やはり俺がボーダーに所属しないのはまちがっている。 作:犬ころ大佐
ボーダー隊員に関する独自設定です。
A級→B級→C級→訓練生
・C級隊員
引き抜かれない限り、連携に慣れるためにチームを組まされる。
C級上位は防衛任務に参加でき、その時のみ戦闘用トリガーを貸与される。
つまり、好きな子同士で組んでー。です。
昼休み。いい天気なので早速ベストプレイスに飯を食いに行こうとした時ポケットの中のスマホが震えた。
見てみると村上先輩からの着信だった。
「もしもし。どうしたんすか」
『ああ、比企谷か? よかったら一緒に飯でも食わないか?』
おいおい、村上先輩どうしたんだよ。飯食おうなんて誘ってくるの初めてじゃないすか。昨日、相談があるって言ってた件か?
「いいすよ。俺は万年ぼっちなんで一緒に食う相手いないんすよ」
『ふっ、相変わらずだなお前は。じゃあ屋上で待ってる』
そう言って電話は切れた。なんか屋上ってドキドキするな。
まさか鋼先輩ったら俺に気が・・・・・・んなわけないか。
そんなアホなことを考えてるとクラスの後方、トップカーストの連中の集団の中からアホの子の声が聞こえてきた。
「あ、あのさー。あたしお昼ちょっと行くとこあるから」
そう由比ヶ浜の声である。こいつはトップカーストに所属しているクソリア充なのだ。
大方、雪ノ下と飯食う約束でもしてたのだろう。
「あ、そーなん?じゃあ、あれ買ってきてよ。レモンティー。あーし今日飲み物忘れちゃってさー」
「あ・・・・・・でもあたし戻ってくるの5限になるっていうか。お昼丸々いないから、それはちょっとどうだろー・・・・・・みたいな」
それを聞いた金髪の女は、機嫌を損ねたのか由比ヶ浜を睨む。
「は?ちょっとなにそれ。ってか最近の結衣付き合い悪くない?」
「それはなんというか、やむにやまれぬというか・・・・・・」
「それじゃわかんないからちゃんと言ってよ!あーしら友達でしょ?」
しどろもどろな由比ヶ浜を一喝する金髪。友達ってこんな殺伐とした関係なのね。主従関係にしか見えねえけど。ぼっちでよかったわー。
「・・・・・・ごめん」
「だーからごめんじゃなくってなんか言いたいことあんでしょ?」
まあ金髪の言い分にも一理ある。由比ヶ浜は自分の意見を言わない。
良く言えば空気を読むのに長けている。あの金髪が由比ヶ浜と友達というなら俺より彼女の良し悪しを知っているだろう。
つまりこれは金髪なりの試練でもあり優しさなのかもしれないな。よし自己完結。
アホくさ。せいぜい身内で潰しあえ。
そう思って俺は席を立つ。周りもクラスの空気の悪さに気づいて出て行くようだ。
早く行けよ。俺が出れないだろ。ふと由比ヶ浜を見る。
彼女はちらりと俺を見て、すぐ目を逸らした。
なんだよ。助けてほしいのか。ぼっちの俺に何ができる。
いや、俺に矛先を向けさせればどうにかなるが結局は問題の先延ばしだ。
まあ、いいか。
「おい、その辺でやめとけ」
「うっさい!」
さて俺の仕事は終わった。屋上で村上先輩に慰めてもらおう。
泣いてないよ? ぐすん。
「優美子も落ち着きなってー。そんな風に言ったら結衣だって話せないよ?
結衣がはっきり言うの苦手だってわかってることじゃん」
トップカースト連中の中にいた眼鏡をかけた女子が金髪を諌める。
おい。俺が怪我する前にフォローしろよ。はむはむサンドイッチなんか食ってんじゃねえよ。
空気みたいだったカチューシャ男も海老名さんぱねえわーとか言ってるし。
・・・・・・おい海老名隊とは関係ないよな?
