魔法少女リリカルなのは Vivid Pure Light 作:ライジングスカイ
崩落した陸戦場を見ながら呼吸を整えるアンジュ
「ずいぶん疲れてるわね」
「無理もない、シューティングスターを使ったからな、結構疲れるんだあれ」
ノーヴェ自身は格闘型で
だがある程度適性がいるうえ
重い砲を扱うディエチは反動が大きいため使った後はいつも大変そうだった
呼吸を整え再度陸戦場を見渡すべく目を開いたアンジュだが
「しまった!」
気付くと自分の体が氷に覆われていた
ロイスとサマーラはアルマをかばって戦闘不能
少し離れたところでは直撃を受けたリオが戦闘不能、ただし直前にカレルを戦闘不能に追い込んでいた
「コロナとファビアはさっき戦闘不能になっていたから後は………」
「捕まえたよ、アンジュ」
リエラはアイギスを使いシューティングスターを耐えたようだ
しかし防ぎきるのは無理だったらしくボロボロだった
それでもアンジュを捕らえておくことができる
そばにいるアルマはロイスとサマーラに守られたおかげで生き残っている
アルマが魔力を貯めていると………
「まだ私がいる」
翼を広げて突っ込んでくるシルヴィアの姿
「やられてしまいましたか」
「やっぱりアインハルトさんは強いなぁ」
アインハルトにやられ戦闘不能に追いやられたヴィヴィオ
そのアインハルトも乱入してきたシルヴィアの攻撃で戦闘不能にされてしまっていた
「今回の対決、アインハルトさんはどう見る?」
「途中に回復を挟んだとはいえ、すでにシルヴィアのエンジンはかかっていますから、あとはアルマさんがこの短期間でどこまで腕を上げたか………」
リエラに向けて突っ込むシルヴィア
「リエラさん!」
「アルマ!私に構わず撃って」
リエラのその言葉に目を背けながら構えるアルマ
「バーストフレイム!」
アルマの攻撃が動きを止められたアンジュを直撃、戦闘不能に持ち込んだ
リエラはアイギスを構えシルヴィアの攻撃を受け止めようとする
だがシルヴィアは素早い動きでリエラの背後に回り込んだ
「防御を………いや、間に合わない」
シルヴィアの鋭いけりがリエラの首筋を直撃
一瞬で意識を手放したリエラはその場に倒れてしまう
足元に転がってきたアイギスを見て悲しげに俯くアルマ
「リエラさん………」
「アルマ、残ってるのは私たちだけだよ」
シルヴィアのその言葉に対してアルマは巨大な炎の魔力弾を両手に出現させる
「負けないよ、リエラさんのためにも」
アルマの手の上で維持されている炎の熱量
それに圧されて踏み込めずに攻めあぐねるシルヴィア
先に攻めたのはアルマだった
魔力弾から放たれた攻撃がシルヴィアに迫る
スピードで上回っているシルヴィアがそれを回避して一気に突っ込もうとする
だがアルマはもう片方の魔力弾を使い追撃を仕掛けた
防御魔法で何とか受け止めるが大きく後退してしまうシルヴィア
「ん?」
「どうしたの?」
「お嬢、ちょっと今の所もう一度見ていいか?ジェット、ちょっと過去映像出してくれ」
自身のデバイスを取り出し真剣な表情になるノーヴェ
それを見たルーテシアはため息をこぼしながら手袋型の自身のデバイスに語り掛けた
「さっきの所の映像コピー、ジェットエッジに送ってあげて」
「お嬢サンキュ、やっぱりそうだ………うん、ここは考えないとな」
「(また指導者の顔になってる、もうすっかり板についちゃって)」
何かに気付いたらしく真剣に考え込むノーヴェ
と、大きな音が鳴り響いて驚くノーヴェとルーテシア
「なんだいまの音」
「ああ、心配しないで、なのはさんの
試合映像を確認してノーヴェに伝えるルーテシア
「ならよかった、チビ達に怪我があったら大変だからな」
「怪我、した人いるみたいだけど」
ルーテシアが見ている映像の先には首の後ろをしきりにさすりながら陸戦場から退避しようとするリエラの姿
「どうしたんだ?」
「あそこシルヴィアに蹴られたとこじゃない?危ないから回収しておくわね」
「ああ、頼むわ」
アルマの猛攻に攻めきれず回避行動が増え始めたシルヴィア
「アクセル………」
「っ!?」
何とかかいくぐって攻撃を試みるシルヴィア
だがアルマはこれをジャンプして交わした
「かわされたっ!?」
「(避けられた………完全に間に合わないと思っていたけど………これってもしかして)」
シルヴィアの様子を見てノーヴェが画面を切り替える
「防御に徹した行動が裏目に出たか、攻撃の間隔があいたことで集中力が切れてきている」
「アルマのガードも堅そうだし攻撃に転じるのは難しいかな」
