正直、ここまで今週忙しくなるとは思わなかった(汗)
今回は早苗さんについての話です(そのくせに早苗さんは出ません)
また、更新の回数なんですが週一、二ぐらいになると思います
まあ、今後共よろしくお願いします
「師匠、東風谷早苗という人物について情報はありませんか?」
ブランシュを潰した翌日の早朝、事件があったことにより急遽休みになった時間に達也は深雪とともに彼らの師である九重八雲のいる寺までやってきていた。
「ああ、この間の事件の時の子だね。何を聞きたい?」
洗脳魔法を自力で破ったことと突然の
「と言っても、僕もまだ詳しくは知らないんだけどね」
「それでも構いません。お願いできませんか?」
「先生、お願いします」
深雪くんに頼まれたし、しょうがないなぁ。と言って彼は己の調べた情報を話し始める。
「まずはどこから話そうか。…そうだね、君たちはエレメンツという単語を聞いたことはあるかい?」
「日本で最初に
「正確には
深雪の質問に答えながら話し始める。
「まだ現代魔法が4系統8種の現在の状態になる前の事なんだけど、伝統的な属性である「地」「水」「火」「風」「光」「雷」といった分類で魔法を分けていた時に考案されて実行されたのがエレメンツの家系なんだ」
「…つまり――」
「そう、深雪くんの考えている通り、彼女はその中の「風」のエレメンツの末裔だよ」
なるほど、とうなづいている深雪と反対に達也はその先を促す。
「ごめんごめん。ただ、彼女については少しだけおかしな話が混じり始めるんだ」
「おかしな話?」
「うん。……そうだね、達也くん」
「なんでしょう?」
「君は飛行魔法を作ろうと頑張っているね?」
「ええ、その通りです」
師匠にも話していないことを知っていることに、今更か、と思いながら達也はそれを顔に出さずに返事を返す。
「では、なぜ飛行魔法をつくろうとしているんだい?」
「…ハッ?」
だが、この質問は想定していなかった。
「…先生?」
「彼女のように空を飛べばいいじゃないか」
「…、あのですね、それができるならとっくに……!」
「気づいたようだね」
「……あの、どういう…?」
「ああ、ごめんよ。だから話をするとね……」
そう区切るとスッ、と目が開く
「彼女はなぜ、空を飛ぶことができるんだと思う?」
「…?それは古式魔法で……っ!」
「そう、
「……で、ですが、BS魔法師ならば……っ!」
「BS魔法師は先天的に使える魔法以外は基本的に使えない。達也くんのように使うことができるようにする方法もあるけど、彼女の家にそれを行うだけの資金も技術もなかった。一科生の彼女は深雪くんに及ばずとも一科生に選ばれるぐらいには魔法を使える。この時点で彼女はBS魔法師ではないよ」
「…………」
「僕は、彼女は
そう言うと八雲は話題を変える。
「彼女の小さい頃の話だ。彼女は小学生になるまでは一般的な子供よりも魔法に対する適性は高かったがそれだけの、周囲の子供となんら変わりない普通の子供だったそうだ」
ただ、小学生の頃から劇的に変わり始めた。そう言って早苗の過去を話し始める。
「それまでもほかの人には見えないものが見える、という話をよくしていたらしいんだけど、両親の事故があってからはその頻度が、目に見えない者との話の回数が格段に上がり始めた」
君たちにも覚えがあるんじゃないかい?と聞かれ、早苗のよく話す神奈子様と諏訪子様という守矢神社の崇める神様の名前が頭に浮かぶ。
話の内容が……
「
「―ッッ!」
『神奈子様は威厳はあるんですけど、慌てた時なんかは結構可愛くなるんですよ』
『諏訪子様はいつもは可愛いのに、何かあったときはすごく頼りになるんです!』
そう話す早苗の姿を思い出す。いつも神様なのか一緒に暮らしている人なのかわからないような話を彼女はよくしていた。その時はそういった親しみやすい話をして敷居が高くないことをアピールしているのだと思っていたが……。
「…そんな存在が早苗の近くにいる、と?」
「いや、少なくとも今はいないと思うよ。そんな存在がいれば達也くんが気づかないはずがない」
だろう?と達也に聞くと達也も首を縦に振り肯定する。
「それに、どうやらそいつらは守矢神社というところから離れることができないようだしね」
「……師匠、随分と詳しい情報ですね」
「まあね、なにせ…」
一度言葉を区切り
「実際にそいつらに会ってきたからね」
「なっ!」「そんな!?」
爆弾を放った。
いやあ、あの時は危なかったよ、と話す八雲に対して二人は驚きで固まっている。
そんな存在が本当にいた、とその道の専門家でもある自分たちの師が話したのだから当然だろう。
「つまり、本当に――」
それはすなわち、
「早苗に何かが憑いているということですか!!?」
「…そう、僕はそう考えている」
そう言うと、彼はその時のことを話し始めた。
――――――守矢神社、居住スペース
(なにかいるとしたら本殿だと思ったんだけど、これはハズレかな?)