これ以上、ボーダー関係者に目をつけられるフラグとか嫌なんですけど。
「わかってるし!だから結衣の為に言ってんじゃん。そういうはっきりしない態度って結構イラっとくるんだよね」
「―――ごめん」
「またそれ?さっきから謝ってばっかじゃん」
もう由比ヶ浜のライフはゼロだからやめてさしあげて!マジで俺がやるしかないか。
そう思っていると―――
「謝る相手が違うわよ。由比ヶ浜さん」
ゆきのんきたあああああああああああああああああ!
教室の扉を見ると、そこには気品に溢れた氷の女王様がいた。
ちなみに彼女の後ろには、先ほど出て行ったクラスメイト達が凍ったように固まっていた。氷雪系最強のトリガー使いかよ。
そんなトリガーあんのか?
雪ノ下は俺に一瞥くれると由比ヶ浜と金髪に近づいていった。
ここからはきっと雪ノ下の殺戮劇が始まるんだろう。
そして終わればきっと俺も殺される。
―――さて屋上行こう。
屋上に着いた俺は辺りを見渡す。村上先輩はいないようだ。
おかしいな。まさか騙されたのか? 嘘告白と同じことを村上先輩が?
とうとう鈴鳴支部も本部に取り込まれてしまったか。
「比企谷・・・・・・」
「うわっ!!なにしてんすか!」
村上先輩を見つけた。だが俺が開けたドアの裏にいたのだ。
そこで体育座りをして、よく見ると涙を流していた。
「お前も俺の前からいなくなるのか・・・・・・?」
「は?」
え、何? メンヘラになっちゃったの? 村上先輩、正直怖いんですけど。
俺はノーマルですよ? いや確かに黒か白かって言われたら黒だけども。
ブラックトリガー的な意味でな!
「何があったんすか。ちゃんと話してください」
聞いてみると、村上先輩は荒船さんにアタッカーとしてのいろはを教えてもらっていたらしい。
ところが最近、ボーダーで行われているランク戦で荒船さんの順位を村上先輩が追い抜いてしまった。
そして村上先輩との勝負の後、アタッカーを辞めてスナイパーに転向したという。
ボーダーでは新参の村上にポイントを抜かれたショックでアタッカーを辞めた。村上とは戦うな。という噂付きだ。
村上先輩は昔からなんでも上達が早く、楽しくなってくる頃になると段々最初からいた人間がいなくなっていき結果としてグループを壊してしまうらしい。
今も俺に約束をすっぽかされ、荒船さんだけでなく俺にまで見捨てられたと思って落ち込んでいたらしい。
だいぶメンタル弱くなってませんか?
「なるほど・・・・・・村上先輩も本部ではぼっちなんすね」
「俺は鈴鳴支部だからな。学校でぼっちな比企谷とは違うよ」
「あんた落ち込んでる割りに俺の心を抉るんすね」
何の下さんだよ。
「ともかく荒船さんの性格からしてショックでやめるなんて考えにくいですけどね。それに村上先輩と戦うなって噂を流した奴も気になりますね」
「そうか・・・・・・比企谷、本当は機密なんだがお前には言っておく。
サイドエフェクトって知ってるか?」
「サイドエフェクト? 」
副作用か。なんだそりゃ。玉狛でも聞いたことないな。
機密なら意図的に隠していたのか?
「ああ、高いトリオン能力を持つ人間はトリオンが脳や感覚器官に影響を及ぼして稀に超感覚を発現することがあるんだ。あくまで人間の能力の延長線上のもので、炎を出したり空を飛んだりとかはできないがな」
「超感覚? 具体的にはどういうのなんすか?」
「機密だから誰がどんなサイドエフェクトを持ってるかは教えれないが、俺のサイドエフェクトは強化睡眠記憶。単純に言えば学習能力が極端に高くなるんだ。経験したり
学んだことも一眠りすればほぼ身につく」
「は!なんすかそれ!ズルいっすね・・・・・・あ」
「誰でもそう思うよな。俺は本当はやるべき苦労をせずに、サイドエフェクトでみんなの努力を盗んでるだけなんだ・・・・・・」
そう言ってまた村上先輩は涙を流す。
なるほど。戦えば戦うほど同じ戦術も技も対応されるのか。
まあ俺は力技だからあんま実感ないけど。
昔からグループの場が壊れるのも、村上先輩と戦うなっていうのもサイドエフェクトが原因な訳か。
なんか雪ノ下に似てるな。持つ者ゆえの苦悩ってやつか。
それにしても欲しい。テストとかばっちりじゃん。
「村上先輩、ちょっと聞きますけど前回の定期テストの順位は?」
「? 3位だが、それがどうかしたか?」
くっそおおおおおおお。俺にもサイドエフェクトがあれば!!
