Armored Core farbeyond Aleph   作:K-Knot

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南極

細く皺だらけの手に持っていたのは一冊の本だった。

表紙には『最後の人間』と書かれたその本を静かに在り続ける墓の前に置く。

 

その墓に書いてある名前は女性の名前のようだが恐らくその名を持つ者が誰なのかを知る者はほとんどいないだろう。

彼女もまた孤児だった。

奇妙な子供で才能に溢れてはいたが、何故かどろどろとおどろおどろしくも幻想的なゴシック小説を好んで読んでいた。

この本は彼女の特にお気に入りだった作家の作品だ。

自分はリンクスとなった彼女がこの作家からあやかってその名を名乗った理由を知る少ない人物だろう。

 

自分にとって自分以外の全ては自分の為に利用されるためだけにあると、そう思っていた。

立派に育て上げた彼女の面目躍如たる活躍も全ては自分の利益に帰結し、見事に命すらも消費した。

 

「……」

王は今になってそんな過去の自分がどれだけ愚かだったかを思い知っている。

自分の為だけに生きて死ぬ人生にどれだけの価値があるというのだろう。

それが分かったのは彼女がこの地で死んでからずっと後になってからだった。

 

戦士は戦場で生き戦場で死ぬという自分の言葉通りに死んだ彼女には帰るべき場所も無かった。

GAを吸収し、南極の基地を取りあげてようやく墓を作ってやることが出来た。

これからこの極寒の世界で彼女の遺体は何万年も眠り続けるだろう。

 

「もうすぐ私もそちらに逝く。言いたいこともたくさんあるだろう。その全てはその時に聞こう」

 

「今の私は何をしていると思う? お前を殺した男に協力しているのだ。リリウムの未来と幸せを守るために、だ。リリウムが誰なのかすらお前は知るまいな。怒りも当然だろう。嫉妬しているか? 案ずるな、もうすぐそちらに逝く」

ただただ利用されていただけだと彼女は気付いていたのだろうか。あるいは今ようやくそれを知ったのだろうか。

今更許してくれなどとは言えない。だからこそ、もうこの世界から離れて彼女の話をそばでずっと聞いてやらねばならない。

 

老体に堪える寒さに襟を立てた王はもう一度だけ手を合わせてその場を去った。

 

彼女の本名を知る者はほとんどいない。

ましてやその死を悼む者など__

 

メアリー・シェリーは南極で眠り続ける。

 

 

 

 

 

 

ガロアは基地にアレフを預けた後、寝泊りする部屋に直行はせずにただブラブラしていた。

それなりの規模の基地だけあり、普通の商店街なんかもあったりする。少なくとも小さい頃に本で知ったこの世の果てとは随分違う。

親子連れがいるのも基地内で結婚したりしたものがいるからなのだろう。

 

ゴン、と看板に頭を思い切りぶつけてガロアはその場にうずくまった。実際はそこまでダメージは無かったのだが……

 

(いてぇー……帰りたい……)

戦っているときはそんな余裕がないからなのかは分からないが、それ以外の時はつい余計なことを考えてしまう。

幸せそうな親子連れの姿を見てセレンの元にもう今すぐにでも帰りたくなった。

 

(なんでここはこんなに寒いんだ……)

これだけ寒いとあの森で一人ぼっちだった時を思いだしそうになる。

気候の問題もあるのだろうが、あの人と出会ってから寒かったことはなかったなと思いながらぶつかった看板を見る。

 

「スシ……は日本の料理じゃなかったのか」

そこは一件の飲食店だった。海産物が美味いラインアークでも見なかった東洋の魚料理の店がでん、と構えてあるのは不思議だ。

ラインアークの魚の味を思い出すと腹がぐうとなった。

 

(………入るか)

自分の見た目が威圧感に溢れている事は知っている。セレンは背が高いから気が付かなかったが、いつの間にか自分は世の大抵の人間を意識しないでも見下す高さにいたのだ。

そんな男が店先で突っ立ているだけで営業妨害ものだろう。

 

