正直いつまで続けるかわからないけど気がむいて時間があったら続き書きます(書くとは言ってない)
守矢発入学式前
「それでは、神奈子様、諏訪子様。行ってきますね」
「ああ、いっぱい勉強していい思い出を作っておいで」
「と言っても、早苗なら大丈夫だと思うけどねー」
日本という島国の中のとある神社の境内ではそのような会話がなされていた。
緑の髪を持つ巫女服のようなものを着た早苗と呼ばれた少女を紫の髪をして注連縄を輪にしたものを背に背負う美女と黄色い髪を持つ頂点に目がついた凸型の帽子をかぶった美少女が送り出しているようだ。
「でも、まさか早苗が第一高校に行くとは思ってもみなかったよ」
「ホントだよ!行くとしたら第三か第四だと思ったのによく東京の第一に行くことにしたね?」
現在、彼女たちが話し合っている場所は長野にある守矢神社でありそこから遠く離れた東京の第一高校に進学することに決めた早苗と呼ばれた少女に未だに疑問を覚えているようだ。
「?でも、諏訪子様が言ったんじゃないですか?」
「へ?私??」
「はい。去年の秋頃にどういった人なら信仰を簡単に得られるかって話をしてた時に諏訪子様が「第一校の二科生なんてすごく楽にいけそうだよね!」って」
満面の笑みでその話をする早苗とは対称的にその話を聞いた紫の髪の女性、八坂神奈子と金髪の少女、洩矢諏訪子の二人の顔から血の気が引き青くなった顔からはダラダラと汗が噴き出す。
「どうしよう、そんな会話した記憶ないんだけど」
「私だって覚えてるわけないじゃん!……でも確かに早苗が勉強を必死に始めていきなり第一高校に行くって言いだしたのも確かに去年の秋ぐらいだったかも」
「?」
ヒソヒソと突然に内緒話を始めた二人を早苗は笑顔で見つめている。そんな様子にも気づく素振りも見せずに神奈子と諏訪子の会話はヒートアップしていく。
「諏訪子!なんでそんなこと言っちゃったの!早苗にはいつも私たちのせいで迷惑かけてるから高校ぐらいは好きに選ばせて自由に過ごさせたいって言ったじゃないか!」
「そんなこと言ったら神奈子だって「ついに早苗にもやりたいことが……!」って感激して昨日泣いてたじゃないか!そもそも最初から疑問に思わなかったんだから同罪だよ!」
突然だが、この神奈子と諏訪子の二人は人間ではない。この二人。否、二柱は守矢神社で祀らわれている神である。世間一般では魔法が世の中に浸透する前から神の存在は迷信だと思われてきたが過去には何百もの神がこの世に存在していた。神が生きるためには人々からの信仰が必要なのだが過去の人間は神のその圧倒的な力に恐れをなし少しずつ神のもとを去りついには霊感の高い一部の人間以外には見ることすらできない存在になってしまった。
そんな時代に先祖返りのように生まれたのが東風谷早苗である。その強い霊力は何十年もの間声を聞くことのできる人間がいなかった二柱の声を聞き、姿を見、さらには触ることすらもできるほどであった。
このことに二人は大喜びし本当の親と変わらない程の愛情を注いだ。早苗が小学生の頃に両親が事故に遭い亡くなってしまってからはさらに愛情を注ぎ一時期は早苗の視界には常にどちらかがいるほどだった。
しかし、中学一年生の早苗が学校から泣いて帰ってから一変した。
「二人のことをクラスの人に話したら馬鹿にされた。」「そのことで口論になり喧嘩した。」早苗はそう話した。
早苗と関わりすぎたことで逆に早苗が周囲の人間から孤立している。
そう考えた二柱は早苗に「私たちのことは忘れて他の子達と遊ぶようにしなさい」「自分たちにはもう関わらなくていい」と言ったがコレに早苗が大号泣。「私は絶対にお二人から離れません!」と言い切り前言撤回するまで学校をボイコットまでした。
そんな事件があり「早苗が離れたくなったら、いつでも自分たちから離れていいんだよ?」なんて言い続けてその度に「絶対に嫌です!」なんて会話を続けていた時に早苗が第一高校に行きたいと言い始めた。
このことに二柱は嬉しいような悲しような気持ちを覚えながら「早苗が決めたことだ、応援しよう」と一応の納得をしたのだが……。
「さ、早苗?聞きたいんだけど第一高校に行きたい理由って私たちがその話をしたからってわけじゃないよね?」
「東京に出てみたいとか一人暮らしの経験をしたいとか十氏族を直に見てみたいとかそんな理由もあるよね?」
