桐原静矢になったけどとりあえず最強目指す   作:田中

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フェス行けなかったのがつらい。


間違えて別作品に投稿してしまったことを深くお詫び致します。素でミスりました。


予選最終戦しました。

今日この時、七星剣舞祭への参加が決まる。最終戦に臨む者は19戦全てに勝利した猛者ばかり。その猛者達の試合は5分おきに各会場で行われる。

 

俺の相手は黒木櫂という漆黒の西洋剣を使う3年生だった。伐刀絶技は闇を操るというもので相手の視界を塞ぐのを基本として平衡感覚、勘、全てを鈍くする厄介なものだ。その能力だけでこの場に立てているわけではない。純粋に剣の腕が良い。さらに眼が良く、大抵の相手の技は撃ち落とされる。

 

予選最後の試合の相手としては十分過ぎる。何よりも、この先輩には剣術の指南を受けていた。だからどれほど強いかというのはわかる。確かに先輩は強い。だけどその程度では俺は止めれないし止まらない。次がないからといって絶対に手も抜かない。

 

それに、今回に限っては弓を使う予定だから負ける要素が見当たらなかった。

 

 

 

 

 

『出場する全員が、これまでの19戦を全て白星で飾ってきた猛者ばかり。その中でも最も気になるカードは【七星剣王】桐原静矢選手と【暗黒剣】黒木櫂選手の試合ですね!解説の寧々先生、これは……と聞きたかったですがいないので私一人でお送りします』

 

いつものように実況が流れる。今日の試合に解説がいないみたいだ。実況ちゃんドンマイ。

観客席にはメディアが多い。やはり【七星剣王】の試合は収めておきたいのだろう。

それよりも、観客席で最も嬉しかったのは珠雫の存在だ。いつもは勝つことが当たり前な俺の試合より、勝てるかわからない一輝くんの試合の方を優先してもらっていたが、今回の最終戦だけはこちらを優先したみたいだ。珠雫が見てるから無様は晒せない。早く終わらせて、二人で5分後の一輝くんと東堂先輩の試合を見に行こうでないか。

 

「櫂先輩、1年の頃は剣術のことでお世話になりましたが、今回ばかりは弓を使わせてもらいます」

 

「それは分かっているよ静矢くん。剣を交えられないのは残念だけど、今の君の本気と戦えるんだ。結果がどうであれそれを誇りに思うよ」

 

「はい。先輩への恩返しとして本気で行きます」

 

「嬉しいよ」

 

先輩の目が変わった。本気だ。本気で俺を倒し……殺しにきている。俺にはそれが嬉しかった。本気で立ち向かってくる相手はアゴ先輩以来だから嬉しい。

 

ーーーLet's go ahead

 

「【朧月】!」

「【闇黒】!」

 

同時に【固有霊装】を出現させて次の行動に移る。先輩はこちらに飛び込み、俺は先輩の間合いから逃れるべく後ろへ下がる。下がりながらステルス化、そしてステルス化させた矢を放つ。

 

だが、先輩は透明である矢を容易く切り落とす。それだけでなく俺のいる位置へ正確に接近してくる。何故そのようなことができるのかと観察すれば目を閉じている。つまり、全て感覚で戦っているのだ。

 

「静矢くん、君は透明な矢を打たれたことがないからわからないだろう。透明でも、空気を切って進んでいるんだ。それなら空気の流れが変わるのも当たり前だろう」

 

この先輩はやはりおかしい。空気の流れだけで矢を予測して、それだけでなく俺の位置も特定している。面倒くさいことこの上ない相手だ。そんな相手にも関わらず俺の口は笑っていた。心の底から楽しいよ。

 

正直、空気の流れも能力で操作することができる。だけど慣れていない力を使えば隙ができる。先輩ならその隙に俺を斬りふせることができるだろう。だから使えない。

 

「流石先輩です。これが最後の試合で良かった【驟雨烈光閃】」

 

1万の透明な矢が先輩の頭上を襲う。だがそれだけでは倒せない。去年七星の頂を賭けて戦った城ヶ崎さん同様、横からも放つ。

 

「【大樹崩】」

 

矢が降っている途中で全方位から巨大な木の矢を弓から放つ。上から透明な矢が1万、全方位から透明で巨大な矢が20という四面楚歌な一面。

 

だけど先輩は目を閉じながら笑っていた。

 

これは対処される。半ば確信を持って次の一手の準備に入る。今ある魔力の3分の1程をこの矢に込める。何をされても一撃必殺に成り得る矢。理事長からは使うなと言われた一撃の応用。それをこの場で実践する。

矢に魔力を込めていれば1万の矢も20の巨大な矢も全て闇の中に消えていた。やはりこの先輩は強い。あれら全てを斬る。それで足りない分は闇に葬る。その代償として多くの体力が持っていかれているのか息が少し乱れ、疲れが見えている。

それでも東堂先輩よりも強いと俺は思う。

 

「【崩月】」

 

理事長の禁技を打ち破った技を先輩に放った。圧倒的にして絶対の一撃。これを破ることは不可能に近い。勝ったと、この試合は貰ったと、確信をしたその時

 

先輩が消えた。

 

そして次に現れたのは俺の背後だった。

 

「なっ!?」

 

一瞬のことで反応が遅れる。その反応の遅れがかすり傷とはいえ一撃をもらうことになってしまった。

そして、その一撃をもらうことで俺の視界は真っ黒、そして地面に立っているという感覚が消失した。

 