「らっしゃい!」

威勢のいい男は一目見て日本人と分かる黒髪黒目の胴長短足の中年だった。

 

(そういえば……一人で食事処に入るのは初めてだ)

今まではどこの店に行くにしても自主的に行くことは無かったし、誰かが必ずいた。

そもそもガロアにとっては未だに食事は自分で調達するものだという意識が大きい。

 

「そちらにどうぞ」

最初の掛け声は日本語だったがその後は流暢な英語だった。聞き取りやすいが正直似合わない。

飯食っているときに色々喋りかけられるのだろうか、ちょっと嫌だなと思いながらもカウンター席を指されてしまったのでそこに座った。

 

「何にしましょう」

 

「……適当で」

出された熱いお茶をありがたく啜りながら壁にかけてあるメニューらしきものを見るが正直さっぱり分からない。

 

「あいよ。初めてだね、新しく雇われた人かな?」

 

「……そんなところだ」

清潔にしてはいるのだろうが素手で料理を作り始め、米の前でマスクもせずに喋り出すのは文化なのだろうか。

本当の事を言うのも、喋りかけないでくれというのも面倒なので適当に話を合わせる。

 

「ああー、珍しかったんだろ? 魚を食っていたらお兄さんみたいに大きくならないもんな!」

 

「……」

 

「はい、どうぞ」

目の前に木で出来た平らな皿のような物が置かれさらにその上に二つ、茶色く焼けた肉のような何かがシャリに乗った物が出される。

寿司というのは赤いのではないか。

 

「これはなんだ」

 

「まぁ食べてみてください。いきなり魚臭いのを出すと大抵の一見さんは来なくなっちゃうんですよ。あ、醤油はいりません」

 

「……」

プラスチック以外なら何でも食べるし、実際生の兎から虫まで食べたガロアだ。

今更魚臭かろうが気にはしないが、言われた通りに一つ口に放り込む。

 

(! ……肉じゃない。魚だ。でも、普通の肉よりうまい……)

米に染み込んだ酢の匂いと上に乗った魚を炙ったことによる塩気が見事に混ざり合い、口の中で温かに溶けていく。

米の量も焼き加減も丁度良く、寒い南極で最初に口にした物がこれならばありがたい。

 

「マグロだな」

 

「お! お客さん、いい舌しているね」

 

「食べた事がある」

巧妙に欧米人に食べやすく作られたそれは炙りトロと呼ばれる物で、寿司という料理の範疇でメインにはならないが多くの者に親しまれている。

以前ラインアークで食べたマグロはインドマグロでここにあるのは本マグロだから正確には違うのだが、ともかく魚種を判別できる程度にはガロアはいい舌をしていた。

 

「じゃあこれはどうだい」

 

「……」

薄いピンク色の、今度は間違いなく見た目からして寿司だといえる物を醤油にそっとつけて口に入れる。

味はだいぶ違うようにも感じるが食感が同じだった。

 

「これもマグロだ。さっき食べた奴と同じ部分じゃないか」

 

「そうそう! いや、いいね。これとか……どうだい? 普通の人は場所を聞くと引いちゃうから先入観なしに食べてくれないか」

 

「……?」

存外、今食べている物の話を聞きながら食事をするというのも悪く無い物だ。

そう思いながら出された物を口に入れる。食感はまたもや似ているし、味で言えばほぼ同じ。だが歯ごたえがあり、総合的に評価すればこちらが上だった。

 

「同じ魚か? でも食感が……」

 

「それね、マグロの脳天なんですよ」

 

「脳? 馬鹿な。魚の脳みそなんかこんなにデカく無いだろう」

 

「あー、いやいや。脳じゃなくて脳天です。脳の上の部分。一匹からほんの少ししか取れないから貴重なんですがね、来る方は皆部位を聞いて尻込みしてしまってね。味が分かる人にしか出さないんです」

