EXS スーパーロボット大戦OG ゲッター線に導かれた者
自分の身体なのに自分の意思で動かせない。目の前で壊れていく早乙女研究所……それを見た瞬間。ぼんやりとした意識が急速に目覚めていくのが判る
「グオオッ!!」
唸り声を上げて倒壊した研究所に近づく片腕が巨大な鎌となった鬼……その進行方向には父さんが作り上げ、そして今俺が乗っている試作機の完成系となった人類の最後の武器となりえるゲッターロボ。その一号機のイーグル号の姿が見えている
(く……させる……物か……)
今もレバーを動かし研究所を破壊しようとしている己の身体。それを必死に封じ、白衣の中に手を突っ込む、目的の物はすぐ見つけることが出来た、刃渡り20センチはある大型のサバイバルナイフ……
「うおおおおッ!!!」
そのナイフを掴み取り左肩に突き刺す。その激痛でぼんやりしていた意識がはっきりとしてくる。だがそれと同時に凄まじい激痛が襲ってくる。俺を取り込もうとする強烈な悪意……歯を食いしばり、途切れかける意識を必死で繋ぎ止める。今意識を失えば、二度と俺の意識は戻ることなく、完全な鬼となる事が判っているから
「うおおおおおおッ!!!」
己の闘志を奮い立たせる為に雄たけびを上げ、ゲッターロボを鬼へと突進させる
「グガアッ!?」
味方と思っていた俺の突然の襲撃に反応しきれず、山肌に突っ込んだ鬼を羽交い絞めにしその動きを封じ込める
(父さん……やはり貴方は……)
横転しているイーグル号に乗り込む男の姿が見える。俺では操縦し切れなかった、父さんの期待に応える事が出来なかった。完成したゲッターロボを乗りこなすことが出来る男……「流竜馬」
(覚悟は出来ている!)
通信機のスイッチを入れ、イーグル号への通信を開く
「は、発進しろ……発進するんだッ!!……俺の意識が残っているうちにッ!!!」
研究所でモニターしていた父さんの呟きが聞こえる。だが俺は見てきた鬼に噛まれた者は鬼になる、そして鬼になれば父さんのそして人類の敵となる……そんな結末を受け入れることなど出来ない
「レバーを引くんだ!竜馬!」
「おい!どうするって言うんだ!」
父さんと流竜馬の声が聞こえる。父さんはわかってくれた……俺の最後の意志を
「達人がやつを抑えている間に体当たりで破壊するんだ!」
「おい……それじゃあ、あんたの息子まで死んじまうぞ……」
「かまわん!それが必要な犠牲なら息子だろうが!」
冷酷な響きの中に混じる僅かな悲しみ……きっと俺にしか判らないだろう、今も神経に直接やすりを掛けられているような痛みが続いているが、そのほんの僅かな父さんの悲しみがわかって思わず笑みが零れる
(俺の人生の終わりに相応しい……!)
ここまでゲッター線そして父さんの為に戦ってきた。そして俺の人生には……その死には意味がある!未来を託す相手が居るというのはこんなにも嬉しい物なのか……きっと竜馬が終わらせてくれる。鬼との戦いを!
