魔法少女リリカルなのは Vivid Pure Light   作:ライジングスカイ

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というわけでまたまた帰ってきました
3作目になってぐるっと一周回ってしまいました
なお今期は今までのものより長くなる予定です


新たな翼編
wish:1 スピリチュアル・ハート


第1世界ミッドチルダ

魔法と科学が発展し、様々な事件があったこの世界

現在は大きな事件もなく平和な毎日

これはそんな平和な日々を過ごすある少女の物語

 

枕元に置かれた時計から目覚ましのベルが鳴り響く

ベッドで眠る少女が何とか手を伸ばしスイッチを押すとそのまま起き上がった

カーテンを開き朝日に目がくらみそうになるも雲の少ない晴れやかな空に笑顔になる

「うん、今日もいいことありそう」

 

淡い茶色の髪を青いリボンでツインテールに結び、制服に着替えを終える

「シルヴィア、朝ごはんだよ」

「あ、はーい、今行きます」

 

私、高町シルヴィア10歳、ミッドチルダ在住で魔法学院初等科に通う4年生

 

シルヴィアがカバンを片手にリビングに降りるとサイドポニーの女性が朝食を並べているところだった

「おはよう、シルヴィア」

「なのはママおはよう、今日もご機嫌だね」

そう言ってカバンを置き椅子に腰かけるシルヴィア

 

この人はなのはママこと高町なのはさん

正確には、ママのママなんだけど、お母さんもそう呼んでるし、本人もまだお婆ちゃん、って感じではないので、私もそう呼んでる

ちっちゃい頃からそうだったらしくて本人も私にそう呼ばれるのすっかり慣れたみたい

 

「おはようございます、マスター」

リビングにもう一人、黒い髪を腰まで伸ばした少女が現れる

「おはようサマーラ、っていうか、そのマスターっていうのやめてっていつも言ってるでしょ」

「あ、すいません、気をつけてはいるんですが」

「もぉ」

無意識のうちにやっていたらしいサマーラは思わず口を押さえてしまい苦笑いする

「ほら、サマーラも席についてて」

 

この女の子は私が契約している守護獣、黒き翼のサマーラ

元々は烏で、本当の姿はもっと大人の女性って感じなんだけど

私に負担をかけないようにって、普段は子供の姿で暮らしている

ちなみに契約の内容は私のことを守る、だったらしいんだけど、実を言うと契約した時のことはよく覚えていない

 

「いってきまーす」

そう言ってなのはとハイタッチすると走り出すシルヴィア

「じゃ、サマーラ、お留守番お願いね」

そう言ってなのはもカバン片手に仕事に行くため出かけていく

 

シルヴィアやたくさんの子供たちが学校へ向かう道を歩いていた

「ごきげんよう」

道行く生徒達と挨拶を交わしながら進むシルヴィア

「シルヴィア」

そんな彼女に後ろから声をかけるブロンドのロングヘアーの少女

「アルマ!ごきげんよう」

「うん、今日も元気そうだね」

シルヴィアに対して柔らかい笑顔で返すアルマ

 

アルマは去年私と同じクラスに転校してきた友達

きっかけは周りになじめなくて困っていたアルマを私が助けてあげたこと

最初は戸惑っていたみたいだけど今では親友同士

 

このStヒルデ魔法学院は私のママも通っていた教会系列のミッションスクール

私のママは管理局に勤める魔導師で、とっても強い私の憧れ

そんなママに少しでも近づきたくて私はこの学校を選んだ

 

始業式を終え帰路を歩くシルヴィアとアルマ

ふとアルマのつけていたブレスレットが点滅する

「アルマのそれって専用のデバイスでしょ?」

「うん、シルヴィアはまだ持ってないんだよね?」

「うちはそういうの結構厳しくて、ほしいなぁっては思ってるんだけど」

アルマの問いかけに肩を落とすシルヴィア

 

デバイスっていうのは、魔法を使う時に私たちのことを助けてくれるパートナー

どんな時でも私たちを支えてくれる大切な存在

なんて偉そうに言ってるけど、私はまだ自分のデバイスはまだ持っていなくて

ママ達が言うには、私はまだ基礎を覚えてる最中だからって

そんな私がサマーラみたいな守護獣を持っているのはもちろん理由があって

4年前まで私は、悪い人たちの操り人形として利用されていた

そんな私を助けてくれたのがママだった

それから私はママに本当の子供みたいに育ててもらって

今、とっても幸せです

 

「じゃあアルマ、また明日ね」

「うん、明日は魔法戦の先生紹介してくれる約束だったよね」

「期待しててよ、すっごい人なんだから」

アルマと別れ自宅への道を行くシルヴィア

 

「ただいまー!」

帰宅したシルヴィアが玄関を上がると

「お帰り、シルヴィア」

出迎えたのはブロンドの髪をサイドポニーで結った女性、傍らにはウサギのぬいぐるみを連れている

「ママ!帰ってきてたの!?」

「うん、私もシルヴィアの進級をお祝いしたくて頑張ってお仕事終わらせたんだよ」

 

