落下こそわが人生。なんと素晴らしい響きだろう。
しかし、空と大地を繋ぐ
どうやらもう少し登る努力をする必要がありそうだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
前に一度やれたことがもう一度再現できたってところで、そこでようやく嬉しさを噛み締めることができる。一回目は全身に擦り傷と打ち身を作りながら無我夢中って感じだったし。
やれるぜ、ジョニィ・ジョースター。百年前のお前も自力で歩けやしなかったくせに、とんでもない冒険の果てにくたばったみたいだが──今回もどうやらそんな感じになりそうだ。
いつだって身の丈以上の状況に必死で首突っ込んでる。落下の果てにはろくな死に方しないだろうな。
馬の背の体温を、不随の僕は感じられない。腿も膝も踵も、ただ「乗っている」だけ。身を捻って尻のあたりを確認すると、だらんと馬の腹に下がった鐙よりもかなり上の方で踵が引っかかっていた。
でも、この位置がいいな。鐙のバックルに手が届くか? 位置を合わせよう。
「すごい変な乗り方したと思ったら、すごい変な乗り方してる」
「それはそうなんだけど、君はもうちょっとワカリ易く喋れないのか?」
思わず口答えしてから気づいたが、この声の主が誰なのか僕は知らない。肩越しに振り向くと──ええい、駄目だ。何故覚えてないんだ? ──フェルト帽の少女が僕の後ろに相乗りし、好奇心に満ちた眼差しで僕が鐙のベルトを短く締めるのを観察していた。
正直なところ、こんな不気味なヤツを乗せて走りたくはない。傍らで腕組みして見守ってくれていた魔理沙に視線を送る。
「上がり方が気持ち悪すぎる。二点。でもなんというか……ピッタリだな。うん。お前が乗った瞬間、馬が『完成した』感じがする。妙な感じだ」
「……馬にとって騎手は異物だ。体重がある以上、ただ乗ってるだけじゃ『元の強さに一未満の数をかける』ことになる。それを避けるには『欠けを埋める』イメージからスタートしなくちゃいけない。わかるかな……点数は?」
「ちょっと何言ってるかわからんから〇・五ほど減点」
「私のお姉ちゃんは十一点でした。強い」
十点満点ですらないことがわかった。まあいい、屋敷に帰って一日を終えていたら二点どころではなかった。この達者な魔法使いの少女を多少感心させただけでも大きな前進だ。
「さて、どうする? こいつに乗れたはいいが、さっきの群れは見失ってしまった」
黒雲から際限なく降る細雨のせいで、ここら一帯の視界はかなり悪い。さっきの馬たちが走っていた雑木林の外縁、そのシルエットさえ見えなくなってしまったくらいだ。
魔理沙はおもむろにどこかから(本当にどこなんだ? この娘の衣服には雑貨屋か何かが棲んでいるのか?)小ぶりなランタンを取り出した。
「曳光しながら飛んで探す。お前はほどほどについてきてくれ。あ、えっと、マッチ……マッチどこやったかな……」
スカートの裾の外周をガサゴソやっている。ありとあらゆる道具が出てきた。十徳ナイフ、陶器の皿、銀のスプーン、缶詰、羽根ペン、乾いたコウモリの死骸、擦り切れたコイン、ひしゃげたクマのぬいぐるみ、歯ブラシ……しかしマッチは出てこなかった。
「やったなぁ……八卦炉だとランタン溶かしそうだし」
「しょうがないなぁ。こんな時のために心に火をともしてるんだよねいっつも」
僕の背後からにゅっとランタンの火口へ手が伸びた。指を鳴らす仕草。音は湿気ていたが見事にハート型の火が灯った。
ちくしょう、人類の心の拠り所が薄っぺらい愛に燃やされちまった、とかぼやきながら魔理沙はランタンを抱えて飛び立つ。その後ろ姿さえ二十ヤードも離れると不確かな、そんな状況に僕は背後の少女と二人で取り残された。
「さ、私たちもそろそろ行こうよ。ポッケの中のクッキーが湿気ちゃう」
「……手伝ってくれるのか?」
「どうだろ?」
