魔法科高校の風祝   作:こそ泥

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なぜこうなった(笑)

雫ファンの方にはすみませんとあらかじめ言っておきます

 ご め ん な さ い


入学二日目、初めての奇跡

「……あれって昨日巫女服だった?」

「……まさか同じクラスだったとは」

(何やら噂されてる気がしますが何かありましたっけ?……まさか、入試の点数がバレているはずないですし……。)

 

昨日の格好が尾を引いているのか周囲から少し孤立していた

昨日のショッキングな出来事の後に行われた入学式も特に問題が起こらず昨日今住んでいる家(いつも我が儘を言わずに神社の掃除を手伝ってくれる早苗のためにとおばあちゃんが奮発して借りてくれた少し高めのマンションの一室)に帰ると無事に実家から送られてきていた第一高校の制服に身を包み登校した早苗だがやはり、昨日の一件はみんなの記憶に深く残っているようだった

 もっとも、本人は見当はずれの理由を考察しているところだったが

 

(いや、昨日あの話をした時にいた達也くん…でしたっけ?がバラした可能性が高いのではないでしょうか。まさか、生徒会長が人の成績を軽々しくばらすはずないですし…)

「あの、すみません」

(いや、でも昨日彼の成績をバラしたのは生徒会長ですし……!いや、そんな――)

「すみません!」

「うわっひゃい!な、なんでしょうか!?」

 

 突然聞こえた(聞こえてなかっただけ)声に驚きそちらに顔を向けるとこちらの声に驚いたのか目を丸く見開いた明るい茶色の髪をした大人しそうなカワイイ女子と小柄な黒いショートヘアの美人系の女子がこちらに向かって話しかけていた

 

「えっと、昨日巫女服で来てた方ですか?白と蒼い色をした……?」

「ええ、はい。昨日は確かにその格好で来てましたね」

「ほら、やっぱり!巫女服で来てた人はいたんだって!」

「……ほのか、話しかけておいてその反応は失礼」

「あっ!す、すみません勝手に盛り上がっちゃって。実は昨日の入学式であなたのことを見かけたんですけど「そんな格好でくる人なんていない」って雫が…」

「ほのか、私は見間違いじゃないの?としか言ってない。魔法科高校には色々な人が来るからそういった関連のある人じゃないの?って言っただけ」

「うそ!絶対言ったって――」

「ええと、別に気にしていないので大丈夫ですよ?私もまさか入学式前日になって制服を実家に忘れてることに気づくとは思ってませんでしたから」

 

 何やら途中で何度か脱線を仕掛けていたが話をまとめると茶髪の娘が私を見かけてそれを友達の黒いショートの娘に伝えたところ信じてもらえずそんな話をしている時に私を見つけてテンションが上がって話しかけてきたらしい。まあ、巫女服を着て入学式に出る生徒が珍しかったのはわかるが……

 

(そんなに珍しいものなのでしょうか?中学の時はこれで登校してたのですけど…)

「私、光井ほのかって言います、気軽にほのかと呼んでください!」

「私は北山雫。よろしく」

「私は東風谷早苗といいます。よろしくお願いしますね」

 

 こうして最初の孤立状態はなくなった。途中でほのかが深雪に見とれてそのことをからかわれることがあったが二人のおかげで早苗が孤立することはなくなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何の権利があって二人の仲を引き裂くようなことをするんですか!?」

 

 今、早苗の目の前ではE組の、メガネをかけた大人しそうな女生徒がA組の男子を含めた複数人相手に一歩も譲らずに熱弁を振るっていた。

 

「いやぁ、面白くなってきましたね!」

「こんなことになっても面白いと言うのは早苗ぐらいだと思う」

 

 目の前で繰り広げられる討論を見て楽しそうにそれを眺めている早苗とそれをジト目で睨む雫。ほのかはヒートアップしているメンツの中で同じくヒートアップしているらしい

 

(まさか、初日からこんなドラマが観られるなんて今日はついてますね!朝に近くのお寺でお二人に祈ったからでしょうか?)

 

 ちなみに、早苗が守矢神社の二柱にお祈りをしている時に、その寺にいる坊主頭の自称忍者が遠目から早苗の平均よりも少しばかり大きい胸部を覗こうとしたところケロケロケロという鳴き声と悪寒が背中に走ったそうな

 

 

 

 

 この騒動の発端は昼食時だった。ほのかが早苗に一緒にご飯を食べないか?と誘いかけてちょうど同じくお昼を食べに行くのであろう美雪と同じく食堂に向かうとそこに既にいた司波達也と美雪が相席しようとして多少の口論になった。その時は達也が退くことで穏便に済んでいた。

しかし、午後にあった真由美の魔法実習で達也たちE組の生徒が実習室の最前列を陣取ったことで一科生の中から、中でも達也たちがお昼深雪の隣に座ろうとしたやつら(むしろ深雪からいった)だと気づいたA組の人間の多くは達也たちを睨んでいた。

