ジュエルがあれば何でもできる   作:羊毛ローブ

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主人公の名前のジェクトは白猫プロ"ジェクト"からとっています。



4猫「8個もあれば常識も変わる」

「ビームが撃てるのは特訓してきた成果です」

 

10回ぐらいカイルさんにこのセリフを言った。

言い訳するのがとてつもなく面倒臭いので正直にゲロったのだがあんまり納得してないらしく問い詰められた。

だってこれ以上の説明ができないしこの事に踏み込まれたとしても何を言えば良いんだ?

 

ビーム出来るんじゃね?と思ったらビーム出来ましたって言えって?

それこそ何者なんだって質問に戻るんじゃん。

なら特訓して出来たと言い張るしかないだろ?

 

「ビームは熟練した冒険家でないと使えない筈なんだがな……」

 

「え?そうなんですか?」

 

俺のイメージだと強い冒険者だったらポンポン使えるイメージだったんだけどな……

 

でも白猫は新しいキャラが登場するにつれて能力のインフレが直ぐに起きるゲームでもある。

 

半年も経たない内にその時点で最強と言われていたキャラも新しいキャラがそのポジションを奪ってしまう様なゲームだ。

だから初期はビームは熟練したキャラしか使えない設定だったのかも知れないな……

 

「才能って奴か?俺も飛行島を探すのに夢中で訓練をサボり気味だし鍛え直すか……」

 

そう言って自己完結したカイルさん。まぁコレ以上言及されても困るから丁度良いかな。

 

「そう言えばお前の名前を聞いてなかったな、なんて名前だ?」

 

「ジェクトって言います」

 

「ジェクトか……冒険家にピッタリな良い名前だな」

 

 

冒険者にピッタリの名前って何だ?

そんな会話をしながらも村へ向かって歩いて行くと途中で花畑を見てカイルさんが止まった。

 

「古代種の草や花が群生している?空気中のソウルが豊潤な証拠だな……コレは本当にアタリか?」

 

「古代種の草花が生えているのが珍しいんですか?」

 

「いや、一本や二本程度ならそこまで珍しくはないが、辺りを覆うように生えているとなると話が変わってくるな」

 

 

「へぇ……昔からの風景だから珍しいなんて知らなかったです、ソウルが濃いと何か変わるんですか?」

 

「ジェクトはソウルについてはあまり知らないのか?」

 

「魔物を倒すと貰えたりする位は知ってますけどそれぐらいですよ?」

 

だからソウルボードの解放も知らないんだけどな。

 

「なら説明しておこうか、ソウルは言うならば魔力の源のようなものだ」

 

 

「魔力の?」

 

 

「簡単に言えばだけどな。ソウルについては色々な研究がされていてまだ全部が解明された訳じゃないんだよ」

 

ソウルっててっきり魔物を倒さないと貰えない経験値だとばかり思ってたけどそうじゃないんだ……

 

「そのソウルが豊潤、つまり濃いと言う事は近くに何か魔力が濃くなる原因があるって事になる。特にこの古代種の草花は土の中のソウルもそうだが空気中のソウルが多くないと育たないし、飛行島にも群生していると文献に書かれていたんだ」

 

ほへぇ……やっぱりカイルさんって凄い人なんだな。草花についても詳しいとか只者じゃないって感じがするわ。

と言うか考古学者っぽい。

 

「なるほど、ならこの島に飛行島についての手掛かりがある可能性は高いって事ですね?」

 

「そう言う事だ」

 

 

カイルぺディアさんと呼びたくなる程にマジで凄いわ。

あ、そういえばソウルボードの解放について聞くのを忘れてた。

この際だし聞いておこう。

 

「そう言えばソウルボードの解放ってどうやるんですか?」

 

「……ビームを撃てるのに知らないのか?」

 

驚いてる様な怪しい奴を見る様な目でカイルさんは俺を見つめている。

 

「知らないですね……6色ルーンとソウルを使うって事は何となく分かるんですけどね」

 

「何でそう思ったんだ?」

 

「直感です」

 

凄いジト目で見られてる。でも実際ゲームと似たような世界だからそう思っても仕方なくね?

 

「……はぁ、分かったよ教えてやるよ俺としてもジェクトについては興味があるしな」

 

なんだか諦めた表情をしたカイルさん。コイツに聞いても無駄かな?的な雰囲気を醸し出しているのは何故?

 

「ソウルボードの解放についてだったな、ソウルボードの解放は6色のルーンと魔物を倒す事によって蓄積したソウルを使って自分の眠れる力を解放する事は知ってるんだな?」

 

それはゲームをやってたから知ってるんだけどさっき空気中にもソウルがあるとか言ってたし、それは使えないのかな?

 

「空気中のソウルじゃダメなんですか?」

 

「空気中や植物等に蓄えられているソウルはソウルボードの解放とは相性が悪いんだ。魔物を倒す事によってソウルを体内に取り込み易くするらしいぞ」

 

「なるほど……」

 

俺の中での認識での経験値と似たようなもんだってことで当たってるみたいだな。

 

「でだ6色ルーンは今持ってるか?」

 

「あ、はい持ってますよ」

 

自分の腰にぶら下げていたパンパンの6つの袋を取り出してカイルさんに中身のルーンを見せた。

 

「そんなに持ってるいるのか!?てっきりゴールドだと思ってたぞ?よく集めたなぁ……」

 

「まぁそれなりに頑張りましたからね……」

 

カイルさんが驚いていたがこの2年間の事を振り返ると当然だと言える。

殆ど毎日魔物倒してルーンを集めまくってたらそりゃこれぐらいにはなる。

 

言い忘れてたいたがルーンは入手した際は拳大以上の大きさはあるので意外と大きい。

 

しかしルーンは一度生身に触れると小さくなるという性質があるらしく容易に持ち歩きが可能なのだ。

ちなみにどれぐらい小さくなるかと言えばBB弾程の大きさになる。

それが腰にぶら下げて邪魔にならない程度の大きさ袋とは言えパンパンになる程集めていたら驚くのも無理はないのかな?

