やはり俺がボーダーに所属しないのはまちがっている。 作:犬ころ大佐
使わせたくて書き始めました。
文章を書いたことがなかったので拙いとは思いますがよろしくお願いします
ボーダー本部周辺警戒区域
こちら側の世界を襲撃してきたトリオン兵の残骸の上に一人の男が立っていた。
「・・・・・・やっと来たみたいだな」
ボーダー本部の方角から向かってくる三人を腐りきった目で見つめながら、男は独り呟く。
防衛任務でネイバーを撃退するために来たであろう三人は目の腐った男を見つけ、隊長である一人の男がビクリとしながら銃型トリガーを向け声をかける。
「お、おまえがヒキタニだな! おとなしく同行しろ!」
隊長が声をかけたヒキタニという人物を知らない隊員二人が不審な目で隊長を見る。
彼の足元にあるのはトリオン兵の残骸。どう考えても彼は味方でボーダー隊員。
なにせトリオン兵を倒せるのはトリガーだけ、トリガーを持っているのはボーダー隊員だけなのだから。
それにボーダー隊員同士の戦闘は隊務規定に違反しているため厳罰に処される。
自分の部隊の隊長がみすみす処罰されるのを防ぐ為に隊員の一人が声を発しようとした時、目の腐った男がおもむろに右手をこちらに突き出していた。
その瞬間
隊長が黒い何かに包まれた。
一瞬の内にベイルアウトする隊長。正隊員のトリガーにはトリオン体が破壊された場合、自動的に基地に戻れる緊急脱出(ベイルアウト)というシステムが搭載されている。つまり攻撃を受けたのだ。
パニックになる暇もなく、隊員二人も黒い何かに包まれベイルアウトする。
彼らは知らなかったのだ。ボーダーに属さずネイバーと戦っている人間の存在を。
ベイルアウトする三人を見上げながら左手に持っていたマッ缶を飲み干し、腐った目を
さらに濁らせながらこう言った。
「俺は・・・・・・比企谷だ」
トリオン兵とボーダー隊員を葬った俺は最愛の妹である小町が待つマイスイートホームへ帰るべく急いでいる。
え?なんでボーダー隊員を葬ったって?
そりゃ俺がボーダーに狙われているからだ。決して名前を間違えられたからではない。
おそらく太刀川さんとか出水とか雪ノ下さんとか当真さんとか緑川とか佐鳥とか米屋とか犬飼さんとか諏訪さんとか荒船さんとかが尾ひれをつけた噂を流してるからに違いない。
って恨み買ってる奴多すぎだろ。ちなみにA級からB級中位までの奴ら全員に恨まれてるまである。
俺には旧ボーダーである両親が遺してくれたブラックトリガーがある。
ボーダーに所属することを拒否した俺は当然狙われる。今ではほぼないが2年前までは毎日のようにA級、B級部隊に襲撃された。
当時中学で、思い出すのもおぞましい黒歴史を作っていて追い詰められていた俺は、半ば八つ当たり的に襲撃してきた奴らを片っ端から撃退していった。
中にはわざと手足を狙って達磨にした奴も居たな。確かもうボーダー辞めて引っ越したと風の噂で聞いた。まじですまん。
正直言って俺のブラックトリガーの性能はチートすぎるのだ。
たとえ同じブラックトリガーの迅さんや天羽が来たところで負ける気がしない。
そんな俺もボーダーから逃亡してすぐの頃は苦労した。親の残した遺産で金はあったが
こちとらまだ小学生だ。頼りになる人は居ないし追っ手を撒きながら愛しの小町を
守らなければならない。
もし小町がボーダーの奴らに怪我でもさせられたら
自分の命を引き換えにしてでもボーダー本部を町ごと地図から消すだろう。
その点では平塚先生と忍田さんには感謝している。ここまで強くなれたのも小町が安心して暮らせるのも二人のおかげだ。
そんなことを考えているとふと背後に気配を感じた。
「比企谷、またボーダー隊員と戦ったそうだな。一応何故だか聞いてやろう」
「平塚先生ですか。あんまりびびらせないでくれませんかね」
「質問に答えろ」
あ、これやばいパターンだ。後ろにいたのは俺の恩人であり恩師でもある平塚先生。
俺がボーダーに入るのを拒否し逃げた時に匿ってくれたボーダー玉狛支部の教官。
そして俺が通っている総武高校の教師で、学校でもぼっちな俺をなにかと気遣ってくれるのだ。
しかし年齢や結婚についての話題はNGだ。美人なのになぜモテナイのだろうか。
誰か早くもらってあげて!
