的場は部下達に小銃や機関銃の点検を行うように指示した。そして、与田や紅林など尉官クラスの隊員をテント内に集めて、今後の事について話した。
「現在の兵力はどのくらいだ、与田。」
「はっ。現在、隊員が38人おります。銃弾や燃料も大量にあり、89式小銃、M2、ミニミ、84mm無反動砲、の弾薬。90式戦車やAH-1S コブラの搭載している兵器も十分あります。……ただ……。」
「数年も、建てば使い物にならなくなる物が出てくる。………そうだろ。」
「はい、おっしゃる通りです……。」
それも、そうだ。いくら現代兵器だからといっても時が経てば何かしらの故障が生じる。特にヘリなんかは、細心の注意が必要だ。
「銃弾は、戦闘以外は使用しないから後に考えても、今後の問題は燃料だな…………。」
「どこかに、原油があるだろうか………。」
「いや、そもそも原油がこの世界に存在するかが怪しいぐらいだ。」
ここは、的場達がいた世界とは、全く違う異世界だ。この世界に同じような物質があるとは考えにくい。
「仮に、原油が有ったとしてもそれをどうやって精製するんだ?」
「原油を精製する原理ぐらいだった知っていますが、それの施設を作るとなると、かなりの年月がかかります……
………。」
原油と言っても、加工して精製しなければ多くの不純物が入っており、そのままではろくに使えない。さらに、作っても所詮は素人が作る物。完全には程遠い。
「とにかく、我々の今後の目標は…車両の燃料、………またはそれに準ずる物を探す事だな…………。」
「……………、でしたら……冒険者ギルドを頼っては?」
この世界には、冒険者が多数存在する。それを利用して情報を集めるのが一番効率がよい。
「そうだな…………。後は、新しい拠点も欲しい所だな………。」
この拠点もボロボロの倉庫を改修しただけだから、いろいろと無理があったのだ、柱はぐらぐらと揺れており、天井は雨漏りしたりする。
どんなに保っても、後ひと月しか保たないだろう。それに、戦車などを走行させるといくらか街に被害が出る。
それを考えると、街の外に新しい拠点……今度は格安ではなくそれなりの強度を保った建物がよいと、的場は判断した。
幸いに、賠償請求されて1億エリスはなくなったがまだ5000万エリスは残っている。食糧費などを引いてもそれなりの額にはなる。
「これからは、石油かそれになりうる物の捜索と新しい拠点の確保だ……。」
「わかりました、それを部下達に伝えてきます……。」
与田が立ち上がり、テントの外に出ようとした。すると、的場はそれを止めてまたしゃべり始めた。
「それから、………我々は自衛官を辞めた……。これからは、新しい名前を名乗る事にした……。」
「………それは、どうゆう?」
「我々は、天導衆を名乗る。天へ導く衆と書いて天導衆だ……。我々は、いずれ魔王を倒す者達となる、これは……我々が命を賭けた戦い………この世界との戦争だ……………。」
まだ、的場達の存在はこの世界ではちっぽけな存在だ。しかし、いずれはこの世界その物を敵に回すほどの存在になるとはこの時、誰も知るよしもない………。