魔法科高校の風祝   作:こそ泥

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タイトルってつけるの難しいですね


実際にテンプレされるとイラッとくる

 八月一日、ついに九校戦の時期を迎えバスで会場に向かおうとする第一高校の面々。そんな時に()()の生徒が集合時間になっても現れず達也、摩利、雫の三人はバスの外でその生徒たちを待っていた

 

「それにしてもまだ来ないのか?」

「さっき連絡があってもうすぐ着くそうです」

「はあ、まったく。こんな時に遅刻するなんてな」

「それについては申し訳なく思ってます」

「別に北山が悪いわけではないだろう?遅刻した人の問題だ」

「そう言ってもらえると助かります」

「ああ、家の用事なら仕方ないと思うが寝坊なら話は別だ」

 

 そんな話をしていると一人の女性がバス乗り場に小走りでやってくる

 

「ごめんなさ~い」

「真由美、遅いぞ」

 

 白いサマードレスに身を包んだ真由美に摩利はそう言うとバスの中に入っていく。一方で真由美は外で自分を待ってくれていた二人に話かける

 

「ごめんなさい。暑い中わざわざ待ってくれたのでしょう?」

「いえ、まだ朝の内ですしこの程度であればなんともありません」

「このぐらいなら大丈夫です」

「……ところで、二人はまだバスに入らないの?」

 

 二人はいまだにその場から動こうとせず、雫はうんざりした顔で、達也はいつもどおり感情を悟らせない顔で暑い日差しの中(雫は日陰)立っており真由美の疑問は仕方のないものだった

 

「まだ全員揃ったわけではありませんので」

「?まだ着いてない生徒がいるの?」

 

 ちなみに、現在は集合時間から一時間三十分ほど経過している

 

「先ほど、そろそろ到着するという連絡が来ました」

「真由美さんが到着するまでならば待とうという話になりまして」

「なんで北山さんも外で待ってるのかと思ったけどもしかして…」

「お察しの通りだと思いますよ」

「――遅刻遅刻ー!」

 

 達也が指を指した先には一学期だけでも様々な事件を巻き起こした人間が走って近づいてきていた

 

(なぜあいつはパンを咥えながら走っているんだ?)

「いっけなーい、遅れちゃった♪」

「…早苗、ちょっと話がある」

「……試合前なんだから程ほどにね?」

 

 達也が疑問を感じる中、一身上の都合(寝坊)により遅れてきた早苗の一言は雫の堪忍袋の尾を一刀両断したようで圧倒的な威圧感を持った雫が早苗の手を引いてバスの裏に連れ込む。その威圧感は真由美すらも圧倒していたが威圧されている当の本人は全く答えた様子も見せず少しだけ顔を赤らめながら連れて行かれる

 

 

 

 え、何ですか?いいからこっちに来る。無理やり裏に連れ込むなんてもぉ、雫ったらだ・い・た・ん!……!ピキッ!…ちょ、ちょっと雫さん?なんでCAD掴んで…って力込めすぎですよ!変な音を――早苗が――はい?早苗がもう少し真面目に来ると思っていた私がバカだった……!ちょ、魔法の個人的な使用は禁止…あ、ちょ、やめ、アッーー!

 

 

 

 試合前だというのにすでにボロボロになった早苗を引きずりながらバスに入ってきた雫はすでにバスの中で待っていた真由美と摩利の前に立つと頭を下げながら謝罪をする

 

「ごめんなさい。ただでさえ遅れてるのに時間を取らせてしまって」

「……いや、いい。次からは気をつけろよ?」

「摩利、いいの?」

「今回のことは早苗に問題がある。アレは怒られても仕方がない。反省させたようだしむしろ北山は褒められるべきだろう」

「遅刻した、ときの……伝統だ、って、聞いた…のに」ガクッ

(…伝統?)

 

 会場に向かう前から満身創痍となった一名を加えてようやく、バスが出発する

 

「早苗?さっきのはなんだったのかしら?」

 

 …その一名はバスの中に君臨した氷の女王と友人の説教でいつになくおとなしくなり、その溢れた冷気で夏のバス内にも関わらず、冷房をつけなくても涼しい快適(一名除く)な旅路になった

 

 

 

 

 

 二人による長時間の説教で精神的に消耗しバスの運転開始20分でバス酔いを起こした早苗が後部座席に寝かされるとほのかが看病のために後部座席まで行き、説教が終わり満足した雫と最愛の人(お兄様)と離れ離れになったストレスを同級生に対する説教で晴らし、明るくなった深雪の二人が残された。

もちろん、男子高校生がそんな二人(主に深雪)と話をしようと近くによるのは当然であり、上級生を含めた多くの男子生徒に話しかけられている深雪と雫を摩利が強制的に自分の後ろの席に座らせることで牽制し、ようやくバス内が静かになり皆が自分の思い思いに過ごしていた。そして、最愛の人(兄と許婚)が同じバスにいないからふてくされて外の景色を眺めていたからこそ深雪と摩利の隣にいた生徒(千代田花音)がソレに最初に気がついた

