魔法少女リリカルなのはvivid~四人目の王~   作:ビスマルク

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第三話

ザンクト・ヒルデ魔法学院に入学してすでに三ヶ月が経過した。

二ヶ月ほど前にクラスメイト達のいざこざを止めたせいかクラスのリーダー的存在をやらされた。

そりゃね、そりゃ俺は前世っていうアドバンテージがあるから普通の子供よりは早熟だよ?ほかの子供にできないことだってとりあえずは出来るさ。

だからって、だからって

 

「テストの配点とか絶対に小学生にやらせることじゃねぇだろ!!」

 

「うるさいぞ、ほら次だ」

 

「あ、はい。すみません」

 

隣で作業していた筆記担当の先生に怒られてしまった。

って違うだろ!

 

「先生、なんで俺はここにいるんでしょうか?」

 

「お前優秀(笑)だから担任に売られたんだろ」

 

「やっぱりか!やっぱりあのゴリラか!!」

 

あの野郎、なんであんなに俺のことを目の敵にするんだよ…!

俺なんかしたか?

確かに机を破壊したのは俺だよ?でもそれはクラスメイトを止めるってことがあったし。

壁を壊したのも俺だよ?だって実技の先生が思いっきりやってみろとかいうんだもん。

先生の眼鏡を壊したのも俺だよ?そりゃあんなに似合ってないものかけてたら壊したくなるでしょ?

屋上を改造したのも俺だよ?だって快適な昼寝空間が欲しかったんだもん。

だけど色々したからってありとあらゆる雑用俺にさせなくてもいいじゃん!!

 

「そうは思わないかね、アインハルト君!!」

 

「それは多分、レオンさんが悪いと思いますけど…」

 

「なんだって!?」

 

「そんなに驚くことでしょうか?」

 

せっかく雑用を終わらせて帰ろうとして、ちょうど帰る途中だったアインハルトに俺の愚痴を聞いてもらっていたら驚きの言葉が返された。

まさか俺が悪かったなんて……。

 

「でもさすがにテストの配点はひどくね?絶対にさぼりたいだけだよあのゴリラ」

 

「確かにそうですよね。でもレオンさんは魔法学以外はほぼ満点じゃありませんか?特にデバイス学なんてあんなに詳しいんですから」

 

「そりゃ自分のデバイスを作りたいからやってることだよ。俺は基本的に自分のやりたい事以外はやらん」

 

「…レオンさんて怠け癖がひどい時がありますね」

 

「そうかねぇ?自分じゃわかんないもんだからな、そういうもんは」

 

「そういうものですか?」

 

「そういうもんさ」

 

「そう、ですか。あ、それでは私はこっちなので」

 

「おう、また明日な」

 

「はい、さようなら」

 

なにか急いでいるのかそのままアインハルトは走り去っていく。

……あいつって鍛えているのかね、あんなに足速いし。

ま、俺も自分のことに集中しますか。自分のデバイス作ったり『夜王流』の技を身につけたり。やらなきゃいけないことは山のようにあるから一つずつ片づけていかなきゃならねぇ。

こういう生活は好きだからいいけどな。

さて俺もさっさと帰りますか。

 

 

***

 

 

「うーん、やっぱりデバイスを一から作るのは難しいな」

 

作り始めてからわかったことだがデバイスのフレーム部分は何とでもなる。

兄貴がそういうことに詳しかったからそこは問題ないとして、

 

「問題は中身なんだよなぁ……」

 

デバイスって中身が無きゃただの丈夫なおもちゃみたいなもんだからなぁ。

そんなものには全く意味ない。

第一空っぽだったら作る意味がない。

 

「前世じゃデバイスなんてものあんまりいらなかったからなぁ…」

 

俺は完全に生身で戦ってたからなぁ。

魔法なんて最低限、しかも感覚で覚えてたから魔法学の点数も低いし。

これじゃあデバイスが出来るのはいつになることやら。

最悪兄貴に作ってもらうことになるかもしれん。

 

「……それは嫌だな」

 

