魔法少女リリカルなのはvivid~四人目の王~   作:ビスマルク

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この頃こっちの話が書きにくい、そう思って書き始めたら筆が止まらなくなってしましました!
次々と文字がうてるって気持ちいいですね!

それでは本編どうぞ!


第十三話

フェイト達との戦いから五分、ようやく俺はプレシアが居ると思われる部屋の扉の前に立っていた。

 

「ようやくついた……」

 

『フェイトさん達を倒してからマスターが全速力で走って五分かかりましたからね。そりゃ疲れるでしょう』

 

「距離にして約3キロあったと思うぞ……。侵入者に足して効果は抜群だろうな……こんなところまで歩いてくるなんて誰だっていやだろうし」

 

『いや、そもそも移動は転移魔法を使ってるんじゃないですかね』

 

「…………」

 

その発想はなかった。

まぁどちらにしろ俺は転移魔法なんて使えないから走る以外の選択肢なんてなかったんだが。

もう話すのも嫌になった俺は目の前の扉を開ける。

とにらは意外なほど軽くすぐに開いた。

部屋の中は暗くよく見えない。

辛うじて奥に誰かいると分かる程度だ。

 

「こんなところまで子供がなんの用かしら」

 

入った時に聞こえてきた声は妙齢の女性の声だった。

本来ならばもっと透き通った声なのだろうがリニスから聞いていた通り病魔に侵されているらしく少し掠れて聞こえる。

それでも魔力による威嚇は今までで感じた中でもトップクラスだ。

まぁ全く怖くないけれど。

 

「あんたに聞きたいことがあってな」

 

「聞きたいこと?」

 

「そ、あんたの目的についてだ」

 

俺の話に興味を持たなかったのかすぐ横に紫色の雷が落とされる。

煙が巻き上がってはながむずむずするからやめてほしい。

それと雷の閃光で眼が見えなくなるからもう少し手加減してほしい。せっかくつけてる専用のバイザーが壊れたらどうしてくれる。

 

「あのさぁ、いきなり武器をつ聞けたり雷落としたりするのってあんたんとこの家訓なの?だったら今すぐ辞めた方がいいと思うよ。外聞悪くなるだろうし」

 

「帰りなさい。子どもの好奇心に付き合っていられるほど暇じゃないの」

 

静かに杖を突きつけて来るプレシア。

それでもさっさと攻撃してこない分まだ理性は感じられる。

これはリニスが言ってたよりマシな状態かもしれない。

やろうとしてることは変わっていないだろうけど。

 

「あんたがそう言っても付き合ってもらうぜ?なにせダチの頼みなんだから」

 

「だち?」

 

「あんたの使い魔のリニスだよ。消えかかってたところを助けた」

 

「リニス?まだ消えてなかったの」

 

プレシアのその言い方に少しむかつく。

まるでどうでもいいものと思っているようなその言い方が。

 

「そんな言い方は無いんじゃねぇか?あんたの使い魔、つまりは家族だったんだろ」

 

後から思えば俺は言葉を間違えたんだろう。

俺の言葉を聞いたプレシアは今までと違い確実に狙いをつけて雷を放ってきた。

放たれる前に直感的に前に飛び出していた為ダメージは無かったがその威力は先ほどの威嚇の攻撃とは文字通り桁が違った。

 

「私の家族はただ一人だけよ」

 

「……フェイトか?」

 

俺の言葉のなにが面白かったのかプレシアは大声で笑いだす。

 

「あの人形が家族?笑わせないで欲しいわ。私の家族はアリシアだけよ!!」

 

そして唐突に憤怒の顔を作り睨んでくる。

その様はまさに狂っているとしか言いようがなかった。

というかアリシアって……、リニスに名前を聞いた時からどこかで聞いたことがあると思ったら今、思い出した。

 

《これは何としてもこの件を解決する必要が出来ましたね》

 

《できるだけそういうことはしたくは無いんだけどなぁ……》

 

《なにを今更。蘇生に忌避感なんてこれっぽちもないくせに》

 

《忌避感は無くても倫理観はあるんだよ。それが悪いことだってわかってたらいやにもなるわ》

 

《まぁ頑張ってください。私は今まで通りバリアジャケットの修復に取り掛かります》

 

そう言ったきりシルフィは黙る。

こいつ本格的に俺に問題押しつけやがった。

自分で考えるのが嫌なのか、それとも俺を信頼してからこそなのか。おそらくは両方だ。

とりあえず黙ったままというのなんだから会話を続ける。

 

