桐原静矢になったけどとりあえず最強目指す 作:田中
あれから数ヶ月経った。俺は1週間は寝たきりだと覚悟していたのだがなんと、1ヶ月間も寝たきりだった。どうやら魔力が完全に欠乏すれば回復が遅いみたいだ。今では前と同じくらい動けるため関係はない。ただ新宮寺さんに言われなくても【崩月】を使うのは控えるだろう。流石にエーデルワイスとかが出てくれば使わなければ勝てないだろうし使う。
で、今俺が何しているかというと新宮寺さんと共に現理事長の部屋へと向かっている。何しにと言われれば解雇宣告しにとしか言えない。七星剣武祭優勝者という権力を存分に使わせてもらう。
「理事長、新宮寺黒乃さんを連れてきました」
表向きには見学ということで来てもらっている。かの有名な【世界時計】の訪問を断る学校なんてないだろう。破軍学園もそれに習っているだけだ。
「通してください」
新宮寺さんと顔を見合わせ部屋に入る。
「【世界時計】が我が破軍学園を見学に来てくれるとは、どのようなご用件で見学に参られたのですか?」
理事長の言葉に新宮寺さんがこちらを見てくる。俺に話せというわけだろうか。
「今回新宮寺黒乃さんがこちらに来たのは前々から理事長の方針である能力主義というものに興味があったかららしいです」
今回のこの訪問の目的は理事長の不正をレコードに収め、その上で理事長リコールに対する生徒4分の3以上の署名を提出。焦る理事長を指差してプギャーと言ってやる。その後、新理事長として新宮寺さんを添える。素晴らしい作戦である。このことは理事長一派以外の先生も知っており、すでに上に受理されている。つまり、理事長にトドメを刺しに来ただけである。
「そうですか。我が校は魔導騎士連盟日本支部長黒鉄厳殿の思想を尊重しております」
「黒鉄厳殿と関り合いはあるのですか?」
いきなりブッコムなこの人。流石に理事長も怪しむだろう………と思っていたのに全く怪しんでいない。本当に無能である。
「勿論あります。ここだけの話ですが黒鉄家の汚点である黒鉄一輝という学生がいるのですが彼を退学に追い込もうとすればするほど良いことが起きるんですよ。それをそこの桐原君にも手伝ってもらっています」
おいバラすなよ無能。口滑りすぎだろ。これじゃあ賄賂もらっているので下僕のように頑張って一輝くんを退学に追い込んでいますと言っているようなものだ。新宮寺さんも流石に呆れている。いや、内側には怒気が隠れている。生徒を大事に思っていないからだろう。
「貴方はその黒鉄一輝は実力がないと言うのですか?」
「はい。全くありません。授業も受けていないのにあるはずがありません」
冷たさの籠った目で俺を見てくる。これは新宮寺さんが限界を迎えたか。この人は原作でも生徒の事を大事に思っていた。だからこそ未来ある生徒に対する過小評価が気に入らないのだ。いや、理事長に至っては評価すらしていない。理事長は一輝くんを少しも見ていない。授業を受けれていない間も自己研磨し続ける一輝くんを少しでも見れば評価は変わったかもしれない。だがそんなifの話があったとしても今は違う。
「その黒鉄一輝ですが、ハンデ戦とはいえ私に勝ちましたよ」
新宮寺さんの言葉に理事長は一度黙る。だがその後すぐに笑い出す。理事長にとって今のは新宮寺さんの冗談だと思ったのだろう。
「こんな性格してるから自らの駒に裏切られるんだ」
「は?」
「破軍学園理事長である貴方の所業を録音させていただきました」
「おい、どういうことだ」
「まだ分からないんですか理事長?いや、元理事長。貴方はとっくに詰んでいるんですよ。新宮寺さんがここに来た時点で貴方はもう理事長ではなくなっているんです」
俺からの言葉に理事長は驚愕する。追い打ちとして持ってきた書類の束を元理事長の前に置く。
「これは破軍学園生徒の理事長変更に対する署名です。貴方に代わりこの新宮寺黒乃さんが理事長の席に座る。勿論4分の3以上集まっているので有効です。後言いますとこれはコピーですので、燃やしても無駄ですし本物は提出して受理されているのでもう終わりですよ」
「だが教師の署名は集まらないはずだ!私の一派は半分以上だぞ!」
「何のために僕が貴方の一派として工作を行ってきたと思うんですか?勿論寝返ってもらいましたよ。教師の署名も半分以上あります」
「な……こんなのは認められない………」
「でももう書類上破軍学園の理事長は新宮寺黒乃さんとなっているんですよね。ですよね?」
「そうだな。これが証拠だ。あと、残ったお前の一派も全員辞めてもらうことになっている」
新宮寺さんの見せる書類を見て理事長は固有霊装を取り出し紙を切りにいく。理事長の短刀では届く前に新宮寺さんに取り押さえられるだろうがここは俺が取り押さえる。短刀を持つ腕を掴み背負い投げをする。勢いよく倒されたにも関わらずしつこく暴れるので1本1本短刀を掴む指をへし折り徴収する。指を折ったことで少し大人しくなるが今度は声がうるさいので署名のコピーを口の中に突っ込んだ。
「前から思ってたけど、僕より弱いのに上から命令してくるのが本当に不愉快だ。ずっと元理事長のような無能は消えて欲しいと思っていたよ」
「フガフガ…」
「話そうとしても言葉を出せないのを理解しろよ。ま、元理事長が気になっているであろうことをいくつか話してあげよう。まず、この計画は七星剣舞祭に出場した時点で僕の中では出来上がっていた。何が決定的になったのかと言うと、俺を七星剣舞祭に出したことだね。1番気になっているであろう俺の裏切りの理由。それは無能が統治するこの学園が気に入らなかった。ただそれだけだ」
俺の言葉に元理事長は唖然としている。先程まで抵抗していた腕は力なく、諦めてくれたようだ。
「貴方の次の職場ですが地下労働施設にでも行ってればいいんじゃないですかね」
俺の笑顔に新宮寺さんは若干引いている。誠に遺憾である。元理事長は全てを諦めたように目が死んでおり、もう抵抗もないと判断したため解放する。なんにせよこれで破軍学園の改革が終わったことになる。今年は留年するだろうが来年は上がってくれるだろう。といっても七星剣舞祭の頂を譲ろうとは少しも思わないため卒業できるかどうかは別である。
この後は大粛清を行ったり勉学に励んだりしているとあっという間に時が過ぎ、席次一位で最後は終わった。
ーーーこうして、俺の破軍学園1年の幕は閉じた。
多少の無理矢理はいつものことですがさすがにこれはやりすぎたかもしれない。
だけどこれ以外に理事長を変える方法が思いつかなかった。許せサスケ。
次回からステラァ!は出ます。名前がどこぞの英霊の宝具なせいでそういうネタ挟みそう。