竜の巣に封印されていた空を統べしもの、ロギウスと戦うことになった俺たち。俺は筆を取り出し、鎖という文字を描きロギウスにぶつけようとするが、ロギウスは攻撃をあっさり避け、俺に向かって突撃を仕掛けてきた。
俺は盾を出現させようとしたが、間に合わず直撃を喰らい、近くの岩にぶつかった。
「がはっ!?」
「ハルカ!?」
「フィリスちゃん、危ない!!」
リア姉が矢を放ち、注意をそらす。ロギウスは二人の方を向き攻撃を仕掛けていく。
「くそっ……」
俺はなんとか立ち上がるが、体中に痛みが走った。このまま倒れていれば楽なのだけど……
「俺だけ楽している場合じゃないよな……」
俺は無数の剣の文字を書き、ロギウスにぶつけていくが、ロギウスには効果がない。
「このまま……負けるつもりはない……」
更に俺は文字を書き続けようとするが、ロギウスは巨大な球体状のエネルギー弾をはなとうとしていた。これを喰らえば俺は死んでしまうかもしれない。だけど……
「俺はやらなければいけないんだ。フィリスの……リア姉の……あの姉妹が見せた絆を信じて……もう一度あの二人が歩めるようにしないといけないんだ!!」
俺は槍を手にした瞬間、真っ白な光が放たれ、気がつくと槍の先端が弓に変化していた。
「これは………そうかこれが俺の可能性……二人の絆を守る可能性……その名もフェアビンドゥング!!」
俺は矢を放つと、ロギウスが作り出そうとしていたエネルギー弾を貫き破壊し、それだけではなくロギウスの翼までも貫くのであった。
「ハルカ……すごい……」
「これって……」
「師匠がくれた武器だ。可能性を秘めた武器……師匠ありがとうございます」
俺はロギウスの方を向き直した瞬間、どこからともなく鎖と無数のナイフが現れ、鎖でロギウスを縛り上げ、ロギウスの身体に無数のナイフが突き刺さった。
「間に合ったみたいだな」
「……おまたせ」
「もうフィリスちゃん達、おいてかないでよ」
「しょうがないですよ。遅れたのがこちらなのですから」
「まぁなんでもいいわ。こうして間に合ったんだから」
声が聞こえたほうを見るとそこには師匠たちが駆けつけてきてくれた。
「アラヤさん、ソフィー先生、プラフタさん、エリスちゃん、イルちゃん」
「さて、まだ動けるみたいだけど……ハルカ、とどめを刺してやれ」
「はい……フィリス、リア姉……力を貸してくれ」
「「うん」」
俺は弓を展開し、二人は後ろから俺を支えてくれた。これが絆の一撃……
「これで終わりだァァァァァァァァァ!!!」
矢を放ち、ロギウスに当たった瞬間まばゆい光に包まれるのであった。
数週間後
ロギウス撃退してから俺たちはまだ旅を続けていた。俺としては自分のこととかしれた分、旅を続ける必要はないのだけど……
まだ物語師としてまだまだだから、旅を続けることにした。
「ハルカ、早く早く」
「ほら、おいてくわよ」
「わかったよ」
とはいえ旅の目的としてはフィリスと同じ理由だったりする。こうして三人でまだ旅は続けていく。多分だけどゴールはないと思う
「そういえばハルカ」
「何?リア姉?」
「フィリスちゃんに告白しないの?」
この人は本当に脈絡もなく言い出すな……そりゃ告白はしたいけど……
「まだ告白はしないよ。ちゃんと俺が物語師として成長するまでは」
「ふ~ん、まぁ応援してるよ。ハルカ」
そういうリア姉……というかフィリスはそこまで待ってくれるのかな?そのうち他に好きな人ができたら……
「どうしよう?」
「何がどうしようなの?」
フィリスが顔を覗き込んできて、俺はびっくりして慌てて顔をそらした。フィリスは頭に?マークを浮かべていた。
「い、いや、なんでもないよ」
「そっか……あぁそうだった。ねぇ、ハルカ」
「何だよ……」
「私ね。ハルカのこと好きだよ」
………ん??どういうことだ。これはいうなれば友達としての好きだよな。
「その顔、勘違いしてるでしょ。私ね、ハルカのことをちゃんと好きだよ」
「い、いや、ちゃんと好きって……」
「待ってるから、ハルカが好きって言ってくれるまで」
顔を赤らめて笑顔でそう告げるフィリス。何というかこれは……本気で頑張らないとな。
これにてフィリス編は終了です。
なんというかかなり急ぎ足のぐだぐだですみません。
次回からはリディー&スール編をやりますが、しばらくお待ち下さい