メギドラオンでございます   作:眠魚

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第一話

日本、某所、ある神社にて―――

 

 

今はもう神主や参拝客も居なくなり荒れ放題な神社で奇妙な歌声が響く。

 

 

「ベルベルベ~ル、ベルべット♪わ~が~あ~るじ、長い鼻♪」

 

 

その歌はある女性から発せられていた。

青い帽子、銀色でショートボブに揃えた髪、そしてエレベーターガールのような青い服を着た女性。

そんなあまり神社に似つかわしくない人物が何の目的からか唄いながら長い階段を上って境内に入ったかと思うと真っ直ぐに社へと向かっていく。

 

 

「神社……ですか。……昔あの方に連れられて来た以来ですね」

 

 

賽銭箱の前までやって来たミステリアスな雰囲気を持つ女性はそう呟く。その顔は何か大切な思い出を思い出しているようであった。

どうやら彼女は神社に来ることがこれで初めてという訳では無いらしい。

 

ふと、おもむろに彼女ががま口財布を取り出す。

それは一体いくらの硬貨が入っているのだろうか。はちきれんばかりにパンパンに膨らんで今にも破れそうなほどだった。

 

 

「神秘のエネルギー、ゴリヤク様。どうか此度の探索は成功しますように。いざ」

 

 

そして彼女はがま口をそのまま賽銭箱に向けたかと思うと賽銭箱を揺るがすほどの大量の500円硬貨を投入し始めた。

どう見ても財布の中に入りきらない量の硬貨がみるみる内に賽銭箱に吸い込まれていく。見るからに数千枚はあろうかといった所か。軽く100万円の価値はありそうなそれを彼女は戸惑い無く奉納した。

賽銭をし終わった後の彼女の顔は何処か満足気であった。

 

 

「これぐらいでいいでしょう。500円硬貨2000枚しめて100万円。これで私の運気もイケイケドンドンになることでしょう」

 

 

彼女の言動を聞いていると、どうも世間知らずなのか常識はずれな考えをしている様子が見て取れた。イケイケドンドンって……。

そんな無表情ながらもエキセントリックな発言を飛ばす彼女だったが、賽銭を納め終わって暫くした後、思い出したかの様に一変して真面目な空気を纏い始めた。

 

 

「さてゲン担ぎはこのぐらいに。……こちらの世界では見つけられませんでしたが……私、諦めが悪いのです。試してみる価値はあるでしょう」

 

 

 

彼女は懐からこれまた青い高級そうな分厚い本を取り出すとおもむろに開き、中からカード(・・・)のようなものを取り出した。

 

 

「デッキオープン。ペルソナカード『タナトス』」

 

 

高らかに宣言する声が聴こえる。

そこに先ほどまで変な歌を歌い奇行に走るミステリアス美女の姿は無い。

決意を決めた女の顔と、いつから居たのかそれに寄り添うようにして見える黒い死神(・・・・)の姿があるだけだった。

 

 

「鬼が出るか蛇がでるか。異形の者ども蔓延る『理想郷』。いかほどのものか、私今から楽しみでございます」

 

 

ブレイブザッパー。

 

 

瞬間何もないはずだった神社の景色が何者かに斬られたかの様に歪みだした。

彼女は別段気にすることも無く堂々とその空間に向かって歩き出す。

 

その空間の向こうにはこちらの神社とは違い古ぼけてはいるが手入れがされているもう一つの神社が見えた。

 

それが視認できた後も彼女は止まらない。ついにはその境目を越え、空間の裂け目は閉じる。

 

 

 

『力を管理する者』、地上最凶のエレベーターガールが最後の秘境『幻想郷』へと姿を消した瞬間だった。

 

 




エリザベスの口調が思ったよりも難しい。


所持ペルソナ。


ジャックフロスト、ピクシー、アリス、スルト、ウリエル、トール、クーフーリン、メタトロン、ネビロス、マサカドあとタナトス。
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