間違いなく、そう間違いなくあの兄貴は笑うだろう。

俺の神経を逆撫でするように笑うに決まっている。

だから兄貴に頼むのは最後の手段にしておきたいところだ。

 

「とはいえ、このままでは進展は全くなしってことだしな」

 

「どうかしたのかい?」

 

「へ?」

 

一人で考え事にふけていると後ろに十五歳くらいのハニーブロンドの髪に翡翠色の目をした男性が居た。

あっ、この人二ヶ月くらい前にあの本を渡してきてくれた人じゃないか。

 

「二カ月ほど前からデバイス関係の本ばっかり読んでいるけどそういうものに興味があるのかい?」

 

「ああー、自分のデバイスを作りたいから調べているんですがちょっと一人じゃ限界があって」

 

「確かにそれは一人じゃ難しいだろうね」

 

「やっぱいそういう専門書とか買わなきゃダメなんですかね」

 

「そんなに今すぐ自分のデバイスが欲しいのかい?」

 

「そういう訳じゃないんですけど……」

 

「そうか…」

 

俺の様子から何かを感じたのか男性は一人で考え込みはじめた。

そうして十秒くらいするとその顔に笑みを浮かべていた。

 

「よかったらだけど、この無限書庫の司書の仕事を手伝ってみないかい?」

 

「へ?」

 

「暇が出来たらその間にいろいろ教えてあげられると思うし、フレームの材料を買うとしても資金は必要だろ?丁度いいと思うんだけど」

 

「資金って……お金をもらえるんですか!?」

 

「もちろん。大切な仕事だからね」

 

「でも俺まだ六歳ですよ?」

 

「ま、なんとかして見せるさ。で、答えは?」

 

こんないい待遇があるだろうか?いやない!

フレームはここで金を貯めることが出来れば予定よりも丈夫なものになるだろうし、AI用のコアを買うこともできるかもしれない。

断る理由は、ない。

 

「それじゃあ…お願いします」

 

「そうそう、僕の名前はユーノ・スクライアっていうんだ。君は?」

 

「レオン・G・トエーラです」

 

「よろしく、レオン」

 

「こちらこそ」

 

どちらともなく握手する俺達だった。

こうしてこの日から俺は無限書庫の見習い司書として働くことになった。

 

 

***

 

 

あれから一ヶ月後正式に無限書庫の司書としての試験を受けて見事い合格した。

……ぶっちゃけデバイスよりもこちらの勉強をさせられた気がする。

きっとユーノさんはこれから忙しくなりそうだからって俺を巻き込もうとしているんだろう。あのすごい隈して、ハイライトをなくしたような目で見ないでほしい。本当に怖かった。

そうそう、金がたまったからとりあえずフレーム用の部品だけ買っておいた。コアは高かったからまた今度にする。

 

「とりあえずデバイスのことは頭から離して、修練といきますか」

 

デバイスばかりに思考を傾けてはいられない。

俺の望みはデバイスを作ることではなく強くなることなのだから。

悪いがデバイス作りは強くなることに対する一環のようなものだ。自分の武器も手入れできないようじゃ戦士失格だからな。

 

「とりあえず、今できる技を確認するか」

 

この時俺は今の俺の体についてよく考えるべきだった。

俺の体は現在六歳なのだから『夜王流』を昔の様に放とうと思えば

 

ボキッ!

 

骨が折れました。

いやー、さすがにいきなり破壊力のある技から入るのはダメだったな。

反省反省。

頭の中ではそう思っていたが現実は

 

「~~~~~~~っ!!」

 

痛みに耐えきれず叫んでいた。

今の俺は肉体に精神が引っ張られている状態。

それはつまり、痛かったら泣いてしまうということだ。

いやまぁ泣かなかったよ?期待してた人には悪いけどなかなかったよ?ちょっと目から汗が出てきたけどこれは汗であって涙じゃないからね?