「まあ、確かにそういった理由がないとは言い切れませんね」
この言葉を聞いて二柱はホッとした様子を「ただ、一番の理由は布教です!」――見せられなかった。
「今、なんて言った?」
「布教です!諏訪の近くにあって布教しやすい第三とか第四高校よりも人が多く集まる第一高校の方がお得じゃないですか!……どうしたんですかお二人共?」
生気の消えた瞳で空を見上げる神々。自分たちの元から離れて独り立ちするのかと思って昨日の夜にしみじみと飲んだ酒が瞳からこぼれていく。
「あっ、もうこんな時間!それでは神奈子様、諏訪子様、行ってきます!!」
「アア、イッテラッシャイ。」
「キヲツケテイッテクルンダヨ。」
二柱に向かって笑顔を浮かべながら大きく手を振る早苗とは対象に守谷の神々はぎこちない笑顔だったという
「……諏訪子」
「……何さ神奈子?」
「私たち…どこで育て方間違えたのかなぁ?」
「……そんなの私だって教えて欲しいぐらいだよ」
そんな哀愁の漂う会話のあとに二柱が早苗との今までの生活を懐かしみながら早苗の部屋の壁にある写真を見ている際に早苗の制服が彼女の部屋からみつかりひと悶着あったそうな
司波達也は困惑していた
「どうでしょう?これを機にあなたも神奈子様と諏訪子様を崇めてみませんか?もちろん、暇なときだけでもいいんです。欲を言うと常にお二人を崇めるのが理想なんですが――」
(なぜ、この女生徒は自分にここまで熱心に宗教を勧めているんだ?)
十分以上にわたる宗教勧誘を受けながら司波達也は目の前にいる女性、東風谷早苗に疑問を抱いていた
時間は少しばかり遡る。新入生総代を務める妹と同じ時間に学校まで来た結果、開場の時間までかなり時間ができてしまい時間を潰そうと読書用にスクリーン型の端末を開こうとした時だ
――うわ、見ろよ二科生なのにもう来てるぜ
――補欠みたいなもんだろ?よくこんな早くから来れるな
会話からして一科生であろう数人がこちらを見ながら笑っているのが目の端に入る。手には荷物を持っていることから入学式の準備に追われた上級生であろう。
そこまでを判断したあとにいちいち反応を返すのも面倒なので読書に戻ろうとしたちょうどその時
「あなた達はなんてことを言っているのですか!だいたい、上級生が早くから来ている熱心な後輩に対して―――」
怒声が聞こえてきた
気になってチラとそちらの様子を見ているとこちらを笑っていたであろう二人組に対して緑色をした髪にカエルの髪留めをしてまとめた巫女服姿の女性が説教をしていた。
その剣幕に押されたのかそれとも巫女服を着てる怪しい人間に関わりたくないのか彼らはそそくさとその場をあとにしてしまい残されたのはやれることはやったとドヤ顔をしている少女と端末を開きながら不思議そうな顔をしてこちらを見つめている彼だけになってしまった。
「大丈夫ですか?ひどいことを言われていたようですが」
「いえ、お気遣い無く。開場の一時間も前から来ていたのは事実ですし」
「なら良かったです。私はここの新入生の東風谷早苗というんですがあなたのお名前はなんていうのでしょうか?」
「俺も同じく新入生の司波達也だ。よろしくな東風谷」
「こちらこそよろしくお願いします司波さん」
「妹が同じ学年だから達也でいいよ。それより、なんで巫女服を着ているんだ?」
「なら達也さんと呼ばせてもらいますね。この服ですか?実は制服を実家に忘れてしまいまして明日になれば届くのですが今日はこちらで参加させてもらえるように学校側に話を聞きに来たんですよ。ちなみに、私は巫女ではなく風祝ですのでこれは巫女服ではありませんね。実家から着てきたのがちょうどこれだったんです。」
「なら、早く行ったほうがいいんじゃないか?あまり悠長にしている時間もないだろう?」
達也がそう言うとそうですね、それではこれで。と言い残してさっさと走って校舎の中に消えてしまいまさしく風のような印象を受けた。
十分前後で手続きが終わったのか校舎の中から早苗が出てくる。そしてこちらの姿を確認すると目を輝かせながらこちらを見て走り寄ってきた。
「ところで達也さんは信仰している宗教はございますか?」
この時に司波達也はなぜ自分は場所を動かなかったのかと後悔したという。
――――――十数分後
「それでですね、神奈子様と諏訪子様を信仰すると今ならば守谷神社名物のお二人の写真集をプレゼントしましょう!」
