桐原静矢になったけどとりあえず最強目指す   作:田中

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GWは面接の練習とプロット変更とこの話書くのに使ってしまった…。
プロット変更は大した変更ではなく桐原くんとエーデルワイスの戦いで桐原くんにエーデルワイスを圧倒的にボコらせて物語的につまらなくして私自身が失踪する予定だったのですが真面目な戦いに変更しましたw

戦闘系は圧倒的に第三者視点の方が書きやすいことに気づいたので第三者視点にしました。


【紅の淑女】と戦いました。

この日の観客席も全て埋まっていた。校内序列二位である【紅の淑女】貴徳原カナタと【七星剣王】桐原静矢の試合だからである。今回は降参なんてありえない。黒鉄一輝との戦い以来一度も戦っていない静矢が戦うということだけで興味が唆られていた。カナタと静矢、2人のうちどちらが勝つかというのは言わずもがな静矢という予想が多い。だが弓を使わせるのではないかと予想されている。カナタとの試合において剣で戦うのは無謀とされているため七星剣舞祭でもたった二戦しか見せなかった弓が披露されると誰もが思った。

一輝も静矢の弓を見れるかもと思いこの試合を見に来ていた。観客席の前の方に陣取り静矢対策を見出そうとしている。その隣にはステラが座り珠雫、アリスが座る。三人も静矢の弓に興味があった。七星剣舞祭準決勝、決勝での試合はパソコンで見れる。そこで見た圧倒的な破壊力、応用性は三人と言わず誰もが興味津々だろう。故にこの試合の結末に驚愕が起こる。

 

『まず入ってきたのは八戦八勝!その全てが降参による勝利!今日も剣のみで戦うのかそれは王のみぞ知る!絶対王者【七星剣王】桐原静矢選手!』

 

静矢が会場に入ってくる。いつもなら湧き上がる歓声が湧き上がらなかった。なぜ湧き上がらないか、それは明らかに闘気が違うからだ。放たれる闘気はこの場の空気を抑え込む。これが頂点の力の片鱗だと誰もが思う。

 

『次に入ってきたのは同じく八戦八勝!破軍学園生徒会執行部にして学園序列第二位!不可視の攻撃で相手を切り刻む!【紅の淑女】貴徳原カナタ選手!』

 

カナタが入ってくる。彼女も負けていなかった。片手にパラソルを持つ彼女は一見穏やかに見えるが放たれる闘気は静矢に劣っていない。お互いに実戦に出て戦ってきたからこそのものだ。

 

「カナタ先輩、剣で勝たせてもらいますよ」

 

「桐原さんの闘気を見れば本気なのはわかります。いいですよ。切り刻んであげます」

 

「怖いですね。胸を借りる気持ちで挑ませてもらいます」

 

「【フランチェスカ】」

「【朧月】」

 

お互いに固有霊装を出現させる。そして静矢が出したのはいつもの木刀であることに観客は少なからず驚いた。そしてどうやって攻略するかに興味が向いた。

 

『両者始める準備は万端です。さぁ始まります』

 

ーーーlet's goahead

 

開幕と同時にお互いに動く。レイピアを塵に変え距離をとるカナタ。そして塵を確認しようと木刀を蹴る静矢。

 

「偽・時雨蒼燕流攻式三ノ型遣らずの雨」

 

投げるよりも速く飛んでいく木刀はカナタまで2mのところで切り刻まれた。この一瞬の攻防に観客は息を飲む。木刀を足で蹴るという形で相手の虚をつき高速の一撃を繰り出した静矢。それを容易く防御してみせたカナタ。またしてもレベルの違いが分かる試合となっていた。

静矢の前日に建てていた計画は根本的にダメであった。まず、目に見えない。今の一瞬で魔力操作の力量がわかり、どれだけ速く動いてもいつか捉えられることが発覚。故に戦法を手札を晒す方へと変えた。この判断の早さが結果を生む。

 

伐刀絶技【星屑の剣】の範囲を見た静矢は距離を詰めようとして走る。そして5m付近で横に思い切り回避行動を取った。この行動に全員が【星屑の剣】の範囲内に入ったことに気づいた。そしてそれを感じ取った静矢の異常性を感じた。

 

「偽・時雨蒼燕流守式四ノ型五風十雨」

 

この剣術を使った静矢は周りの目から見て、カナタの目から見ても明らかに異常であった。どこに攻撃が来るか分かっているかのように回避をし続ける姿に驚きを隠せない。これではまるで一輝の【完全掌握】ではないか。一輝を除いた全員の感想だ。

だが、一輝はこの技は相手の思考を読むのではなく、呼吸で攻撃のタイミングを見てそれを読み取り回避しているということに気付いていた。そしてこの自分の知らない剣術を網膜に焼き付ける。

 

