早めに投稿です。
今回は間隔をあけて見ました。この方が見やすいのならこれからもこちらに変えるのでコメントをお願いします。
とある平日の夕方、俺と栞ねぇは納豆を混ぜていた。
「栞ねぇ?これなんで混ぜてんの……?」
「真島さんが来るんだって……」
「へー。……へ?」
「……?どうしたの?帯。」
「真島さんがインタビューの時に食うの?」
「うん、茜お姉様が……」
「おし、待ってろ栞ねぇ。元凶ぶっ潰してくるわ。」
納豆を混ぜる手をやめて、納豆をご飯をスタンばってたブブに渡してから二階に向かう。
………んん?
「って待て、ブブなんでいる。」
「帯坊……今更……?」
「今気づいた……てかなんで出て来てんの?」
そこで家のインターホンが鳴った。茜が出て客間に案内したようだ。
「あぁ、真島さん来たのか。」
茜の階段を上る音が聞こえるので、岬を呼びに行ったのだろう。しばらくすると、二人分の階段を下りる音、ではなく茜の絶叫が聞こえた。
「はっ……反抗期きたぁああああああああああああああああああああ」
「あぁー、ブブ?めんどくさい感じ?」
無言で頷くブブを見てため息を一つ。周りにいた兄妹も少し困った表情をした。
「で?今回はなんでなんだ?」
「……えっと、特別な兄弟の中で、私は普通で、私は必要にされてない。っていってたよ。」
「……そんだけ?」
「……ざっくりいうと。」
ざっくり言い過ぎだろう……まあ大体わかったけれども。
「はぁ、行くか。」
「え?行くの?帯ははるくんに任せると思ってた。」
今まで会話に加わってなかった、光が会話に入ってきた。光は適切なことを言っているのだが、今回ばかりは俺が役に立てそうだった。前世を覚えていて、一般人だった俺が。
「まぁ、今回だけな。あ、光と栞ねぇで真島さんの肩もみとかしてこれば?」
「おーーー!!ナイスアイデア!!いこっか、栞!」
「はい、光お姉様!」
栞ねぇは元気よく返事して、先に行ってしまった光の後を追う。俺とすれ違う時に
「帯、岬お姉様をよろしくね。」
という耳打ちを残して、客間に向かった。
「んじゃ行くか。ブブも来い!」
「……引っ張らないでー」
岬と遥の部屋に入るとそこにはベットに座った岬を囲うように座る分身たちと、遥に抱き着き、泣きながら絡んでいる茜がいた。
「帯ーーーー!!岬がね!岬がね!!」
「はいはい、後で聞くから。岬、話がある。」
「な、なによ、帯も私になんか言うつもり!?」
「おー、帯、なんだなんだ、こっちゃ来い来い。」
ユニコが岬のことを無視して俺のことを膝に乗せる。
「あ、ずるいと思います!」
ライオが俺を奪おうと頑張るが、ソフト部の助っ人をしているユニコには力でかなわないそうだ。
「待て待て、いったん止めろ。今日は遊びに来たんじゃないんだ。」
ユニコの膝から下りる。そして岬の横に座った。
「ブブから聞いたんだが、自分は誰にも必要にされてないと思ってるって本当か?」
「うぅ、だって……」
「自分は特別な人間じゃないって本気で思ってるのか?」
「でも、それは本当でしょ?私の分身にはそれぞれ何かの才能があるし、ほかのみんなもそうだけど、私だけ何もなくて、空っぽだ「こら。」……帯、痛い。」
「そんなことないだろ。こいつら分身はお前の一部だし。それにもう一つ。」
そう言って俺は岬の頭を撫で、能力を借り、発動させ、
「俺の能力で完璧にコピーできないのは岬の能力だけなんだ。」