誰に言っているのか分からなかったがこんな馬鹿なことでもしていなかったら俺は多分気絶していただろう。

おや、誰か来たようだ。

 

「レオンさん!?」

 

どうやらアインハルトのようだ。

視界がぼやけてよく見えないがこれくらいは声で判断できる。

というか特徴的な髪の色はぼやけていてもよく見える。

 

「どうしたんですかその腕は!!」

 

「ちょ、揺らさないでほしいんですけど!まぢで痛いから!!やめて!!やるなら救急車呼んで!!」

 

「そ、そうですね。こういう時こそ冷静にならなければ。きゅーきゅーしゃー!!」

 

「お前冷静な振りしてるだけだろ!?」

 

病院に行った結果やっぱり骨折していた。

綺麗に折れていたようで治癒魔法をかけてもらったらすぐに治った。

が、動かすのはしばらくやめておくようにと言われた。

 

「まさかお前が救急車で運ばれたなんてな」

 

「うるさい、母さんはどうしたんだよ」

 

「家で夕食の準備をしてるよ。全く、格闘の練習なら焦らなくたってこれからいくらでもできるだろうに」

 

「その、「いくらでも」って時に努力しなきゃ強くなれないだろ」

 

「ふぅ、お前も男子ってことか」

 

「俺は最初から男だ」

 

「そういう意味じゃないんだがな」

 

「じゃあどういう意味だよ」

 

「秘密だ」

 

迎えに来た兄貴は俺を見ると同時に何やら優しい目をしながら俺を諭すように声をかけてきた。

それでも俺の決意は変わらない。一刻もはやく昔と同じだけの力をつけて『覇王流』との戦いに向けて準備をしなければ。

急ぎすぎてダメという訳はないだろう。

それにしてもうちの兄貴はうざい。何が「秘密だ」だ。男がやってもキモイだけだろうに。

 

「あっ、レオンさん」

 

「ん、アインハルト?なんでまだここにいるんだ」

 

「えっ?」

 

「おいおいレオン。それじゃあ彼女が待っていたことが邪魔だったって言ってるように聞こえるぞ」

 

「え、まじで?そんな気は全然なかったんだがそう聞こえたんなら謝る」

 

「い、いえ。わたしもいきなり言われたからびっくりしただけで」

 

いやいや、そう言いながらお前の顔完璧にほっとした表情うかべてるぞ。

触れないでおくけどさ。

 

「そういやあんなところで何してたんだ?」

 

「あそこはいつものジョギングコースで…」

 

「おまえんちからあそこまで軽く二キロはあったと思うけど」

 

「それを言うならレオンさんの家からあそこだって三キロほどあったと思いましたが」

 

「……ま、まぁジョギングコースくらいかぶるときがあるよな」

 

「そうですね」

 

「話は終わったかい」

 

俺とアインハルトの話が終わったのと同時に話しかけてくる。

…こういった出来たところも少しむかつく。

 

「さて、アインハルトさん。君にはお礼を言っておくよ。俺の弟を助けてくれてありがとう」

 

「い、いえ、当然のことをしただけですから」

 

「だとしてもうちの弟を助けてくれたことには何か感謝の気持ちを表したいし……」

 

顔見て分かった。

また変なこと企んでるな。

 

「そうだ。ちょうど今夕食を作っていたみたいだし、アインハルトさんさえよければこの後家で夕食を食べていかないかい?ここからはうちの方が近いだろうし」

 

「え?え?」

 

「ああ、別に断ってもいいよ。無理強いする気はこれっぽちしかないから」

 

「あるのかよ!!」

 

「え、えっと親に聞いてみないことには分かりません」

 

瞬間図ったようにアインハルトの元に彼女の親からせっかくだからごちそうしてもらえときた。

これは最初から兄貴が仕組んでいたと疑うレベルだな。

 

「えっと、それじゃあ、ご一緒させてもらってもよろしいですか……?」

 

「もちろんだよ!!」

 

「はぁ…」

 

絶対後でこれもからかわれる原因になるんだろうなぁ。

もしこの世界でヴォルケンリッターたちと再会したとしても今日のことは絶対にばれないようにしなければ。

ばれたら絶対に笑われる、間違いなく。特にヴィータは大きな声で爆笑するだろう。

これから技の練習は少なくても一年はやらないようにしよう。

うん、そうしよう。

 

