お試し小説置き場   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです

2本のEXSの更新はどちらかと言うとこちらが本命です
こっちは新連載の可能性大です

夜天で語られることのなかった。セレスさんと龍也さんの物語
どうでしょうか?
興味がわいたりしませんか?

投稿するかどうかは活動報告に記載するので見たいという方はそちらにお願いします

それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


EX11 始まりの夜

 

第1夜

 

誰も知らない始まりの夜があった……

 

まだ少年が守護者になる前……

 

まだ絶望することなく希望を胸に抱いていたとき……

 

2つの運命が交差した始まりの夜……

 

誰も知らない始まりの夜【ビギンズナイト】が幕を開ける……

 

 

 

 

荒れ果てた何処かの遺跡に佇む銀髪の女性。だがその目には生気と言うものは感じられず人形のような印象を受けた。彼女は何も写していない瞳で遺跡の中を見ながら虚を見つめる

 

長い時を生きた……

 

私は誰もいない遺跡でもう数え切れないほどの年数を生きた。統制人格たる私に寿命はない、だからこそ永劫とも言える時間を生きてきたが。何の思いでもなくただ存在してきた年数を生きて来たと言っても良いものなのだろうか?とそんなくだらない事を考える

 

(最初の主は酷かった)

 

私の事はただのおまけ程度。天雷の4騎士も形式だけは契約をしたがそれだけだ。私やアイギナ達ではなく。至高の魔導書「天雷の書」だけが興味の対象であり。この遺跡まで来て天雷の書を手にしたが、実力以上の剣を使おうとし逆に剣に魂を食われ死んだ。契約期間は1週間にも満たなかった。そして私はまたここに戻された……あいている窓だった場所に手を伸ばすが

 

バチンッ!!!

 

凄まじい火花を散らして手が弾かれる。私は契約者を得ない限りはここから出れない、すべての武術と武器やデバイスを記録した「天雷の書」は所有するだけで持ち主の能力を強化する。そして私自身も主の能力に応じて自身の能力が変わる。故の封印だ

 

(愚かしいと思うべきか。当然と思うべきか……難しいところだな)

 

そんな事を考えながら次に天雷の書を手にした主のことを思い出す。今度の主は女性だった、不死の魔法生物「ネクロ」の大量発生を止めるために伝説に残された天雷の書を探しに来たベルカの人間だった。人格者であったが女のみでは天雷の書の力を御す事ができず。結局大量に発生したネクロを全て倒した所で魔力と生命力を全て使いきり死んだ。彼女は私やアイギナ達を理解しようとしたが余りに一緒にいた時間が短かった。禄に話をする時間も無く2人目の主も息を引き取った

 

(彼女は私は人間になれると言っていたが。そんなわけが無い。私は融合騎だ。造られた命が人間になれるわけが無い)

 

そして最後の私の主は騒乱の時代の王の1人「神王」の称号を得た王だった。ネクロとそれを総べる魔王「ジオガディス」を倒しために私を探し出し契約した。彼は素晴らしい人格者だった。あの当時のベルカは各々の国で独立し協調性や協力するという考えが無かった。しかし神王はそのすべてを纏め上げジオガディスに挑んだ。アイギナ達も1師団を任せられ各国に進撃してくるネクロを迎撃し徐々に戦況を覆していった……しかし

 

(その間でリューナが死んだ)

 

天雷の騎士はそれぞれ、炎・風・雷・雪の4つの属性を持ち。私が天と自然現象を司る能力を持っていた。だが風が死に、風の力は雷に譲渡され。嵐の騎士になった、そして数多の犠牲を払い神王はジオガディスを打ち倒したがそれで終わりではなかった。神王はまだ何かあると思っていたのか戦争が終わると私にある願いをして来た

 

《本当によろしいのですか?》

 

最終確認として尋ねると神王は苦しそうに頷き、その手に抱き抱えた赤子を魔法陣の上に寝かせる

 

《う?》

 

無邪気な顔で笑う赤子を見ながら私は神王に意見した

 

《お言葉ですが、ここまでする事は無いと思います。未来で蘇るジオガディスのカウンターとしてハーティーンを封じたのですから

何もここまでする必要は無いと思うのですが?》

 

剣帝ルシルファーは未来の世界でのジオガディスのカウンターとして眠りについた。態々自分の子供を、しかもただ1人の後継者を未来に送るという神王の言葉は私からしてもおかしいと思った

 

《確かにジオガディスのカウンターとしてハーティーンをクリスタルに封じた。だがそれでは駄目なのだ、ハーティーンでは奴を苦しめている鎖を切る事は出来ないんだ。私はこの子を未来へ送る》

 

苦しそうに言葉を紡ぐ神王はデバイスを取り出し、赤子の産着の中に入れた

 

《息子よ。すまない、私はお前に父親らしい事を何一つする事は出来ない。本当にすまない》

 

何度も謝る神王の顔を赤子は微笑みながら何度も叩く、ベルカの王の血を引いているからか鮮やかな緋色の髪とオッドアイがこれでもかと私の記憶に焼きつく

 

《後は頼む》

 

別れが辛いのか背を向けて言う神王に頷き地面を叩き魔法陣を発動させる。そこから強烈な光が放たれ光が晴れた頃……赤子の姿は無かった。神王は私から背を向けて

 

《1つだけ、たった1つだけ私の頼みを聞いてくれないか?》

 

《命令ならば》

 

《もし……もしもお前が我が息子に会ったのであれば護ってやってくれ。私の変わりに》

 

《了解しました。必ずお守りいたします》

 

その後。神王は衰弱し死んだ。人間が扱える以上の魔力を使いその反動で一気に20歳近く歳を取ったような感じになりジオガディスとの決着後一月で死んだ。そして私はまたここに戻って来た。あれから200年近く私はここにいた、その間誰も契約者は現れず……ずっと窓の外を見つめていた。変化のないことが日常になりつつあった雪の日の夜。この日運命が音を立てて回り始めたのだ

 

バチバチ!!!

 

突然強力な魔力反応を感じ。広間に出るとそこには

 

「子供?」

 

左腕のない子供が自身の身体から流れ出た血の海に沈んでいた……死んでいるのかと思い触れてみるとまだ暖かい。まだ事切れては無いようだが

 

「どうして此処に?此処には私の主たる資格も持つものしか来れぬ筈だが?」

 

どうしてこんな子供がと疑問を感じながら女性は少年の頭に手を置く。記憶の中を見て私は理解した

 

「何ということだ、あいつが蘇ったのか」

 

神王の予言の通りジオガディスが蘇った。そしてこの子供は死にかけてなお命を取りとめここに転移してきた。それは何かの運命のように思えた。私は倒れている少年を抱きかかえ

 

「とりあえず治療だ。このままでは死んでしまう」

 

出血が激しすぎる、手遅れになる前に治療をと思い私は少年を遺跡の奥にと運び治療を施した

 

これが私の最後の主との出会いの夜。

ここから私の物語が幕を開けることを今の私は知らなかった

 

第2夜に続く

 

 

 

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