「人形っていうのは……フェイトの事か?」

 

「そうよ!アリシアを甦らせるために記憶まであげたのにアリシアになりきれなかった失敗作のクローン!」

 

「……じゃあ、なんでその失敗作をそのままにしてるんだ?あんたの言い方ならフェイトはあんたにとって見たくもない存在だろう」

 

「有効活用できるからよ。ジュエルシードを集めるためのね」

 

「そうかい」

 

もういいだろう。

聞きたいことはもうすでに聞いた。

これ以上胸糞悪くなる話を聞くまでもない。

目の前のこいつを“殲滅”しよう。

 

「はぁ、もういいよ」

 

「なんですって?」

 

「もういいって言ったんだよプレシア・テスタロッサ。アンタの話は聞くに堪えない。リニスには悪いがここでアンタの計画をその命と一緒に噛み砕かせてもらう」

 

「そう。私としては貴方を見逃す理由もないからそれでいいけれど覚悟はできてるの?」

 

「覚悟?」

 

「そう、殺す覚悟と殺される覚悟」

 

何を言うかと思えば。

戦場のせの文字も知らない研究職のクソババァが俺に覚悟を問うだと。

馬鹿かよ。

 

「覚悟?そんなことをしなきゃ人を殺せないっていうのは美徳なんだろうが」

 

「なにを言ってるの?」

 

「生憎こちとら初めての人殺しは五歳の頃だよ!」

 

叫ぶと同時に前へ飛び出す。

プレシアが座っている椅子までの距離は直線距離で50メートル。

全速力の『獅脚』で1.5秒。

だけど当然のことながらプレシアがその邪魔をしないはずもない。

次々に俺や俺が進む方向に雷を落としてくる。

それを回避しようと後ろに跳ぶと必然的にプレシアとの距離が開く。

相手の狙いはおそらく足止めしてしたうえでの雷での一撃だろう。足止めされた時だと『牙散』は使えないからな。きっとフェイトとの戦いをリアルタイムで見てたんだろうな。

こちらの情報があちらにあってあっちの情報がこちらにないのはきついが、まぁ何とかなるだろう。

 

足を止めないようにジグザグの軌跡を描く。

襲い掛かる雷は体を全力でひねり避ける。その際足元が抉られるが気にしない。

俺が避け方を変えたのに気付いたのかプレシアも同じように戦術を変えて来る。

先程までは細く攻撃力の低いその分だけ早い魔法だったのを、大きく太い攻撃力の高い魔法を放ってくる。

先程の様に回転によるギリギリの回避では避け切れないと考えた俺は大きく回避することを余儀なくされる。

雷を避け続けるがそんな状態がいつまでも続くわけもなく体勢を崩してしまう。

プレシアはその隙を狙い雷を放ってくる。

何とか横に転がることで避けるがその先で上から大きな瓦礫の山が降ってきた。

プレシアは俺に対して雷を放つと同時に天井にも放っていたのだ。

 

「シルフィ!『バスターモード!!』」

 

『Yes!マスター!!』

 

とっさにシルフィの形態を遠距離専用の『バスターモード』に変える。

シルフィが構成していたバリアジャケットが右腕以外から消えて無防備になる。

その分右腕に大きな砲台のようなものが出来る。

 

「『獅子風牙!!』」

 

砲口から飛び出るのは風の塊。

しかしその威力は瓦礫の山を破片に変えるほど。

前世の頃のSランクの魔力だったらともかく今のCランク程度の魔力では到底出すことの出来ないほどの砲撃魔法。

シルフィに付けたとある機能のおかげで可能になった魔法だ。

 

 

前世で俺が持っていた『夜天の書』。

それには魔力を生み出す臓器と言っていいリンカーコアを吸収することでその術者の魔法を使える『蒐集』という機能がついていた。

この世界に生まれた俺は前世ほどの魔力が無く砲撃を放つことが出来なかった。

前世で放つことは全くなかったがそれは必要がなかったというだけでこの世界での戦闘には必要不可欠であると考えた俺は自分で作ったデバイス『シルフィ』にある機能を付けた。

その機能こそが『夜天の書』の『蒐集』をモデルにした機能、『風力変化機能』である

『蒐集』が相手の魔力を奪うように周囲に漂う空気、いや『風』を吸収できないかと考えたものである。これは持ち主の俺が『風力』の魔力資質を持っていたことから思いついた機能である。