 

「……へぇ」

つまりそれだけ高価、という事なのだろう。こっちのことをよいしょしながらも儲けることを忘れていない。

客商売を長く続けているとこう、上手くなってしまうのだろうか。

 

「日本人以外で寿司をそこまで食べ分けられるのは珍しいですねえ。出身はどちらで?」

 

「…………アルメニアだ」

多分アルメニアだ、としか言えないし育った場所はロシアなのだが。

 

「へ? 聞いたことないですねぇ」

 

「東欧だ。何故……こんな場所で寿司店を?」

しかも珍しさだけで勝負をしているのではなく、しっかりと美味しい。

中の職人もしっかりと日本人だというこだわりようだ。

 

「いやぁねぇ、地球温暖化で氷が溶けて水面上昇だとか言うじゃないですか」

 

「?」

 

「でもね、ここ30年、一年を通して寒い土地の氷がほとんど溶けてくれたお陰で新しい交易ルートが拓かれてその場での漁業も盛んになったんですよ」

 

「南極は大陸だから関係ないだろ」

 

「あ、分かっちゃった? 一本取られたね」

 

そんな中身のある様な無い様な話をしながらも次々に握られていく寿司を次々と胃袋に収め着々と会計がかさんでいるその頃。

 

 

脚に包帯を巻いて松葉杖を突いて歩くダンの横でメイは溜息を吐く。

 

「もう……こんな怪我をして……」

 

「帰りは輸送機だって言うし、いいだろ」

修理費が嵩んだのは痛いが、それでもプラマイで言えばややプラスなのだ。

……これで暫く働けなくなったわけだが。

 

「ありがとう」

 

「気にすんな」

まだ二人は付き合ってはいない。

でももうすぐそうなるのだろうと、まだ女性と付き合った経験すらないダンでもその雰囲気を敏感に感じ取っていた。

 

「でも、ああいう助けは要らないわ」

 

「なんだって?」

 

「好きなように生きて好きなように死ぬ。私たちはそういう生き物のはずよ。何よりも……ダン君みたいな独立傭兵は」

 

「……」

その言葉は半ば以上本心なのだろうし、そのままメイのこれまでの人生を集約したようなものでもあった。

ダンの人生観とはまるで違う。咄嗟の行動であったがあの時の感情にダンは後悔していない。いや、やっぱり死んでいたら後悔していたのかもしれないが。

 

「私は私の責任で死ぬわ」

 

「そうかい」

その割にはここ最近ずっと自分の面倒を見てきたではないか。

とはダンは言わなかった。メイの言葉はダンを死なせまいと少し突き放しているのだとも、ほんのちょっとだけ精神的に成長したダンには分かるからだ。

確かに今ならば自分一人でいれば引き際をしっかり心得て、前のように蛮勇を奮うことも無くいざとなればすぐに撤退できるだろうが……

 

「……。ダン君、前までなら反論していた」

 

「どうだったかな」

 

「……」

成長したことを感じ取る瞬間という奴だろうか、とメイは思った。

隣を歩くダンの背中は一回り大きくなったような気がする。

正直ダンみたいな贅肉も筋肉も無い身体も、特徴の無い髪も、逆に特徴あり過ぎる服もまるで好みではないのにどうして惹かれるようになったのだろう。

とりあえず今、隣でこうして歩いているのは悪くない…のだが。一つだけ気になっていることがあった。

ダンがカラードで何も伝えずに置いてきた彼の親友の事だった。

 

 

 

 

 

 

「茶碗蒸しです。お熱いので気を付けて」

食いも食ったり百貫を腹の中に収めてようやく腹七分目といったところだった。

 

(美味かった。……美味かったけど)

 

(……セレンと食うから美味いんだよなぁ……何にでも感想をくれるし)