「名前を聞いても?」
「ひみつ」
人に名前を名乗る時はまず自分から、という古今普遍のルールが一瞬頭を過ったが、今回はそれ以上詮索も自己主張もせずにおくことにした。そもそもこんなわけの分からない幽霊みたいなヤツと自己紹介し合うなんて少々イカれてる行為だ。
後ろに座っているのは名無しのPhantom。僕の方といえば──ジョニィ・ジョースターである前に、今は一人の騎手として我を捨て、この壮年の牡馬と溶け合わねばならない。
ハミは取れている。鞍も鐙もいい位置だ。体重を前へ移動させ、手綱を一打ちすると彼は軽く鼻を鳴らした後に歩み出す。上空で魔理沙の灯火が妖しいオレンジ色に揺れている。ゆっくりでいい。お前の群れを連れ戻しに行こう。
さて、迷いはしたが、結局少女にはこれだけを言うことにした。少なくとも馬具を準備してくれたのは彼女だろうから。
「ありがとう」
返答はない。ちらりと後ろを振り返ると、フェルト帽を片手で押さえながら横座りに座ってあらぬ方角を眺めている少女がそこにはいた。彼女はどこから来て、何のためにここにいるのだろうか。口元に穏やかな笑みを浮かべ、足を交互に揺らしているその姿はどこか懐かしく、存在しない過去の夏から来た思い出のように遠かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「同・盟」
荒ぶ黒い風雲の中、短い沈黙の後に鵺はわざとらしく、一音一音を区切るように発声した。眼下の鴉天狗がいたって真剣なのは承知の上で、彼女はそのワードチョイス自体を嘲笑せねばならなかった。
「『軍門に降れ』と言いたいわけだな。たかが弾遊び一幕の褒美、ずいぶん大きく出たじゃないか」
「違います」
「何が違う。外法の者らの汚い舌先は千年ですっかり見飽いたよ」
天狗は目を閉じて苦笑した。
「唇が滅び、歯が朽ちてから戯れに舌を出す者がどうしてありましょうか。言葉遊びをしているのではない」
「…………」
「ときにお伺いするのですが、去る冬に里を襲った異変について、どこまでご存じで?」
「手口と狙いの見えない稚拙な催しだった。それ以上の感想はない」
「そう。中身も続きもない。しかし、アレ以降、各地で見られるようになった
風が吹き上がり、文の手元から数枚の紙切れを攫って鵺の元へと届けた。それはこの嵐の外で管狐が魔法使いに
眉を顰めて写真をつまむ不明へ、天狗は畳み掛けるように語を続けた。
「ただ『殖やす』だけが其の能として──次は何が殖えるのでしょうか。神、人、妖、霊。どれも私たちの意義を、存在を損ねるでしょう。容易く真似られ、この世に無二でなくなった魂は、脆い」
「…………」
「ああ、何者かに利用される可能性もありましょうか。食えるモノや撒けるカネが殖えれば人は富みます。富んだ彼らはココロよりもモノに依るようになり、我らを畏れなくなる。逆に人喰らいの妖のような者が殖えすぎれば──」
「もういい」
気だるげに、投げやりな制止。宙に胡坐して頬杖の鵺は目を閉じ、長く深い息をついていた。
「このシャシンとやらも、お前の語るあらましも信用に足らん。其の危険性とやらはいずれ、私の耳目で確かめる」
「構いません」
「だが──なぜ私なんだ? そこのところの答えを貰っていないぞ」
「それは、此度の事案において貴女が最も『堅固な存在』たり得るからです」
片眉を吊り上げて続きを促すと、記者は途端ににやりと慇懃に笑った。能力は買っていても、鵺からすると天狗のこういうところが本当に気に入らない。誰にも媚びずともやっていける実力の持ち主が、こうして妖怪の山という組織の手先として恥を晒している。その生き様自体が鵺の理解の外にある。
「『鵺』……その力も、声も、姿も、歴史でさえ、何一つ貴女の本質ではない。本質の判らないモノを模倣することはできないはずです。誰も、貴女の真似はできない。出来たとて、その場その場の見た目上の形質のみでしょう」
