EX4 聖杯戦争に舞い降りし守護者
(ふむ?誰か私を呼んでいる…)
英霊の座に座して数百年…久方ぶりに感じる私を呼ぶ声…
「閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ。繰り返すつどに五度、ただ満たされる時を破却する。」
言葉の中に感じる誰かを助けたいと願う心…
「告げる。汝の身は我が下に、わが命運は汝の剣に…聖杯の寄るべに従い、この意この理に従うならば応えよ…」
1心に救いたい、助けたいと言う心を感じる…
「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者…」
自分の命を犠牲にしてまでも誰かを救いたいと訴え続けているその心…
(私に良く似ている…な…)
生前…この命が尽きるまで、大切な仲間の為に、大切家族の為に戦い続け…そして死んだ…故に私はこの呼び声の主が気になった…
「されど汝はその目を混沌に曇らせ侍るべし、汝…狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖をたぐる者…」
強い決意の元、詠唱を続ける声…それは確かな道となり私を導く
「汝三大の言霊を纏う七天!抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
その言葉と同時に私は英霊の座から消えた…
眩い光が暗い地下を照らし出す。視界が光に包まれるのを見て、俺ははその場に膝をついた、魔力を根こそぎ奪われ、それでも必死に自分が呼び出したであろうサーヴァントの姿を探す
「問おう、汝が私を招きしマスターか?」
視界の先に居たのは長い銀髪を靡かせた、神秘的な蒼い瞳を持つ長身の男だった…深い知性と慈悲を感じさせる声と深い右目の切り傷…そして同性の自分でさえ感じる美しさ…理性を失い、言語能力さえないはずの狂戦士を呼んだはずなのに…まさか失敗したのか?俺がそんな事を考えていると目の前の男が
「もう一度問おう、汝が私を招きしマスターか?」
「あ、ああ…そうだ、俺がお前のマスターだ…っ!げほっ!ごほっ!」
何とか声を出して、そして同時に咳き込んでしまう。まともに立っていることも出来ず、俺は思わずその場に倒れこみかける
「危ない」
だが地面に倒れる前に男に抱き止められる
「大丈夫か…マスター?」
「あ…ああ、そういえば…自己紹介がまだだったな…俺は雁夜…間桐雁夜だ」
「了解した、これより汝が敵は我が敵、ありとあらゆる障害から汝を護り、勝利させる事をここに誓おう」
男の言葉に耳を傾けていると
「くっくっく…なんじゃ。これはまた奇怪な者が呼び起こされたもんじゃな。狂戦士の召喚は失敗に終わったのかの?」
間桐臓硯が嘲笑うように言う、臓硯は男を見ながら
「そのような何の魔力も感じぬサーヴァントでは、何も出来ずに負けるじゃろうな?そのような外れを引き寄せてしまうとは…この戦い、もはや結果は見えておるな」
「…くっ!」
俺には返す言葉がなかった、確かにその通りだこの男からは何の魔力も感じない…本当にサーヴァントなのかも怪しい。俺が唇を噛み締めながら下を向くと、男が
「…マスター、この男は?」
臓硯を見ながら尋ねてくる男に
「こいつは間桐臓硯だ。一応血筋的には…」
俺が臓硯との関係を言おうとしたら、男は首を振り
「私が聞きたいのはそう言うことではない、この男はマスターの敵なのかどうなのか?と言うことだ」
「なっ!?」
「…貴様、どういう意味じゃ?」
思わず絶句する、素性などどうでも良かった。このサーヴァントが知りたかったことは唯1つ。敵か味方かだった…この自分の答えによっては臓硯を完全に敵に回すことになる。それくらい俺とて承知している。その上で俺は臓硯を見据え
「…俺の敵だ!」
「了解した」
「か、雁夜!貴様…!!」
臓硯の責める声が聞こえる、だがこれで良い臓硯は俺の敵なのだから…
「神騎覚醒」
男がボソリと呟くと同時に凄まじいまでの魔力が男から発せられる。
「なっ!?き…貴様!?何者じゃ!?」
臓硯が驚愕の声を伴って叫ぶと
「この身は守護の楯であり、ありとあらゆるものの頂点に立つ者…我がクラスは「ガーディアン」、7つのクラス全てを内包せし究極のサーヴァント。そして真名は「八神龍也」人の身でありながら神の座に登りつめし者」
男が告げる中。徐々に男の身体を黄金の甲冑が覆い始める…神々しいまでの魔力・そして威厳…そして「八神龍也」と言う名
「まさか…貴方は!?」
伝説で聞いたことがある、ありとあらゆる世界を見守る絶対なる王の事を…
「まさか…貴様、神王!?」
「貴様に答える義理はない!!滅せよ!!」
ザンッ!!!
