桐原静矢になったけどとりあえず最強目指す   作:田中

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騒がれました。

ズキュウウウン!!!

 

突然キスされた。とりあえず情報を整理しようと思う。今、俺はキスをされた。というか現在進行形でしている。久しぶりに唇同士でキスをしたが柔らかく、気持ちいい。というかなぜ時と場所を選ばない。だが可愛いから許そう。

 

「【七星剣王】の彼女か!?」

「でも、さっき皇女様と修羅場っていなかったか?」

「今北産業。何がどうなってるのかわからない。説明よろ」

「今【七星剣王】とキスしてる女の子がさっきまで落第生を巡って、皇女様と修羅場ってたけどなぜかこうなった」

「意味わかんね」

「俺もわからん」

 

パシャパシャパシャ。

 

 

 

おい、今写真撮ったやつ誰だ。SNSで拡散したらマジで心臓撃ち抜くぞ。というかいつになったら唇離してくれるんですかね?俺も突然だったから息がそろそろやばいんですが……。

 

限界を感じた俺は珠雫の肩を押して離れる。まさかキスで死にかけるとは思わなかった。

 

「これで2回目ですね。静矢さん」

 

「………いや、唇同士は初めてでしょ。珠雫」

 

以前、頬にキスをされたのは覚えている。だけど唇は初めてだ。というか周りもまだ騒がしい。ま、俺も部外者だったら騒ぎ立てるだろうけどね。

 

「ねぇ一輝。あの二人の関係ってなんなの?」

 

「あー……本人達に聞いたら?」

 

先程まで珠雫と揉めていたステラも毒気を抜かれ、一輝くんに聞く。ちなみに一輝くんも一応は知らないはずだ。少なくともこの学校に来る以前は俺と会っていない。知っているなら珠雫が言ったのだろうか。

 

「あなたと桐原先輩の関係ってなんなの?」

 

 

 

「夫婦です」

「許婚的なやつ?」

 

違う言葉を言っているが内容はほぼ同じである。そう、何を隠そう俺と珠雫は許婚になっていたのだ。糞とか思っただろう。もっとまともな理由があると思っただろう。だが、これが真実である。

 

中学に入る少し前、黒鉄王馬を倒したということを覚えているだろうか。それを見ていた黒鉄厳が俺の将来性から黒鉄に相応しいと決めつけ、珠雫を俺の許婚にした。その時のことは今でも覚えている。

珠雫を物のように扱うのに腹が立ったのも覚えている。

珠雫に初対面で冷たい睨みをされたことも覚えている。

懐かしすぎる記憶である。

 

「シズクは一輝のこと好きなんじゃないの?」

 

「それはあくまで家族としてです。お兄さまと久しぶりに会えて嬉しかったのは本当ですよ。家族としてお兄さまを愛してますから」

 

「じゃあなんでキスしようとしたの?」

 

「皇女様の様子が面白かったのでつい。ですが家族間での挨拶としてキスをしても問題ないと思います」

 

「「問題あるでしょ」」

 

俺とステラさんがハモった。たしかにアメリカではしたりするだろうがここは日本。見る人が見れば近親相姦の一種に入れられる。

 

「あの桐原先輩!二人の馴れ初めとか詳しくお願いします!」

 

眼鏡っ娘がグイッと下から出てきた。顔が近い。珠雫の方をチラッと見れば今にも固有霊装出すんじゃないだろうかと思うほど殺気が出ている。怖い。

 

「こういうことを記事にするのは良くないと思うよ。一応は双方の両親が認めた仲で、僕達も認めているからこの件は放っておいて欲しいな」

 

言いながら距離をとる。やっぱ女の子に近寄られたらどの歳になっても照れてしまう。

 

「うーん、【七星剣王】のスクープは大分盛り上がると思うんだけどなぁ。……頼まれてしまったら仕方ないですね。このことは記事にしません。といっても、他の生徒が広めると思いますけど」

 

「いや、記事にされないならいいんだ。噂なら言い逃れができる」

 

「静矢さん、言い逃れなんて必要ありませんよね。むしろ付き合っていることを公にした方が悪い虫がつかなくて良いと思うんですが」

 

「はは、俺から平穏を奪い取るのはやめてくれ……」

 

原作から珠雫のことを知っているが、珠雫は一途に想ってくれる。こういうところは同じなのだろう。違う点はただ愛情を向ける先だけだ。きっとそうだ。身内へ向けての愛じゃないから遠慮しなくなったとか感じるのは俺の気のせいなのだ。

 

「一輝はこのこと知っていたの?」

 