九重八雲は守矢神社に潜入して調査をしていた。
何かいるならば一番立派な場所だろう、と思い本殿を調べたのだが拍子抜けするほど何も出てこず、今も居住スペースの中に入ってみても出てこないことから、実はそんな存在がいないのではないか?と考えていた。
(さて、あとはこの部屋かな?)
そうして調べた居住スペースも調べていないのはあと一部屋。調べた部屋が倉庫や空き部屋で生活感がなかったことからこの部屋はおそらく、今回調べられている張本人、東風谷早苗の部屋だろう。そんなことを考えながら音を立てないように気をつけ、少しだけ扉を開き中を覗き込んだ。
(ッ!!!)
ダッ、と八雲は中を確認した直後に廊下を走り脱出を決意する。
(なんだ、今のは!?)
その部屋には
部屋の中にはいかにも女の子の部屋、といった小物が机の上やベッドの脇に置いてあった。そんな中、その部屋の中央に、二つの霊子の塊が浮いていた。その二つの塊は人間のような形をして動いていた。九重八雲は自らの感知能力が高いことを知っているし、自負している。だが、
(
何も感じなかった。実際に目の前に何かがいることを見ても彼にはそれを感じられなかった。
(っ!やはり、気づかれていたか!)
建物から出て少し進んだところで背後を確認すると、ちょうど建物から出てくるナニカを確認した。だが、自分はこの敷地内から出れば森に隠れて移動できる。そう考えた時にソレが起こった。
『…ぁ………ぇ…』
「っっっ!!」
声。確かに、声だった。人の声か、と聞かれば違うと答えられる。周りは静寂が漂う真夜中。虫の声以外は聞こえないような時刻。だが、確かに聞こえた。
『まぁてぇぇぇ!!』
幼い少女に特有の高音が響き渡る。声の発生する位置はもちろん、ナニカがいた場所。
その声が響いた直後、彼は神社の境内から脱出することに成功する。
そして見た。追いかけてきたであろうナニカの他に、そのナニカが出ないように捕まえているように見えるもう一体のナニカがいたことを。
(本当に、ナニカが取り憑いているとはね)
こうして、彼は無事に逃げることに成功した。
「こら、諏訪子!いくら泥棒だからってあまり驚かすものじゃない!」
「ええー、だって面白いじゃん!すごく必死な様子だったし」
「それは…そうだけど」
「てゆうか、なんで止めたのさ!あれでずっと追いかけたらもっと面白くなったかもしれないのに!」
「知ってるだろ!?……夜は怖いからあんまり一人でいたくないんだよ」ボソッ
「ああ~、本殿だとなにかいそうで寝れない~!ってよく早苗の部屋で寝てたもんね」
「うっ、わ、悪いか!神様だって怖いものや苦手なものぐらいあるんだよ!」
「だからって泥棒が来ただけでビビるってどうなの?」
「しょうがないだろ!?あの泥棒、足音とかもしなかったんだぞ!?普通ビビるって!!」
「アーハイハイ、怖かったでちゅねー。かなちゃん♪」
「んなっ!こ、この!待て諏訪子!!今回は許さん!」
「待てと言われて待つ神様はいないよーだ!」
真剣な様子だった八雲とは違い、こちらは終始穏やかだったそうな。
――――――九重寺、一室
「とまあ、こうして無事に逃げ帰ってきたというわけさ」
「それは、……師匠、よく無事でしたね」
「僕も忍びの端くれだからね。逃走や隠密はお手の物さ」
「……ですが、早苗の神社にそんなものが取り憑いているだなんて…」
「だけど、先程も言ったように奴らが神社から出ようとした時に、もう片方が必死でそれを抑えているように見えた。おそらく、外に出ると彼らにはマズいなにか、があるのだと思うよ?」
いいえ、怖がって引き止めただけです。
「ただし、悠長にしている場合でもない」
八雲の声に二人の様子がハッとしたものに変わる。
「エレメンツというのは共通してある特徴が見られる。それは、依存癖。過去の権力者たちは魔法、という自分たちの理解の及ばないものを使う者たちを恐れ、遺伝子に忠誠心の高くなる因子を組み込んだ。もしもこの因子が悪いように作用すれば……」
「…どんな命令でも喜んで行うようになる、と?」
その通りだ、と言って八雲は深雪の方を向く。
「深雪くん」
「…はい」
「もしも早苗くんが道を踏み外そうとした場合、止められるのは君のような友人だと僕は思っている」
