遊戯王ARC-V アンサングビジター   作:名も無きパラサイト

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久々の投稿です。
いまだにこの決着でよかったのか、悩んでいます。
次回はまた別の決闘者が主軸となりますので、遊佐君はまたお休みです。

それはそれとして今回は特にセリフが長いです……すいません。


次元の狭間

もうどれほど歩き続けただろうか。

どれだけ進もうと、ただひたすらに暗闇が続く道を歩みながら考える。

しかし、それ以上考えると精神を病んでしまうと思い、考えるのをやめた。

 

遊佐は、まるでどことも知れぬ場所を彷徨っていた。

 

「ここはどこだ。まさか冥界なんて言わないでくれよ……」

 

「さあな、俺様もずいぶん長くここにいるが、さっぱりわからねぇよ」

 

隣からさも親し気に声がかかるが、遊佐はここに来てから誰かと会った覚えはない。

幻聴か、それとも自分と同じく迷い込んだものか。

それはわからなかったが、その声に聞き覚えはあった。

 

「そうか。しかし、お前がいてくれたことは、俺にとって幸運だよ。……バクラ」

 

「俺を知ってるのか」

 

遊佐が横を向くと、そこにいたのは確かにバクラだった。

かつて、千年アイテムを巡り、数多の決闘者と激闘を繰り広げた伝説の一人。

 

「俺がお前を知っていることは些細なことだ。それよりもここから出るために協力してもらうぞ」

 

「俺様がお前を助ける理由があるのかよ?」

 

「お前だって、ここは退屈だろ?出してやるって言ってるんだ。決闘盤を構えろ。お前の闇と俺の光がぶつかれば、そこに強大なエネルギーが発生する。それをうまくぶつければこの空間を破り、他次元へと出られるはずだ」

 

最も、遊佐の考えが正しかったとしても、目的の場所に出られる保証はない。

更に状況が悪化する可能性もある。

しかし、これも運命の導きと考え、遊佐は覚悟を決めたのだった。

 

「へえ、面白れぇ。やってやろうじゃねぇか!」

 

そして互いに決闘盤を構え、距離を取った。

「「決闘ッ!!」」

 

「俺のターン!先行プレイヤーはルール改定によりドローできない!手札から《ソーラー・エクスチェンジ》を発動。手札の《ライトロード・ビースト ウォルフ》を墓地に送り、デッキからカードを2枚ドローし、2枚墓地に送る。墓地に送られた《ライトロード・メイデン ミネルバ》の効果で更にもう一枚墓地に送る。そしてモンスター効果で墓地に送られた《ライトロード・アーチャー フェリス》の効果発動。墓地から特殊召喚。そして手札から《ライトロード・サモナー ルミナス》を召喚。ルミナスの効果で手札1枚を墓地に送り、墓地のレベル4以下のライトロードモンスター1対を特殊召喚できる。俺は墓地の《ライトロード・ビースト ウォルフ》を特殊召喚。そしてフェリスとウォルフを素材に、融合デッキ改め、エクストラデッキという名前に変わった場所からモンスターを特殊召喚する!2体のモンスターでオーバーレイ!神代の雷神よ、今真なる力を開放し、荒ぶる炎で敵を討て!エクシーズ召喚!現れろ!ランク4、《武神帝-カグツチ》!カグツチの効果でデッキから5枚カードを墓地へ送る。ちなみにエクシーズモンスターはレベルを持たないため、《レベル制限B地区》や《グラビティ・バインド-超重力の網-》といったカードの影響を受けないぞ。墓地に送られたウォルフとフェリスを効果で特殊召喚し、オーバーレイ!恵みをもたらす月神よ、今秘められし力を開放し、わが手に光を灯せ!エクシーズ召喚!ランク4、《武神帝-ツクヨミ》!守備表示!そして手札を2枚セットし、ツクヨミの効果発動!手札を全て捨て、デッキから2枚ドローする!そして俺はエンドフェイズにルミナスの効果でデッキからカードを3枚墓地に送り、ターンエンドだ」

 