「流竜馬……考えるな、敵を倒すんだ……」
モニターに写っている竜馬に顔に迷いが見える、だが迷っている時間を与える事など出来はしない……再び爪が鋭く伸び、額を破って角が伸び始める……
「もう長くは持たんぞ!俺の屍を超えて行けぇぇッ!!!!」
もう俺が完全に鬼になるまでもう時間がない、最後の力を振り絞って叫ぶ
「ッ!……先に地獄で待ってやがれえええええッ!!!」
倒壊した研究所から飛び出してくる紅い閃光……ゲッターの殺人的な加速に耐える為に身体を鍛え続けた。そんな俺でさえまともに飛ばすことが出来なかった完成したイーグル号。それが凄まじい勢いで突進してくる
「うおおおおおおおッ!!!」
一瞬。一瞬の交差……炎と俺を押しつぶそうと迫るコックピット……
(後は頼んだ……流竜馬……)
その爆炎に包まれながら俺は目を閉じた……閉じた瞼には眩いまでのゲッター線の輝きが映し出されていた……
「うっ……こ、ここは……」
凄まじい振動で目を開く、死んだ後も痛みが続くのか……そんな感想が頭を過ぎる。ゆっくりと目を開き
「なんだ!?俺は……生きているのか!?」
慣れ親しんだイーグル号のコックピット。そして目の前に広がる緑を見て思わず叫ぶ
「傷が……無い!?」
鬼に噛まれた右肩。そして自分でナイフを突き刺した左肩、まさかと思い爪を見ると元の人間の爪だ
「角も……無い……」
額を突き破り生えていた鬼の角も無い……信じれない……なにがどうなっているんだ!?コンソールを操作し通信モードを起動する
「こちら達人!早乙女研究所!応答せよ!」
なんどか呼びかけるがノイズしか聞こえてこない、5分ほど試した所で諦め操縦席に背中を預ける
「俺は死んだはずだ……」
あの炎の暑さも迫ってくる金属の質量も覚えている。間違いなく俺は死んだ、だがどうして俺は生きている
「何がどうなっているんだ……」
山の中に寝転ぶようにして機能停止しているプロトゲッターの中でどうなっているのか必死で考えるが当然答えは出ない、どうした者かと考えていると
「なんだ!?」
近くで何かが爆発する音が聞こえる。まさか……鬼と戦っているのか!?もしそうならこんな所に居るわけには行かない。ゲッターのコンソールを叩き、機能停止していたゲッターを再起動する
「出力が……上がっている!?」
立ち上げ画面に一瞬映ったゲッターの出力パラメーターが上昇している。本当にどうなっているんだ……
「よしっ!行ける!」
ジャガーとベアーの自動操縦機能は生きている。単独操縦だから出力は落ちるはずだが、この出力ならば単独操縦でもある程度戦えるはずだ
「オープンゲットッ!!!」
ゲッターロボを分離させ、爆発音が聞こえてくる方向へと向かうのだった……
達人が向かった方向には同じ形状をした3色の鉄の巨人「ゲシュペンスト」と呼ばれる起動兵器とそれを発展させた黄色の巨人「シュッツバルト」そして3機の戦闘機が襲撃してくる敵の起動兵器と戦闘を繰り広げていた
「くそっ!攻撃があたらねえ!」
灰色のゲシュペンストを操縦していた青年「リュウセイ」が悔しそうにそう呟く
「おいおい!?もう終わりかぁ!?」
挑発するようにその機体の周りを旋回する片腕がレールガンになった空を舞う起動兵器
「リオン」そしてそのパイロット「テンザン」は挑発するかの様にバルカンの弾丸を撃ち込む
「くそっ!!」
海の中を進む潜水空母「キラーホエール」を機能停止に追い込まなければならない、しかしテンザンとリオンに妨害されキラーホエールに近づくことが出来ず、徐々に防衛ラインに近づかれていることに焦ったリュウセイが突出し敵の真ん中にまで誘い出されていた
「落ち着いてリュウ!フォーメーションを組みなおすのよ!」
落ち着くように通信が入るが、それさえも届かずリュウセイはがむしゃらにテンザンを追いかけ
「しまった!?エネルギーが!?」
無茶な操縦により、ゲシュペンストのエネルギーが底をついたのだ。一気に減速したその隙をテンザンは見逃さなかった
「はっ!馬鹿が!死ねや!!」
急旋回からリオンに搭載されたレールガンのトリガーを引こうとした瞬間
「ロックオン!?どこからだ!?」