この人が私のママ、高町ヴィヴィオさん

普段お仕事が忙しくて、家のことはなのはママやサマーラに任せっきりになっちゃってるけど

その分一緒にいる時間を大事にしてくれる優しいママ

ちなみに一緒にいるのはママのパートナー、クリスことセイクリッドハート・ドリーム

ママのお仕事は危険なこともいっぱい、時には辛い思いをすることもあるんだけど

私と一緒の時はいつも笑顔でいてくれる、だから私も絶対に笑顔を絶やさないって決めている

 

シルヴィアがリビングにやってくると既に夕食が出来上がっていた

「きたきた」

「さあ、食べましょう」

なのはとサマーラに促されるまま席に着くなのはとヴィヴィオ

「いただきます」

4人で夕食を食べ始める

サマーラの口元をシルヴィアが拭いたり

なのはとヴィヴィオが最近のお仕事の話をしたり

ヴィヴィオとシルヴィアは学校の事、師の下で学んでいる魔法戦競技の事、シルヴィア自身の事

楽しい食事の時間は過ぎて行った

 

「ごちそうさまー」

「はい、おそまつさまでした」

「さ、今日も魔法の練習しなきゃ、ママに私が頑張ってる所見せてあげるんだ」

そう言って席を立つシルヴィアだったが

「ちょっと待ってシルヴィア」

そう言ってヴィヴィオがシルヴィアを呼びとめた

「何?」

「シルヴィアも四年生になって、魔法の基礎はだいぶ覚えてきたし、そろそろ自分のデバイスを持ってもいいんじゃないかって」

「本当!?」

なのはの言葉を受け瞳を輝かせるシルヴィア

その光景を見たヴィヴィオはくすくすと笑いながら小さな箱を取り出す

「実は今日、私が受け取ってきました」

なのはに肘で小突かれながら差し出すヴィヴィオ

シルヴィアは受け取ってすぐ箱を開ける

すると小さな白い鳥のようなものが彼女の肩に勢いよく飛び乗った

「うわぁ、小鳥さんだ」

「うん、シルヴィアはサマーラのマスターだし、白いカラスをモチーフにしてみたんだ」

ヴィヴィオの説明を聞きながら肩の愛機を撫でるシルヴィア

「クリスと同じぬいぐるみ外装(オーバーコート)のデバイス、シルヴィアに合わせた最新式だけど、中身はほとんどまっさらな状態」

「名前もまだないから、つけてあげて」

「実はずっと考えていたんだ、私の愛機の名前」

そう言って愛機を抱き寄せるシルヴィア

 

庭に出て術式を展開するシルヴィアの姿

「マスター認証、高町シルヴィア、術式はベルカ主体のミッド混合ハイブリット、私の愛機(デバイス)に個体名称を登録、愛称(マスコットネーム)はスピカ、正式名称、スピリチュアル・ハート」

それを聞いたなのはとヴィヴィオは顔を見合わせ小さく笑った

「スピリチュアル・ハート、セットアップ!」

シルヴィアがスピカを掲げると彼女の体が光に包まれる

 

舞うようにして手を振るうとグローブが装着され全身を覆うバリアジャケットが構成される

更に丈の短い白い上着が羽織るようにして構成されミニ丈のスカートと前開きのスカートが構成される

シルヴィアが思いっきり腕を広げると大きな白い翼が姿を現した

バリアジャケットの構成を終えたシルヴィアは軽く手足を振るって一回転すると右手を勢いよく伸ばして構える

 

セットアップを終えたシルヴィアは空中を浮遊しながら嬉しそうに両手を握った

「ありがとうママ、私この子大事にするから」

「そう言ってもらえると私も協力した甲斐があるなぁ」

「それにしても………」

なのははシルヴィアのバリアジャケット………もっと言うとその背中の大きな翼を見ていた

「いつ見ても立派な翼だね、似合ってるよ」

「えへへ、ありがとう、なのはママ」

そう言ってシルヴィアが笑うとぴょこぴょこと翼が動く

「あははっ、なんかもう自由自在だね」

「わたしなにもうごかしてないよ」

「えっ?じゃあその翼どうやって動かしてるの?」

シルヴィアの言葉に慌てて立ち上がるなのは

 

シルヴィアが家族とにぎやかなひと時を過ごしているのと同時刻

ミッドチルダ南部のとある道場で練習試合が行われていた

刀を持った少女が相手選手に向かって突っ込んでいく

そのまま抜刀して決めに行くが次の瞬間、吹っ飛んでいたのは彼女の方だった

刀も折られ、体はそのまま道場の床にたたきつけられる

意識もなく立ち上がる様子はない、相手選手は彼女に礼を送ると立会人の女性………ミカヤのもとに歩み寄った

「いい経験になりました、彼女の意識が戻ったらよろしく伝えてください」

そういって道場を出る

「最近いろんなところで聞く謎の強豪とは彼女のことだったのか」

ミカヤはそんな彼女の背中を見送りながら思わず息をのんだ

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