そして帰宅時間になり美雪が達也と帰ろうとするとA組の溜まった不満が爆発した。

 

「僕たちは彼女に相談があるんだ!」

「そうよ!少しだけ時間をもらいたいだけなんだから!」

「ハッ!そういうのは自活中にやれよ。そのための時間だろ?」

「大体、相談があるんなら本人の了承をとってからやりなさいよ!」

 

まさしく、売り言葉に買い言葉といった感じで口論が進んでいる。

同じクラスの確か、森崎?という名前の男子と女クラスメイトAに対してE組らしい大柄で茶色い髪をした男子と明るい髪の活発な女子が真っ向からぶつかっている。

 早苗は、だんだんと火サスの犯人とのやり取りみたいになってきたぞ。とワクワクし始めそれに気づいた雫がさらに呆れの成分を濃くして早苗を睨んでいた。まあ、今日一日中何か問題が起こりそうになるたびにワクワクし始めた早苗を見続けて東風谷早苗という人物がよくわかったのかもしれない

 

「ウィードのくせに僕たちブルームに口出しするな!」

「今の時点でブルームがどれだけ優れているっていうんですか?」

「そんなに知りたいなら教えてやるっ!」

 

 森崎が懐に手を伸ばし通常のものよりも戦闘に向いているいわゆる特化型と呼ばれるCADを取り出す。しかし、雫はそんなことを見ていなかった。なぜなら視線の先には

 

 

 

満面の笑みで「やれっ!」「そこだっ!」「いけーっ!!」と緊張感の欠片もなく手に持ったカバンを振り回しながらヤジを飛ばす早苗の姿が…。

案の定E組の女生徒が森崎の手にあるCADを取り出した警棒で弾いたのを見て「アァーッ」と残念そうな顔をしていた。ここでその手にあったはずのカバンがないことに気づけば事態は変わったのかもしれない

 

 

 

(もう、ほうっておこう)

 

 北山雫、若干一五歳・付き合いわずか一日で東風谷早苗の優秀な対処法を習得する。

 

(それよりもほのか…!)

 

 彼女がほのかの様子を見ると呆然としながらCADを取り出そうとしていた。

 

「ほのかっ!」

「っ!」

 

目の前で森崎のCADが警棒で弾き飛ばされたのを見て気が動転したらしいと判断した雫はそれでもいつもよりも大きな声でほのかに呼びかける

その声が聞こえたのか、ビクッ!と反応したあとCADに向かう手を止めこちらに顔を向ける。その目には驚愕の色が写っており自分のしでかしそうになったことの重大さに気がついたようだった

 

「クソッ!」

 

 しかし、自体は進んでいく。

 森崎の近くにいた男子生徒が起動式をCADに読み込ませ、

 

 その起動式に想子(サイオン)で作られた弾丸が打ち込まれ、

 

 男子生徒の頭に空から降ってきた早苗のカバンが直撃した。

 

―――ドサッ、(男子生徒の倒れる音)

「…………。」

「…………。」

「あれっ?そういえばカバンカバン…。」

 

 

 

 後に司波達也はその瞬間をこう語ったという

「ポリヒドラハンドルのように計算して奇跡のような事象を起こすことはできる。しかし、それはあくまでも奇跡のような(・・・)であって奇跡ではない。それに対してあれは計算してできるようなものじゃない。紛れもなく奇跡と言う他ない。思えば東風谷早苗という女性の見せた数々の奇跡とも言える現象の最初の一回はこれだった、と。」

 

 

 

「…ゴホン、あなたたち攻撃魔法を自衛目的以外で使用するのは犯罪行為よ!」

 

 さっきの一連の流れはなかったことにするらしい

 

「あなたたち、一年A組とE組ね。事情を聞きます、ついて来なさい。それと誰か彼を保健室に運んであげて」

 

 そこには昨日言葉を交わした七草生徒会長がいた。彼女は倒れた男子生徒を保健室に運ぶよう指示すると騒ぎの中心に顔を戻した

真由美の目はこちらを注意深く睨んでおり背後に立ち上る活性化したサイオン光は周りの人間に絶大な威圧感を与えていた

 その横から出頭を命じたのは昨日の入学式で挨拶をしていた風紀委員長の渡辺摩利だろう。こちらは既に起動式の展開を終えこちらの行動しだいでは即座に制圧してくるだろうことが見てわかった

 

「すみません、悪ふざけが過ぎました」

 

 一部を除き動きを止めていた一年生の中から達也が謝罪の言葉とともに前に出る

 

「悪ふざけ?」

「はい、森崎一門のクイックドロウは有名ですから後学のために見せてもらおうと思ったのですが」

「えっ?今のって火サスを演じtムグッ」「……いいから、早苗は黙ってて」

「だが、先ほど倒れた男子も魔法を発動しようとしていたようだが?」

「驚いたんでしょう。条件反射で魔法を発動できるとはさすが一科生ですね」

 

