お試し小説置き場   作:混沌の魔法使い

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スランプ中に書いてみた作品です

感想とかもらえると嬉しいです


EXS 葛葉ライドウ

 

リポート1 書生が来る その1

 

「ライドウちゃん。今回の依頼はこれなんだけどどう思う?」

 

白のスーツに帽子。そしてへらへらした顔が特徴的な探偵「鳴海」にある書類を差し出された少年。まるで絵本の中からでてきたような美少年だが。その顔に表情と呼ばれるものは一切無く、人形のような印象を受ける。だがそれは初見の人の誤解であり、しっかりとこの少年を知れば、表情が顔にで無いという事は直ぐに判る

 

「……怪しいと思うべきですね。異界を閉じるだけにしては報酬が高すぎる」

 

冷静に分析する少年の名は「葛葉ライドウ」。16歳にして「悪魔使い」の最高の称号といえる「ライドウ」の名を継いだ少年であり。学生として、そして悪魔使いとして帝都の守護をしている

 

「だよね……ライドウちゃんはどう見る?」

 

鳴海の言葉にライドウは顎の下に手を置いて考える素振りを見せながら

 

「依頼主の前後関係は?」

 

「洗ってあるよ。数代前のヤタガラスの下請けのサマナーだね。今はサマナーとしての才覚は無くて一般人として暮らしてるよ」

 

悪魔使い【デビルサマナー】は才覚が重要視される、先代が優れたサマナーだったとしてもその息子が優れたサマナーになるとは限らない。無論その逆もあるのだが……ちなみにライドウは後者であり、捨て子だったのだがその類稀なる才を先々代のライドウに見込まれ葛葉に引き取られた経緯がある

 

「断ろうか?俺の直感もこの山は危険だって言ってる」

 

鳴海は今でこそぐうたらだが、かつては軍人として戦い。そして悪魔の事も知っている、この飄々とした態度は振りと言うのがライドウの認識だ

 

「いえ。調査します。あれだけの事件の後ですから」

 

槻賀多村で起きたアポリオンやシナドによる悪魔の大量召喚事件。これにより帝都やその周囲の悪魔にも影響がでている。その事を考えると危険だと直感が告げていたとしても捜査をしないわけにはいかない

 

「了解。クライアントには伝えておくよ。やばいと思ったら引き返してくるんだ。良いね?」

 

鳴海さんの言葉に頷き、私は荷物を纏めるために自室へと向かった

 

「ゴウト。どう見ますか?」

 

部屋で寝ていた黒猫に話しかける。ゴウトは見た目こそは黒猫だが、私の助言役であり、監視者でもある。ゴウトの意見を聞くのは当然の事だ

 

【判らぬ。だが嫌な予感はする】

 

ゴウトまでが……この依頼はやはり危険なのかもしれない。クローゼットの中にしまってあるケースを取り出す。普段は使う事の無い強力な悪魔が封じられた封魔管が収められている。それを外套の下のホルスターに収める

 

【準備は万全に万全を重ねろ。魔石やチャクラドロップもだ】

 

「判っています」

 

体内のMAGを活性化させて傷を治す魔石に、MAGを回復させるチャクラドロップ。そして

 

「これも持って行きましょう」

 

最後に外套の中にしまったのは小さな小瓶が4つ。秘薬「ソーマの雫」だ。滅多に入手できる道具ではないが、その効力は絶大でMAGを爆発的に回復させることが出来る。

 

「行きましょう。ゴウト」

 

【うむ】

 

肩の上に飛び乗るゴウトを連れて私は鳴海探偵事務所を後にしたのだった……

 

ライドウが帝都を後にしてから半日。鳴海の元にヤタガラスの使者から連絡が入ったその内容は

 

【14代目葛葉ライドウの殉職。近いうちに15代目ライドウを送る】とのことだった……

 

「くそがっ!何がどうなってるんだ!!」

 

普段の飄々とした態度はどこへやら、怒りを露にする鳴海は帽子とコート。そしてライドウから預かっていた錬気刀と数枚の札を身につけ

 

「行くしかねえ……妙神山に」

 

都市部の外れにある悪魔悪霊の巣窟。あの依頼主が指定した山へ鳴海は出かけそこで見たのは

 

「な、なんだ!なんなんだこれはあ!!!」

 

今も残る激しい戦闘の後。焼き払われた森に、氷の柱の数々。妙神山はその中ほどから崩れていた……激しい焦燥感に駆られ山の中に足を踏み入れた鳴海が見たのは

 

「ら、ライドウ……はここで」

 

激しい血痕の後と砕けた赤口葛葉の鞘と折り曲げられたコルトライトニングだけだった……状況証拠からライドウの死をヤタガラスが判断したようだが

 

「ライドウがこの程度で死ぬわけがねえ!凪とヴィクトルに弾だ!あいつらに力を借りれば」

 

サマナーの凪。悪魔合成のプロにして錬金術師ヴィクトル。そして蟲使いの弾彼らの力を借りればあるいはと判断した鳴海はそのまま慌てて山を降りていくのだった。もしここに来るとき凪を最初から連れてきていれば代わったかもしれない、なぜなら鳴海の目の前には今まさに閉じようとしている空間の裂け目があったのだ。それは紫電を撒き散らしながら、ゆっくりとその口を閉じるのだった……

 

 

リポート2 書生が来る その2へ続く

 

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