不思議な錬金術師と物語師   作:水甲

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ここから一気にラスボス戦まで話をやっていくつもりです。

因みに本タイトル変更しました。

ソフィー編終了後にフィリス編やります


第14話 甦る記憶

いつもの日常、いつもの平穏が流れていく中、僕はあることが気になっていた。

 

「そういえばいつになったら話してくれるんだ?」

 

本を読んでいるディンにそういう僕。

 

ディンは本を閉じ、僕のことを見つめた

 

「何のことだ?」

 

「お前はあの黄昏の世界から……エスカさんが帰ってからずっと何かを思い詰めてる気がするんだ。ずっと気になってたけど、お前が話してくれるのを待っていたんだけど……」

 

「………話してくれるまで待つのではないのか?」

 

「待つのも限界がある。そろそろ話してくれてもいいと思うけどな」

 

ディンはしばらく黙り込んだ。

 

そして口を開こうとした瞬間、突然誰かが家の中に入ってきた。

 

「お邪魔します。アラヤ、ディン」

 

それはプラフタとソフィーの二人だった。

 

「どうしたんだ?いきなり来て……」

 

「あはは、実はプラフタが大事な話があるって言って、二人のことを誘いに来たの」

 

「大事な話?」

 

「………プラフタ、どこまで思い出した?」

 

「錬金術の可能性まで……」

 

「そうか……それでどこに?」

 

「大地の傷痕まで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らはプラフタが大事な話があると大地の傷跡まで来ていた。

 

「ソフィー、アラヤ。あなた方は錬金術についてはどう思っていますか?」

 

「えっ?私はいろんな錬金術師にあったけど、その人達は錬金術で平穏な日々を送ろうとかしてたけど」

 

「僕もそう思う。あの世界のあの二人もソフィーと同じことをしてたし……」

 

「確かに錬金術は平和のためにあるのかもしれません。ですが使い方によってはこの世界の命を奪うものなのかもしれません」

 

世界の命?どういうことだ?確かに爆弾とか使えば人の命を奪うことだってあるかもしれない。

 

だけど世界の命までなんて……

 

「アラヤ、そんな風に思えないだろう」

 

「ディン、ちがうのか?」

 

「ディンはどこまで思い出したんですか?」

 

「俺はあと一つだけ……他はすべて思い出している」

 

「そうですか………ですが」

 

「分かっている。お前が思い出すまでは話さない」

 

「助かります」

 

どういうことだ?ディンはほとんど思い出しているというのか?

 

でもどうして話してくれなかったんだ?

 

「アラヤ、すべてを話すには俺とプラフタの記憶が戻ってからだ。その後にすべてを話そう」

 

「………ウソを付くんじゃないぞ」

 

「分かっているさ」

 

「話が逸れましたね。先程の世界の命についてですが、この荒廃した場所は以前は自然豊かな場所でした」

 

自然豊かって、こんな岩くらいしかない場所が?

 

この大地の傷跡に何度も採取の手伝いで来たことがあるけど、採れるものとしたら鉱石くらいだし……

 

普通だったらそんなことあるわけ無いと言い捨てるのに、僕はある事実に気がついてしまった。

 

「もしかして……ここがこうなった理由って」

 

ソフィーも気がついたみたいだな。

 

そうだ、きっとこの場所は……

 

「お二人とも気がついたみたいですね。そうです。この場所はとある錬金術師によってこんな風に変わってしまったのです」

 

錬金術師の……いうなれば錬金術によってこんな風に変わってしまうなんて………

 

だけど納得できる。

 

錬金術はあらゆる可能性を秘めた力。

 

素材から新たなものを作り出すことだって

 

世界を超える物を作り出すことだって、

 

だからこそ世界の命を奪うことだって出来る。

 

錬金術は危ない力だって僕はどうして気が付かなかったのだろう?

 

「ですからソフィーは過ちを侵さないで下さい」

 

「……うん、分かった」

 

「アラヤも気をつけて下さい。夢想の筆もまた錬金術の産物なのですから……」

 

「分かった」

 

僕達がそう答えるとプラフタは満足そうに笑顔をみせてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな帰り道のこと。

 

僕はあることが引っかかっていた。

 

錬金術は世界の命を奪う事ができるなら……

 

あの黄昏の世界はまさか……

 

「ディン、あの世界はまさか……」

 

「………お前が思っているとおりだ。あの世界の昔の錬金術によって滅びへと向かっているのかもしれない。そしてそれを加速させているのもまた……」

 

「伝えたほうがいいのか?」

 

「いや、きっと気がつくだろう。錬金術師が行った過ちは別の錬金術師が気がつく。そういうものだ」

 

「そう……だよな。きっとあの人達なら……」

 

僕がそう言った瞬間、ディンは咄嗟に岩山の上を見つめた。

 

「どうしたんだ?」

 

「………アラヤ。何でもない。帰ろう」

 

「あ、あぁ」

 

この時、僕はもっとディンに聞くべきだった。

 

だからこそ僕は……後悔してしまうことに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後のことだった。

 

「今日も変わらない朝だな」

 

いつもの朝に目覚めた僕。

 

だけど何か違和感を覚えた。

 

「あれ?ディン?」

 

 




他のキャライベントをカットしてしまってすみません。


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