「ずいぶん高く買われたものだ」
「言い値で買うつもりですとも──我らは群れゆえに、今回のような『紛れ込む』手合いには弱い。貴女の
「どうか」と射命丸は拝礼した。
ふむ、と封獣は軽く唸る。確かに不明の力はモノの性質を隠すのにうってつけの能力である。見た目はもちろんのこと、そのモノの本質、例えば天狗の挙げた唯一性などといった概念ですらも包み隠せる。有効範囲もそれなりに広く、その気になれば人里程度の面積をあっという間に陥れるに造作もない。
ママゴトとはいえ、自らを打ち破った者が頭を下げてきた。
聞けば聞くほどつまらない輩が、この幻想郷というそこそこ住心地の佳い地を歪めようとしている……というのであれば、其奴を引きずり出して車裂きにしてやるのも吝かではない、という思いもある。
それに加えて(眼前の射命丸某のことは気に入らないが)、力を貸さない理由が取り立てて無いのもまた事実である。
なおも数瞬の思考の後、ぬえは胡座の膝を打った。
「受けてやってもよい」
「ご英断です」
「幾つか条件がある。さほど難しくはないはずだ」
「伺いましょう」
ひとつ。
「禄は寄越せ。少なくとも米、麦、味噌、酒、干物は要請した分だけ都度用意してもらう」
「叶いましょう」
ふたつ。
「お前達の里の近くに私の詰所を一つ。寝具、鍛冶場、井戸、氷室を備えたうえで雑兵の立ち入りを禁じろ」
「直ぐにも童共に造営させましょう」
みっつ。
「賊について、少なくともお前の知っている限り全ての情報を共有してもらう。盟するというなら当然のはず」
「御意に」
「最後に、だ」
懐から布袋を取り出す。見れば土手っ腹が裂けているようだった。
「お前のせいで今日買ったばかりの徳利と煙草がだめになってしまった」
「…………」
「許さないよ」
袋を背後の紫雲に向けて放り捨てる。
返す腕で、雲中から叉槍をゆっくりと引き抜いていく。同時に、一度は霧散したはずの闘気、殺意と呼ぶべき言外の圧力が大気に帰ってきたのを射命丸は感じる。
「……勝負はついたと、先ほどご自分で」
「あーそうだね。だからこれは、負け犬のみっともない反則手ってわけ」
立ち上がった鵺はぬるりと半身になり、叉槍を中段に構えて宙に静止した。
「最後の条件だ。一合でいい──これを受け取ってくれ」
首肯。
鵺の姿形が黒く細長い奔流と化して降り注ぐのと、天狗が羽扇を左逆袈裟へ抜き打って迎え撃ちに疾るのとは、殆ど同時であった。
肉を打ち貫く音が二つ。やがて嵐の中に消えていく。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
足腰を使わずに乗馬するなんてできっこない。残念ながらそれは前提だ。こうして
では、どうするか? まず考えるのは僕の動かない足腰のことじゃない。「いかに馬の邪魔をしないか」。ここがスタート地点だ。
「〜♪」
背後から鼻歌が聴こえてくる。ああ、ゴキゲンで何よりだよ。君の機嫌をとっているヒマはないが、その「体重のない者のような乗り方」は参考になった。つまりは馬の歩幅、蹴りの強さとタイミングに合わせて僕もふさわしく動かなきゃならない。上半身の関節と筋肉、それと連動している下半身の各パーツ、そして時には馬の動きから受ける強い反動をも使って──僕の重さを無くす。カバンやリュックサックでさえ、持ち方を違えると重量感がまるで違う。数ポンドでも数十ポンドでも、彼に悟られる重さを減らすよう乗るんだ。
今のところこの牡馬は、体重移動と手綱の操作というわずかな指示で僕の意思通りに動いてくれている。いい子……と褒めるには歳を取りすぎているか。やるじゃないかオールド・マンって感じだ。背中を軽く叩いてやったところで僕は苦笑した。百数十年間も土の下でへばっていた僕にこんなことを言われたら向こうだって失笑だろう!