 

「あらあら、レオンのお友達ね。初めまして、レオンの母です」

 

「アインハルト・ストラトスです。本日はごちそうになります」

 

「そんな他人行儀にしなくてもいいのよ。レオンの命の恩人なのでしょう?」

 

「おい兄貴。母さんにどんな風に説明しやがった」

 

「レオンが森の奥で倒れこんでいたところを助けを呼んで助けてくれた。ただそれだけ言っただけなんだがなぁ」

 

「それじゃあ俺が病気で倒れこんだって思われても仕方ないだろうが!母さんは少し天然なんだからそこんとこしっかり説明しないと勘違いするだろうが!ほら見てみろ、いきなり何言われてるのか把握できてなくてアインハルトの顔の戸惑いレベルがマックスだぞ!!」

 

「……タワシとウニを間違えるのは少しの天然で済むのか?」

 

「……それ前親父と話していたけど冗談じゃなかったのか?」

 

「冗談だったらどれだけよかったか」

 

まじか、この兄貴がこんなに顔色を悪くしているということは本当だということだろう。

絶対にそんなものはアインハルトには食べさせられない。

助けてもらった上にまずい料理と思えないものを食べさせるなんてことを許してはいけないだろう。

万が一にもそんなものが出てきたらすべて兄貴に食わせよう。俺?俺は食えるもんしか喰わん。

だけどそんな予想とは裏腹に出てきたのはうまそうなカレーだった。

考えてみれば俺が生まれてきてからは食えないようなまずいものは出てきた覚えがないな。

これは兄貴の心配性が出てきただけか。

 

「それじゃカンパーイ!」

 

「それ一人でやってて寂しくないか?」

 

一人でグラスを上にあげる兄貴、みんなでやっていれば映える光景も一人ではこんなに空しいものはないと思う。

仕方なくグラスをあげ飲み物を一口入れる。

アインハルトも俺同様の動きした後飲み物を口に入れる。

 

「そういえば二人は恋人同士とかじゃないの?」

 

ブッーーーーーー!!!

 

「目がっ!目がっーーー!!」

 

俺は思わず眼の前の椅子にかけている兄貴めがけてジュースを噴射する。

兄貴の目に直撃したようだがそんなものは無視だ無視!

俺が動揺したようにアインハルトも顔を真っ赤にしていた。

その反応は当たり前だろう。俺も同じ反応してるからな!

 

「母さん!そんなもの初等部、しかも一年でできるわけないだろうがっ!!」

 

「あら、初等部だったの?母さんてっきり中等部かと思ったわ?」

 

「自分の子供年齢くらい覚えておこうぜ!?」

 

「六歳と十三歳って似てるからいやね?」

 

「文字数も画数も何もかもあたってないからな」

 

兄貴の言うとおりだ。

間違いなくこの人は天然だ。天然という名前の悪魔だ。早く何とかしないと。

戦々恐々としながら食事を続けたがその後は何事もなく終わった。

 

「こんな食事に巻き込んじまって」

 

「いえ、とても楽しかったですよ」

 

「そう言ってくれると助かる」

 

「ところでレオンさんはあそこで何をしていたんですか?」

 

「ん?修練だよ、修練。もっと強くならなきゃいけねぇからな」

 

「強く…」

 

「……?どうかしたのか?」

 

「え?ああ、何でもありませんよ」

 

「そうか?まぁいいや、じゃあ帰りは兄貴に送ってもらってくれ」

 

「はい、それではレオンさん。また明日学校で」

 

「おう」

 

こうしていろいろあった食事会も無事に終わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、どこにあったのかしら。こんなにいっぱいのウニ」

 

「それはタワシだ!!」

 

母の知りたくなかった一面を知ってしまったという点以外は、

 

 





アインハルトがぼけた時を想像するととてもかわいらしいと思うのは俺だけでしょうか?←おまわりさーんこっちでーす!!
うわっ、何する!俺にはまだやるべきことが!!
まだ愛で足りないのにッ!!
誰か俺の代わりに美少女を愛で、アッーーーーーー!!

ピーポーピーポー。

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