偽・時雨蒼燕流は静矢の持つ手札の一つだった。少年時代に、好きだった漫画の剣術の練習を繰り返して行うことで習得した剣術の我流。まさに偽という言葉が当てはまるに相応しい技だ。この世界には時雨蒼燕流なんてものは存在しない。周りからすれば新たな剣術を生んだようにしか見えていない。

 

「行くよカナタ先輩」

 

防御に徹していた静矢がそう宣言した。その言葉にカナタは少なからず焦りを見せた。こういう時の静矢は攻略法を見つけている時ということは戦闘データから見れば明らかである。

試合時間はたったの2分。距離は3m。試合の終幕を予期したカナタは全方位からの攻撃を決行した。これは避けることが不可能だ。少し前まではそう思っていた。

 

「偽・秘剣ーーー」

 

いつの間にか持つ木刀の長さが変わっていた。人1人くらいある長さの木刀へと変貌し、目を瞑り長い木刀を前に突き出していた。その間も理不尽な殺傷力を持った刃の檻は狭まる。観客も今の状態を察していた。次の一手でこの試合が決まる。

 

「ーーー燕返し」

 

目を見開くと同時に剣を振るう。『神速』その言葉ですら遅く感じる程の速度に風が巻き起こり血が散った。

 

立っていたのは拳を握り手を挙げていた静矢だった。

 

静矢の前には斬撃を受け、血を流して倒れているカナタ。その傷の量に全てが驚愕する。

いくら速くても一度しか振れないであろう時だったのは間違いない。そこで三つの傷が残っていた。この剣術には一輝も目を見開く。一度に三つの斬撃を浴びせたようにしか見えなかったのだ。プロである寧音もこれには言葉が出ていない。

だがこれほどの技を出した静矢にもダメージはあった。まず腕は見るに堪えないほどの酷い傷を負っていた。手から肩まで走る裂傷はかなりのものだ。

 

『しょ、勝者桐原静矢選手!!!』

 

今更になって実況が締めくくった。だがそうなるのも仕方がないのだ。最後に見せた技で観客ですら全員驚愕している。むしろこの静寂を破るのは立派である。

 

「こんな剣術があるなんて……」

 

目を見開いて驚く一輝にはこれしか言えなかった。自分には到底無理であると分かっていた。あの一撃こそが剣術の極致であるとも言える。今の一輝には実現不可能な技だ。

 

「あれも【剣技模倣】できるの?」

 

ステラの疑問には首を横に振ることでしか返事ができない。明らかに自分のキャパシティを超えている。あの一撃を磨くのにどれ程の歳月をかけてきたか計り知れない。

 

「一度で三つの斬撃。あれも彼の伐刀絶技なのかしら」

 

「いえ、あの技は純粋な剣術です。確か多重次元屈折現象と呼ばれるものが起きて並行世界から三つの斬撃を放つ技だったはずです」

 

アリスの疑問に珠雫が答える。だが並行世界に干渉する時点で伐刀絶技であるとしか思えないというのが本音である。

 

「珠雫はあの技を知っているのね」

 

「いつかやりたいと静矢さんが言ってただけで見たことはありませんでした。まさかここまでの技とは知りませんでしたが…」

 

「それ以外にも偽・時雨蒼燕流と呼んでいたものも凄まじかったよ。呼吸を見て攻撃を避けるなんて方法は前代未聞だよ。あれも桐原君の我流と考えると、天才という言葉じゃあ収まらないね」

 

感想を述べて4人は闘技場を後にした。

 

 

この試合を見ていたのは一輝達4人だけではない。生徒会執行部も全員が見ており、この結末に全員が驚いた。特に校内序列第一位東堂刀華は静矢の剣術に驚かされていた。

七星剣舞祭時に戦った時よりも遥かに強くなっていると感じた。一体この期間に何をしていたのか。どういった稽古をしていたのかが気になった。そして、どうすれば桐原静矢を超えられるかを考えた。刀華は今のままでは確実に負けると確信していた。剣ですら互角ではなく押されることを理解していた。なのにあれ程の剣技を使っているのに本気は弓なのだ。世界最強を名乗ってもおかしくないだろうと冗談なしで言えそうだ。

 

1人の剣士としてそんな彼を超えたい。あの現実離れした剣術を使う彼に勝ちたい。そう思うのだった。

 

 




東堂刀華強化します。一輝くんも強化してたし別にいいよね。
なぜ、時雨蒼燕流をつけたと言いますと、過去話で水を使う伐刀者と協力する描写を入れるためです。後になってなぜ戦いの中で使わなかったとかいわれたら何も答えられませんからねw
水を使う伐刀者………一体何鉄何雫なんだ……。
今回の話でカナタ先輩の戦い方になんか違うと思う人もいるでしょう。それは最初に虚をついたからと思ってください。実戦でてるのにその程度で?と思う方はご都合主義という言葉で納得してください。

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