虚になったけど質問ある?   作:明太子醬油

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戦闘校舎のフェニックス
フェニックス


 薫サイド

 

 俺は今学校に登校している。

 外に出たのはいつぶりだろうか?

 全くわからない。

 それも仕方ないだろう。なぜなら俺は数日間寝ていたのだから。

 

 正直もう学校行けねないんじゃね?とか思ってたけど普通に登校してる。

 

 やたらと日の光が眩しく感じる。

 日の光がピリピリと肌を刺激する感覚。

 澄んだ外の空気。

 

 身体を大きく伸ばす。

 そして深呼吸。

 

 そして思った。

 

 

 

 

「学校面倒くさ」

 

 

 俺のハイスクール生活がまた始まろうとしていた。

 

 

 #

 

 

 どうして俺が学校に行くことになったのか。それは一日話を戻さないといけない。

 

 

 俺は昨日の夜、『匂い』に誘われるまま走った。

 そして俺がたどり着いたのは教会だった。

 

 外見はただの教会。

 それでも俺の勘はここがただの教会でないと告げていた。

 

 教会に入る。

 その教会の中身はボロボロになっていた。

 椅子とか何に使われていたかわからない木のかけらやら、そこら辺に散らばっている。

 

「こいつはひでぇな」

 

 思わず呟く。

 何らかの戦闘があったのだろう。

 そう確信すると俺は今まで感じたことが無いような感覚に襲われた。

 それは俺の中の何かが燃えているかのように溢れてくる。

 謎の高揚感。

 その高揚感はなぜか俺に安らぎを与えてくれるような気さえする。

 

「・・・黒峰なのか?」

 

 前から俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。

 そちらを向くと金髪イケメンと赤髪の女と変態がいた。

 普通なら視線はイケメンと赤髪の女に気が取られてしまうだろう。

 しかし、俺はそれよりも少し下にいた黒髪の女にしか視線が合わせれなかった。

 

 思わず笑みが漏れてしまう。

 あー、会いたかったぜ。

 

 ___________俺を殺した女。

 

 

 俺は女に近づく。

 カツン、カツン、カツン。

 自分の靴の音がやけに大きく聞こえる。

 近づくたびに笑みが獰猛になっていくのが自分でも分かる。

 

 俺はついに女の前に立った。

 女は何を思ったのか俺に何か必死に弁明のようなものをする。

 

「・・・黒峰君。あれをやったのは私のせいじゃないの!私は騙されて・・・」

 

 思わず笑ってしまいそうになる。

 この女を見ていれば分かる。

 こいつは生き残るためになら何をやってでも生き残るタイプの奴だ。

 こういう奴は一番信用ならない。

 そもそも命乞いをする時点でもうこいつはダメなわけなんだが。

 

「うるせぇよ」

 

 見てて嫌になる。

 こういうタイプの奴は。

 そもそもどこで俺の名前を知ったんだ?

 

「騙されたからなんだ?俺を殺したことに違いはねぇんだろ?

 __________ならダメだ」

 

 

「待って!私は至高の・・・」

 

 ・・・はぁ、ここまで言ってもダメなのか。

 面倒臭い奴だな。

 

「口を開くな屑」

 

 俺は女を思いっきり踏みつける。

 女は苦しそうに俺を見上げる。

 

 その時俺は思ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サッカーやろうぜ!お前ボールな!!

 

 

 

 思わず自分のネタで笑いそうになってしまう。

 このまま踏みつけたままなら俺は完全に笑ってしまうだろう。

 

 

 とりあえず斬魄刀を手にかける。

 

 そして笑ってしまう前に女の頭を思いっきり蹴った。

 

 

 

 ゴールに向かってシュウウゥゥゥゥゥゥゥ!!!

 

 蹴る時のイメージは全ての筋肉を使って一点集中に全ての力を解き放つイメージ。

 

 そして女は思いっきり壁に激突した。

 もう少し威力欲しかったな・・・

 

 そして俺はまた自分のネタで笑ってしまいそうになる。

 まさか人の頭使ってサッカーできるとは思わなかったわ。

 

 あ、ヤバイ。笑っちゃいそうだわ。

 

 目の前にいる女に目を向ける。

 まぁー、とりあえず笑ッちゃう前に誤魔化さなければ。

 

「死ね」

 

 俺は思いっきり斬魄刀を振り下ろす。

 思ったんだけど、何かに没頭した時に笑う人なんているだろうか?

