錬金術の力を手に入れた少年が行く異世界物語~ハイスクールD×D~ 作:AKATUKI,N
教会の地下へと歩いていくと凄い殺気がしてきたので思わず顔を顰めてしまう。おそらく祐斗が言っていた通りかなりの数の神父がいるのであろう。
クロエはこういう場になれているのか顔色一つ変えずに歩いていく。特に緊張もしていないみたいだ。
薄暗い階段を下りた先には沢山の神父がいて、黒い羽が生えたちょっと危ない女の人が十字架の前にいた。おそらくこの人?が堕天使なのだろう。次に十字架を見ると人がはりつけにされていた。まるでこれから処刑される人のように・・・
「アーシア!」
どうやらあの人がイッセーが助けたい人らしい。だったら早めに助けた方がいいよね。だけどそれにはまずこの神父と堕天使たちをどうにかいた方がいいか・・・
「あら?ようやく来たのね悪魔さんたち・・・だけど遅かったわね。もう儀式は終わりを迎えようとしているわ」
儀式?それはいったい・・・と考えようとすると突然その人の口からものすごい悲鳴があげられた。そしてアーシアの胸のあたりから淡い緑色の光が出てきた。あれはいったい・・・
「まさか、彼女の神器を抜き取ろうとしているのか」
「神器を抜きとる!?それじゃアーシアは!」
「間違いなく死ぬだろうね」
神器を抜き取られた人間は死ぬ。その言葉を聞いて何故だか思考がクリアになった。
この数の不利を打ち砕くにはかなりの人数もしくは力がいる。数はこれ以上増やせないのなら力をさらに上げればいい・・・
錬金術で物を無から有へと生成できるのなら、有から無へと変えることもできる。つまりこの力はかなりの応用が利くのだ。
だったら物も強化できるよね。僕は僕自身を物と例えてぶっつけ本番で強化を実行した。結果から言えば成功したのだが、かなりの激痛がはしった。
どんなことを強化したのかと言うと、僕が考えつく限りの強化をしたのだ。例えば脚力を上げて速さをさらに上げる。そうすると体がついてこれなくなる可能性があるので動体視力や耐久力を上げて加速に耐えられるようにする。そして速度が出ている状態で剣を振れるように腕力も上げる。連想ゲームみたいな感じで強化をした。
強化が終わると僕の体には青い線みたいなものが沢山浮かび上がっていた。
そしてイッセーが敵の集団へと走り出した。
「悪魔め!」
神父達もイッセーに向かって剣を振り下ろすが神器で弾いて応戦していくが、後ろから神父が斬りおろしてくる。それを木場が受け止めたのでイッセーにその刃は届かなかった。
「クロエ、僕たちも行くよ!」
「はい!」
クロエと同じくらいの速度で突っ込みイッセーのための道を切り開いていく。縦横無尽に動く。まるでとある無双ゲームのように・・・
敵はこちらの方が危険と判断したのかこちらにかなりの数が向かってきたが、木場と小猫がそれを止める。
「行かせません/ないよ」
しばらくすると、イッセーがアーシアを抱きかかえて、階段を飛びおりてきたのでそこに神父が群がろうとする。そこはクロエが駆けつけた。
「早く逃げて下さい。私でもこの数を相手に二人を守りながら戦うというのは無理です!」
「早く行ってください」
「でも・・・」
「兵藤君!」
「ここは僕たちに任せても大丈夫だから、さっさと行って!」
「みんな・・・ありがとう」
イッセーは階段にアーシアを気遣いながら走って行った。
するとすぐに堕天使がイッセーを追いに行こうとするが木場と僕が時間稼ぎをする。その間にクロエと小猫が残りの神父を片づけていた。
「邪魔よ。下級悪魔ごときがっ!」
木場は何故か手加減をしているような感じがする。何故だ?僕の力を見るため?それとも・・・
「私相手に考え事とは余裕ね!」
「事実余裕だからね。逆に聞くけど僕はまだ本気で挑むと思ってるの?」
「何!?がっ!」
堕天使を思いっきり蹴り飛ばす。おそらく内蔵のいくつかは逝ってるだろう。
「よくもやってくれたわね・・・」
ふっ飛ばしたところで木場が近づいてきて耳打ちをしてきた。
「やられたふりをして兵藤君の所へ行かせよう。兵藤君の神器の覚醒のためにもね」
「え?わかった」
何故こう話している間に攻撃してこないかと思ったのだがどうやら治療をしているようだ。さっき奪った神器を使って・・・なんか頭のどこかでぷっつんときてしまいそうだ。
その後はわざと光の槍を剣で受けて思いっきり後方に飛んだのはいいのだが、壁にぶつかったので壁が陥没するほどの勢いだったので、かなり背中が痛かった・・・ちなみにクロエには念話みたいなもので伝えてある。
しばらくたつと静かになったので起き上がると木場と小猫、クロエも起き上がってきていたところだった。そして魔法陣が現れ部長と姫島先輩が転移してきた。
「オーバーリアクション過ぎです。駿先輩」
「確かにあれはだれでも違和感を覚えるよ」
そんなにだったかな?