《ライトロード・ビースト ウォルフ》

ATK/2100 DEF/300

《ライトロード・アーチャー フェリス》

ATK/1100 DEF/2000

《ライトロード・メイデン ミネルバ》

ATK/800 DEF/200

《ライトロード・サモナー ルミナス》

ATK/1000 DEF/1000

《武神帝-カグツチ》

ATK/2500 DEF/1400

《武神帝-ツクヨミ》

ATK/1800 DEF/2300

 

「先行から好き勝手やってくれるじゃねえか。俺様のターン、ドローカード。良いカードを引いたぜ。《ハーピィの羽箒》を発動!お前の魔法、罠を全て破壊するぜ!」

 

遊佐のセットカードは2枚、破壊されれば攻撃力の低いルミナスを無防備に晒すことになる。

 

「羽箒にチェーンして《光の召集》を発動!手札を全て捨て、その数だけ墓地の光属性モンスターを手札に加える。俺が手札に加えるのは《オネスト》と《裁きの龍》!」

 

すかさず発動し、手札から発動し、相手モンスターの攻撃力分、攻撃力を上げられる《オネスト》を手札に加える。

しかし、それも無駄に終わることとなった。

 

「残念だったな。俺は手札から《手札抹殺》を発動!お互いの手札を全て捨て、その枚数分ドローする!俺は4枚墓地に捨てるぜ。そして4枚ドロー」

 

「2枚捨てて、2枚ドローする」

 

遊佐はそうもうまくはいかないかと内心で気を引き締めなおす。

 

「そして墓地に捨てられた《暗黒界の術師 スノウ》《暗黒界の狩人 ブラウ》《暗黒界の武神 ゴルド》《暗黒界の龍神 グラファ》のモンスター効果発動!デッキから《暗黒界の門》を手札に加え、1枚ドロー。そしてゴルドを特殊召喚し、フィールド上のカードを1枚破壊する!俺はツクヨミを破壊!」

 

《暗黒界の術師 スノウ》

ATK/1700 DEF/0

《暗黒界の狩人 ブラウ》

ATK/1400 DEF/800

《暗黒界の武神 ゴルド》

ATK/2300 DEF/1400

《暗黒界の龍神 グラファ》

ATK/2700 DEF/1800

 

「カグツチの効果!場の武神と名の付く獣戦士族モンスターが破壊されるとき、オーバーレイユニットを一つ使い、破壊を無効にする!」

 

遊佐は内心でバクラのデッキが暗黒界になっていることに驚いたが、コンセプト的には確かにバクラのデッキに近いコンセプトだと納得した。

 

「そして俺は《暗黒界の武神 ゴルド》を手札に戻すことで《暗黒界の龍神 グラファ》を特殊召喚する!現れろ、《暗黒界の龍神 グラファ》!そして手札からモンスターを裏側守備表示でセット!フィールド魔法とリバースカードを1枚ずつセットし、《太陽の書》を発動するぜ!セットモンスターの表示形式を表側攻撃表示に変更する!セットモンスターは《メタモルポッド》!モンスター効果発動!お互いの手札を全て捨て、デッキからカードを5枚ドローする。手札から捨てられた《暗黒界の武神 ゴルド》《暗黒界の鬼神 ケルト》の効果発動!特殊召喚するぜ!更にセットしていた《暗黒界の門》を発動!悪魔族モンスターの攻撃力は300ポイントアップする!そして墓地の悪魔族モンスターを除外することで手札の悪魔族モンスターを墓地に捨てる。俺が除外するのは《暗黒界の狩人 ブラウ》。そして手札の《暗黒界の軍神 シルバ》を捨てて1枚ドローする。」

 

《メタモルポッド》

ATK/700 DEF/600

《暗黒界の鬼神 ケルト》

ATK/2400→2700 DEF/0

《暗黒界の武神 ゴルド》

ATK/2300→2600 DEF/1400

《暗黒界の軍神 シルバ》

ATK/2300→2600 DEF/1400

《暗黒界の龍神 グラファ》

ATK/2700→3000 DEF/1800

 