 いや、いない。

 そう思いついた瞬間。俺はひたすら斬魄刀を振り下ろし続けた。

 

 何度も何度も何度も何度も何度も。

 

 それでも笑みが出てしまう。

 堪えるんだ俺!!

 

 何度振り下ろしただろうか。

 俺の顔から笑みはもう完全に抜けていた。

 

 女を見る。

 女は失神して、今にも死にそうだった。

 俺は女の頬をビンタする。

 そして女は目が覚めたが、身体の痛みで苦しみ始めた。

 

 

「もうやめて欲しいか?」

 

「え?」

 

 俺の質問に女の顔には、なんで?と書いてあるようだった。

 

「お前ももう苦しかったろ?」

 

 そう言った瞬間、女の顔は希望に変わる。

 その時俺は思った。

 

 

 ______そんなに生きたいんだ?

 

 俺も殺される前、こんな顔をしていたんだろうか?

 正直もう許してやろうかな?なんて少し思ってしまった。

 でも俺は今のこいつの顔を見て思い出した。

 俺はこいつに殺されたんだ。

 だから俺は絶対にこいつを許さない。

 

 斬魄刀を再度強く握る。

 

「楽にしてやるよ。

 ___________テメェの死でな!」

 

 

 俺は斬魄刀を思いっきり振り下ろす。

 本気で殺すつもりで放った一撃。

 内臓を潰した確かな手応え。

 女を中心に広がる血独特の鉄の異臭。

 

 初めて殺した。

 それでも何にも思わない。

 それどころか高揚している。

 そんな高揚感を切り払うように斬魄刀を担ぎ直す。

 

 ______やることやったし帰ろ。

 

 俺は帰宅しようとした。

 そんな俺の肩を誰かが引き留めた。

 振り返ると口をパクパクさせた変態がいた。

 

 え?何?

 マジで分からん。

 魚のマネ?なんでそんなことをする?

 まさに理解不能。

 その文字が俺の頭を駆け巡る。

 というかこいつ・・・

 

「なんだよてめえ、生きてたのか」

 

 今だに口をパクパクさせている。

 なんだこいつは?

 変態なのは知っていた。

 しかしこれは違う。

 変態なんて一括りにするべきでは無い。

 まさに異常者。

 

 今なら見れば分かる。

 今、目の前で口をパクパクさせたこいつの異常性が。

 

「何の用だよ。なんもねぇなら帰るぞ」

 

 いや、本当に帰りたい。

 切実に帰りたい。

 誰が好き好んでこいつと話さなけれはならないのか。

 

 俺は自然に何事もなかったかのように帰る。

 しかし・・・

 

「・・・なんでだよ」

 

「あ?」

 

「あ?」とか言ったけど内心ビビリまくりである。

 小声でなんか言われたんだよ?怖くね?

 

「なんでこんなことするんだよ!!」

 

「は?」

 

 いきなり大声叫ぶとかマジで異常。

 こんなことってなんだよ。

 あの女のことか?

 

「てめえもどうせ殺そうしてたんだろ。何言ってんだよ」

 

 そう、こいつもあの女の被害者。

 ・・・たとえ異常者であってもだ。

 殺そうとしてたか知らんけどな。

 

「・・・それでもここまでする必要あったのかよ」

 

 マジで殺すつもりだったのかよ。

 

「そんな過程なんてどうでもいいんだよ。俺が言ってんのは結果だ。結果が同じならやってることは同じなんだよ。お前らがあいつを殺そうと俺が殺そうと『殺した』ことに違いはねぇ。分かったか?」

 

 言いたいことは言った。

 じゃあ、帰ろ。

 

「待ちなさい!!」

 

 え?何?まだ帰れないの?

 

 振り向くと赤髪の女。

 あれ?こいつ見たことあるぞ!

 なんだっけか?確か学校の二大美女とかだっけか?

 

「貴方は黒峰薫ね?確かに貴方は死んだはずよ。どうして生きているのかしら?そしてなんで今でも姿を現さなかったのかしら?」

 

 なんで俺のこと知ってんのこいつ?

 

「知らねえよ。俺はただ眠ってたんだよ」

 

「貴方、私を馬鹿にしてるの?」

 

 なんで本当のこと言ったら切れられるの?

 理不尽過ぎない?

 

「本当に知らねぇんだよ。数日寝てたんだから」

 

「・・・そう」

 

 なんかすんなり分かってくれたんだが。

 初めからそうしろよ。

 

「貴方本当に何者?人間?そしてその獲物は何?」

 

 この質問前にも言われたことあるような気がするんだが・・・

 

「俺は・・・人間だよ。あとこれはただの武器だ」

 

 虚なのか自分でもよく分からんし、人間ってことでいいよね?