……少し浮かれすぎている。浮かれなければここまで来られなかったとはいえ。
僕は頭上を見上げた。白昼霧の振りしきる牧草地。三、四十ヤードほど彼方の決して届かない高さにカンテラの明かりが揺れている。けっきょくのところ、今は委ね、信じ、見上げて、あの光を追うだけのことだ。
「魔法使いさんはねー」
クソッ、何か勝手に話し出したぞ。
その声が、うまく思い出せない顔が、古い花のように柔らかな香りが心地よく感じられる。
違う、落ちる先はここじゃないと強く自分に言い聞かせ、さらに馬の背筋へと深く身を沈めた。蹄が濡れた泥土を打つ音が僕の意識を鋭敏に保ってくれていた。
「火とか星とか、そういう技ばっかり使うの」
「……」
「自分が
感情のまるでこもっていない声色だ。後ろを振り返ってやるような気にはなれない。批判でも揶揄でもない、喜怒哀楽が完全に欠け落ちた声で織られる霧雨魔理沙評。僕自身の感情に反して直感的に──正しいのだろうなと思わされるような、空虚さがあった。百パーセントの事実はただただ空虚だ。
「でも、本物のソラよりプラネタリウムの方が綺麗だしね。ホイッ、そんな感じの嘘と強がりと憧れで頑張ってるあの人間を、私は多分に気に入っています。ふふふん」
「…………」
「ってところでご質問。どうして爪なんか回してピッピッって飛ばしたいと思ったんですか?」
何だって?
イビツで矮小な力とはいえ僕の唯一の寄る辺だ。ひょっとして、どうやらそれをコケにされたんじゃないか? 僕のことなんて何一つ知らない、ガキのナリしてる
僕は──
怒りに灼ける代わりに──
自分でも驚くほど穏やかで平坦な心のまま、手綱を取る自らの手指を見下ろした。
「……わからない」
どうして『回転する爪』なんだ? 爪と歯こそが最後に信用を置くしかない武器だからか? しかし、人間がそれらを武器として用いるのをやめてから何千年も経っているはずだ。「自分の身を守るために爪を使わざるを得ない」。こう表現してしまえば……僕の置かれている状況は、石や骨を握ることすら覚えていなかったころのサルに近いわけだ。
馬が一つ鼻を震わせるような音を出した。気が付くと僕の拳には関節の節々が白く克明に浮き出るほど力が籠もっている。すまなかった。長いブランクと大きすぎるハンデのある僕に、ここまで息を合わせてくれたお前をいたずらに「抑える」ことはないね。頼むぜ。
「けど──仕方ないじゃないか。僕は変なツメを持ってここへ生まれてきたんだから。目や耳があることに思い悩むのか? 君は」
「うん」
霧の烟る草原と、頭上でくぐもって轟く雷鳴の間に奇妙な沈黙が降りた。老境に差し掛かった牡馬の息遣いや、先程まであんなにも僕を鼓舞していたはずの蹄音ですら押し退けるように。
果たして僕とこの少女型の『何か』は少しでも同じものを共有できているのだろうか。問いかけが、言葉が無造作にあった。しかし普通の会話にあるような交差点や終着点が、僕たちにはないように思える。かといって平行線かといえばそうでもない。彼女はずっと別の軸にいる。そんな感覚だ……
いつの間にか背後で再開していた物悲しげなハミングを聴きながら、僕は今一度上空を見上げる。……霧雨の少女が携えている、揺らめくオレンジ色の灯火が……少し、その飛行速度を上げた気がした。
「見つけたのか?」
呟いて、僕は腕の動きで軽く馬を促した。数パーセントずつギアが上がっていく。
──森の外縁が見えてきた。そろそろ、やらなきゃならない。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
