ポケットモンスター 冒険の地図を広げて 作:名無しのポケモントレーナー
オトクな掲示板
トレーナーズスクールには初等部、中等部があり、義務教育は初等部4年まで。
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揺れる揺れる暗い箱。箱の中には小さな箱と小さな自分。
ここはどこ?トラックの荷台。
私は誰?自分は自分。
トラックの荷台に載ってるモノ。基本は荷物、たまに人。人が載るシチュエーションとは何なのか。誘拐?有り得るけれど今回は違う。
今回は引越しさ。
「ここから新生活が始まる」そう言えば聞こえはいいだろうが、その新生活も大した時間は残ってない。具体的には約3ヶ月。
近づいてくるのは新生活の終わりじゃない。
新たな旅の始まりだ。
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「じゃあ、先生が合図したら教室に入ってきて」
そう言って担任のワカギ先生は俺を廊下に待たせて、教室に入っていった。
「えー、新年明けましておめでとう。みんな元気そうで何よりです。欠席者はいるかな?」
いつものように出欠を取るためにワカギ先生は生徒達を見回すが、ほとんど誰も先生の方を見ていない。教室後方の戸の前の誰も座っていない机が気になっている生徒が多いようだ。
すると1人の生徒が、
「先生、机が一個多いんですけど、転校生?」
「ハハハ、よく気が付きましたね、今日からクラスの仲間が一人増えます」
「転校生?」「こんな時期に!?」「女の子期待」「可愛い女の子来てくれ!」「イケメンだったらどうしよ!?」
「ハイ、静かに!」
注意を促すように先生が手をパンッと叩くと教室に静寂がまた訪れた。2秒ほどして先生が自分を手で招く様な動作をしたので、すりガラスの入った戸をガラガラ引いて教室に入った。
「あいやー、男か」「普通だね」「え、でもアリかも」
彼らは脳と口が直結しているのだろうか。思ったことが全部口に出てしまっている。普通という評価、マイナス評価よりはマシだろう。
「えー、オレンジ君です、残り短い学生生活だけど、仲良くして上げてください。じゃあ自己紹介やっちゃって」
と言って先生は自分にチョークを渡してきたので、そのチョークで黒板に、それなりに大きい字で「オレンジ」と自分の名前を書いた。
「オレンジです。親の仕事の都合で引っ越してきました。あと3ヶ月も無いような短い間ですがよろしくお願いします」
うん、普通だ。実に普通の挨拶だ。人と話すことは好きだけど、人前で話すというのはやはり緊張する。
「えっと、皆さん、オレンジ君に質問はありますか?」
良かった。先生が助け舟を出してくれた。
「出身は?」
真面目そうな女の子からの質問。良くある質問だね。
「カントーのクチバシティです。」
自分。もう少しユーモアに溢れた答えは出来ないのか!自分!
「クチバから引っ越して来たの?」
と、明るそうな女の子。
「いや、クチバからもだいぶ前に引っ越しまして、ホウエン地方の方から引っ越してきました」
「趣味は?」
今度は活発そうな男の子。
「登山とかキャンプ、あとは野球の観戦ですかね」
「野球見るん?どこファン?」
坊主刈りの如何にも野球やってますって感じの男の子が尋ねてくる。
「クチバペリッパーズですね。自分の出身地のチームですし、初めて見た試合もペリッパーズの試合でしたから。」
「エレブーズファンちゃうんか」
「この辺みんなエレブーズファンやで」
流石はジョウト。野球=エレブーズと言っていい程にエレブーズファンが多い。
「まあ、リーグちゃうし縦縞ユニフォームらしく仲良くしようや」
そして最後に先生が、
「じゃあ、オレンジ君の左後ろの戸の前の席ね。みんなも1時間目に間に合うように準備すること。以上」
それだけ言い残して教室を出ていった。
その瞬間、クラス全員が
「ようこそ、アサギトレーナーズスクール中等部3年トレーナーコースへ!」
自分に新しい居場所が出来たみたいだ。改めて認識した。
~~〜
アサギシティ
遠く離れた異国に最も近い港町
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午前中は基本的な授業とトレーナー知識。正直、前のトレーナーズスクールの先生がせっかちな人で、ガンガン進めるタイプの人だったので、二学期までにほぼ全部中等部で習うことは終わっているが、その分抜けている所があったので、復習になって助かった。フエンのスクールの先生より数段分かりやすい。自慢じゃないが、前のスクールでは知識だけはいつもトップだったが流石に抜けている所、つまり習っていない所は分かるはずが無かった。