コンセプトは「魔力を風に変えられるならその逆もありじゃね」である。

作った俺でさえ無茶苦茶だと思う機能。しかし何の間違いかその機能が実現してしまった。

兄貴にこの機能売ったら金になるぞと言われたがそもそも俺自身何日も寝ずに徹夜で作ったためどんなふうにして作ったのか不明である。

多分もう一度作れと言われても無理だろう。

この『風力変化機能』ともう一つ付けておいた『魔力貯蔵機能』のおかげで俺は大量の魔力を使うことが出来る。

しかし当然負担も大きい。

魔力を貯蔵するという機能、それを維持するため定期的に部品交換が必要になるのだ。

その為今でも俺は無限書庫で定期的にバイトしなければいけない。

小遣いじゃ足りないんだよ!

 

 

今まで貯めてた魔力の大半を消費してしまったがその分成果を得られたため良いとする。

俺の前には膝をついたプレシアが居た。

流石に天井を崩すほどの魔法は大量の魔力を使うのか病魔に侵されているプレシアにはきつかったということか血を吐き出している。

 

「はぁはぁ……、わたしは、まだ、死ぬわけには……」

 

「アンタはここでおしまいだよ」

 

「うるさい!貴方みたいな子供に邪魔されるわけにはいかないのよ!わたしにはもうアリシアしかいないの!だから取り戻す、それのなにがいけないっていうの!?」

 

プレシアの言葉に俺は思わずため息をついてしまう。

目の前の女性は俺が怒っている理由をまだ理解していないようだ。

 

「アンタの目的が悪いなんてこれっぽちも言ってないだろ。救える人間は救うべきだし、救われるべき人間は救われるべきだ。少なくてもアリシアは救うべき人間だろうし、アンタは救われるべき人だ」

 

だがな、と続ける。

 

「少なくてもアンタは目の前のものを見るべきだった!リニスを、フェイトを!!自分の娘を見ないで誰かを助けるなんて言うんじゃねぇ!!」

 

「あれは娘じゃない!アリシアを甦らせるための人形、道具よ!」

 

「アンタにとってはアリシアの代わりで失敗作だったかもしれないけどな!あいつはアンタを母さんって呼んで、アンタのために戦ったんだぞ!自分の意志で俺と敵対した、そのことにアンタは何も思わねぇのか!?」

 

「思えない!!私の娘はアリシアただ一人だけよ!!!」

 

「このっ、クソババァがあああああああああああ!!!」

 

思わず握ったままの拳をプレシアの体に叩き込もうとする。

しかし、俺の拳があと数センチでプレシアに届こうという所で俺の体を衝撃が襲う。

 

「ガッ、アアアアアアアア!?」

 

この感じは体に強烈な電気が流れているという所だ。

しかし目の前のプレシアにこんな強烈な魔法を放つことは出来ないだろう。

ならば誰か。

俺は必死に首を回し後ろを見る。

 

「母さんに、手出しは、させません」

 

そこには気絶していた筈のフェイトがバルディッシュを構えていた。

急いでやってきたのか顔色は悪く、バルディッシュを持つ腕も震えているがその眼の中にある意志は強いままだ。

フェイトの目的はプレシアの救助、および危害を加える俺の排除だろう。

そう判断した俺はとっさにプレシアから距離をとる。

次の瞬間にはそこにはフェイトが鎌を振り切った形で立っていた。

おそらくあそこから移動するのが遅かったら切られて戦闘不能にされていただろう。

しかし今気にすることはそこではない。

 

「フェイト、お前、一体いつから聞いていた?」

 

気にするべきなのかはフェイトが一体“いつ”から聞いていたか、という一点だ。

ここで彼女が“人形”という単語を聞いていなかった場合はまぁ良いだろう。

聞いていた場合は―――

 

「あなたが、母さんを追い詰めていた時から」

 

「……つまり、プレシアがお前のことを人形って言ってたのも聞いていたのか?」

 

「聞いていた」

 

「ならなぜここに来た?プレシアはお前を娘だと思っていないんだぜ」

 

「……それでも、わたしは……母さんの、娘だから」

 

―――最高だ。

こいつはもう自分の意志で動いてる。

それならば俺がこいつを変えようとする必要もない。

 

「アリシアにはなれないけれど、アリシアの代わりも出来ない人形かもしれないけれど、それでもわたしは、フェイト・テスタロッサは間違いなくプレシア・テスタロッサの娘だから」