 

「明日学校に来なさい。そこで話しましょう」

 

「は?」

 

 何を話すの?

 一体何のOHANASIをするつもりなんですか?

 

「だから明日学校に来なさい」

 

 学校はどうでもいいけどなんの話しないといけないんすかね?そこ教えて欲しいんだけど・・・

 それに______

 

「・・・俺は死亡判定されてるんじゃねぇのかよ」

 

「あら、私の前にいるのは亡霊なのかしら?」

 

 こいつ今、うまいこと言ったとか思ってるな。

 絶対内心ドヤ顔してるわ。

 

「・・・分かったよ」

 

 こうして学校に行くことになったのだった。

 

 

 #

 

 

 そんな回想をしているともう学校についていた。

 この話を黒歌にしたところ、黒歌は随分と驚いていた。

 なんでも堕天使は普通の人間では殺せないらしい。

 まぁ、俺は人間なのか分からないけどな。

 今のところ自称人間ってとこか?

 そして昨日の奴らはどうやら悪魔だそうだ。

 しかも、この土地を管理している悪魔らしい。

 ・・・高校生に管理されているこの土地って大丈夫かよ。

 

 いつものように校門を抜けて、教室に向かう。

 この当たり前のように教室に行くのはなぜか新鮮なような気がする。

 

 教室に入ると教室の空気がシーンと張り詰めた。

 

 え?なんで?俺そんなに嫌われてたの?

 

 マジで今まで教室に入った瞬間にこんな空気になったのは初めてなんだけど。

 

 俺は自分の席に座る。

 それでも教室の空気は最悪だった。

 

 どこで選択を間違えたのだろうか。

 

 そう思わずにはいられなかった。

 

 

 #

 

 

 適当に授業を寝ながら過ごしていたらいつの間にか学校も終わっていた

 そして、その間ずっとボッチだった。

 考えたんだけどボッチになった理由って眼帯じゃね?

 それに数日休んだと思ったらいきなり中二病になって帰ってきたらそりゃー困惑するわな。

 とか思ったけど、それ以外にもちゃんと理由はある。

 なんと今日転校生がきた。

 それも只の転校生ではない。

 金髪ロリなのだ!!

 そりゃー話題はあっちに行くわな。

 え?俺?俺は興味無いけど何か?

 

 

 

 やっと学校から帰れると思って帰ろうとした時、そいつは来た。

 

「や。どうも」

 

 金髪イケメンだ。

 しかも俺の席の前に立ってるし。

 

「君が黒峰君だね?」

 

 いや、聞かなくても分かるだろ。

 昨日会ったばっかだし、今、俺の席の前にいるし。

 

「あぁ」

 

「リアス・グレモリー先輩の使いできたんだ」

 

 ・・・やっぱり昨日の約束か。

 さっさと帰ってやろうと思ってたのに案外早く来たな。

 

「僕と一緒について来てくれるかな」

 

 なんかお前が言うとソッチ系に聞こえるのはなんでかな?

 あれ?俺がおかしいのかな。

 

 俺は席から立ち上がる。

 その時だった。女子の歓声が響いたのは。

 

「木場くんと黒峰くんよ!!」

「木場くんとあの黒峰くんですって!?」

「黒峰くん×木場くんなかなか斬新ね!」

「いえ、きっと木場くん×黒峰くんよ!!」

 

「「「「「それだ!!これで勝つる!!」」」」」」

 

 

 マジかよ。やめてくれよ。

 中二病にホモなんてレッテル着いたら俺もう立ち上がれないぞ。

俺そもそもイケメンじゃないし。

 

 そこに兵藤も一緒に来て三人で並ぶ。ちなみにその兵藤の後ろに金髪ロリもついてきた。

 すると更に後ろで歓声が響いた。

 

 ________もう俺ダメだな。

 そんなことを考えながら歩いていた。

 

 #

 

「コッチだよ」

 

 俺は木場と兵藤の後ろを歩いていた。

 着いたのは旧校舎だった。

 そこから階段を登り奥の部屋で立ち止まった。

 

『オカルト研究部』

 

 ドアにはそう書かれていた。

 オカルト(悪魔)とはなかなか考えさせられるな。

 ドアを開けてなかに入る。

 部屋の中は壁のいたるところに魔法陣が描かれていた。

 

 ヤベェな。

 俺でも中二の時、ここまで本格的にやらなかった。

 それはやはり俺の中の良心が引き留めていたのだと思う。

 ・・・こいつは強いぞ。

 

 中には黒髪のオットリした感じの美人となぜか自信満々に胸を張っている赤髪の女。

 お菓子を食べている白髪のショートヘアの猫を思わせるロリっ子。

 

 ・・・美人多すぎね?