「……」
「だから、彼女が道を踏み外そうとしたら、ひっぱたいてでも止めてあげなさい」
「…はい!」
うん、いい返事だ、と満足そうに笑う八雲と決意を秘めた目をする深雪に達也も自然と笑顔が溢れる。
「さて、ではそろそろ最初の話題。霊子の活性化について話そう。ただ、これについてはある程度は理由がわかったんじゃないかな?」
「はい、師匠の会ったというナニカに早苗は霊子を供給している。俺はそう思いました」
「うん。僕もそう思う。この間、早苗くんと顔を合わせた時に見た彼女の霊子とナニカを構成していた霊子には違いがあったが似通った点もあった。彼女が霊子を供給していると見て間違いはないね」
「…師匠は早苗とあったことが?」
「……うん、二週間前ぐらい前だったかな。『守矢神社の傘下に
「それは……」
次からは武力行使をした方が良いのでしょうか?と呟く早苗に興味が湧いたのが今回の調査に繋がったのだから、何が幸いするのかわからないものである。
「すみません、先生。早苗にはよく言っておきます」
「うん。深雪くんから言われれば改善する…かな?」
(師匠でもセクハラできないような女性が身近にいるとは思わなかった)
「…達也くん?なにか誤解しているような顔をしているから言っておくと、僕は相手を選んでするようにしているからね?」
なにを、を言わないのは目の前の深雪に聞かれたくないからだろう。
「話を戻すと、早苗くんから大量の霊子が立ち上ったのはパスが一度切れたからではないかな?達也くんの話だと、彼女は洗脳魔法を喰らった時にそうなったんだよね?」
「はい。その後、時間を置いて立ち上りました」
「ふむ、おそらくそこで彼女との間にあったパスが切れて供給が止まったんだろうね。それにより供給するはずの霊子が体に溜まった。霊子の多さは意思の強さ。邪眼は一種の催眠術だから、意思を強く持てば破れるというのもおかしいことではないね」
「…そしてまたパスが元に戻ったことで霊子もいつもと同じようになった、ということですか?」
「うむ、そうだろうね。霊子で作った弾というのはどういった効果があるのかわからないから当たらないように動くべきだろう。兆候はあったんだろう?」
「はい。早苗の体から出る霊子が形を作ってから発射されていたので、対峙した時なら避けることは可能でしょう」
「となると当たった時が怖いね。中身はおそらく彼女の信仰心とでもいうものが詰まっているだろうから今頃、当たった司一も変なことになっていたりしてね」
ハハハ、と笑っているが、その当たった本人が自分でもわからないナニカを崇めるようになっていることを彼らはまだ知らない。
「まあ、僕の方から話せるのはこのぐらいかな?詳しい情報が出たらこちらから連絡するよ」
「いつもありがとうございます」
「先生、それでは失礼します」
八雲に一礼を返すと、二人はそのまま部屋を出て帰宅の用意を始める。
「深雪くん」
「はい」
「早苗くんの件はまだ手遅れじゃないはずだ。それに、ナニカが彼女を操っているようにも思えない。案外、こんなに深刻な話でもないかもしれないんだ。だから、あまり気を使わずに今までどおりに接することが、一番早苗くんのためになることだと思うよ」
「……はい!そうですね!!」
彼らは、知らない。早苗の中の『常識』という一点は既に手遅れの状態に近く、守矢の二柱が懸命に手綱を握ろうとしても、それを振り切って振り回すのが東風谷早苗という少女であることを。
なんでここまで達也たちはシリアスしてるんですかねぇ?
早苗さんが空を飛べるのは諏訪子様に術式を教えてもらったから。前に出た信仰すれば飛べるというのは飛ぶ術式の処理を二柱が手伝っているから。てか、設定をそこまで考えたところで力尽きた
早苗さんの信仰心弾丸は意志が強い人はあまり効きません。モブ相手だから効くんです
早苗さんが信仰深い理由?夜中に「早苗~!一緒に寝よう!!」という声がして扉を開けたら枕をもって廊下が怖かったのか少し涙目の神奈子様がいたら誰だって信仰しようと思うはず。カワイイは正義!
誤字脱字などありましたら報告お願いします!
2月14日,早速見つかったので修正しました