 

「……お前は人形扱いした女を母親と呼べると?」

 

「呼べる。アリシアの記憶だけど母さんは優しかった。わたしはその母さんを信じると決めたから」

 

ここまで決意を決められたら俺じゃあどうしようもないな。

俺は静かにプレシアの前に歩いていく。

途中フェイトが鎌を構えてきたが戦意は無いと手を挙げることで通してもらう。

 

「プレシア・テスタロッサ、フェイトは間違いなくあんたの娘だよ。こうと決めたら曲げない意志の強さがあんたそっくりだ。あと家族に対する情愛もな」

 

「……だから、何?私にアリシアの復活を諦めろとでも言うの?そんなの無理に決まってるでしょう……」

 

「んなこと一言も言ってないだろうが。正直言って俺はあんたがアリシアを生き返らせるのはいいと思ってここに来たし、ここに来てその名前を思い出した後は何としてもい生き返らせなくちゃいけなくなった」

 

「どういうこと……?」

 

「未来の義姉を死んだままにさせるわけにゃいかねぇだろうが」

 

そう、ここに来てようやく思い出した。

リニスからアリシアという名前を聞きどこかで聞いたような名前だなぁと思い、フェイトを見てどこかで見たような気がするなぁと思って記憶を掘り出してみたらそこに居たのは兄貴の恋人だった。

そりゃ気付くわ。気付かなきゃまずいわ。

思い出した俺は内心すごく焦った。

このままではあの機械馬鹿である兄貴の恋人が死んだままになってしまうのでは?と。

そうなった場合あの全くと言っていい程モテない兄貴を唯一男として見た存在が居なくなってしまう=兄貴が非リア充になってしまう!

流石にそうなったら兄貴が不憫だ。

もうここまで来たらレアスキルを使ってでも問答無用に生き返らせようと考えていた。

 

「とにかくだ、俺はアリシアを生き返らせる方法を持ってる。それを使えば十中八九生き返られるだろう」

 

先程の失言を追及されないうちに話を進める。

そもそも俺はシルフィが言っていた通り蘇生というものにそこまで忌避感を持っていない。

死んだ大切な人間に会いたいと考える。それはとても悲しくて、とても人間らしいことだと思う。

それを善だとは口が裂けても言えないが、願うことに何の罪がある?

そして願いを叶えようとするのに何か罪があるのだろうか?

あるのだったら世の夢人は全て罪人だ。

そして叶えてしまえばそれはもう願いじゃなく結果だ。

 

「アリシアを生き返らせる?どうやって……」

 

「こうやってだ。ジュエルシード『プレシアの体から病魔をなくせ』」

 

その瞬間シルフィの中にしまっていたジュエルシードが輝き俺の願いを叶える。

すなわちプレシアの体はもうすでに絶好調になったということだ。

 

「ジュエルシード?でもそれだけの魔力じゃ無理よ」

 

「あんたってホント最後まで人の話を聞かないよな。もちろんそれだけじゃない。このジュエルシードを見てくれ。何か気付くことはないか?」

 

シルフィに指示を出してしまっていたジュエルシードを取り出す。

見せるとその輝きは今までと何も変わらない、少なくても今願いを叶えたばかりとは思えない輝きを放っていた。

 

「魔力が減っていない?」

 

「そのとおり、俺が今持っているジュエルシードは少しばかり特別でな。他のジュエルシードから魔力を供給して足りない分を補うことが出来る、つまりはいつでも魔力全開ってことだ」

 

「そんな馬鹿なことが……」

 

「世の中あんたが知ってることばっかりじゃないんだぜ?とまぁかっこつけて言ったんだが、あんたの言うとおり本来ジュエルシードにそんな機能はつけられていない。この機能は俺が『改変』した結果だ」

 

「『改変』?」

 

「そうだ」

 

『掌握』と『改変』、それが俺のレアスキルだ。

『掌握』したものを『改変』することが出来る。

今回のジュエルシードの場合『改変』した内容は『願いをきちんと叶える』と『願いをいつでも叶えられるようにする』だ。

前者は未来に戻るなら必須、後者はもし何らかの理由で使ってしまった場合の保険だ。

その結果このジュエルシードは『願いを願った形で叶える』ことと『他のジュエルシードをバックアップにする』という機能が付け加えられたわけだ。

因みに『改変』する内容は本来ついている内容だけであり、その後に何かを付け加えたりは出来ない(例えば風の魔法を炎の魔法には出来ないなど)。

しかもこのレアアスキル『掌握』した後にしか『改変』が出来ず、さらにその『掌握』にも時間がかかるということで戦闘中に相手の魔法を『改変』したりは出来ず戦闘中は無用の長物なのだ。

