ある日のこと、ちょっとした気分転換に散歩していると掲示板にあるお知らせが貼られていた。
「アトリエランク制度?」
何だ?この変なの……ランクに応じて色々と優遇してくれるのか……あの二人が喜びそうだな……
「いた~!」
「コハクくん、ここにいた!」
噂をしていれば、リディーとスールの二人。僕は話そうとした瞬間、何故か二人に両腕を捕まれた
「ちょっと付き合ってね。コハク」
「ごめんね。コハクくん」
「はい?」
何故か僕は二人に引きづられながらお城へ向かうことになった。何だよこの状況は……
お城のエントランスに連れてこられた僕。受付のところには金髪の美女がいた。
「ミレイユさん、ミレイユさん、連れてきました」
「これでいいですよね」
「ふたりとも、何この状況!?」
「彼が二人の幼馴染の物語師ね。いいわ。アトリエランクに参加を認めるわ」
「「やった~」」
なぁ、頼むから事情を説明してくれ……
僕は二人に改めて事情を聞いた。話を聞くと二人はランク制度に参加することになり、その経緯で師匠ができたりして、条件である夢の絵筆を納品することができただけど……
「はじめまして、このアトリエランク制度の責任者であるミレイユよ。二人に物語師の知り合いがいないか聞いてみたの。そしたら」
「コハクのことかなって」
「連れてきたら参加を許してくれるっていうから……」
「うん、お願いだから……ちゃんと事情を説明してくれ」
僕はため息をつくと、ミレイユさんはあることを聞いてきた。
「因みに上位の物語師が持っている特殊な筆は持っているかしら?」
「筆?これですか?」
僕は至宝の筆を見せた。するとミレイユさんは……
「なるほど……イルメリアさんの言うとおりね。錬金術師と物語師は一緒にいることがあるっていうのは本当ね」
ミレイユさんは何故か笑みを浮かべた。なんだろう?嫌な予感がする……
「ふたりだけにちょっとした条件をつけていいかしら?」
「「条件?」」
「ランク試験において、彼と一緒に行動すること。それが参加する条件よ」
「いや、なんでだよ。僕は関係ないと思うんだけど……」
「あら知らないの?物語師は錬金術師と共に行動することで物凄いことが起きるって……」
「それ絶対に後付じゃないんですか?」
「昔からそう伝わっているわよ」
ミレイユさんは何故か目をそらしているし……何だかこれ以上突っ込んだらダメな気がする。それに後は……
「リディー、スール。一応聞くけど僕でいいのか?」
「うん、コハクくんなら大丈夫だよ」
「幼馴染だし、婚約者だからね。私達の」
「あら二人の婚約者なんて、大変だけど頑張ってね」
頼むからスール、余計なことを言わないでくれないか?」
「あとコハクくん」
「はい……」
「今度、あなたの課題として、この二人の物語を書いて提出すること。いいかしら?」
断ったら二人が困りそうだし、僕は渋々了承するのであった。
家に戻り、早速物語を書くことにした。
幼馴染の双子の錬金術師が新たな高みを目指すことになった。物語師は彼女たちの事を心配し、共に協力し合うことにするのであった。
「……こんな感じでいいか……」
それにしても錬金術師と物語師がセットって、誰が決めたことなんだ?
「二人の師匠なら知ってるかな?」