鋭い斬撃音が響く、しまったこのサーヴァントは知らないんだ
「だめだ!普通の攻撃ではその男は…え?」
「……なに?」
しかし、剣で斬ったはずなのに体は斬れていない…そもそも男の手に剣がない…ではあの斬撃音は一体?俺が首を傾げていると臓硯が
「貴様、一体何の真似じゃ?剣も持たず今のが攻撃のつもりか?」
馬鹿にするような臓硯の言葉にサーヴァントは
「貴様なんぞを斬るのに剣は必要ない、失せろ目障りだ」
サーヴァントが臓硯の体に異変が生じた。肉体が崩壊を始めだしたのだ…いや違う最初から存在しなかったように、光となり臓硯の身体が消えている
「ば、馬鹿な…貴様!一体何を…!?」
「我が魔力はありとあらゆる魔を滅する、魂ごと消え失せろ邪悪なる者よ」
「!!??」
言葉にならない悲鳴を上げ、臓硯の体は文字通り跡形も残さずに消滅した…
「待ってくれ、えっと…「龍也で良い」龍也、たしかに臓硯の肉体は消滅したが、まだやつの本体の魂は別の蟲に収められている。その蟲を破壊しない限りやつは何度でも…」
復活すると言おうとしたら龍也は穏やかに微笑み
「それは在り得ない、もう何も心配しなくて良い」
「え?」
龍也の言葉の意味が判らず尋ねると
「私の魔力は既にこの屋敷全体を覆っている。何処に隠れようが、何処に逃げようが…」
パチンッ!!
ズドンッ!!!
龍也が指を鳴らすと上の階から、何かが爆発する音が聞こえた
「もう狙いは定めてある。臓硯とやらは死んだぞ、マスター?」
俺は龍也の言葉が信じられなかった…今まで俺と桜を苦しめていた臓硯が死んだという言葉…だが龍也の自信に満ちた表情見ると本当のことだと判る
「さてと…後はこの蟲どもにも消えてもらうか…気持ち悪いし」
龍也はそう言うと指を鳴らす。それと同時に黄金の光が屋敷中を駆け巡る
「!?!?」
蟲達はその光に焼かれ瞬く間に消滅した…
「さて。後はマスターだ」
「えっ?」
俺の頭に手を置く龍也は
「寄生されているんだろう?すぐに浄化する。安心しろ痛みはない」
龍也はそう言うと同時に魔力を放出した。それが俺の身体を覆うと今まで感じていた、痛みは綺麗さっぱり消えていた。それに身体の中に
感じる不快感も消えていた…
「さっ、行こう。マスターが助けたい誰かのところへ案内してくれないか?」
「あ、ああ!!こっちだ!」
俺は龍也を桜ちゃんの下へと連れて行った…
「改めて礼を言う。臓硯を倒し、さらに桜ちゃんまで救ってくれて…感謝してもしきれない本当にありがとう」
「礼を言われるまでない事だ」
龍也はそう笑う物の、俺ににとってはサーヴァントであろうと関係ないことだ。恩人であることに何の代わりはない…相手が感情もあり理解を示してくれる戦士ならなおさらこういう事をしっかりしておきたい
「それでもだ。これからもよろしく頼む…確認したい事があるんだが…」
「何をかね?」
穏やかに微笑む龍也に俺は姿勢を正しながら
「貴方は「夜天の守護者」に登場する。神王…八神龍也さんですか?」
神王…魔術に関わる人間なら誰しもが知るその名…ありとあらゆる世界に自由に行き来し、どんな奇跡も可能にする絶対なる善の存在…それが神王八神龍也と言う存在、英霊となっている可能性は高いと言われつつも、今までただ1度も召喚された事のないサーヴァント、だから実在しないとされてきた神が俺の目の前に居る…それが信じられなくて尋ねると
「確かに私は神王、八神龍也だ。しかし「夜天の守護者」とは?」
「あ…ああ、貴方の戦いの軌跡を描いた、文献です。今はもう複写しかなくて色んな説が唱えられて居るんですよ」
俺が本棚からボロボロの一冊の本を取り出し見せると
「平行世界にまで伝わっているという事か…」
肩を竦め苦笑する龍也に
「それで貴方は7つのクラスを内包すると言っていましたが…「敬語じゃなくて良い」…こほん、龍也は7つのクラスに該当するんだよな?」
俺がそう尋ねると龍也は
「その通り。セイバー・ランサー・アーチャー・ライダー・バーサーカー・キャスター・アサシン。私は7つのクラス全てを内包するクラス「ガーディアン」のサーヴァントだ。1度私のステータスを見てみたまえ」
そう言われ龍也のステータスを確認する
クラス ガーディアン イレギュラークラス 7つのサーヴァントのクラス全てに該当する
真名 八神龍也
属性 混沌・善
筋力 A+
魔力 A-
耐久 EX
幸運 B-
敏捷 A-
宝具 EX
凄まじいまでのスペックだ…セイバーにでも負けないんじゃないか…?そんな事を考えながらスキルを確認する
固有スキル
天界の風の祝福 EX
呪い・状態異常等を完全に無効化するスキル。最高ランクの加護
世界に祝福されし者 EX
ありとあらゆる才能を全て兼ね備えるスキル。武芸の才能に加え家事や占いといった物まで人並み以上にこなせる
女難 EX