 

俺の能力の内容を聞いたプレシアは口を閉じこれからのことを考えている。

俺のレアスキルに驚くことなく試行を続けるその頭脳はさすがとしか言いようがないな。

 

「……それで、条件は?」

 

「話が早いな。俺の条件は多いぞ。まず一つ目、生き返ったアリシアに今まであったことを話す。二つ目、リニスともう一度契約する。三つ目、フェイトのこれからをどうするかきちんと決める。これさえ守ってくれるなら今日にでも復活させる」

 

「三つ目の条件はどういうことかしら?」

 

「そのままの意味だよ。フェイトを管理局に預けるのも良いしこのまま娘として扱うのもいい。あんたの好きにすればいいさ。ただし二度と人形扱いしないっていうのも付け加えさせて貰うけどな」

 

「驚くほど貴方にメリットが無いわね」

 

「はっ!子供にメリットを語るなよ。そんなもの関係なく動くからガキっていうのは怖いんだろうが」

 

「その言葉は子供のものじゃないとだけ言わせてもらうわ」

 

「で、俺が出した条件は飲んでもらえるのか?」

 

「分かったわ。驚くほどこちらにメリットしかないし」

 

「そうか。……あ、あと一つ付け加えさせてくれ」

 

「なにかしら?」

 

俺は病魔が体から消え去った影響か先程までに比べはるかによくなった顔色をして立ち上がったプレシアの頬を抉るように殴った。

 

「さっきまでの話、かなりむかついたから殴らせて」

 

「殴る前に言いなさい…………」

 

「嫌だね」

 

「コロス」

 

「あと片言なフェイトさんが怖いので何とかしてください」

 

「自業自得でしょうに」

 

「ちょっ、謝るから待って消えないで扉の中に行かないでこの娘止めてーーーーーーーーーー!!!

 

ボロボロにされました。

 

 

 

一日後

 

 

 

現在俺達はテスタロッサ一家も含めて過去に来た時に最初に居た山に来ていた。

 

「今までの状況聞いてたらこうやって生きて外の空気吸えるなんて思えなかったよー。これも君のおかげだよレオンちゃん」

 

「じょれひょどへも(それ程でも)」

 

「大丈夫ですかレオン?今治しますから動かないでください」

 

「ここまでレオンの顔がひどくなるのを見たのはアインハルトさんの部屋に突入した時以来だね。かなり珍しいから記録をとっておいてよシルフィ」

 

『もちろんでーす』

 

「ほみゃえらはにょんひでひいな、ひょい(お前らは呑気でいいな、おい)」

 

プレシアとの交渉が終わった後フェイトにぼこられた俺はその後たて続けにひどい目にあった。

フェイトにボロボロにされ顔を腫れさせたままリニス達の元にいった俺は化け物と勘違いされ(クインは絶対に気付いていただろうが)砲撃による洗礼を受け、ジュエルシードで生き返らせたアリシアを泣かせてしまいまたもやフェイトとアルフ、プレシアと戦う羽目になり死にかけた(さすがに電撃二連続はきつい)。

そのせいで今まだリニスによる治療を続けているわけだ。

未来に帰る前だというのにこんな状況じゃ笑えねぇよ(少なくても俺は)。

ちなみに一番気になる二人と言えば。

 

「だ、大丈夫母さん?」

 

「ええ、まさか起きたばかりのアリシアにアッパーをされるなんて思わなかったわ。フェイトはそういうことしないようにしなさい」

 

「し、しません!」

 

「うううぅ、よかったねぇフェイトぉ」

 

実にハッピーな風景になっています。

おそらくフェイトが言っていたあの言葉が心に残ったのだろう。

どこかぎこちないがそれはどの家族でも見れるような風景だった。

 

「それじゃあさっさと帰るか」

 

「ええー、もう少し残っててもいいんじゃない?」

 

「早く帰って西尾維〇の信者仲間に初版が手に入ったことを自慢したい」

 

「君はぶれないね……」

 

「苦労するわね」

 

「もう慣れましたよ。それに楽しいこともあったし。あっ、大量に傀儡兵を壊してすいませんでした」

 

「いいわよ。あとで新しく(リニスが)作るから」

 