ちびちびと表情を変えずに茶碗蒸しを食べ続けるガロアだが、その脳内は茶碗蒸しよりも余程とろけている。

 

(ずー…っとセレンの事考えているんだなぁ……俺)

セレンだったら何て言うだろう、セレンに作ってあげたい。

そればかりだった。一人で食事をするなんて実に久しぶりだ。

こうなって初めて分かるのが自分がどれだけセレンを好いていたのかという事だった。

 

(………どれだけ支えられていたか、ってことか。一週間……長いなあ)

時差はあれど、今この瞬間セレンとガロアは実は同じことを考えている。

出会ってからこれだけ長い間離れるのは初めてのことだった。

 

(ちゃんと洗濯できるかな……髪を乾かせるんだろうか。……心配だ)

一応、16歳から17歳までの一年は一人で過ごしていたわけだし、周りに知り合いもいるのでどうにもならないことはないのだろうが心配だ。

ポケットの中の携帯につい手を伸ばしたくなる。先ほどまでネクストの中から言葉を交わしていたというのにもう声を聞きたい。

多分、要件なんかあってもなくても喜んではくれるのだろう。自分がそうだからわかる。

でもこれ以上いけば止まれなくなる。人はそれぞれああだこうだ言うだろうが自分はそういう風に出来ているのを知っている。

ガロアはでこぼこの坂道に乗せた箱型の自分が情愛の重力に引かれるのを理性の摩擦でなんとか抑えているような気分だった。

それでも重力には逆らえずにずるずると確かな傷を付けながら少しずつ滑り落ちていくのを感じる。落ちきればきっともう戻れない。

 

「らっしゃい! あっ、どうも!」

 

「ここにいたか、小僧」

 

「……」

小僧、と聞こえて振り返れば王が店の入り口にいた。以前あった時よりも厚着をしている。

どうしてここにいることが分かったのか、とは思ったがこの基地全体が王の手の中だろうし想像しなくても方法なんか両手で数え切れないくらいある。

久しぶりにその老人の姿を見てあれっ、と疑問が浮かんできた。しっかり立っているように見えても呼吸は弱弱しく、突き飛ばしただけで昇天してしまいそうだ。

具体的な年齢は知らないが、前までは顔に皺があって白髪があっても若々しく見えたのに今は年相応と言えるような見た目だ。

リリウムと離れたからか、と思ったがそれだけなはずがない。

 

「こういう時は普通、最初に挨拶に来るものだ」

店主は勝手に席に着いた王に何も言わずにボトルを持ってきた。

だが王から声をかけられている自分を不思議そうな顔で見ている。

 

「ふーん」

基地の危機を救った礼を言うものではないのか、とは言わない。

別に礼を言ってもらっても嬉しくないしそれが仕事だったのだ。

 

「他人のよしなしごとにまるで興味を示さないその態度……見事にサーダナに似ておるわ。挨拶の仕方も教わらなかったか」

 

「……」

ぴくっと反応したのをきっとこの老獪な男は見逃していないのだろう。

 

「まあよい。小僧、お前はこの戦いが終わったらどうするのだ」

 

「……リリウムはどうしているのかを聞きに来たのかと思ってたんだが」

 

「変な気を回さなくとも毎日連絡を取っておるわ」

 

「あっ、そう……」

 

「さっさと答えんか」

どうしてこうも高圧的なのだろう。

大人がみんなこうだという訳では無い。この老人が特別そうなのだろう。

 

「……別に……戦い続けるだけだろうな」

 

「聞き方が悪かったな。何をしたいのか、を聞いているのだ」

 

「…………………無い」

ある。本当はセレンとどこか争いのない場所でゆっくり暮らして、きちんと勉強をしたい。

小さい頃の夢だ。その立派になった姿を父に見せてやりたいと思っていたし、だからこそ父が街に送って勉強をさせると言ってからはちゃんと勉強をしていた。

現実は殺人兵器に乗って汚染をばら撒きながら戦っている、なんとも笑える話だ。立派になった姿とはなんだったのだろう。

 