 白々しい会話が続いていく。途中で外野からなにか入ったようだがそのことを気にとめず会話を続ける達也と摩利。もしかするとこの外野を話に混ぜた場合もっとややこしいことが起こると察したのかもしれない。

 

「だが、君の友人は魔法で攻撃されそうになっていたんだぞ?これも悪ふざけの範疇だと?」

「使おうとしていたのは失明にならない程度の閃光魔法ですから、そこまで大事にはならないでしょう」

「ほう、……どうやら君は展開した起動式を読むことができるらしいな」

「実技は苦手ですが分析は得意です」

「……ごまかすのも得意らしい」

「兄の申したとおり本当に、ちょっとした行き違いだったんです」

「摩利、もういいじゃない。本当に見学だったのでしょう?」

「はい」

「…会長がこう仰られていることだし今回は不問にします。以後この様な事がないように」

「……少しぐらいは刺激があっても良いとおも「早苗はもう黙ってて」…はい」

「君の名前は?」

「一年E組、司波達也です」

「覚えておこう」

 

 深雪と生徒会長からの援護によってついに摩利も折れたらしく今回のことに対する判決を言い渡す。そして今回自ら矢面に立った男子に感心した様子で名前を聞くと踵を返して校舎へと戻っていく。

 

「ああ、もしも刺激が欲しいという理由で問題を起こした場合容赦なく処罰するからそのつもりでいろよ?」

「ギクッ、……や、やだなぁ、そんなことするはずないじゃないですか!」

「…覚えておこう」

 

 途中で立ち止まり先程とは違う冷徹さを感じさせる目で一人の生徒をにらみ、注意したがその時の反応に今年は忙しくなりそうだ、と内心ため息を吐きながらその場を後にしたという

 

 

 

 その後、森崎と達也の間でひと悶着あったがそれも終わり、いざ帰ろうと達也たちE組の生徒+深雪がその場をあとにしようとする

 

「光井ほのかです。先程は失礼なことを言ってすみませんでした!無事に済んだのはお兄さんのおかげです!」

 

その時に後ろから先ほどの騒動の時にいたA組の女生徒が先ほどのことを謝りに来た。、後ろに漫才のようなやり取りをしていた二人を伴っていたが後ろの二人には気づいていないようだった

 

「…それで、ご一緒してもよろしいでしょうか?」

 

 礼を言いに来ただけではないようだが同行を拒む理由は誰も持っていなかった

 

 

――――――

 

 

「――――――。」

「入試の魔法理論と魔法工学で満点!?あの難しいテストで!?」

「そうなんですよ!すごいでしょう!」

「さすがはお兄様です」

 

 あの後ほのかに雫、早苗がE組一向に合流し挨拶をしたあとCADの話になった。妹のCADの調整を自分がしていると話すと早苗がすかさず「さすがは入試の魔法工学と魔法理論で満点を取っただけありますねぇ」と胸をはりながら自慢げに話し、妹がそれを讃えるという謎の構図ができた

 

「深雪さんも達也さんもすごいし、エリカちゃんも早苗さんも一般の家庭じゃないみたいだし、うちの高校って一般人は少ないのかな?」

「魔法科高校に一般人はいないと思う」

「なるほど、一般常識に捕らわれてはいけないということですね!」

「早苗、それは違う。あなたはもっと常識を心がけて」

 

 E組の美月の天然気味な発言とそれに対する雫の的確なツッコミに早苗がさらにボケを上乗せするという軽い悪循環がその場で発生していた。

雫が頭痛薬と胃薬を家に常備するようになり、ついには学校にもって来る日もそう遠くはない

 

 

 

「そういや、なんで早苗のバッグが当たっただけで倒れたんだろう?」

「ああ、守矢神社の布教をしようかと思って経典を配ろうかと思ったんですけど一冊も受け取ってもらえなくて全部カバンの中に残ってるんですよね」

「へえ、どんなやつ?」

「興味ありますか!?なら是非もらってください!」

「……重っ!ってどんだけ分厚いのよこれ!」

「全1800ページに及ぶ大作です!」

「……ごめん、さすがにいらない」

「そうですか……思い切って二十冊も持ってきたのに一冊も減りませんでした」

(…あれ、早苗って平気な顔してあのバッグ振り回してなかったっけ……まあ、早苗だし)

 

 途中で疑問に思ったエリカが早苗に聞くとバッグの中から分厚い本が山のように出てき、それに対して全員が驚愕する中、雫はただ一人、東風谷早苗という存在だからと納得していた

 




お、おかしいな雫はこんなに苦労するはずじゃなかったんだけど…。

しかも早苗さんの暴れっぷりが思ってたよりもヒドイ

これも全てドン・千ってやつのせいなんだ!そうに違いない!(白目)

あ、モブ男子生徒はそれ以降魔法を使うときは頭上に注意を払うようになったらしいです。なんでだろうね(笑)
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