 美人率100%とは恐れいったわ。

 

「全員そろったようね」

 

 赤髪の女は俺たちに視線を向ける。

 

「ようこそ、オカルト研究部へ。私たちはあなたたち2人を歓迎するわ___________悪魔としてね」

 

 一斉にみんな背中きら黒い羽を出す。

 な、なんだって!?

 

 

 

 と言うと思ったのか?バカが。

 

 

 

 #

 

 それから適当に自己紹介をした。

 赤髪の女はリアス・グレモリーというらしい。

 どうもこいつがこの土地を管理している奴らしい。

 黒髪のオットリした奴は姫島 朱乃。

 白髪ロリは搭城 小猫。一年生。

 金髪ロリはアーシア・アルジェント。

 こいつは元シスターで悪魔らしい。

 なんか黒歌みたいだな・・・。

 

 金髪イケメンは木場 裕斗。

 

 それで全員悪魔とな。

 正直名前覚えれる自信無いんだけど・・・

 

「こっちは紹介したし、そっちも自己紹介してくれるかしら?」

 

 いや、勝手に自己紹介されて、私達言ったからそっちも自己紹介してと言われても困るんですが。

 

「俺は黒峰薫」

 

 リアス、いや、リアス先輩は怪訝な顔をする。

 

 え?これ以上言うことある?

 

「そう、一つ聞いていい?」

 

「はい」

 

「私は貴方のことを死んだと思ってましたわ。公園はまるで血の海だったわ。普通あの量の血液を失って生きれる人なんて存在しないわ。それはどうなのかしら?」

 

 どうなのかしらじゃあねぇよ。

 

「知らねぇよ」

 

「あくまでシラを切るのね」

 

 いや、だって本当に知らねぇし。

 

「もう終わったなら帰るぞ」

 

 俺が席を立ち上がろうとする。

 

「待って!その前に一つ話さないといけないことがあるわ」

 

「ッチ。なんだよ」

 

「私はこの土地を管理しているわ。だから私は危険人物を知っておかなければならないと思うの」

 

 危険人物なのね。俺は。

 

「だからこのオカルト部に入って欲しいの」

 

 こいつ色々面倒くさそうだし、入るくらいならいっか。

 どうせ入るだけで行かないし。

 

「入るだけなら別にいいぞ」

 

「ありがとう。あともう一つ聞いていいかしら?」

 

 あと一つって言ったのこれで二回目だな。

 

「ああ」

 

「なら聞くわ。なんで貴方は私達が悪魔と言った時に全く反応しなかったのかしら?私達が悪魔ということ知ってたわね?」

 

「知ってたら何なんだ?」

 

「どこでそのことを知ったのかしら?」

 

「・・・夢で見たんだよ」

 

 黒歌に「私のことは言わないで」と言われていたから咄嗟に嘘をついた。

 

「わかりやすい嘘ね」

 

 バレた。

 

「まぁ、もういいわ」

 

「じゃあ帰るぞ」

 

「ええ、帰っていいわよ」

 

 俺は部屋を出る。

 

「辛過ぎ」

 

 俺の呟きは闇に消えた。

 

 

 #

 

 

 あれから一回もオカルト部に行っていない。

 面倒くさそうだし?行ってもやることないし?

 何時ものように学校で寝ながら過ごそうと思った時だった。

 

 なんと声をかけられたのである!!

 

 やった!ボッチじゃなくなるね!!

 

 と思った時期もありました。

 目の前にいるのは兵藤。

 しかも一言目が、

 

「昨日の夜、部長が夜這いに来たんだ」

 

 こいつ頭おかし過ぎる。

 リア充死ねとでも言えばいいのか?ねぇ?俺のために今ここで死んでくれよ。

 

「死ね」

 

「待ってくれ!話だけでも聞いてくれ!!」

 

 なんかおれに縋ってくるんだけど。

 やめてくれないかな?

 ・・・正直キモい。

 

「最近、部長の様子がおかしいんだ」

 

 お前の方がおかしいから安心しろ。

 というかリアス先輩のこと知らんのになぜ俺に聞くかね?

 

「あっそ」

 

 その時、学校のチャイムがなった。

 

 ________久しぶり部活に行ってみるか。

 戦闘の匂いがするからな。

 

 

 #

 

 部室に行ったら、兵藤が金髪ホストの前で膝を屈しながら泣いていた件。

 

 

「きもーい」

「ライザーさま、このヒト気持ち悪い」

 

 とか後ろの女に言われてた。

 え?何このカオス?