女性に関するありとあらゆる不運。異性に異様なほど好かれる、高確率でヤンデレの女性に求愛を受ける。「天界の風の祝福」を持ってしても無効か出来ないほど強力な呪い
神王の魔力 EX
八神龍也という人間を神の座まで到達させた、先天性スキル。1度見たものを完全にコピーし。それがどれほど困難な戦闘技術・魔術においても全て完璧に再現する。そして絆をつむぎし者の魔力・技能を全て自分にトレースすることが出来る。
また混沌・悪属性のサーヴァントに対しては通常以上のダメージを与えることが出来る
守護者の誇り EX
己の生涯を賭して人を護り続けた者の誇り。時には己のみを犠牲にしても何かを護ろうとする。敵対者の気配を敏感に感じ取る
保有スキル
カリスマ EX 軍団を指揮する天性の才能。ありとあらゆるものに好かれ、世界全てを手中に収める事も可能なランク
心眼(真) A 修行・鍛錬によって培った洞察力。戦場において常に自らを勝利者へと導く戦闘倫理
騎乗 A+ 騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣・竜種まで乗りこなせるが、車やバイクの運転は非常に雑
戦闘続行 A+ 瀕死の傷を負っても戦闘を可能にする
神性E 本来はEXの神性を持つが、神王の魔力、未発動時は人間と変わらないので最低ランクのE
明鏡止水の心 EX 精神面への干渉を無効化する精神防御、どれほどの窮地であっても揺るがぬ心
ディランス A 己の狂気を身に纏い、全ての能力を2段階上昇させる。このスキルを発動時はクラスがバーサーカーに変化し、狂化EXを取得する
投影 EX 見たことのある武具を召喚する魔術だが。彼の場合、宝具である「天雷の書」に記録されているものを召喚する技能
単独行動 EX マスターが居なくても現界が可能。例え契約が切れても消滅する事無く存在する
気配遮断 A++ 気配を完全に遮断する。例え目の前に居ても把握できない、攻撃に移ると極端にランクが下がる
工房作成 EX 聖域を作り上げる。敵対者の侵入を一切許さない。究極の防壁
魔法 EX 魔術とは違う体系の龍也固有の技法、魔術とは違うので対魔力で防ぐことが出来ない
宝具
雪の庭園 EX 固有結界 無限に広がる雪原と吹きすさぶ吹雪が特徴的な世界、能力は敵対者を全て凍結させる事と自分の大切な者を護る事である。どんな攻撃も凍結させ無効とし、また味方が負傷している場合、その傷を全て自分に移しかえる事が出来る
大いなる希望(グランドホープ)EX アーサー王のエクスカリバーに似て非なるもの、星によって作られし神造兵器。己と縁の深い人物の魔力を全て上乗せし。己のステータスをEXオーバーにまで跳ね上げる
種別 対人・対軍 レンジ1~無限
天雷の書 EX
全ての武術・武具を収録せし魔道書。戦闘技能を大幅に上昇させ、戦闘時に記録されている武具を即座に召喚し、使用できる
種別 対人 レンジ1
創世と終焉を告げし者 EX
世界の終焉と創世を可能にする、神の宝具。死者蘇生・時間跳躍・並行世界への移動・を可能にする。八神龍也と神として存在させる最高の宝具
種別 対軍 レンジ1~無限
4次元コート B+
龍也が常に身に付けているコート、謎の技術で作られており、無限ともいえる収納能力を持つ。武器・ティーセット・食料・本・日常雑貨とうが収められている
また防具としての能力も高く。Cランク以下の魔術を無効にし。対刃防御も高い
黒き漆黒の機獣 べヒーモス B
黒い大型のバイク、空中・水上を走ることが可能な万能マシン、護身用としてD-に該当する、魔法行使も可能、自分の思考で行動する
オーバーランクの宝具が4つも…流石は神と呼ばれるだけはある…他のサーヴァントのステータスが良く判らないが、間違いなく最強クラスのサーヴァントだろう
「それで龍也…クラスで呼ばなくて良いのか?」
「ガーディアンに該当するのは私だけだ。クラスで呼ばれるとバレる。それに真名にしたって信じられないだろう?」
にやりと笑う龍也…
「確かに…俺のサーヴァントが八神龍也だと言っても誰も信じないだろうな」
究極のサーヴァントと言える。八神龍也…そもそも存在してるかどうかも怪しいと言われているのだ。真名で言ってもばれる事はないだろう
「私はマスターの願いに引かれここに来た。お前の救いたい心が気に入ったのさ。だから私は必ずお前を勝利させて見せよう」
にこりと微笑む龍也に
「俺は龍也と呼ぶ、だから龍也も俺を雁夜と呼んでくれ」
「判った。雁夜これからよろしく頼む」
「ああ。こちらこそよろしく頼む」
こうして命を賭けて誰かを救いたいと願った男と生涯をかけて誰かを救い続けた男の道が重なった…
続くかも?
どうも混沌の魔法使いでした。フェイト思ったより難しいですね、要修行です、それで今回はどうでしたでしょうか?
面白かったのなら良いのですが、正直自信がないので感想をもらえると嬉しいですね。それでは次回もどうかよろしくお願いします