「午前の授業はここまで。午後は2人組でバトルをやってもらうから、しっかり昼休みは休むこと」
~〜~
昼休み、何人かの男子が誘って暮れて一緒に弁当を食べた。
突然1人の男子がこう言った。
「ワイの歓迎の一発ギャグ、披露するで」
何人かの男子が一発ギャグをやり始めた。一体何がどうなったらその流れになるのだろうか。しかしそれが思ったよりも面白くて知らず知らずの内に笑がみこぼれていた。
「オレンジもなんかやってみ?」
ムチャぶりだ。一発ギャグなんてそんなネタは持ち合わせていない。だが、いつだかオトクな掲示板で見た「ジョウトの人のムチャぶりに要注意!うまく返せないと孤立することも・・・」なんて文章が自分がムチャぶりを拒否することを邪魔する。
仕方ない。成功率は低いが、唯一特技と言えるモノをやって満足させるしかない。
「えっと、ギャグじゃないんだけどいいかな?」
「いいよ、いいよ。面白ければなんでも」
「じゃあちょっとポケモンを使わせてもらうよ、Come on ペンデ!」
そう言ってモンスターボールを投げた。本当に突けるのか不安になる折れ曲がった大きな角、可愛らしい4本の足、シマシマの尻尾、見るからに毒タイプだと言う事をアピールす紫色の模様、一見やわらかそうだが結構硬い赤紫の体、可愛い。そしてカッコいい。たまたま屋外で昼飯食べててよかったと思う。ペンデというかペンドラーはかなり重い。具体的に言うと200kgぐらい。
「なんやコイツ!」「見たことあらへん!」「ちょっ、説明してや」
「相棒のペンデ。種類としてはペンドラーってポケモンで、イッシュ地方に主に生息してるからこの辺じゃ珍しいかな。タイプは虫と毒。200kgぐらいあるから気をつけてね」
ペンデに頬擦りしながら説明してする。
「よしよし♡いい子だねぇ♡ここがいいのか?そうかそうか♡」
『オレンジ、どうしたの?』
「いやぁ、練習してたアレ、やるよ」
お腹を見せて完全服従のポーズをしたペンデと会話していると。
「はよやれや」
パンッといい音が鳴った。友達が手で自分の頭を叩いて来たのだ。これが、ツッコミって奴か!多分自分の頭の中には何にも入ってないんじゃないかってぐらいの軽い音だった。
「いいツッコミが入ったところで、やっていきましょう。ペンデ、【丸くなる】!」
『ホントに今日はできんの~?』
あまり成功率が高くないからか不安そうなペンデがボールの様に丸くなったのを見て、ペンデの上に登った。
「よしっ。それじゃあ、ここでジャグリングしてみまーす!」
モンスターボールを3つ取り出しジャグリングを始める。今日はかなり調子がいい。ペンデがホイーガだった頃から練習しているが完成したのはつい最近だったのでかなり不安があったが出来てよかった。
「スゲー!」「どういうバランス感覚だよ!」「何者だよ・・・」
ギャラリーが増えてきて、教室の窓から見てる人もいる。
「ペンデ、【ころがる】!」
『あいよ~』
ゆっくりとペンデが転がり始めバランスを取りながらジャグリングを続ける。そのままボールの数を5個まで増やしていく。
「こんなもんで、どうよ?」
「お前おもろいな!」
どうやら合格を貰えたみたいなので
「ホイっと」
5個のモンスターボールを上に投げ、気の抜けた掛け声で5個のモンスターボールを右手、右腕、頭、左腕、左手に乗せると同時に着地した。
「いや~、ここまで上手くいくとは思わなかったよ」
『芸は身を助ける』そんな言葉が青春の1ページに刻まれた気がした。
☆トラックの荷台
引越しと言えばね
☆エレブーズ
ナナコちゃんでしたっけ?アニメに出てきた。モデルは阪神タイガース。
☆クチバぺリッパーズ
オリジナル設定。カントー地方を関東地方に置き換えた時クチバシティが丁度千葉に当たる。モデルは千葉ロッテマリーンズなのでキャモメの方がイメージに合うけど、語呂を重視。作者はロッテファン。
☆クチバシティ
主人公がクチバ出身なのは作者がロッテファンだから。
☆アサギシティ
ペンドラー、フライゴン、デンリュウが作者の好きなポケモンなので、この中で地域と結びつけやすいポケモンを選んだらアサギシティがスタート地点になった。