遊戯王ARC-V アンサングビジター   作:名も無きパラサイト

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エクシーズ次元編
プロローグ


「バトル!《神騎セイントレア》でダイレクトアタック!」

 

「ぐあぁー!!」

 

決闘終了を知らせる音が鳴り響く。

ここはハートランドシティの路地裏。

表通りと違い、あまり治安がいいとは言いがたい場所にその男は来ていた。

白スーツに白ネクタイ、白いハットに白縁メガネと、見事に前身真っ白に染め上げた奇抜な格好のその男は、ガラの悪そうな決闘者を集め、決闘を挑んでいく。

男の名は遊佐トオル、ハートランドプロデュエリスト養成学校の生徒だ。

そしておおよそこのあたりの実力者を打倒した彼は倒れ伏す決闘者に語り掛けた。

 

「さて、ここの決闘者も大よそ片付いたな。さあ、立ち上がれ。光の導きに従え」

 

その言葉に決闘者たちは先ほどまで反抗的だったのが嘘のように従い、

立ち上がって整列する。

しかし、その目はうつろで、明らかに正気ではない様子だった。

 

「これで障害になりそうな場所はおおよそ潰したな、レン」

 

いつの間にか男の後ろには黒い制服のような格好の少女が立っていた。

深い青緑色の長い髪と同じ色の鋭い眼が特徴的で、

身長もあるために大人びて見えるが、

よく見ればその顔は相応に幼いことが見て取れる。

少女の名は丸藤レン、かつてアカデミアという組織に所属していた決闘者だったが、

現在は遊佐の部下として行動を共にしている。

 

「はい、遊佐様。すでにハートランドプロデュエル協会のビルも我々の配下がほぼ制圧しています。一部の実力ある決闘者には逃げられました。奴も、残念ながら正面から突破したようです」

 

ハートランドプロデュエル協会はその名のとおり、プロの決闘者を統括する組織である。

このハートランドの実力が高い決闘者のほとんどはここに所属しており、

遊佐の所属するハートランドプロ決闘者養成学校もこの組織の傘下にある組織だ。

遊佐一人では流石にハートランドプロデュエル協会の実力者を相手にしては勝ち目はない。

だが、どんな実力者も連戦すれば消耗する。

その為にレンはすでに配下となったある程度実力がある決闘者を集め、

波状攻撃によって陥落させた。

一部の実力者は脱出したが、ほとんどのプロ決闘者は遊佐の配下となっていた。

 

「素晴らしい。言わずとも俺の理想の結果を出してくれるな。流石は俺の右腕。しかし、あいつは正面突破か。まあ、それは予想通りだ、問題ない」

 

両手を大げさに広げ、芝居がかった様子で少女を褒める。

あまりにもわざとらしく、

本心かどうか疑いたくなるような様子であるにもかかわらず、

少女はまるで愛を囁かれた乙女のように陶酔しつつ応えた。

 

「勿体なきお言葉です」

 

その主従関係は今しがた配下に置かれた決闘者たちとは違い、自らの意志で築かれていた。

遊佐トオルと丸藤レン、その出会いはおおよそ、数か月ほど前に遡る。

 

 

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