既に二回は同じ文句を聞いたような気がする。最初はご利益があり信仰すれば古式魔法が使えるようになる、や現在の魔法よりも発動速度があがり事象改変の強度も上がるとそれらしいことを言っていたが時間が経つにつれ怪しい宗教勧誘のような天気が良くなる御柱の置物を勧めてきたり果てには信仰しないと呪われるとまで言い出してきた。どう対処するかを考えていると
「新入生ですか?開場の時間ですよ?」
「ありがとうございます。すぐにいきます」
「アッ、まだ話の途ちゅ――」
スッ、と未だに勧誘を続けようとしている東風谷を振り切るように立ち上がり声をかけてくれた人に内心で感謝しながらそちらを見ると少し自分より小柄な早苗と同じくらいの身長の女生徒がそこにはいた。
(一科生か…。)
あらあら、お邪魔だったかしら。とつぶやいている彼女の胸には一科生であることを示す八枚の花びらの紋章が存在した。この花びらの紋章をみて達也はふと東風谷はどちらなのかということを聞いていないことを思い出した。
「ところで、あなたはなぜ巫女服を着ているのですか?」
これは巫女服ではないんですけど、と言ってから彼女が制服を忘れたことを話すと
「ああ、あなたがあの東風谷さんですか、話は先生から伺っています。明日からはきちんと制服で来てくださいね?」
「あの?何かしましたっけ?」
「ええ、わざわざ長野から第一高校にしかも古式魔法使いの中でも数少ない飛行魔法が使える人がきたとなれば噂ぐらいは立ちますよ」
これを聞き達也は驚愕した。現在自分が進めている一般的な魔法師でも使える飛行魔法の開発のために術式やCAD(術式補助演算機)を改造しているのにCADを使わずとも空を飛べる人間が目の前にいたからだ
本人はいやぁ!などと言っているが飛行術式が使えるだけでも相当な分野での雇用が期待できる
と、そこまで考えたところで目の前にいる女性はなぜそのようなことを知っているのだろう、と思い訝しげに見つめるとその視線に気づいたのかハッとした顔で告げた
「申し遅れました。私はこの第一高校の生徒会長を務めている、七草真由美と言います。よろしくお願いしますね?」
「俺、いえ、自分は司波達也です」
「司波達也くん……あら、またどこかで聞いた名前ですね」
「えっ!達也さんも有名な人だったんですか?」
「いやいや、俺はそんな大それたことはしてないよ。せいぜい妹が新入生代表に選ばれたぐらいだ」
うわあ〜、すごいですねぇ、と言いながら感心する早苗を面白そうに見ながら真由美は面白そうな様子で早苗にバラす
「それだけではないんですよ?彼自身も入学試験の七教科平均が九割を越え魔法理論と魔法工学に至っては満点だったんですから!」
何故か自分のことのように胸をはりながら真由美が宣言すると早苗は目を光らせながら、「うわぁ、うわぁ!」としか言えなくなりとても感心しているのが簡単に見てわかった
(というか、そういうことをバラしてもいいものなのか?)
「それで、真由美さん」
「あら、どうしたのかしら?」
「私の点数ってどれくらいだったんですか?」
純粋な疑問だったのだろう興味深そうに早苗がそう尋ねると先程までの面白そうな表情がビキッ!と音を立てて固まったように見えた
「もしかして悪い点数でしたか?」
「いえ、その…なんというか独創的な回答が多くて少し先生方の間でも意見が別れてしまって……ほら、人によって魔法を使うときの感覚は違うし――」
「そ・れ・で!何点だったんですか?」
詰め寄られている生徒会長が必死でこちらに目で助けを求めているがこれ以上関わるとさらに面倒なことになると達也は判断した結果「自分はここで失礼します」と言うと二人をおいてさっさと開場してからある程度時間のたった講堂の中へと入っていった。
数分後、自分を置いて逃げた後輩に対する怒りを頬をふくらませて表現する生徒会長と自分の入学試験の点数を聞き絶望に顔を染めながらorzの体勢を取る新入生がいたとかいないとか
ちなみに、早苗さんが小学生の時に泣いていたのは喧嘩で泣かされたからではなく先生に喧嘩を注意された時にした説明で二柱の存在を信じてもらえなかったからで喧嘩自体は2対1だったが早苗さんの圧勝
入試では早苗さんは一般科目は高水準。しかし、魔法理論なんかは赤点。
Q、【魔法を使うのに必要なものは何か述べよ】に対しての回答が
模範解答 【
早苗の解答 【信仰心】
とかばかりなら点数も悪くなるって