ってか1位と2位のやつ、すげえなおい。
落ち着け八幡。be cool。今は村上先輩の悩みを解決しよう。
「とにかく!荒船さんにアタッカー辞めた理由を聞いてきますよ。
そんなんじゃ訓練にも実が入らないでしょうし。」
「ああ。また荒船と戦いたいし、来馬さん達にも心配かけてるしな・・・・・・
比企谷、頼む」
「そういや俺の入った部活、生徒のお悩み解決みたいなことする部活なんですよ。
だから任せてください」
そう、これは奉仕部への依頼だ。
雪ノ下には悪いが、単独でポイントを稼がせてもらおう。
夜 警戒区域
「今日は誰かに呼び出されることが多いぜ。で鋼まで使って、何の用だ比企谷」
「最近アタッカー辞めてスナイパーになったみたいですね。
なんか心境の変化でもあったんすか」
あれから俺は授業を受け、奉仕部でdisられた後、村上先輩に呼び出してもらった荒船さんと対峙していた。
材木座? 誰それ。
「またその話かよ。・・・・・・お前、確か鋼と同じ高校だったな?
あいつに頼まれたのか?」
荒船さんは帽子の上から頭をがりがり掻くと、俺を睨む。
「荒船さんのことだから村上先輩に負けたから転向したとは考えてないんすけどね。どうも理由がないと納得しないみたいなんすよ」
「あのバカ・・・・・・比企谷にまで何喋ってんだ。隊務規定違反もいいところじゃねえか。」
確かにそうだろう。荒船さんには言ってないがサイドエフェクトの情報までもらったのだ。村上先輩が処罰されてもおかしくない。
だが荒船さんなら告げ口はしないだろうと確信を持っていた。
「しょうがねえな。比企谷、俺と戦え。勝てたら教えてやるよ。
お前もそのつもりでこんなとこに呼び出したんだろ」
弧月を抜き、切っ先を俺に向けてくる。
やはりそうきたか。しかも弧月。スナイパーの訓練じゃなくてガチなんすね。
「はあ、わかりました。じゃあお相手しますよ。」
俺は右手にトリオンを集め、黒い弧月を作り出す。
「てめえ、俺と弧月でやり合おうってのか?」
「荒船さんのアタッカー最後の試合と思って花を添えようかと」
「ぬかせっ!」
そう叫んだ瞬間に荒船さんは俺の目の前にいた。いつの間にか逆手持ちになった弧月で俺の腹を斬りつけてくる。
俺の瞬発力では対応できず、シールドがオートで発動する。
ガキイィィン。
弧月とシールドのぶつかり合う音が響く。その間に俺は荒船さん目掛け弧月を振り下ろすが、シールドから滑らすようにして俺の弧月を受け止める。
互いに動きが止まる。
荒船さんがニヤリと笑った。
この距離でアイビスだと!?
右手にアイビスを出し、俺のシールドに零距離で撃ち込んでくる。
途端に爆発が起きる。うおっ!シールドに罅が!
