魔法少女リリカルなのは Vivid Pure Light   作:ライジングスカイ

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wish:18 本当のスタート

カロナージでの合宿を終えミッドチルダへと戻ったシルヴィアたち

シルヴィアはインターミドルまでに恐怖心を克服するところから始めなければならない

 

両腕にミットを装着するシルヴィア

アインハルトがグローブを装着しようとしているところだった

「そのミットにはちょっとした工夫が施してありまして、それをつけて受け止めることで魔力の向上につながります」

「わかります、魔力負荷バンドと同じ原理ですよね」

「シルヴィアがあれをつけるのは危険なのですが、この方法なら」

アインハルトが構えをとる

シルヴィアも彼女の意図は理解していた

この方法で魔力を鍛えながら恐怖心に負けないための訓練も並行して行う

それがシルヴィアの訓練方針だ

「手加減は一切なしでいきます、きちんと受け止めてくださいね」

「はいっ!お願いします!」

 

「アルマはまず優しすぎる」

魔力負荷バンドを手首に巻いてるアルマに対してリオが指摘したのはそこだった

「模擬戦の時、リエラを助けるために攻撃をためらったでしょ、そこがまず間違い」

もしアルマが攻撃をためらっている間にアンジュに拘束を解かれたら

幸い使用されたのがかなり強固なバインドだったためそうはならなかったが

「試合ではその優しさが命取りになることもあるんだ、だから………」

拳に炎と電気を纏うリオ

「まずはこれで、どんな時でも迷わないように鍛えていくから」

 

その日の練習を終え自宅でぐったりと項垂れるシルヴィア

「大変そうですね」

そう言ってサマーラがシルヴィアの顔をのぞき込む

「ママたちは?」

「なのは様は夕食の買い出し、お母様は自室で資料の整理、そろそろ終わるころだと思います」

「じゃ、元気出さないとね」

頬を数回たたいて笑顔を作るシルヴィア

「無理はしないでくださいね」

「でも今日一日だけでも結構成果はあったよ、魔力を単純に向上させるだけじゃなくて魔力運用の練習にもなるし」

「ええ、さすがに疲労は見えますが、それでも前より魔力供給が安定しているのがわかりますから」

サマーラはシルヴィアの魔力で生きている彼女の守護獣

当然シルヴィアの魔力を身近に感じることが出来る

「私も応援しています、あなたが夢の舞台に立つ姿を、そこで笑顔を見せてくれることを楽しみに」

 

「ただいまぁ」

「お帰りシャマル、お、ミウラも一緒か」

「お邪魔します」

八神家では家族そろっての夕食の準備中

道場に行ってたシャマルがミウラを引き連れ帰ってきた

「せっかくやからミウラも食べていき、いろいろ話も聞きたいしな」

「えへへ、実は最初からそのつもりだったり」

「ちゃっかりしてんなぁ」

「それで、教え子たちの調子はどうだ?」

「あ!師匠いたんなら顔出してくださいよ!子供達寂しがってましたよ」

狼姿で横になるザフィーラの姿を見てミウラはむくれる

「あの子たちの今の師匠はお前だ、俺がとやかく言う必要などない」

「またそんなこと言って」

「ミウラも随分しっかりしてきたな」

そう言って食器を並べ始めるはやて

「まあ言ってあげんといて、ザフィーラもついさっき帰ってきたんよ」

「忙しいのはわかるんですけど」

そう言って席に着くミウラ

「実際お前はよくやってるよ、教え子たちはよく育ってるし、ちゃっかり家の事手伝ってもらってんだろ?」

「あれは!その!僕自身の経験から」

「落ち着け、ヴィータもわかって言ってるんだ」

「シグナムこれ味見してみてくれない?」

「リインちゃん、明日の分のスポーツドリンクこれで足りるかしら?」

「大丈夫じゃないですか?」

すっかり八神家の風景になじんでいるミウラ

その様子を見てザフィーラは小さく笑みをこぼした

 

数日後

シルヴィアとアルマは聖王教会に居た

シルヴィアはディードと、アルマはオットーとスパーリングを行うためだ

 

「格闘技のスキルがあるとはいえ、アルマお嬢様の攻撃は中距離以上がメインになる」

グローブ形態のレイストームを軽く調整したオットーは掌を掲げる

緑色の光が稲妻のように奔った

「ですから、防御スキルの豊富な相手では攻め手に欠けてしまう」

 

「set up」

ディードのデバイス、ツインブレイズが柄に代わり二本の光剣が姿を現す

「一切手加減は致しません、私の攻撃から目をそらさないようにしてください」

 

「この短い期間で二人はどこまで課題を克服できたのか」

「おお、ソネット随分上から目線だね」

「私はインターミドルまでにすることといえば基礎練習とスキルアップぐらいですから、二人のように課題点があったわけでもありませんし」

からかうリオに言い返すソネットだがカロナージでのことを思い出し表情が陰った

「それでも、ジークさんには手も足も出なかった」

自然と手を強く握ってしまうソネット

「私は、強くならないといけないのに」

 