 

「危ない!」

 

 対向車線にある車が傾き、地面と接触して火花を散らしていた。しかし、それを見た一高生の持つ危機感は決して大きなものではない。対向車線との間にはガード壁があり、こちらまで事故の影響が及ぶことはないと考えていた。もちろん、それで問題はない

 

その車が偶然にもガード壁に乗り上げ、宙返りしながらこちらに向かって飛んでくるまでは、それでも良かっただろう

 

「んなっ!?」

 

 飛んできた車を避けようとバスに急ブレーキがかかる。飛んできた車はバスの前に落ち直撃は避けたが飛んできた車はバスの進路上に着地し炎を巻き上げながらバスに突っ込んでくる

 

「吹っ飛べ!」

「消えろ!」

「止まって!」

「バカ!止めろ!!」

 

 全員が焦って直撃を止めようと、あるいは炎を消そうと魔法を放つ。それに気づいた摩利が止めようと叫ぶが時すでに遅く、一度に大勢が事象改変を起こそうとしたことで魔法式が相克を起こし全ての魔法の発動が阻害された

 

「十文字!」

 

 だからこそ、相克を起こした状態でも車を止められるであろう人物へと声をかける。しかし、彼の顔にはめったに見られない焦りが浮かんでおり、この状態を一人でどうにかすることは不可能であると如実に表していた

 

「私が火を!」

 

 そこに深雪が火を止めると宣言し十文字が車を止めようと障壁を展開する。一年生の魔法でどうにかなるのか?と摩利の中で疑問が生じたが、深雪の魔法の直前で相克を起こした魔法式が吹き飛ぶのを見てそれ以上の衝撃に襲われた。だが、克人の顔はいまだに車へと向けられている

 

 バスの目の前で止まった車。深雪の魔法で炎が抑えられ克人の魔法で動きが止まり前方がひしゃげた車の中から何かが立ち上った。否、立ち上り()()()

 

 本来、その()()()を感じることができたのは五人。だが、その中の真由美は事故の直前まで寝ていたことで周囲の状況を把握しきれておらず、摩利は自分の中に浮かんだ疑問で頭がいっぱい。ほかの生徒ではそのごくわずかなゆらぎを感じることはできず。だからこそ、その()()()を感じたのは克人と深雪、達也だけだった

 

三人がゆらぎを感じるのと同じタイミングでバスのと後ろの作業車輌から数人の生徒が合同で救助活動のためにその車に近づく。この時点で克人と深雪の意識は警戒のために事故で壊れた車両に向けられ他の生徒も事故現場に意識が向いている。だからこそ、それに気づくことができたのは達也だけだった

 後部座席でバス酔いにうなされていた早苗の背後、不活性化状態の霊子が、まるで見守るかのように浮かんでいたことに……

 

 

 

 

 

 その後、事故の事情聴取などで時間はかかったがそれ以上のアクシデントもなく一行は無事に会場入りを果たす。副会長の服部など数名が自らの至らなさを悔いている中で兄妹は先ほどの事故について話し合う

 

「――先ほどのアレは事故ではなかった、ということですか?」

「あの自動車の飛び方は不自然だった。調べてみたら案の定、魔法使用の痕跡があった」

 

 兄の持つ()()()()を使って事故当時の状況を完璧に把握し何があったのかを説明する

 

「私には感じられなかったのですが…」

「極小規模な魔法が3回だけだからね。専門の訓練を積んだ工作員だろう。使い捨てにするには惜しい腕だと思うが」

「使い捨て…ですか?」

「魔法が使用されたのは車をパンクさせる魔法、車体をスピンさせる魔法、ガード壁をジャンプ台変わりに飛ばせる魔法。いずれも車内から放たれている極小規模な魔法だ。あの時は俺も感じ取れなかったからね。並大抵の練度ではないことは確かだよ」

「卑劣な……!」

「それだけじゃない。SB魔法ですら高い練度でこなせるようだからこんな自爆攻撃以外にも利用法はあっただろうに」

「SB魔法ですか?」

「ああ、自爆攻撃の時には使われていた。おそらく自らに危害を加えたものたちへ害をもたらす類の一種の呪いとでも言うべきものだろう」

「まさか、あの時の!?」

 

 深雪の顔が青くなる。もしもあの時にそのようなものが仕掛けられているならば、何が起こるかわからない。そう考えたところで達也がフッ、と笑いながら答える

 

「いや、SB魔法に関しては失敗している。先輩方やお前に影響はないよ」

 

 自分の最も信頼する兄に心配ないと言われたことで深雪は落ち着きを取り戻す。だからこそ、相手の腕を思い直して疑問が浮かぶ

 