そんな状態になってもなお、俺は勝利を確信していた。

 

「な!?」

 

先輩から驚きの声が上がる。それもそうだろう。今頃、【崩月】が先輩を射抜くためその刃先を向けているはずだ。

進化した【崩月】は絶対に当たるという概念を搭載することで当たるまで標的を狙い続ける必殺技だ。もちろん前まで使っていた【崩月】より威力は落ちるが他の伐刀者の伐刀絶技より威力が高い。

 

きっと先輩は闇の空間を多重展開して【崩月】威力を殺そうと試みているだろう。だが、俺の一撃は射れば終わる。それら全てを歯牙にも掛けず打ち破り、先輩の脇を通って地面に炸裂することだろう。

 

どうなるかを予想していれば視界に光が入る。それだけでなく歓声も聞こえて来た。つまり、先輩の伐刀絶技が解けたのだ。

 

「ほんと、敵わないなぁ……」

 

声の下後ろを見れば脇から腹にかけて風穴を開けた先輩が立っていた。先輩の後ろにはクレーターができており、その中心には俺の射った矢が深々と刺さっていた。

 

「降参だよ静矢くん」

 

そう言って先輩は気絶した。気絶することで地面に倒れようとする先輩を支える。

 

『き、きまったぁぁぁぁ!!!本戦出場第1号は桐原選手だぁぁ!!!』

 

湧き上がる歓声と共に医療スタッフが駆けつけてくる。そして医療スタッフが先輩を運んでいくのを見て会場の歓声を上げる観客に手を振って答える。観客席にいる珠雫にグッと親指を立て、勝ったぞとサインを出す。よく見れば涙を流している。そこまで喜んでくれるとは思ってなかったから嬉しい。

 

 

 

 

 

 

「七星剣舞祭出場おめでとうございます静矢さん」

 

試合が終わった後、控え室に珠雫がきた。わざわざこっちにきてくれるのは申し訳ない。こちらから珠雫のもとへ行こうと思ってたのになぁ。

 

「ありがとう珠雫。まさか見に来てくれるとは思っていなかったよ。本当にありがとう」

 

一輝くんの試合のある競技場まで二人で歩きながら話す。道行く人には俺達が手を繋いでいるから邪魔しては行けないと思ったのか避けて歩いて行くし、新聞部っぽい人も周りにいるけど話しかけにくそうにしていた。今の俺はオフモードだから話しかけられても無視するだろうけどね。

 

「静矢さんの大一番ですから当たり前です。静矢さんの妻ですから」

 

『妻ですから』というワードに心が高鳴る。珠雫の中では結婚することは確定らしい。俺の中でも結婚は考えてはいる。だけどそれは当分先のことだろう。

 

「妻っていうのは気が早いけど、珠雫のそういうところ、好きだよ」

 

「今日の静矢さんは積極的ですね」

 

「本戦出場が決まったから余裕ができたかな。今度二人でデートでもしようか」

 

「はい!ずっと静矢さんと行きたいと思ってました」

 

「そう言ってもらえると嬉しいよ」

 

嬉しそうにしている珠雫を見るとこっちまで嬉しくなる。やっぱり珠雫といる時が一番幸せである。

 

「ところで、今日は苦戦していたみたいですがやはり強かったですか?」

 

珠雫に話題を振られて考える。今日の櫂先輩は原作には出ていない影に隠れた実力者。校内では最強ではないかと噂されている程だ。今後も原作の裏側にいる実力者が出てくると考えたらワクワクする。

 

「そうだね。櫂先輩は強いよ。今のヴァーミリオンさんや黒鉄くんより強い。僕と当たっていなければ本戦出場はしていたね。剣術においては黒鉄くんと同じくらい強い。特殊な歩法も備えているしね。今日はその歩法に少しやられたよ」

 

正確には一輝くんに勝るとも劣らない程の剣術を扱う。その上相手の五感を奪う能力持ちだ。一輝くんなら第六感で戦うこともできるだろうけど最終的には触覚を奪われていることが仇となりそうだ。

 

「お兄様と同等の強さ……何者ですか?」

 

「僕の剣術の師匠だった人の一人さ」

 

「それなら納得できますね。ところで、静矢さんはお兄様と東堂先輩のどちらが勝つと思っていますか?」

 

そういえば原作と変えても東堂先輩と一輝くんのカードは変わらなかった。いや、本来なら学園最強と一輝くんが試合になるようされたから変わったといえば変わったか。今の学園最強は俺だしね。

 

「そうだね。黒鉄くんも東堂先輩も前戦った時とは別人のように強くなってる。勝負は一瞬で決まる。どちらが勝つかは予想がつかない」

 

特に東堂先輩は未知数だ。俺に負けることでどれ程腕を上げたのか全くわからない。

だから今からそれを観戦して見極める。願わくば俺の脅威であらんことを。

 

 

 

 

 

 




ロクでなしの方の話が思いつかないからこっちを投稿。
今回の相手は新【崩月】の強さを引き立たせるため完全チート能力にしています。どれだけ強いかというと
一輝くん以上の剣技と同等の観察眼。瞬歩。五感潰し。
裏設定で非公式試合で【雷切】さんを圧倒した過去も持つ。

主人公として書くことも可能なスペックです。


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