などとそんな無駄なことを考えていた俺は完全に油断していた。
「歯を食いしばれ!衝撃のファーストブリットォォオオおおお!!」
「げぷろぱっ」
うぐおおおお・・・・・・。
トリオン体なのに無茶苦茶痛い。何m吹き飛んだんだ?
生身の平塚先生のパンチだからこの程度で済んだがトリガーを使ったパンチを受けたら
間違いなくやられる。ベイルアウトのないブラックトリガーはトリオン体が破壊されたらその場で生身になってしまう。ボーダーからもネイバーからも狙われている俺にとっては死活問題だ。
というか前にバムスターを素手で破壊したの見たんですけど。なんなのトリガーじゃないとトリオン兵って倒せないんじゃないの?トリオンターミネーターなの?T-800なの?
「まあそのことはいい。明日は高校生活を振り返ってというテーマのレポートの
提出日だったな。どうだ?ちゃんと書けているかね?場合によっては再提出もあるから覚悟しておくように。ではな。気をつけて帰りたまえ」
言いたいことだけ言って帰ってしまった平塚先生の後ろ姿を見つめながら俺は思った。
あれ・・・・・・なんで殴られたの俺。
今のことは忘れて、帰って小町に癒されよう。うん、それがいい。
「ただいま」
「遅いよお兄ちゃん!もう20時過ぎてるよ!小町、お兄ちゃんと一緒にご飯食べようと
思って待ってたんだからね。あ、今の小町的にポイント高い!」
「はいはい高い高い。遅くなってごめんな。ちょっと平塚先生に会っちゃってさ」
謎のポイント制を導入している黒髪に俺と同じアホ毛をぴょこんと立てた美少女。
なにを隠そう俺の最愛であり自慢でもある妹の小町だ。可愛い。可愛すぎるぜ。
孫よりも可愛い、俺の宝物だ。小町という名の宝物。
ん?孫?俺が結婚できるわけないから小町の孫?
まだ子供もいないのに孫なんて!そもそも小町が結婚とか認めねえよ。
まじで小町を狙う男が居たらブラックトリガーが火を噴くぜ。
いや待て、俺と小町がけっこ・・・・・・
「お兄ちゃん・・・・・・また変なこと考えてるでしょ。にやけた顔がやばいよ」
おっと、危ない妄想を展開するところだった。イエス妹!ノータッチ!だ。
「すまん、さっそく飯にしようぜ。まじで腹が減った。」
「そうだね。小町もお腹ぺこぺこだよ。今日は小町特製エビチリだよっ!
お兄ちゃんはご飯よそって」
「おお、美味そうだ。了解」
帰って小町と二人で食べる飯。至福の時間だ。
比企谷八幡定時報告。
今日もはちま……比企谷は警戒区域内で侵攻してきたトリオン兵を撃破。しかし防衛任務中のC級部隊とも交戦し、これを撃退。相変わらずチート性能のトリガーだ。
その後、隠れ家を突き止めるため比企谷を追跡したが玉狛支部の教官でアタシの通う総武高校の平塚先生に掣肘を受けた。
なんなの、あの年増。あいつのせいで学校でも八幡に話しかけれないしほんとウザい。
確かに本部から指令を受けてるわけじゃないけど、ボーダーの為に天才のアタシが自主的に調べてあげてるんだから感謝してよね!
はあ……最近ランク戦でも全然上に上がれないし、八幡にも話しかけれないし何もかも上手くいかなくてムカつく。
また華に怒られちゃうな……。