「駿、錬金術で体を強化したのですか?」
「え?うん、そうだけど」
「そうですか・・・とりあえずそれを解いてみてはどうですか?」
「わかった」
とは言ったもののどうやって解くのだろうかこれ?とりあえず元の身体能力にそれぞれを元に戻していく。イメージ的にはスイッチだね。
「どうやらうまくできたようですね。うまく錬金術を扱えていない人はそれを解くことすらできないですから」
「そうなの!?」
よかった~もし解けなかったら一生あの青い線が入ったままだったのか・・・
「話は終わりましたか?上へ行きましょう」
「そうだね、そろそろあっちも終わっている頃合いだろうし」
と言うことで僕たちは上に上がって行った。
階段を上って一番最初に目に入ってきた光景はイッセーが堕天使を殴り飛ばしているところだった。
「ざまぁ、見ろ」
凄いな・・・と思っていると急にイッセーの体がふらついた。どうやら両足を何かで貫かれて傷を負っているようだった。助けなきゃと思ったが木場が動いていたので僕は動こうとしなかった。
周りを見ると一緒に上がってきていたはずの小猫がいなかった。どこへ行ったのだろうと考えていると部長たちがしたからやってきた。
「クロエ、戻っていいよ」
「いえ、今日はこのまま実体したままでいます」
「わかった」
そして教会の扉が開くと小猫が先ほどイッセーが吹き飛ばした堕天使を引きずってきていた。
「部長、持ってきました」
部長の足元に放り投げると
「初めまして堕天使レイナーレ。私はグレモリー公爵家の次期頭首よ。短い間でしょうけどお見知りおきを」
「グレモリー一族の娘か・・・!」
「それから、訪ねてきたあなたのお友達は消し飛ばしておいたわ」
そういうと黒いまるで烏の羽のようなものを落とす。それよりも消し飛ばすとはどういうことだ?
「消し飛ばす?」
「部長は紅髪の滅殺姫と呼ばれているんだ」
「滅殺・・・俺そんなすごい人の眷属になったのか」
確かにすごいね。滅殺って・・・
「イッセー君助けて!」
気が付いたら堕天使レイナーレの姿が変わり一般的な少女の姿になっていた。確かイッセーの元カノだったって聞いたことがあるけど・・・こいつかなりの屑だな!と言うことでものすごい冷めた目で見ておこう。
イッセーは肩を震わせていた。それは怒りからなのか、悲しみからなのか僕に知る由はない。
「お前・・・どこまで・・・・・・部長、頼みます」
部長は手に赤い魔力のようなものを出した。
「よくも私の下僕を誑かしてくれたわね。消えなさい」
そして赤い魔力がレイナーレに向かっていき跡形もなく消し飛びその場には黒い羽がひらひらと沢山舞っていた。
「これで、終わり・・・かな・・・」
突如僕の意識は暗転した。
ちょっとここまで強引感が強かった気がしてきたぞ?