 

しかし残念なことにスタールーンは全く持っていない。

この辺じゃスタールーンを落とす敵はいないので集めようがなかった。

 

「ジェクトといると自分の常識が覆されそうだよ……」

 

 

常識なんて時代によって変化するんだから柔軟な対応も必要だろうと思ったりする。

 

というかこの世界の常識なんて分かる訳がない。だって憑依しちゃってるんだもの。

 

「それはそうとソウルボードの解放はどうするんですか?」

 

話が進展する気配を見せないので自分で言うとカイルさん怪訝そうな顔をしたが何かを悟った顔をして頷いた。

 

「うん、まあ追々その辺りの事は聞くとするか……自分の眠れる力を感じながらソウルボードを解放するという明確な意識を持って『ソウルボード』と言ってみろ」

 

「へ?何でそんな事を?」

 

「自分の眠れる力であるソウルボードを意識する為の手段だな。一度意識出来ると言わなくても出現するようになるが初めて意識する場合は言った方が認識できるんだよ」

 

「なるほど……」

 

確かに俺はソウルボードを出し方をあれこれ考えてるだけだった。

そりゃ眠れる力を解放しようと思ったりもしたけど「どうやるんだ?」って頭で思ってたら解放もできないって訳か……

よし、物は試しだ!

 

「『ソウルボード』!」

 

そう言ってみると8個のボードが俺の回りに出現した。

 

あれ?

ゲームやってた時はソウルボードって1キャラに付き1つで自分の眠れる力が99個だけだったと思うんだけどな?

ソウルボードが8個でそれぞれ穴が99個あるっぽいな……

うーん、確かに神気解放とかでソウルボードを2周できるとかあるけど99個の自分の眠れる力を埋めてからじゃないと出現しない筈だから関係ない筈だし……

 

「よしソウルボードが出てきたみたいだな」

 

 

うん?カイルさんが何も言わないって事は別におかしい事じゃないのか?

 

「あの……どれから解放させれば良いんですかね?」

 

「うん?自分の手持ちのルーンとソウルに相談だろうな」

 

 

あれ?話が噛み合ってないような気がするんだけど?

 

「いや、俺のソウルボード見えませんか?」

 

「うん?あぁなるほど、ソウルボードは他人には見えないさ」

 

「えぇ!?」

 

「自分の眠れる力だぞ?そりゃ他人から見える訳がないだろう。ただ他人にも見せて良いって念じればその相手だけ視認する事が可能だな」

 

すげぇなソウルボード、そんな便利機能付きなのか。

 

「分かりました。じゃあ見せても良いですか?」

 

「確かに初めてソウルボード解放したらどこから解放すれば良いか悩むもんだしな、よし見せてくれ」

 

そう言って俺は8個あるソウルボードをカイルさんに見せた。

 

「はぁあぁあああああああああ!?」

 

キャラ崩壊じゃね?

そう思える位に大きな声で驚いていた。

近くにいた星たぬきもビックリしてひっくり返っていたり、鳥も凄い勢いで飛んで行ったり、俺が耳を塞ぐのを間に合わず耳がキーンとする位には声が大きかった。

 

「うるさいんですけど……ここ村に近いんであんまり大きな声挙げられるとご近所さんから俺が怒られるんでボリューム下げて貰えませんか?」

 

ご近所さんの噂程、精神的に来るものはないんだから勘弁して欲しい限りである。

あー、もう何か村外れにいた奥さん方がヒソヒソ話してるし……

 

「いやいやいやいや、確かに2つや3つソウルボードを持っている者もいると聞くには聞くが……」

 

「そうなんですか?」

 

「ソウルボードは自分の眠れる力だと言っただろ?つまり1つだけとは限らない、限らないんだが……」

 

驚く程珍しいケースって訳か?

 

「2つあれば膨大な力を得られ、3つあれば歴史に名を刻むと呼ばれるソウルボードが8つもあるなんて……お前は本当に何者なんだ?」

 

え?ソウルボード8個あるってそんなに凄い事だったの?

でもそんなの知る機会なんてなかったから仕方なくね?

 

「そんな事言われても困りますけどね……今日初めて自分のソウルボード見ましたもん」

 

「この空気中の豊潤なソウルが身体に作用したのか?いや、そう考えたとしても……」

 

とブツブツと一人言を言ってるカイルさん。

知識があるって事は逆に非常識な存在が現れると自分の納得する理由を知識に当てはめたがるって事なんだね。

 

とりあえずスタールーンが必要なとこ以外は全部解放しておいておこう。




呪槍が実装されましたね
いつか呪武器シリーズのネタも書いてみたいですね……
若干やり過ぎた感じはしますが主人公だから許されるだろう(震え声)

次回からタイトルの意味が分かる様なお話になります。
出来るだけ面白可笑しく書きたいと思いますので次回もお暇な時に読んで頂ければ幸いです。
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