「お前の方がよっぽどやりたい放題じゃないか。俺よりもひでぇぜ」

 

遊佐はあきれ果てたという顔で自身の手札に目を向ける。

 

「悪くはない。が、決め手に欠けるな」

 

「そいつは残念だったな。バトルだ!《暗黒界の武神 ゴルド》で《武神帝-カグツチ》を攻撃!」

 

「カグツチの効果で破壊を無効にする!」

 

遊佐LP4000→3900

 

「まだまだ行くぜ!《暗黒界の鬼神 ケルト》でカグツチを攻撃!そして《暗黒界の軍神シルバ》で《武神帝-ツクヨミ》を攻撃!そして《暗黒界の龍神 グラファ》で《ライトロード・サモナー ルミナス》を攻撃!最後に《メタモル・ポット》でダイレクトアタック!俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

遊佐LP3900→3700→1700→1000

 

フィールドを荒らされ、ライフを一気に削られたことで切り札である《裁きの龍》の効果を発動するコストすら払えない状況となった遊佐は正直焦っていた。

この決闘はお互いの実力が拮抗して初めて意味を成す。

故に、このまま一方的に負けるわけにはいかないのだ。

 

「俺の、タァーン!ドロー!!……こいつを待っていた!俺は手札から魔法カード《ギャラクシー・サイクロン》を発動し、先にセットされた方のセットカードを破壊する!そして《光の援軍》を発動!デッキトップからカードを3枚墓地に送り、デッキからレベル4以下のライトロードを1体手札に加える。俺が加えるのは《ライトロード・サモナー ルミナス》。更に速攻魔法《フォトン・リード》を発動!手札のルミナスを特殊召喚し、効果で手札を1枚捨てて、墓地のレベル4以下のライトロード1体を特殊召喚する。来い、《ライトロード・スピリット シャイア》!効果によりシャイアの攻撃力は墓地のライトロードの種類×300ポイントアップする!墓地のライトロードは10種類!よって3000ポイントアップする!更にルミナスをリリースし、《ライトロード・ドラゴン グラゴニス》をアドバンス召喚!これはかつて生贄召喚と呼ばれていた召喚方法だ。グラゴニスもシャイアと同じ効果を持ち、貫通効果も持っている。行くぞ、バトルだ!《ライトロード・ドラゴン グラゴニス》で《メタモル・ポット》を攻撃!」

 

《ライトロード・スピリット シャイア》

ATK/400→3400 DEF/1400

《ライトロード・ドラゴン グラゴニス》

ATK/2000→5000 DEF/1600

 

「トラップ発動!《デモンズ・チェーン》!相手モンスターの攻撃と効果を封じる!」

 

《ライトロード・ドラゴン グラゴニス》

ATK/5000→2000 DEF/1600

 

効果を失ったことでグラゴニスの攻撃力が元に戻る。

素のステータスはシャイアよりはマシだが、今の状況ではその差も大した意味を持たない。

 

「ならば《ライトロード・スピリット シャイア》で《メタモル・ポット》を攻撃!エンドフェイズにシャイアの効果でデッキトップを2枚墓地に送る。俺はこれでターンエンドだ」

 

バクラLP4000→1300

 

遊佐のターンが終わり、次はバクラのターンとなるのだが、バクラはデッキからドローせずに遊佐をまっすぐ見据えて、睨みつける。

 

「……俺様のターンに入る前に、一つ確認しておきてぇことがある。……テメェ、俺に何をした?いや、何をしてやがる?」

 

「ほう、流石に気付くか。それに大した影響も受けていないようだ。お察しのとおり、俺は破滅の光の力によってお前の運命に干渉している。普通ならデッキが事故ってお陀仏してくれるんだがな。どうやら魂のランクが高い相手には通用しないようだな」

 

本来であれば、荒唐無稽な話だが、その話を聞いているバクラ自身が、かつては邪神ゾークの魂の一部であり、千年アイテムの一つ、千年輪の持ち主でもあった。

むしろバクラにとってはオカルトは専門分野である。

 