一端距離を取り、荒船さんを見ると右手が吹き飛んでいた。
アイビスで暴発させるなんて無茶を。
「ちいっ、零距離アイビスでもぶち抜けないか」
「いやいや俺のシールドに罅入れたんすから。荒船さんアイビス使うんですか?」
膨大なトリオン任せの俺のシールドを普通に抜けるのは、平塚先生くらいなものだ。
A級連中には結構、罅入れられてるがな。
「普段はイーグレットだがお前には威力不足だろ。
ってかお前なんだそのざまは。反応も悪いし、身体は動いてねえし近接クソか」
「まあ、俺アタッカー向いてないんじゃないすかね」
ぐっ・・・・・・確かにその通りだ。俺は基本的に中距離でしか戦わない。
ブラックトリガーの能力的に近接戦闘をする機会はほとんどない。
近づかれてもシールドがあるし、その前にだいたい片がつくからだ。
平塚先生にも訓練はしてもらってるが、正直ガンナーやスナイパーより適正はないと思う。
そもそも人前に出るのが苦手な俺が前に出て戦うなんて無理だ。
そんなことを考えていると荒船さんがおもむろに後ろを向いて話し出した。
「比企谷、俺はスナイパーでマスタークラス取れたら、次はガンナーでマスター取って木崎さんのようなパーフェクトオールラウンダーになるつもりだ」
「パーフェクトオールラウンダー・・・・・・」
アタッカー、ガンナー、スナイパーすべてを極めた者をそう呼ぶらしい。
玉狛の木崎レイジさんはボーダー唯一のパーフェクトオールラウンダーって確か宇佐美が言ってた。
あと落ち着いた筋肉とも。いやこれは関係ないか。
木崎さんって平塚先生の弟子ってイメージが強いんだよな。
シェルブリットを真似てレイガスト握って殴ってたし。
「そしてそれを理論で一般化してパーフェクトオールラウンダーを量産化するのが俺の目標だ。」
そういや平塚先生に理論とか教わったっけ? 身体で覚えろとか言って1日中タコ殴りにされた気はするけど。
八幡わかんない。脳内の疑問を消して荒船さんに尋ねる。
「つまり村上先輩の件が原因ではなく、元々アタッカー辞めるつもりだったんすね?」
「そうだ。鋼の考えすぎなんだよ。たまたまだ」
「なんでそれを村上先輩に言わないんすか。あんたら仲良いんでしょ」
「別に話すようなことじゃねえだろ。ポイント抜かれて悔しかったのはマジだからな。負け惜しみみたいで嫌だ。それに安心しろ。今頃、来馬さんが伝えてるだろうよ。
今日わざわざ本部まで来て理由を聞きに来たから、今の話を伝えた」
「まじっすか?! さすが来馬さん・・・・・・」
えー、じゃあ俺はいったいなんのためにこんなことを・・・・・・
ってか来馬さんの優しさがやばい。天使かよ。
「とんだ無駄足だったな比企谷。だがお前が近接が苦手なのはわかった。
ボーダーに入れば俺の理論でアタッカーのマスター取れるように鍛えてやるよ。
どうだ?」
「いやいやボーダー入るとかありえないですから。
それに俺が入ったら全員から袋叩きでしょ。生憎と俺は自殺志願者じゃないんで」
「ああ? 今のボーダーでお前を恨んでる奴なんかほとんどいねえよ。
C級だとお前を怖がってる奴がほとんどだがな。
ボーダーじゃなくてもネイバーを撃退っていう目的は同じだろ?
なら俺は構わねえと思うぜ?」
荒船さん・・・・・・あんたも良い人だよ。ボーダーじゃなかったら友達になれたかもな。
ん?
「そういえばなんでC級が俺を怖がってるんすか?ほぼ俺のこと知らないでしょ?」
「そりゃあC級が防衛任務で気抜かないように噂を流したんだよ。
警戒区域にはネイバーやボーダーを襲うゾンビが出没するってな。
そんでもってたまにお前がボーダーの奴返り討ちにするだろ。
噂が本当になったってC級の連中びびってたぜ。あんときは諏訪さんや米屋たちと大笑いしたぜ」
かっかっかと大口を開けて笑い出す荒船さん。
やっぱり変な噂流してたのあんたたちかよ。荒船さんと友達になれたらとか思ってた自分が恥ずかしい。
帰ったらベッド直行もんだ。
「・・・・・・荒船さん」
「んお? お、おい比企谷・・・・・・?」
俺の異変に気づいたのだろう。だがもう遅い。
「今日はありがとうございまし・・・・・・た!!」
荒船さんを黒いトリオンで包み一気に吸収する。
「なっ、てめ―――」
『戦闘体活動限界 ベイルアウト』
本部の方角に飛ばされていく荒船さんを見つめる。
「やっぱりボーダーは嫌いだ」
家に帰った俺は小町へのただいまもそこそこにベッドに直行しようとスマホをポケットから取り出して画面を見る。
不在着信15件
・・・・・・こんなに電話かけてくんの平塚先生しかいない。
正直かけ直したくない。そう思いながら発信者を見る。
村上鋼
ぶっ!!こえええ。ほんとにメンヘラになっちゃったの?