シルヴィアの持ち味はとどまることのない連続攻撃と相手の防御を許さない攻撃スピード
だが攻撃が途絶えたことで集中力が切れ全力が出せないでいた
「ほら、どうするのシルヴィア、このままじゃ負けちゃうよ」
いまだに陸戦場に残っていたヴィヴィオはそんなシルヴィアの様子を見て小さくつぶやいた
「攻撃に移らなきゃ………でも」
ためらうシルヴィアにスピカが語り掛けた
自分がサポートするから全力で行ってほしいと
「そうだよね、全力全開、それがママたちのモットーだもんね」
スピカに背中を押され構えるシルヴィア
「今のシルヴィアの攻撃なら対処できる!一気に攻め落とす」
二つの魔力球を両手で合わせて炸裂させるアルマ
小さな無数の魔力球が雨の様にシルヴィアに降り注ぐ
シルヴィアも全力で走りアルマの攻撃をかいくぐる
「近づけさせない!」
特大の砲撃でそれを迎え撃つアルマ
「ディバインバスター!」
アルマの攻撃をシルヴィアが相殺する
接近して右こぶしからの攻撃から畳みかけるがアルマに巧く捌かれる
「アルマもこの短期間でずいぶん腕を上げたね」
「目標のある子は強いですよ、まっすぐであればあるほど、ですが」
リオとアインハルトもまた二人の戦いを見守っていた
「アルマちゃんのあの捌き方、私のを参考にした見たい」
「呑み込みが早いな、まだまだ伸びるぞ、あの子たちは」
「けど、二人ともこれまでの戦いで消耗している」
「シルヴィアも回復を挟んだとはいえスタミナの限界が近いはずだ」
元六課の四人もチームの垣根を超え観戦を楽しんでいた
「ここまでの試合でクタクタで………苦しいはずなのに」
アルマの掌打をガードしてそのまま回し蹴りで反撃に転じるシルヴィア
「私も今シルヴィアと同じ気持ち」
体を伏せてシルヴィアの攻撃をかわし体制を崩しにかかるアルマ
「「すっごく楽しい!」」
シルヴィアもアルマの攻撃をかわして反撃に入る
と同時にアルマもカウンターを仕掛ける
互いの攻撃がぶつかり合いはじけ飛んで距離が空いた
「ストライクアーツはじめた頃のママもこんな気持ちだったのかな」
「きっとそうだよ」
魔力弾を形成し構える二人
「バーストシューター!」
「ディバインバスター!」
二人の砲撃がぶつかり合い相殺する
爆発の勢いに必死に耐えてるアルマが見ると飛び上がったシルヴィアが魔力弾を形成していた
「またエンジンがかかり始めてっ!」
「セイクリッド………ブレイザー!」
シルヴィアが叩き込んだ砲撃を辛うじて避けるアルマ
「まだ遅い………今なら攻め切れる!」
再び無数の魔力弾を形成して攻撃に入るアルマ
シルヴィアもそれを交わして切り込んできた
「もう遠距離には持ち込めない………だったら!」
先ほどより大きな魔力弾を掌で形成するアルマ
それを振り回して武器の代わりにするが
「アクセルスマッシュ!」
シルヴィアはそれを拳による攻撃ではじき返した
「まだよっ!この一撃で決める」
二つの魔力弾を合わせてより大きな魔力弾を形成するアルマ
「バーストエクスプロージョン!」
アルマの魔力弾は着弾と同時に爆発、その炎はかなり広範囲まで届いていた
「うわぁ、すっごいバカ魔力」
「シルヴィアほどじゃないにしてもアルマも魔力量じゃ引けを取ってねえからな」
「いや、シルヴィアと魔力量で張り合えるのなんて八神部隊長くらいだと思う」
「お嬢も結構あるだろ?」
ノーヴェの言葉に肩を落とすルーテシア
「前線離れてホテル経営だからねぇ、全盛期ならともかく今じゃもう魔力量でシルヴィアには敵わないわよ」
「やったのかな………」
フィールドに残った炎を見つめるアルマ
次の瞬間シルヴィアが炎の中から現れ突っ込んできた
「っ!バースト………」
だがアルマの反応は少し遅く二人の攻撃が同時になってしまう
両者に命中した攻撃で二人のライフが突きその場に倒れた
「終わっちゃったね、回収回収」
「いやむしろあの残りライフまでよくここまで続いたもんだよ」
ルーテシアの転送魔法で戻ってきたシルヴィアとアルマ
真っ先に歩み寄ったヴィヴィオがその頭をなでる
「よく頑張ったねシルヴィア、最後持ち直してからが凄かったよ」
「だがまだ課題も多い」
そう言ってノーヴェがシルヴィアたちを見た
「シルヴィアには決定的に足りないものがある、それを克服しなきゃあの舞台じゃ戦えない」
それを聞いたヴィヴィオは立ち上がってノーヴェを見た
「やっぱりシルヴィアも今年から出るんだね………インターミドルチャンピオンシップ、私たちの夢の舞台」