「そもそも俺様のデッキは複数の戦術が取れる様に作られてる。テメェがいくら操作しようが、戦えないことにはならねぇよ」

 

「だが、俺相手に使いたかった戦術はビートダウンではないだろう?当ててやるよ、お前の本来の狙いは……デッキ破壊だ」

 

バクラが驚愕し、目を見開き、忌々し気に呟いた。

 

「どこまで知ってやがるんだよ……」

 

「言ったはずだぞ、それは重要じゃない。大事なのは、目の前の決闘の行方だ。カードを引け」

 

「チッ!俺様が勝ったら吐いてもらうぞ」

 

「勝ってから言え。いいから引けって。ジャッジ呼ぶぞ、ジャッジ」

 

遊佐は正直、破滅の光の力がバクラ相手に多少でも通用するとは思っていなかった。

しかし、予想以上に影響を受けている様子に安堵していた。

 

「んなもんいねぇよ。俺様のターン、ドローカード。テメェの戦術は墓地で発動する効果が多い。それを妨害するカードも俺様のデッキには多く入っている。だが、これだけ引いても1枚も引けねぇ。これで疑わない方がどうかしてるぜ」

 

「気付いたのはお前が初めてだ。皆、俺の運の良さばかり疑ってくれるからなぁ」

 

実は遊佐が都合よくキーカードを引くことも、墓地に送られるカードが積み込みを疑うほど良いことも、破滅の光は関係ない。

前世からそうだっただけである。

故に前世ではガチデッキキラー、運命の決闘者(物理)などと呼ばれていた。

それでも友人らとの決闘での勝率は4割だったため、遊佐本人にそこまで強いという自負はない。

ガチデッキ相手に4割勝てる時点ですでに色々とおかしいのだが、環境が彼を麻痺させていた。

 

「全く、テメェは本当に底知れねえな。俺は《暗黒界の龍神 グラファ》で《ライトロード・ドラゴン グラゴニス》を攻撃!」

 

「無論、通さんよ。墓地の《超電磁タートル》の効果によりこのカードを除外して相手の攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する」

 

こんな場面で当然のように防御手段を墓地に送っている辺りが遊佐という男である。

 

「俺様はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

「俺のターン、ドロー。厄介な伏せカードだ、忌々しいね。まずは墓地の《ギャラクシー・サイクロン》の効果発動。墓地のこのカードを除外し、表側表示の魔法、罠を破壊する。俺は《デモンズ・チェーン》を破壊する。手札から《ライトロード・マジシャン ライラ》を召喚。ライラのモンスター効果によりこのカードを守備表示に変更し、セットカードを一枚破壊する。俺から見て右のカードだ。」

 

「外れだぜ。トラップ発動!《闇のデッキ破壊ウィルス》!《暗黒界の軍神シルバ》を生贄に捧げ、魔法カード宣言する。そしてテメェの手札、そして3ターンの間引くカードから魔法カードを破壊する!さあ、手札を見せな!」

 

「俺の手札には魔法カードはない。あるのは《虹クリボー》だけだ」

 

クリボーという単語を聞いておおよそ防御札であることを察したバクラはげんなりした顔になった。

 

「そう嫌そうな顔をするなよ。バトル!俺は《ライトロード・ドラゴン グラゴニス》で《暗黒界の龍神 グラファ》を攻撃!」

 

しかし、当然ながらこの程度で終わるほどバクラも甘くはない。

そのことに遊佐も気が付いていた。

バクラの手札にあるカードから発せられる禍々しいオーラは、自分の持つ破滅の光など軽く凌駕するほどに強力な力を感じる。

それほどのカードを持ちながら、終わるなどあり得ないだろう。

 

「そうはいかねぇ!トラップ発動!《連撃の帝王》!……まさかこいつを出すことになるとはな。俺は3体のモンスターを生贄に捧げ!太陽すら喰らい尽くす、究極の闇。ここに顕現せよ!《邪神アバター》!!」

 

《邪神アバター》

ATK/? DEF/?