俺の能力で岬の能力を使った場合、六人にしか分裂できない。岬が七つの大罪、憤怒、嫉妬、強欲、暴食、怠惰、色欲、傲慢、の七人に分裂できるのに対し、俺はいわゆる感情、喜、怒、哀、楽、愛、憎、の六人にしか分裂できない。
「岬ちゃんだーー!!久しぶりでもないけどハグーーー!」
喜びの感情のキコ
「なんだよ、みんなそろって、あぁ~暑苦し。」
怒りの感情のドリ
「栞ねぇがいない……」
哀しみの感情のカナ
「おーみんなそろって、何か楽しいことでもするの?」
楽しみの感情のラク
「……………」
「アイ!!俺に無言で抱き着くな!!」
愛しみの感情のアイ
「帯、恨めしいぞ。こんなカオスな空間に呼びやがって……」
憎しみの感情のシミ
「わかったか?これでお前は兄妹唯一の存在だ。」
「でも、それはきっうぐぅ。」
岬が急に言葉に詰まる。アイが後ろから岬の首に抱き着いたからだ。
「……嫌い。」
アイが小さいがよく通る声でつぶやく。
「……自分を愛せない岬ちゃん、嫌い。」
ドリがアイを引きはがすと、今度はシミが岬の首に手を回して顔を近づける。
「自分は誰からも必要とされてない……だったか?恨めしいな、帯もみんなも岬を必要としてるのに気づかないなんて、恨めしいよ。」
今度はカナだった。岬の背中に自分の背中をくっつけて、膝を抱える。
「岬ちゃんがいないと、カナは哀しいよ?泣いちゃうよ?」
今度はラクが岬の膝に頭を乗せ、俯いている岬と目を合わせる。
「みさちゃんは難しいこと考えすぎ。とりあえず笑顔だよ!」
岬の肩は少し揺れていた。そんな岬を見て止める間もなく動き出したのはドリだった。
「いつまでもくよくよしてんじゃねぇ!!いい加減泣き止みやがれ!!」
その言葉に岬は涙をぬぐい、俯いていた顔を上げた。
「ん、みんな、ありがと。」
「岬ちゃんが笑うとうれしいねー!」
キコが笑いながら俺を連れて岬に抱き着く。
「キコ、危ないだ「帯ぃ……」ろ……岬?」
岬が俺を抱きしめてくる。
「ありがとね、帯。」
俺は能力を全部解いて、岬を抱きしめる。
「あいつらが全部言っちまったけれど。俺は岬がいないと寂しいし、岬が泣いてると哀しい。岬が笑顔でいてくれると俺も楽しくなるし、岬が元気だと嬉しい。だからさぁ岬。もぅ、あんなこというなよ。」
「帯……」
視界がぼやけてきた。泣きそうなのを必死にこらえた。岬が力を入れた瞬間、ドアが勢いよく開いた。
「岬ちゃん早く来てよぉ!!真島さんの肩揉みすぎて腕痛いよぉ!!」
「帯……遅い、待てない、早く。」
入ってきたのは光と栞ねぇだった。というか、真島さんが来ていたのを完全に忘れていた。
「あーーー!!そうだよ岬!客観視出来て社会性がある岬じゃないとできないの!!」
「岬、適材適所なんだよ。頑張れ。」
あ、茜と岬もいたのか。これも忘れてたな。ていうか茜は目の周り赤いし。
「もう、仕方ないなぁ。……あーもう行けばいいんでしょ!私がいないとダメダメなんだから!!全員中に戻って!自由時間は終わり!!」
岬が分身を中に戻す。そして俺の方に来て俺の体を抱き、
「は……?これはどういうことだ、岬。この流れ的に岬が客間に向かってハッピーエンドなんじゃないのかよ。」
「お姉ちゃんを泣かせた罰です。今日は一緒にインタビューを受けます。」
「おい、え、ちょっと待って、遥助け「無理。」即答!?あ、待って、いーやーだー!!」
嫌がる俺を無理やり連れだした岬の顔を俺は見れなかったが、とても笑顔だったらしい。