「失敗?あれ程の自爆攻撃を成功させるような相手がそんなミスを?」

「…ここからは俺の予測でしかないがそれでもいいか?」

「構いません。聞かせてください」

「さっきの事故の時、運転手が死んだ理由はSB魔法を()()()()ことが原因だと思う。深雪の冷却魔法も十文字先輩の障壁魔法も重傷を負う可能性はあっても人の命を奪うようなものではない。現に、障壁魔法にぶつかった時はまだ息があった。息があるからこそ、SB魔法を使うことができたんだろう。そのSB魔法に襲われて息の根を止められるとは思ってもいなかったようだけどね」

「ですが、誰がそんなことを?あのタイミングだと十文字先輩ですか?」

「十文字家は確かに障壁の魔法などを得意としているけど彼じゃない。それに、あの時そばにいたお前が気づかないはずないだろう?」

「では、いったい誰が…」

「――守矢神社に住むナニカ、だろう」

「――!!?まさか、いたのですか!?」

 

 ああ、と肯定すると驚きに目を見開いている深雪に達也は説明を続ける

 

「バスの中、早苗が後部座席に移ってから少しして早苗のすぐ近くに現れていた」

「でも、そんな、気配も何もなかったはず……」

「いくら優れた魔法師であろうとも不活性状態の霊子を見ることは集中していないと難しいだろう。それに、俺でも調べ直してようやく見つけることができたぐらいだ。あの時に気がつかなくても仕方がないよ」

「でも、さすがはお兄様です!ほかの人なら見つけることなどできなかったでしょう」

 

 ゴホン、と深雪を正気に戻してから達也は話を再開する

 

「事故の時、車の中にいた奴が呪符のようなものを握りこんでいた。それに霊子を流し込むのと同時にナニカが少しだけ活性化した。それでも、ほんのわずかしか反応が出なかったし()()()が強くてあの時はわからなかったけどね。そしてナニカが活性化した直後に相手の魔法がそのまま相手に襲いかかった。自決用の術式かとも思ったが相手の表情を見る限りではそれはないだろう。つまり、」

 

 そこで言葉を区切ると達也は深雪に対して言い切る

 

「ナニカというのはほんのわずかな力でも術式を改変しコントロールを奪う力がある、ということだ」

「ッ!?」

 

 達也から告げられた恐るべき事実。もしもそれが本当であればナニカというのはあらゆる術式が効かない可能性がある。実体を持たず攻撃するための手段は魔法のみ。にも関わらずその術式ですらコントロールを奪うことができる。まさしく、

 

「神、と名乗るだけの力はあるんだろうね」

「そんな相手に早苗は…!」

「だが、今回のことでわかったことも多少ある」

「ナニカは早苗の事を大事にしていること、ですか?」

「ああ、もしもナニカを相手にするのであればそこを上手く突く必要があるだろう」

(だが、わからないのは何故事故の起こる前から早苗のそばにいたのか、という点だ。もしもナニカが未来視のような力を持っていたとすれば相当厄介な存在だな)

 

 その頃、早苗は雫のご機嫌を取ろうと雫の分の荷物を運ぼうとしてどの部屋が雫の泊まる部屋かわからず聞きに戻ろうとして道に迷い、逆に雫のストレスを溜めていた

 

 

 

 

 

 

「神奈子―、聞いてよ!今時、呪いなんてやろうとしてるやつがいたんだよ!」

「へえ、随分と昔のものを持ってきたね」

「ちょうど私がいたせいで逆に祟られてたけどね」

「ああ、祟り神がいるのに祟ろうとしたらそりゃあなあ」

「ドンマイ、としか言い様がないよね。使おうとしてたのがミシャグジ様だったし。運悪すぎ」

「……そういえば、早苗の様子はどうだった?」

「ただのバス酔いみたいだよ?…やっぱり心配だったんだ?」

「ち、違!べ、別に大丈夫だって思ってたし!!」

「ふ~ん、前回のことがあってめちゃくちゃ心配してたくせに」

「………そりゃあ、心配にもなるさ。諏訪子だって心配だったから見に行ったんだろう?」

「…まあ、ね。こっちから様子を覗けるし早苗から話も聞けるけどそれでも、心配にはなるよ」

「向こうにも活動できる拠点があればいいんだけどね」

「………拠点?、…移動、…分社?」

「おい、諏訪子?」

「…それなら、…媒介、…御柱?」ブツブツ

「お~~い」

 

 何かひらめいた諏訪子と取り残される神奈子。いったい何をしでかすのかは誰も知らない

 

 

 

 




誰も知らない(作者も知らない)

いやぁ、自分が書くとなんでここまでシリアスとコメディがカオスになるんですかね?

誤字脱字ありましたらよろしくお願いします
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