桐原静矢になったけどとりあえず最強目指す   作:田中

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新年明けましておめでとうございます。


団長押し付けました。

 

静矢は理事長にいつものように呼ばれ、いつものように理事長室に入った。もう慣れたことだから何を考えることもなく入り、要件を聞く。

 

「来たか桐原。お前に学園の団長になって貰いたい」

 

理事長である黒乃は要件を聞けばすぐに口を開いた。団長になれ。それはつまり、複数人いる七星剣武祭本戦出場者の中で一番目立つ。そうなれば静矢の返答は考えるまでも無い。

 

「丁重にお断りさせていただきます」

 

「ほう。理由は?」

 

予想していたのだろう。静矢の即答に驚きもせず淡々と言う。分かっていたなら呼ばないでくれよと思いながら理由を述べる。

 

「僕はすでに【七星剣王】の称号があり、注目されています。ここはその【七星剣王】を押しのけてまで代表になった猛者。というのを目立たせて破軍には桐原静矢以外にもいる。ということを表に出していきましょう」

 

「注目を分散させたいだけじゃないのか?」

 

「本音を言えばそうです。1人だけ目立つなんて嫌です」

 

「初めから素直にそう言え。なら、桐原は誰を推薦する?」

 

「そうですね。ステラ・ヴァーミリオンはすでに目立っているので除きます。有栖院はよく分かりません。葉暮姉妹は良い線をいってますね。ですが彼女達は勝ちあがれる程強いとは思えない」

 

「酷い言い草だな。試合では全勝してるぞ」

 

「運が良かったとしか思えません。運も実力の内ですが、黒木先輩や東堂先輩の方が圧倒的に強いと思います。葉暮姉妹には悪いとは思いますけどね」

 

これは紛れも無い事実だった。葉暮姉妹の実力は東堂刀華に一・二歩も劣る。そんなことは昨年の七星剣武祭の結果を見れば一目瞭然だ。それに加えて静矢は2人の試合を一度だけ見たことがある。その結果、やはり実力不足であると判断した。非情であるが仕方ない。

 

「なら誰が団長を努めるんだ?」

 

「黒鉄一輝しかないでしょう。理事長も心の隅では彼を代表にしようと思っていたでしょう」

 

「そうだな。桐原が言うのならそうするか」

 

「理事長も最初からその気でいたんじゃないですか?もし七星剣武祭で優勝できなくても進級できるように箔を付けたいんじゃないですか?」

 

「そこまで考えていない。買い被りすぎだ」

 

肩を竦めて言う黒乃に静矢は確信する。現時点では黒鉄一輝の七星剣武祭優勝は桐原静矢という絶対強者がいる時点で確実にありえない。だが、伸び代はある。静矢が卒業した後であれば優勝することも可能だと思われるし、今年の七星剣武祭でも良いところまでいける実力はあるだろう。

 

「理事長がそう言うならそうなんでしょうね。それだけが用なら僕は帰らせてもらいます」

 

「用はそれだけではない。お前は合宿に参加するのか?」

 

「当たり前ですよ。僕も本戦出場の決まった破軍学園の生徒です。行くのは義務に等しいですよ」

 

「こう言ってはなんだがお前に得があるとは約束できないぞ」

 

「約束できないということは、得ができる動きはしてくれるんですね。ありがとうございます。正直、他の本戦出場選手の育成に回されると思っていました」

 

「それは黒鉄と激闘を繰り広げた東堂やお前と良い勝負をした黒木に任せる。二人はそういった点でも優秀だ」

 

「そうですね。東堂先輩は知らないですけど櫂先輩からは剣術を教わりましたから指導の腕は保証しますよ」

 

「そうか。こちらからはお前に指導ができる者を探しておく」

 

「まだまだ強くなれるのなら嬉しいですね」

 

「お前は強くなって何をしたいんだ?」

 

「やりたいことなんて何もないですよ。ただ、歴代最強の伐刀者になりたいだけです。その為なら何を犠牲にしても構わない。ただ僕はこの世界にいた証拠を残したいだけですから」

 

静矢の紛れも無い本心であることを黒乃は目を見て分かった。『この世界にいた証拠』まるでもうすぐ死ぬ人間が言うような台詞を吐く静矢に黒乃はため息を吐く。

 

「あまり生き急ぐなよ。すぐ死んでしまうぞ」

 