 

邪神アバター、それは神を超えた神。

三幻神を封じるために作られたというデュエルモンスターズ最上位のカードの一枚だ。

それだけにその圧倒的なまでの存在感は遊佐の脳を刺激する。

並の人間が挑んでいい領域のモノではない。

そう本能が訴えてくるのを無理やりに抑え込まなければ、直視することすらできない。

 

「これは、想定以上の大物だったな。これが、お前の闇か」

 

「こいつのステータスはフィールド上に存在する最も高い攻撃力を持つモンスターの攻撃力に100ポイントを加えた数字となる。つまり、戦闘において《邪神アバター》に敗北はない」

 

《邪神アバター》

ATK/?→5100 DEF/?→5100

 

「攻撃は中止だな。《邪神アバター》の効果によって魔法、罠共に使えない。それどころかウィルスの効果で魔法カードは引いた瞬間墓地送りか。まあ、これ以上何もできん。シャイアを守備表示にして、デッキトップからそれぞれの効果で10枚墓地に送ってターンエンドだ」

 

まさしく手も足も出ない状態ではあるが、手札の《虹クリボー》は攻撃してきたモンスターに装備され、攻撃を封じる効果を持つ。

それだけでなく相手の直接攻撃宣言時、墓地から特殊召喚できるため、万が一手札から墓地に送られたとしても攻撃を防ぐ手段として使える。

それ故に絶体絶命ではないが、このままではじり貧である。

 

「俺のターン、ドロー。どうやらここまでのようだぜ。俺はカードを1枚伏せて、手札から《墓穴の道連れ》を発動!お互いのプレイヤーは相手の手札を確認し、その中から1枚捨てさせる!俺の手札は《暗黒界の尖兵 べージ》だけだ」

 

「俺の手札も《虹クリボー》だけだ」

 

「「お互いに手札を捨てて一枚ドロー!!」」

 

ほぼ同時にカードを墓地に送り、カードを引く。

バクラはたとえこのドローでキーカードを引けずとも《暗黒界の門》の効果でまだカードを引くことが出来る。

しかし、遊佐はこの膠着した盤面を覆すには、ここでキーカードを引くしかない。

 

「来たぜ。まずは《暗黒界の尖兵 ベージ》を効果で特殊召喚するぜ。そしてこいつを手札に戻すことで、墓地の《暗黒界の龍神 グラファ》を特殊召喚!バトル!まずは《邪神アバター》で《ライトロード・ドラゴン グラゴニス》を攻撃!ダーク・ブレイズ・キャノン!!」

 

遊佐LP1000→900

 

「そして《暗黒界の龍神 グラファ》で《ライトロード・スピリット シャイア》を攻撃!」

 

本来であれば、攻撃力3400のシャイアを攻撃力3000のグラファで攻撃されたとしても返り討ちとなるだけだ。

しかし、400程度の差を埋める方法はいくらでもある。

そして遊佐の勘はその中でも最も最悪の予想こそが正しいと告げていた。

 

「手札の《ジェントルーパー》の効果発動!相手の攻撃宣言時、このカードを特殊召喚し、相手は《ジェントルーパー》以外のモンスターを攻撃できない!俺はこいつを守備表示で特殊召喚!」

 

《ジェントルーパー》

ATK/1200 DEF/1000

 

「チィッ!どうやったらそんなピンポイントなカードを引きやがるんだ!俺は攻撃対象を《ジェントルーパー》にして攻撃!カードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

遊佐のフィールドには《ライトロード・スピリット シャイア》《ライトロード・マジシャン ライラ》の2枚。

しかし、バクラには戦闘では絶対無敵の《邪神アバター》。

そして、おそらく戦闘補助となるカードが伏せられている。

遊佐に残された希望は、このターンのドローだけだった。

 

「……俺のターン。行くぞ、これが俺のかっとビングだ!」

 

「は?なんだそりゃ?」

 

唐突にわけのわからないことを言い出した遊佐にとうとう頭がやられたかと考えたが、デッキにかけた指からどんどんとあふれ出る禍々しい光を感じ取り、警戒心を高めた。

 