突然の機体の中に鳴り響いた警告音に驚き、リオンを上空へ逃す。そしてその数秒後2発のミサイルがリオンの居た所を通り過ぎていく
「なんだ!?どこから来やがった!?」
メッサーは他のリオンが相手をしている。更に他のPTもリオン部隊が押さえているので援護できる余裕のある機体なんてない筈……
「なんだありゃ!?連合軍の新兵器か!?」
リオンのモニターに映し出された3色の戦闘機を見てテンザンは驚愕の声を上げた。主翼も尾翼も無い、まるでロケットのような戦闘機がこちらに向かって突っ込んできていた
「なんだ!?どこの所属だ!?」
そして驚いていたのはテンザンだけではない、この戦闘の指揮を執っていた緑のゲシュペンストのパイロット「カイ・キタムラ」も驚いていた。連合軍でも、DCでもなく何の識別も発していないその3機の戦闘機を見て
「そこの戦闘機のパイロット!なんのつもりだ!」
オープンチャンネルで問いかけるが反応が無い、もしもあの戦闘機が民間もしくは何処かの軍事企業の開発した機体であり、この現状を見て飛び出してきたと考えると操縦者は民間人もしくはどこかのテストパイロットとなる。そして目の前を飛んでいるまともな形状には見えない戦闘機を見て引き返すように言おうとしたのだが
「通信が通じない!通信機を積んでいないのか!?」
何度呼びかけても反応が無い、通信機を積んでないような試作の機体なのか、それとも意図して通信機をOFFにしているのか判らないが、あんな形状の戦闘機ではリオンに撃墜されるのが目に見えている
「ジャーダ!ガーネット!あの戦闘機に接近して直接通信しろ!支援は俺達がする!」
ゲシュペンストではその戦闘機に追いつけないと判断し、同じく戦闘機に乗っている部下に通信を入れた直後。3色の戦闘機が急上昇を始め
「何をするつもりだ!?」
信じられないスピードで加速して行き白と黄色の戦闘機が追突する。爆発すると思った直後
「なんだと!?」
白と黄色の戦闘機は空中で合体したのだ。そして白い戦闘機からは腕が、黄色い戦闘機からは足が現れた、シルエットだけでもわかる、かなり巨大な戦闘兵器だと
「特機か!?」
自分が乗っているPTではなく、更にそれよりも強大な力を持つ超大型起動兵器特機型の兵器だったのかと叫ぶ。だが合体能力を持つ特機が開発されているなんて話は聞いていない
(テスラ研か……いや、しかし)
特機の開発を行っている研究所の事を思い出すが、かりにそうだったとしたらテスラ研から事前に連絡があるはずだと判断する。正体不明の特機それが敵か、味方かも判らないので更に警戒を深めるカイの目の前で紅い戦闘機から
「チェンジッ!!ゲッター1ッ!!!」
青年の気迫の入った声が響き、赤い戦闘機が胴体と頭部へと変形する。そして白と黄色の戦闘機が変形し胴体と合体し、目の前に地響きを立てて着地した
(で、でかい……)
20メートル級ゲシュペンストよりも遥かに巨大なそのシルエットに思わず見ていた全員が驚愕する。鬼を思わせる2本の角と威圧感を放つその巨大な身体……これがもし敵だったのならと全員が恐怖する中
「こちら早乙女研究所所属。早乙女達人だ。これより援護に入る!」
オープンチャンネルではなく、拡声器か何かで周囲に響く声で叫ぶ。援護……連合か、それともDCか……カイ達が警戒する中赤い巨人は
「ゲッターウィングッ!!!」
その背中から赤いマントを出現させ、周囲を破壊しているリオンを見て
「貴様らぁッ!!!」
裂帛の気合を放ち、出現したマントを翻し宙へ浮かび上がり、肩から出現した巨大な戦斧を構えリオンの中へ突進して行った。あれだけの巨体が空を待ったことに驚愕しながらも、味方である事が判ったカイは大きく深呼吸をし
「味方か……各員フォーメーションを組みなおし、キラーホエールの動きを止めろ!」
あの巨人の正体も気になるが、今はそんなキラーホエールの動きを止めるのが先決だと判断し、そう指示を飛ばすのだった……
EXS スーパーロボット大戦OG ゲッター線に導かれた者
と言うわけでノリで書いて見ました。竜馬ではなく、達人さんと旧ゲッターがOG世界ですね。まぁ普通に考えてゲッターが強すぎるわけですがね。他にも色々出して見ようかなあとか考えてます