オットーの掌から出ている光がアルマの砲撃を阻む

「シルヴィアは私と違ってすごいから、隣にいて恥ずかしくないように、そう思っていた」

掌で維持する魔力球

模擬戦で使っていた技に切り替えるアルマ

「でも違った、シルヴィアはただすごいんじゃなかった、シルヴィアはずっとすごい人たちの背中を見て、その人たちに追いつきたくて、ずっと頑張っていたんだ」

オットーに向かって突っ込んでいくアルマ

 

立て続けに斬りかかってくるディードの攻撃をシルヴィアはすべて交わしていた

「まさかこの短期間で………」

額に汗をかきながら斬りかかるディード

その攻撃を見据えかわし続けるシルヴィア

 

「ねぇ、シルヴィア」

それはインターミドルに向けた練習が始まってしばらくした夜

ヴィヴィオがシルヴィアに問いかけた

この日はフェイトも来ていて今は台所でなのはと夕食の支度をしている

サマーラは今お風呂の準備、だから今は母と二人きり

「特訓の調子はどう?」

「アインハルトさんも忙しい合間を縫ってよく見てくれてるんだけど、どうしても最後には目を瞑っちゃうんだよねぇ」

苦笑いしてヴィヴィオに寄りかかるシルヴィア

「苦労してるんだね、シルヴィアも」

そう言って目を閉じたヴィヴィオ

次の瞬間殺気を放ってシルヴィアを見た

一瞬その気迫に押されそうになるが何とか構えるシルヴィア

「うん、頑張ってるのはわかるよ、殺気ぐらいじゃひるまなくなってる」

「もぉママぁ~、いきなりはよしてよ、すごい気迫だった」

「今の殺気何!?」

「マスター大丈夫ですか!」

「うわ、みんな駆けつけてきちゃった、しかもサマーラは大人形態、ていうかサマーラマスターって言わないで」

「あはは」

 

一通りなのはたちに説明を終えみんな元の場所に戻ったところでシルヴィアは再びヴィヴィオの隣に腰かけた

「やっぱりママはすごいや、さっきの気迫とんでもなかったもの」

「でしょ、でもね、あそこまでいくのは簡単じゃなかったんだよ」

拳を握るヴィヴィオ

その話はシルヴィアも聞いたことがあった

ヴィヴィオはその資質からストライクアーツは向かないと言われ続けていた

怪我によるスランプやフィジカルの限界に悩んだこともあった、それでも決してあきらめず、都市本戦で優勝した

卒業後は士官学校と執務官試験、どちらも一発合格

だがそこまでの道のりはやはり平坦なものではなかった

元々勉強のできる優等生だったヴィヴィオだが士官学校での座学や訓練についていくのは簡単ではなく

また、執務官試験もかなりの難関、学生時代から勉強を続けたがそれでも苦労は多々あった

「執務官になった後も、いろいろ辛い思いをしたしね」

そう言って遠くを見るような目になるヴィヴィオ

彼女の言葉にシルヴィアも胸の前でこぶしを握った

なお、この会話を小耳にはさんだ結果フェイトがトラウマをえぐられ半泣きになっていたことを追記しておく

 

「どんなに時間がかかってもいい、私は絶対あきらめない、だって、才能や限界をあきらめない気持ちで乗り越えた、高町ヴィヴィオの娘だから」

ディードの攻撃をかわしてカウンターを決めるシルヴィア

 

アルマを近づけまいと掌を掲げるオットー

飛び上がってオットーの光の範囲から逃れようとするアルマ

「させない!」

手を上げてアルマに向けるオットー

アルマはすかさず砲撃を放つ

砲撃と光がぶつかり合って爆発する

煙から身をかばうオットー

次の瞬間にはアルマが手を向けてすぐ目の前に立っていた

 

「油断していたわけではないですが」

「それでもまさかここまでとは………」

二人にしてやられたことでしょげる双子

「すごい………二人とも課題はもうクリアしている」

勝利に沸くシルヴィアとアルマを見て目を見開くソネット

「本当に大変なのはここからだ」

そう言ってノーヴェが二人に声をかける

「インターミドルの本番は2か月後、それまでに徹底的に鍛え上げてやる」

「勝ちあがっていきたいんだよね」

「ついてこれますか?」

リオとアインハルトの問いかけに見合って笑うシルヴィアとアルマ

「もちろん!」

「目指すは都市本戦出場!」

「私も負けていられません!オットー!ディード!どちらでも構わないので練習相手を」

「アインハルトさん!」

「お願いします!リオさん!」

「ひゃー、みんな元気だねぇ………ん?」

本番に向けて闘志を燃やすシルヴィアたち

そしてそんなシルヴィアたちを見るノーヴェが笑っているのを見てセインも小さく笑った

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