「(何か不穏な文字が聞こえたような……)とにかくここでレオンたちとはお別れですね。改めてお礼を言わせてもらいます」

 

「いいよ。こっちも助けなきゃいけない理由が出来てたから」

 

「はい。それではまた」

 

「おう、またあおうな!ジュエルシード『俺とクインが元居た時間、場所に正確に戻せ』

 

光が俺とクインを包み込み何も見えなくなる。

色々とあったがまぁ結果的に良かったからいいとしよう。

珍しいものも手に入ったことだしな。

 

 

※後に残ったテスタロッサ一家の会話

 

「行ったわね」

 

「はい。変わった子たちでした」

 

「妙に戦いなれてたことも不可解だったわ。まぁそれを除けば私たちにとっての大恩人だけど」

 

「!?母さん!!」

 

「なにかしらフェイト?」

 

「二十一個の魔力が落ちてきて消えた」

 

「それってレオンちゃんが持ってた……」

 

「ジュエルシードね。悪いけど回収してきてくれるかしらフェイト」

 

「はい!行こうアルフ!」

 

「明日からでいいわよ」

 

「プレシア、いっそのことこちらに住むというのはどうで主。アリシア達にも同年代の友人が欲しいですし」

 

「それもいいわね。ただし彼氏なんてできたらそいつには…………」

 

「……子供が見たら泣くような顔は止めて下さい」

 

 

何はともあれ平和そうだ。

 

 

 

光が収まるとそこは元居た河原。

何事もなかったように元居た場所に戻って来てた。

 

「まさかあんな経験するなんてね……」

 

「何事も経験とは言えあんな経験はもうしなくてもいいな」

 

ふぅ、疲れた。

あっちにいるよりこっちの居た方がなんか肩の荷が下りたようでいいや。

まぁ今回の事でちょっとしたものを手に入れられたからいいや。

 

「そういえばレオン。あのジュエルシードはどうするんだ?」

 

「もちろん俺が管理する。こんな良いもの誰にも渡さん。というか誰にもわたせん」

 

「確かに、あの性能じゃ誰にも渡せないだろうし。ところでレオン、あっさりと帰ってきたけどいいのかい?」

 

「何の事だ?」

 

「もちろん、うしろの彼女たちの事だよ」

 

「後ろ?」

 

クインがまた俺をからかっているのかと思い後ろを見ると、そこには幽鬼が居た。

 

「探しましたよレオンさん……。乙女心を傷つけるものは怒って良いってミーツさんも言ってましたし、ヤッテモイイデスヨネ……?」

 

間違えた。アインハルトだ。

しかし顔を俯かせたその姿はかなり不気味だ。

思わず後ずさりする。

その時アインハルトが来た方向とは別の方向から何かが飛び出してきた。

 

「ハロー!レオンクゥゥゥゥゥゥン!!」

「さすがに管理局の白い悪魔の砲撃は効いたぜぇ」

「死ぬかと持ったからな」

「お前が捕まらないせいでおしおきと称して砲撃されたんだぞ?」

「さぁ、小便はすませたか?」

「神様にお祈りする準備は?」

「ガタガタ震えて震えて命乞いする準備は」

「「「「おーけぇぇぇぇぇい?」」」」

 

こっちはキャラの変わった、いや変わりすぎた司書たち。

こうなったら残った方向から逃げようとは知るがその方向の林からも何かが飛び出してきた。

 

「レオォォォォォォン!!お前が食事当番を守らないせいで母さんが夕飯を作ってしまったじゃないか!!その罪はぜひ母さんの手料理を全て食べることで償ってほしいんだけど!!安心しろ、俺の夕飯は恋人が作ってくれた料理だから!!」

 

飛び出してきたのは手に何やら紫色の煙を出している料理という名の兵器。

何をどうやったらあの母親はこんなものを作れるんだ!?

しかし、そんな疑問を解消するべき前に俺は現状をどうにかしなければいけない。

 

 

イタズラした為怒りで我を失ってるアインハルト。

 

ピンク色の砲撃をおしおきと称されうけた司書たち。

 

母さんの手料理を食わされそうになってリミッター解除して襲い掛かってくる兄貴。

 

 

あ、詰んだわ。

 

 

その日ミッドチルダのある河原で少年の悲鳴が上がったという。




これで過去編は終了です!
次回からは合宿編をやっていきたいと思いますので楽しみにしててください!

それではまた次回!
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