記憶の手がかりを探している中、僕は喋る本にある事を言った。
それは錬金術師の女の子に恋をしていたのだから、錬金術師と会えば記憶がよみがえるんじゃないのかってことだった。
本は可能性が高いということで僕は幼馴染の錬金術師に会いに行った。
そしてその時に僕らは知ったのだった。錬金術師も同じように不思議な本と一緒にいたことを……
物語を書き終えた僕、するとディンはまた輝きだした。
「何か思い出したの?」
『いや、今回は何も思い出せなかったな。そう簡単にはいかないみたいだな』
「そういうこともあるんだな。そういえばソフィーやプラフタにあって何か思い出せたか?」
『特には思い出せないが……どうにもあのプラフタという名前に聞き覚えがあるような……』
「昔会ったことあるのかもな。それはその内思い出すんじゃないのか?」
『それもそうだな』
コンコンとノックが聞こえた。誰かが訪ねてきたのかな?出てみるとそこにはソフィーがいた。
「アラヤ、今大丈夫?」
「ソフィー、どうしたんだ?」
「ちょっと採集に行こうって思ってね。モニカとオスカーも誘ったんだけど忙しいみたいで……アラヤは今大丈夫?」
「あぁ大丈夫だけど……」
丁度書き終えたところだったし……たまには街の外に出てみるのもいいのかもしれない。ただちょっと困ったことがある。
「外に行くのはいいんだけど、ちょっと困ったことがあってな」
「困ったこと?」
「護身用の武器がないんだよ。あんまり街の外に行くってこと無いから……」
「そっか、そうだ!今ロジーさんが戻ってきてるからなにか無いか聞いてみたら?」
「ロジーさん戻ってきてるんだ」
ロジーさんは旅の鍛冶師で、今はこの街で鍛冶屋をやってる。
「折角だから行ってみるか」
「それじゃ私もついてくよ」
僕とソフィーは一緒にロジーさんの所へと向うのであった。
街にある色んなお店が立ち並ぶ場所の一つの鍛冶屋を尋ねた僕ら、そこには銀髪の男、ロジーさんがいた。
「なんだソフィーに、アラヤは随分と久しぶりだな」
「そんなに会ってないんでしたっけ?」
「お前、あんまり立ち寄ってくれないだろ」
あれは色々と考え事をしてたから……とりあえずさっさと用件をすませよう
「あのこれからソフィーと採集に行きたんだけど、僕さ護身用の武器とか無いんだ」
「それで来たのか。それだったらこの剣でいいか?」
ロジーさんは僕に鉄の剣を渡した。剣だったら昔から使っていたから大丈夫そうだな。
「それじゃソフィー、行こうか?ってソフィー?」
「ねぇアラヤ、これって」
ソフィーは棚に並べてある物の中で何かを発見した。僕も見てみるとそれはペンだった
「あぁそれか?この間でかけた時に見つけたんだ。それで修繕してみたんだけど書けないんだ」
「インクを入れ忘れたとかじゃないんですか?」
「いやインクを入れてもだ」
「ロジーさん、これ貰っていいですか?ちょっと気になるんで……」
「別にいいが……使えないぞ?」
「いいんです」
使えないペンを貰った僕であるが、何故か僕はこのペンはこの先必要なものだと思ったのだった。
近くの採取地で草花やうになどを集めていく。
「これぐらいでいいか?」
「う~ん、もうちょっと集めたいかな?」
とは言ってももうカゴには入りきらないぞ。というかうにとか何に使うんだ?
「うにって結構爆弾とかに使えるんだよ。ほら相手にぶつければうにの棘が飛んできたり」
意外とえげつないものを作れるんだな。そういえば魔物も出てこないし大丈夫そうだな
「とりあえず戻ろうか?」
「うん、一回戻って次は別の場所に行ってみよう」
他にも行く場所があるのか。一体いつまで続けるんだか……でもソフィーと一緒っていうのは悪くはないな
僕は近くにあるものを採ろうとした瞬間、何か柔らかいものに触れた
「あれ?これは……」
それは水色の丸い生命体ぷにだった。ぷには怒り出し僕に突進してきた。
「うぉとびっくりした」
「どうしたのアラヤ?ってぷにだ」
「可愛らしい外見なのに魔物なんだよな」
「アラヤが驚かすからだよ。ごめんね。いじわるしたわけじゃないんだよ」
ぷにに話しかけるソフィー、というか言葉が通じるのかと思っていたが、言葉が通じたのかぷには去っていた。
「とりあえず戻ろうか?」
「あぁそうだな」
次回も今回の続きとなります