魔法少女リリカルなのは―幸せを求めるもの―   作:ゾンビー

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すいません、いろいろと学校の生活に慣れたりするのに時間がかかってしまい、うまく時間が取れずまたこの話が相当南山でした、遅れてしまったことをここに謝罪します、では第十話、楽しんでいただけたら幸いです。


第十話

「慎なんて大っ嫌いだー!」

 

「うおおおおおおおっ!?」

 

旋風、衝撃、そしていろんなものの破砕音、俺は風に飛ばされないように足に力を入れ、吹き飛ばされないようにする、室内で突然発生した強風に俺の家が悲鳴を上げる、なぜこんなことになっているのか、ことの発端は俺があの鳥と使い魔契約をしてから30分経った頃のことであった。

 

旋風に巻き上げられた家具、つまり食器のような小さなものから箪笥のような大きいものが旋風に乗って俺のものに飛んでくる。

 

「あぶねえよ!殺す気か!」

 

「うっさい!よけるな!」

 

この風の発生源はあの白鷲が人型に変化した一人の少女だった。

 

「ますたあああああ!たすけてえええええええ!」

 

タルトがそう叫んで旋風に巻き上げられ宙に舞い、遠く彼方に飛んでいく。

 

「落ち着け!その…なんだ、裸を見たのは悪かったから気を静めてくれ!」

 

「それをいうなああああああ!」

 

少女の顔がさらに赤くなり風圧が一気に強くなる、それに耐えきれなくなった俺はついに風によって吹き飛ばされ壁にたたきつけられる、そこに追撃するように宙に舞っていた家具が俺に向かって飛んでくる。

 

箪笥が俺のみぞおちにめり込み、体の中で嫌な音がする、すざまじい激痛とともに俺の意識は刈り取られた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「どうしたの慎、すごく顔色が悪いけど?」

 

次の日の学校のHR、昨日の少女、エリルというのだが彼女にやられた傷が痛むのを我慢していたのだが、どうやら響きにはばれていたらしい。

 

「響か…なに、ちょっと俺のあばらが何本か逝っただけだから問題ない」

 

「それは大丈夫とは言わないよ慎!ちょ、早く病院にいかなきゃ!」

 

心配かけないように言ったつもりだったのだが、なぜか響がぎゃあぎゃあと騒ぎ出す、しかし周りにいたみんなは響をうるさいなあと言いたげな目でみる。

 

「え!?俺がおかしいの!?あばら骨が折れたんだよ!?」

 

そうじゃないんだ、このクラスは……

 

「「「「「いや、慎ならそういうこともある」」」」」

 

こういうことに耐性があるんだよ、だてに俺とともにこの3年間一緒に過ごしていたわけではない。

 

「どういうこと!?」

 

「いや、この町の暴走族にケンカ売って普通に帰ってきたり」

 

「気付いたらこの学校に入ってきた不審者を蹴散らしてるし」

 

ああ、あったなあそんなことが、前世とは違うからいいか、みたいな感じで調子に乗ってた時だろうなそれ。

 

「慎は何してきたの!?」

 

と響が興奮したように効いてくるので

 

「ん? 悪党の殲滅?」

 

と俺が答えると。

 

「殲滅!?」

 

彼はとても興奮しているようで、いちいち表現がオーバーになってるみたいだなあ、そんな驚くことでもないのに。

 

「いや、誰でも驚くよ!ここだけがおかしいんだよ!」

 

ぎゃあぎゃあとさらに騒ぎ立てる響、俺はあの時のことを思い出してしみじみとつぶやいた。

 

「やりすぎたと将来俺は後悔するだろう」

 

「今しようよ!」

 

鋭い突っ込みが響から帰ってきた、やるな、というかさっきさらりと俺の心読んだよな。

 

「響くん、もうあきらめたほうがいいと思うの」

 

今やってきたのだろう、なのはが頭を押さえて響の肩に手をおく。

 

「もう、慎君のイメージが固定されてるからね・・・」

 

その後ろからすずかが、相変わらずの微笑みを浮かべながら教室に入ってくる。

 

「あれ?アリサは?」

 

いつもならそのあとに続いて出てくるアリサの姿が見当たらない、なのはたちはすっと目をそらす、それで俺は理解する。

 

(アリサ君のことは忘れない)

 

どうやら彼女はいけにえにささげられたらしい、俺は心の中で彼女の冥福を祈る。

 

勝手に殺すんじゃないわよー!という声が聞こえたのは幻聴であろう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

授業が終わり放課後になる、家に帰るとエリルがうるさそうなので、ぐだぐだと学校で時間をつぶしてしまっていると。

 

「っつ!?」

 

『マスター!』

 

巨大な違和感が俺の体中を駆け抜ける、初めての感覚に少しとまどってしまう、タルトの念話によって気を取り直す。

 

学校を飛び出し巨大な違和感の源のほうに向かって走っていく。

 

『ちょ、マスターなんでこんなに速いんですか!?』

 

俺の全速力にタルトが驚きの声をあげる。学校から約30秒で現場に着く、そこには巨大な黒い塊がうごめいており、その周りをピンク色の光が飛び回っている、目をよくこらすとそれは良く見知った少女の姿だった。

 

「なのは!?」

 

思わず俺はつぶやいてしまう、どうやら戦況はなのはに傾いているようだ。

 

『どうやらかなりの数のジュエルシードをすでに封印してるようですね』

 

「わかるのか?」

 

『ええ、あの子から多数の反応がします』

 

俺は…生きるために守ろうと決めた少女を襲うのか…

 

「だが!それも俺の選んだ道、捻じ曲げるようなまねはせん!タルト!」

 

『YES、MASTER』

 

白い閃光に包まれ俺の体内の中から不安定な力が湧き上がってくる、それは莫大な力の奔流となり、俺を包み、俺は白いコートとぼろきれのようなローブ、黒のズボンに身を包まれ立っていた。

 

「力の扱いが難しいな…気を抜くと爆発してしまいそうだ」

 

手を開いたり閉じたりして体の調子を確認する。

 

『そこん所は私にお任せを!マスターは戦いに専念してください』

 

なのはがこちらを向く、どうやら俺に気が付いたらしい、その瞬間に黒い塊がなのはに襲い掛かる。

 

「しまっ!」

 

なのはがそう言った瞬間俺は今までいたところから消え失せた。

 

「邪魔だ、爆ぜろ」

 

黒い塊は俺が付きだしたこぶしによって粉々に粉砕される。

 

「たわいもない、この程度か」

 

その手には青い宝石、ジュエルシードが握られていた。

 

「その宝石をこちらに渡せ」

 

そんな声が俺の後ろから聞こえる、振り返ると即座に縄のようなもので拘束される。

 

「時空管理局だ、それをこちらに渡してもらおうか」

 

俺に縄みたいなのをかけたのは…。

 

(響…!)

 

赤い衣装をまとった響だった、響は俺にちかづき手に握られているジュエルシードを奪おうとする、が…。

 

「残念だったな、まだ戦いは終わってないぞ、少年!」

 

『CONECT』

 

タルトから機械音声がなり俺の手にあったジュエルシードが突然光と魔力を放出する。

 

ジュエルシードは俺の体内に消えてゆき、縄のようなものもなくなっていった。

 

俺はなくしていたパズルのピースがはまった様な爽快感を味わっていた、即座にその場から距離を取りなのはと響を見据え、そして悪役をイメージして傲岸不遜に伝える。

 

「さて貴様らが集めたジュエルシードを渡してもらおうか」

 

俺と、俺のかけがえのない友人たちは今ここに相対した、お互いの譲れないものを持って。

 

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