村上先輩は平塚先生なの? 性別が違うだけで同じなの?
・・・・・・あまりのことでプチパニックだったがよく考えたら
今日の相談の件だろう。問題解決したなら俺の仕事も終わりだ。
そう考えていると16回目の着信がきた。
プルルル・・・・・・ガチャッ。
「あ、村上先輩すか? 解決したみたいですね」
『比企谷・・・・・・俺の独り相撲に巻き込んで済まなかったな。』
「いや、鈴鳴にはいつも見逃してもらってるんで別に・・・・・・」
『来馬さんや荒船に言われたよ。俺は俺なりのやり方で強くなっていい。
他人の努力を盗んでるなんて調子こいたことは、太刀川さん達や比企谷に勝ち越してから言え。ってな』
きっと彼らの関係は学校のリア充共とは違う。お互いが理解しようともがき、お互いの為に行動する。
些細なすれ違いはあるが欺瞞のない関係。
そんな彼らの居場所がボーダーなのだろう。
たとえ俺がボーダーに入ったとしてもそんな関係は築けない。
『それにさっき聞いたが、俺の為に荒船と戦ったそうだな。
次、会ったらぶった切るって言ってたぞ』
「まあ、完全に無駄でしたけどね。あの人、スナイパーになる気あるんすかね」
『俺はまた戦えて嬉しいぞ。だが、比企谷にも感謝してるんだ。ありがとう』
村上先輩との通話を終えて、俺はベットに転がり、天井を見上げている。
ありがとうか・・・・・・久しぶりに言われた気がするな。
手で目の辺りを拭う。くそ、何で涙が出るんだ。
でも・・・・・・。
村上先輩との最後のやりとりを思い出す。
「そういやサイドエフェクトって俺にもあるんすかね? 自慢じゃないですけどトリオン量なら誰にも負けないと思うんですけど」
『・・・・・・確証はないが、たぶん持ってると思う。お前と何回か戦ったが俺のサイドエフェクトが機能してないと感じる時がある』
「機能してない? 俺の動きに対応できないってことですか?」
『いや、お前はワンパターンだからサイドエフェクトなくても対応は簡単だ』
「じゃあわかんないじゃないですか」
『だから確証はない。だが他の奴と戦った時とも感覚が違う。それに宇佐美に聞いたが、俺はお前とは戦うより先に学校で会っているらしい。確かにお前は影が薄いが一度見た顔を俺は忘れない。』
「つまり、俺が認知されにくくなる能力かサイドエフェクト自体を無効にする能力ってことっすか」
もう涙は止まっている。
平塚先生に聞いてみるか。だが情報の出処を探られると困る。
欠伸が出て、睡魔に襲われる。
今日は疲れた。また明日考えよう。
―――俺にはサイドエフェクトがあるのか。
比企谷八幡定時報告。
今日ははちま……比企谷の監視ができない。昼から防衛任務で学校は午前中だけだから。
なんかイライラが止まらなくて、単独でバムスターを全部倒しちゃった。麓郎がうるさいけど
バムスターくらいならいいでしょ。モールモッドだったらちゃんと連携したもん。
意外だったのは今日機嫌が悪そうな華が何も言わなかったこと。もちろんアタシだから
華が怒ってるって気付けたんだけど。アタシに怒ってる訳じゃないみたい。
明日は八幡に会えるかなー。