「うん、黒鉄では珠雫しか話し相手がいなかったから。その時に聞いたんだ。王馬兄さんを打ち倒す天才が婚約者になったって。その時の珠雫の嫌そうな顔は今でも覚えてるよ」

 

「兄様、それは言わないでください。今は嫌なんかじゃありませんから」

 

珠雫が慌てて発言する。少し頬を赤くしてる。可愛い。

 

「珠雫は嫌だったのか。俺もその時は黒鉄の剣に興味があったという理由だけで承諾したから同じようなものか」

 

そう、当時の俺はただ強くなりたくて剣術や弓術にのめり込んでいた。その過程で黒鉄王馬を倒し、戦利品として黒鉄の剣術を教わることができる立場を手に入れた。珠雫を道具のように使っていた黒鉄厳に腹を立てたくせに自分も同じようなことをしていたのだ。滑稽である。

 

「え、じゃあ桐原先輩は珠雫さんのこと好きじゃないんですか?」

 

眼鏡っ娘がまた下からグイッと現れる。そうすることでまた珠雫が殺気を垂れ流す。だが先程と違いすぐに一歩下がったことにより顔が近くなることはなかった。

 

「まぁ……うん、そうだね。恥ずかしいけど、好きなんだと思うよ」

 

こういうことを言うのはすごく恥ずかしく、顔が熱くなる。目を向けると珠雫は満足そうな笑みをしている。

 

『Fooooooooooo!!!』

 

周りが俺の発言に反応して盛り上がる。てかいつの間にかギャラリー多くないですかね。ギャラリーの中に西京先生いるんですが……。このネタでしばらく弄られる(確信)。

 

「好きとか言いながら5年間も会いに来なかったんですね」

 

珠雫がジトーっと俺を見てくる件。これには単純明快な訳がある。黒鉄本家は遠いのだ。子供が会いに行くなんて早々できないのだ。『だから僕は悪くない』。

 

「こうして会いに来てくれて嬉しいよ珠雫」

 

誤魔化しも兼ねて珠雫を抱擁する。珠雫も嬉しそうに胸に頭を埋めてくれるので誤魔化しは成功だろう。抱擁したことでまたギャラリーが騒がしくなる……というか西京先生が真っ先に扇動している。この人は本当に祭り好きである。

 

「ねぇ一輝、私達って邪魔じゃない?」

 

「うん、そうだね。それにしても珠雫があんなに嬉しそうな顔してるのは初めてかもしれない」

 

「確かに、とても嬉しそうねシズク」

 

一輝くんとステラさんがこの場から去っていく。そしてそれを追いかけて眼鏡っ娘も去っていった。いいな、俺も帰って寝たい。

 

「珠雫、僕はもう帰ろうと思ってたけどどうする?」

 

抱擁をやめたら珠雫が残念そうにしている。俺も結構残念だが、昨日まで仕事していたせいでかなり眠い。だから仕方ないのだ。

 

「それなら部屋を教えてください。相部屋ですか?」

 

「生憎僕のレベルに合う伐刀者がいないから今年から一人部屋なんだ。ただ、結構な頻度で人は来るけど」

 

「それで部屋はどこですか?」

 

「いや、結構な頻度で人が来るから……」

 

「部屋は?」

 

「203です」

 

珠雫の声がどんどん強くなったため、俺が折れた。人がいる時に凸ってきたらどうしよう。もし、そこに女性がいたらどう言い訳しようか……。

 

「後で行きますね」

 

珠雫は俺の部屋に来るらしい。いや、教えた時点で来ることは知ってたけどね。

 

「寝てたらごめん。起きないと思うから3回チャイム押して何もなかったら待たずに諦めて帰ってね」

 

「はい。その場合は仕方ありませんので帰ります」

 

「なら良かった。珠雫を外に置いとくなんてできないからね。これ僕の連絡先だからいつでも送って。じゃあまた」

 

懐から連絡先を書いてある紙を一枚珠雫に渡す。珠雫は一々嬉しそうにしてくれる。その姿を見れば俺も嬉しい。

 

「はい。また会いましょう」

 

最後に珠雫の頭を撫でてから別れる。だが、振り返ればいつの間にかギャラリーが増えていて周りが囲まれていた。帰り道を防がれていたが帰ろうとすれば一気に2つに分かれて道が出来上がり、そこを通ることができた。統率取れすぎ。

 

寮に戻ったらシャワーを浴びてすぐに寝た。

 

 

 

 

 




自分の作品読み返したら恥ずかしくなるのはいつも通り。
その後書く気が全く起きなくなるのもいつも通り。







20万で剣式宝具レベル5にしました。
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