「僕は死にません。目的を達成しない限り止まりませんよ」

 

「そうか。私が何を言っても無駄なようだ。行っていいぞ」

 

「わかりました。それでは失礼しました」

 

そう言って静矢は部屋から出て行った。黒乃は出て行った静矢のことを考える。『この世界にいた証拠を残したい』と言った時の目に少し狂気が垣間見れた。

 

「間違った方法で歴史に名を残そうとするなよ桐原」

 

黒乃の声は出て行った静矢に届くはずもなく、ただ虚空に消えて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんか理事長に呼ばれて妙な問答をしたけど適当に言いすぎた。もしかしたらヤバイやつだと思われたかもしれない。だけど俺は悪くないんだ。昨日徹夜で見たアニメで、同じような質問を主人公がされていた。そして少し狂った目をして『歴史に名を刻みたい』って言っていた。その後ダークサイドに墜ちたんだけどね。それを少しかっこいいと思った俺は精神年齢40くらいなのについつい同じようなことを言ってしまった。恥ずかしい。でも中二病関係なしにこういう時ってあるよね。返答を考えるのが面倒で既知の答えを適当に言う。俺は十分にあると思う。というわけで反省終わり。まあ一応は嘘ではない。歴史に名を残せるのなら名を残して見たい。そして後にすげーやつだったと語り継がれたら少し恥ずかしいがそれ以上に嬉しい。

 

「その為には最強になるのが一番だよなぁ」

 

「静矢さんは最強になりたいのですか?」

 

「ま、男に生まれて伐刀者であれば一度は思うことだしね」

 

「私はなれると思いますよ」

 

……ん?独り言じゃなくなってる?

 

そう思い、隣を見ればいつの間にか珠雫が隣を歩いていた。珠雫になら聞かれてもいいか。最強になりたいことを茶化してこないしね。しかも最強になれると仰っている。どれだけいい子なんだ。

 

「まだまだ果てし無く遠い道のりだけどね」

 

「結構近い気がしますけど……それでも静矢さんは歩むのでしょう?」

 

「当たり前だよ。珠雫はそんな俺の隣に立つんでしょ?」

 

「当たり前です。私は静矢さんの隣に立ち続けます。妻ですから」

 

「そうか……。ま、まだ妻ではないけどね」

 

「む、いずれはそうなります。こんなにラブラブなんですから」

 

そう言って珠雫は俺に抱きつく。腕に控えめな胸が当たっているのを感じる。これが俗に言う当ててるのよってやつかな。

 

「そうだね。お互い気が変わらないといいね」

 

「私は絶対に、何があろうとも想いが変わることはありません。そして、静矢さんの気持ちを私から離す気なんて微塵もありません。泥棒猫には正妻の鉄槌を下します」

 

正妻の鉄槌ってなんだよ。というか目が怖い。もしかして殺っちゃうのか?殺るつもりなのか?まー、俺について来ようとする女の子なんて珠雫以外にはいないだろうから大丈夫か。

 

「帰ろうか。珠雫」

 

「はい。2人の愛の巣へ」

 

「いや、珠雫はちゃんと自分の部屋に戻ってね。まだ結婚していない男女が同居は認めません!」

 

「考えが古いですよ静矢さん!」

 

「そうかな?でも、珠雫のお父さんは僕と同じことを言いそうだけどね」

 

「……そうですね。では帰りましょう」

 

父親のことを出したらあっさりと引き下がった。良かった俺の貞操はまだ無事だ。今生の初めては結婚してからと決めているから決して同居するわけにはいかない。同居なんてしたら初日で襲われるに決まってる。いや、理性が蒸発して襲っているかもしれない。

 

「そんな捨てられた子犬のような顔しないでよ。僕は珠雫を捨てたりはしないからさ」

 

「その言葉、一生忘れないでくださいね。何があってもずっとそばにいます」

 

こういうことを女の子に言われると嬉しいと思う。

 

でもそれ以上に

 

珠雫の愛が重すぎで怖いです。

 

 

 

 

 

 

 

 




今年のFGO福袋はなんと、2つの無記名霊基が排出されました。やったね(白目)

邪ンヌが宝具4だったので全力で当てに行きましたが10万使ったところで撤退して無記名霊基で交換しました。ダ・ヴィンチちゃん?知らない子ですね。

次回更新→カルナの人のカルナが宝具5になったら
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