「ふん。小僧……いいか、お前はこの世のさまざまな苦しみから身をひくことができる。それはお前の自由に委ねられているし、お前の性分次第だ」

説教をしに来たのだろうか。高圧的だが、その本質はいつかのセレンと同じことを言っているのだ。子供が考えすぎるな、今やれることを楽しみ青春を謳歌しろ、と。

だがセレンはそれを言うには若すぎると思ったし、この老人はほぼ他人だとガロアは思っていた。

 

「……けれどもまさに『この身を引くこと』こそ、ひょっとすると俺の避けることのできる唯一の苦しみであるかもしれない。口出しするなよ、爺さん」

 

「……!」

それは王の説教臭い言葉に対する完全な答えだった。受け答えがとんちが効いていて完璧、という意味では無く、実は王の言葉は若い頃に読んだ本の一節だったのだ。

ガロアの言葉はその続きである。若かった王はその前半部分だけを気に入り、それを座右の銘として生きてきたのだ。今になって後半にこそ真実があったと分かってはいるが。

 

「子供の説教に使える一節じゃないだろ」

 

「賢しい子供というのはいつの時代も可愛くない物だ」

リリウムがこの前、ガロアは自分など足元も及ばない程賢い、と言っていたのを王は電話で聞いた。最高の環境で最高のレベルまで教育したリリウムがそんな馬鹿なと思っていたが。

一体サーダナはどういう教育を施したのだろうか。まだ10も数えぬ子供だったはずのガロアに。

 

「……」

 

「リリウムは……お前たちの戦いが勝利に終わった後、大学へ行かせる。なに、すぐに入学できるだけの素養はある」

 

「ふーん」

それがいいだろう。戦いに引き込んでおいてなんだが、あの少女はとことん戦いに向いていないとガロアは確信している。

 

「……小僧、お前は……」

 

「爺さん、痩せたか?」

王が何かまた説教染みた事を言いだす前に先ほどから気になっていたことを口にする。

というよりはぐっと老け込んだようにも見える。厚着を着こんだその下は恐らくみすぼらしく痩せているのだろう。

食事処に来たというのに何も食べずに酒の水割りだけを飲んでいる。

 

「ふん、割と人を見ておるな」

 

「いや、というか……ちゃんと定期健診とか受けているか」

 

「いらぬ世話だ」

 

「そんなにリリウムと離れるのは辛かったか?」

 

「……」

 

「……もう行く」

終止高圧的だった王に一矢報いて満足したガロアは会計を頼む。

 

(……ほっ!!? たっ……高……)

食べた量で割ると、大体一貫で食堂の一番高いメニューくらいの値段になる。

そうか、寿司は高いのか。別に金に執着がある訳では無いのだが一人でこんなに使っていいのだろうか。

 

「私が持つか? 小僧」

 

「いらん」

ばっさりと一言で断り、さっさと会計を済ませてのれんを大きな身体を縮めてくぐり出て行ってしまうガロア。

愛想も無く、礼儀も無い。悉く、リリウムと正反対の性格。

 

「全く……あんな男のどこがいいのだ……」

と、いいつつもリリウムにはない物を、良い物も悪い物もすべて持っているのは見てわかる。だからこそ正反対で、だからこそ惹かれてしまったのだろう。

ガロアが手当たり次第に女に手を出すような下衆では無かったのは救いだが、リリウムに全く興味が無いという事実も今の王の悩みの種である。

小さく咳き込んで手についた血を見て王は静かに笑った。

明らかな身体の異常も急速に近づいてくる死も今の王には怖く無かった。

これからどんな辛いことがやってきても負けずに自分で考える強さとそれを支えてくれる友をリリウムは得たのだから。

この世への未練が一つずつ溶けて無くなっていくような気分だった。

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