 

 

 金髪ホストの後ろには15人の美女たち。

 そしてそれを見て泣いている兵藤。

 やっぱり兵藤お前異常だわ。

 

「そう言うな、上流階級を下賤な目で見るのが下級な奴の常さ。俺たちの熱々なところを見せてやろう」

 

 そういうとホストは目の前でディープキスをしだした。

 

 こいつもやばいな。

 精神おかしいんじゃね?

 いや、ほんと羨ましいわ。でも目の前でイャつくなよ。

 

「キモ過ぎ。死ね」

 

 思わず呟いてしまった。

 すると全員が驚いたように俺に視線を合わせる。

 

「貴様誰だ?」

 

 ホストが俺に高圧的に尋ねる。

 

「ただの人間だけど何か?」

 

「下賤な人間がなぜここにいる?リアス、お前は一体何をしてるんだ?」

 

「知らないわよ」

 

 いや、俺の扱い酷くね?

 というかこいつ誰だよ?

 

「こちらはライザー・フェニックス様。純血の上級悪魔でありフェニックス家の三男です」

 

 銀髪メイドが俺の心を読んだかのように答えた。

 フェニックスって実際にいるんだな。さずか悪魔。

 というかこいつ、住んでる世界違くね?お前紅魔館住んでなかったっけ?

 

「そして、リアスお嬢様の婚約者でもあります」

 

 いや、リアスお嬢様じゃなくてお前の主人レミリアだから。同じ悪魔でも吸血鬼だから。

 

「お前は誰だよ?」

 

「私は、グレモリー家に仕えるものです。名前はグレイフィアと申します」

 

「丁寧にどうも」

 

 俺がそんな事をしている間に兵藤達は話を進めていた。

 

「ハッ!なにが英雄だ!!お前なんかただの種まき鳥じゃねえか!火の鳥フェニックス?ハハハ!まさに焼き鳥だな」

 

 それを聞いたライザーは顔を真っ赤にする。

 

「焼き鳥!?リアス、下僕の躾はどうなってる!」

 

 一応俺も加勢しとくか・・・

 

「チキン」

 

 小声でボソッと言う。

 でもその声はライザーに届いていたらしい。

 

「こいつらバカにしやがって!!」

 

 随分ご立腹な様子だ。

 

「テメェなんて今ここでぶっ飛ばしてやる!」

 

 兵藤は調子に乗って、ライザーに向かっていく。

 ライザーはため息をつくだけだった。

 

「ミラ、やれ」

 

「はい、ライザーさま」

 

 兵藤はミラと呼ばれた奴に棍で天井に叩きつけられた。

 というか兵藤弱過ぎない?

 

 しかもこのミラという奴、俺にも攻撃してこようとしてきてるし。

 

 俺は上から振り下ろされる棍を左手で受け止めた。

 

「な!?」

 

 まさか人間に受け止められるとは思っていなかったのだろう。驚愕の声が漏れる。

 俺は力づくで棍をうばいとる。

 

「武器の使い方を教えてやるよ。簡単だ。ただ振り下ろす時に殺すつもりでやるんだぜ!」

 

 俺は棍振り下ろそうと上に掲げた時、俺の腕を掴んだ奴がいた。

 おかげでミラに距離をつけられる。

 

「何すんだよ。グレイフィアさんよ」

 

「これ以上は許しません。引いてください」

 

「あっちからしかけてきたんだが?」

 

「それでもです」

 

「ッチ」

 

 俺は棍をミラに投げ返す。

 ライザーは俺を見てニヤリと笑った。

 

「そうだリアス、ゲームは10日後でどうだ。ハンデをやろうではないか」

 

「随分と余裕なのね?」

 

 リアス先輩はイラつきながらライザーに問う。

 

「そうだとも。それとそこの人間もゲームに参加させろ」

 

「いいのかしら、グレイフィア?」

 

「そうですね。非公式のゲームなので問題ないかと」

 

「そう」

 

 おいおい、俺勝手にゲームとやらに参加することになってるんだが。決定権とか俺にないのかね?

 

「リアスに恥をかかせるなよ、リアスの『兵士』。お前の一撃がリアスの一撃なんだよ」

 

 ポーンってなんですか?

 

「リアス次はゲームで会おう」

 

 ライザー達はそう言うと魔法陣の中に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 というかあの魔法陣凄くね!?


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