「最強決闘者の決闘は常に必然!ドローカードさえも!決闘者が創造する!シャァイニングッ!!ドロォー!!……まあ、そんなことを言いながら俺は決闘中にカード創造まではできんけどな。気の持ちようって大事だよな。俺が引いたのは、モンスターカード……《オネスト》だ」

 

遊佐が引いたのは戦闘時、手札から捨てることで、相手モンスターの攻撃力分、攻撃力をアップする効果を持つモンスター。これならば《邪神アバター》は倒せずとも、《暗黒界の龍神 グラファ》を攻撃する時に使えば勝てる。

 

「そのセットカード、おそらくはモンスター効果を無効にする《禁じられた聖杯》のようなカード。もしそうならシャイアで攻撃して《オネスト》の効果を使ったとしてもダメージは800ポイント。後500ポイント残ってしまう。ならば、こうするしかあるまい。実は創造はできんが、エクストラデッキに入れた覚えのないカードなら、ある。俺は《オネスト》を召喚し、《オネスト》と《ライトロードマジシャン ライラ》で、オーバーレイ!我が戦いはここより始まる。白き翼に望みを託せ。ランク4!現れよ《No.39希望皇ホープ》!そして、ホープを素材に、オーバーレイ!カオス・エクシーズ・チェンジ!混沌を光に変える使者!現れよ、《CNo.39希望皇ホープレイ》!」

 

《No.39希望皇ホープ》

ATK/2500 DEF/2000

 

《CNo.39希望皇ホープレイ》

ATK/2500 DEF/2000

 

ナンバーズ、それは遊戯王ゼアルにて、主人公が使ったアストラル世界由来のカード。

本来であればこの世界にあるかどうかすらわからないカードだったが、遊佐は先ほどのシャイニングドローによって何らかの手応えのようなものを感じていた。

今、遊佐のエクストラデッキには今、必要なカードは全てそろっている、と。

 

「ホープレイのモンスター効果発動!オーバーレイユニットを一つ使うことでホープレイの攻撃力を500ポイントアップし、相手モンスターの攻撃力を1000ポイントダウンする!オーバーレイチャージ!」

 

「速攻魔法発動!《禁じられた聖杯》!この効果でホープレイの効果は無効だ。だが、お前の読み通りだってんなら、まだ終わりじゃねえんだろ」

 

「わかってるじゃないか。ホープレイを素材に、オーバーレイ!シャイニング・エクシーズ・チェンジ!!一粒の希望よ!今、電光石火の雷となって闇から飛び立て!!ランク5!現れろ、《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》!!バトル!ホープ・ザ・ライトニングで《暗黒界の龍神 グラファ》を攻撃!そして、ホープ・ザ・ライトニングの効果によりこのカードの攻撃力はダメージ計算時のみ5000となる!行け、ホープ剣、ライトニング・スラッシュ!」

 

《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》

ATK/2500→5000 DEF/2000

 

バクラLP1300→0

 

グラファへとホープ・ザ・ライトニングの攻撃が届いた瞬間、空間に閃光が走り、空に亀裂が走る。

 

「どうやらうまくいったようだな」

 

「チッ!ここから出られるのは良いが、全部テメェの筋書き通りってのが気に食わねぇぜ」

 

「残念ながらそうでもないさ。筋書きでは、お前のエースモンスターを打ち破るはずだったからな」

 

「言ってろ。次は俺様が勝つ」

 

そうこう話しているうちに、亀裂は大きくなり、横にも人が通れる程度の亀裂が走る。

空間としては、どう見ても壁などないのに、横に亀裂が広がるのはおかしいが、理解しようとすると頭がどうにかしてしまうだろう。

なので、疑問は無視して、二人はさっさと次元の裂け目から出た。

たどり着いたのは普通の街に見えるが、なにやら看板にデュエルモンスターズのモンスターが描かれた物が多い。

少なくとも遊佐の知るハートランドでも、バクラの知る童実野町でもないことだけは確かだった。

 

「これも運命の導きか。ここがどこか、見定めるとしようか」

 

「運命ねぇ。下らねえ」

 

こうして、舞網市内に二人の危険人物が放たれたのだった。

 

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