出現を逆回しで観るように、幻の都は輝かしい構造を急速に収縮させていき、ついには消滅した。残されたのは渦巻くがらんどうの黒雲のみ。
そのただ中を、生命と切り離された枯葉の舞うように落下する姿が一つ。
腹部から胸部にかけて血に染まったブラウスと、無残に深く裂けたスカート。背中から生えた黒い羽も片方があらぬ方向へ折れ曲がり、風を孕むことすらできずにバタバタと騒がしく音を立てている。意識を失ったまま仰向けに落ちていく──それでも、この者の権能が生きていることの証左として、下降のスピードは自由落下よりもずっと緩やかだった。
だしぬけに、血を吐き出す激しい咳込みと喘鳴のような呼吸音が彼の者から発せられた。
文字通り息を吹き返した彼女は、身をよじるようにもがきながら空中で横転を繰り返したのち、折れた翼を強引に使って体勢を立て直す、上空二十丈。
辺りを素早く見回して状況を把握し直し、血に濡れそぼった腹を鷲掴んで恨み言のごとく絞り出した。
「わ、割に合わない……!」
血の味を噛み締める射命丸文である。
腹に穴が空いたとて、翼が折れたとて文が墜ちることはない。だが、ほんの半刻前までこじんまりした茶菓子屋で餡蜜氷などつついていたというのに今はこの有様、骨折りにも程がある。それが理不尽に感ぜられてしょうがないという呪詛であった。
「このプロジェクトの期間中って傷病手当の条項どうなってたかしら……」
在野の大妖怪たる鵺との接触と交渉。それ自体は上役からの指示を受けて文自身が予定に織り込んだ行程だった。かの妖怪の能力もさることながら、異変に立ち向かうにあたっては事前に不確定要素は可能な限り排除しておきたい、という考えがあった。
だが、何も今日でなくてもいいではないか。
こんな事になるのなら事前に台本も練ってくるべきだったし、護衛の数も白狼と鴉をもう一人ずつ、何なら
思い出せない。
文はこめかみを揉み、その指にも血糊がどろりとへばりついているのを見て苦笑した。その時、遥か上空からパタパタと何かがはためくような微かな音を聴き取る。見上げれば──
「あ」
と、声に出している。妖とて逃れ得ぬ激痛に顔をしかめながら、天狗は再び翼を開いた。
(咄嗟のこととはいえ、まるで加減ができなかった。あとが怖いな)
名実一体に疾風迅雷を謳う普段の韋駄天ぶりが見る影もない
それはぬばたまの風切羽と両の腕に抱かれ、目鼻にいくらかの血化粧をひいて力なく崩折れる少女。その霞のような重みを感じながら安堵に息をつく。
敗者の名は鵺。史書に名高きその肢体が今や自分の掌中にあることを実感し、射命丸は無意識に固唾を一つ呑んだ。
(……息はまあ、あるか。さて、骨肉は)
貴賓の身体を検めようとして、射命丸はあることに気づいた。手を見れば胴や脚が、脚を見れば顔や衣服が意識から溶けるように消え失せ、巧く認識できなくなる。
これが不明の力かと改めて感心すると共に、どこへ目を遣っていいかさっぱり分からなくなった文は、とうとう介抱を放棄してこの不思議な封獣の顔をじっと見つめることにした。少年のような印象を残す白磁の肌、長く尖った耳、艶やかに乱れた黒髪。幼くも整った眉目と、薄い唇から漏れる熱を帯びた吐息。
「うーん、けっこう可愛らしい方ですね」
目を覚まさなさそうなのをいいことに頬を親指でむにむに突っつきながら感想を述べてみる。とはいえこの郷の妖怪神仏は割と
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
スプリント戦やってる時のジョースターの鐙はクソ短いのを確認済みなんですが1890年代の競馬がこうだったかはようわからんですね
米競馬は結構早い段階からこの思想(空気抵抗を減らす)で乗ってたっぽいですが