魔法少女リリカルなのは Vivid Pure Light 作:ライジングスカイ
wish:19 ギンガ・ナカジマ
ある晴れた日の昼下がり
帰宅したギンガとチンクが玄関をくぐる
「ただいまぁ」
「お帰りッス、ギンガ、チンク姉」
「うん、今いるのはウェンディだけ?」
「スバルはまだっすけどパパリンとディエチはもう帰ってるっス、ただディエチは夜勤明けで昨夜は出動もあったから、疲れて部屋で寝てるッス」
「そう、なら起こさない様にしなくっちゃね」
ナカジマ家はみんな忙しい日々
家族全員が揃うことはめったにないのだけれど
だからこそこうして全員で揃う日は嬉しくて、楽しみで
「ノーヴェはシルヴィアたちの練習ッス」
「そう、ウェンディはお昼ご飯は?」
「まだッス、ディエチも朝から寝てたからまだだと………」
「じゃ、作ってあげるから待ってて」
そう言ってキッチンに向かうギンガ
しかしギンガがキッチンに行ってみると
「あ、お帰りギンガ」
「ディエチ!?寝てたんじゃなかったの?」
エプロン姿のディエチがすでにいた
てっきり寝ているものだと思ったギンガは驚き声を上げた
「そうなんだけどなんだか目が覚めちゃって、ただ作り始めたばかりでまだちょっと時間かかりそうなの」
そう言ってキッチンで準備している
「うーん………それじゃあ」
「やるね、アルマ」
「まだまだっ!」
ナカジマ家からほど近い公園
そこでシルヴィアとアルマが組手をしていた
本日はアインハルトとリオが仕事の都合でこれないということもあり基礎メニューが中心となっていた
「ノーヴェ!」
一人練習の様子を見ていたノーヴェの下へギンガがやってきた
「ギンガ!帰ってたのか」
「うん、どう?シルヴィアたちの調子は、」
「まずまずだな、思ったより早いペースで伸びてきている、それよか珍しいんじゃないか?ギンガがこっち顔出すなんて」
「たまにはね、妹のがんばってる姿みてあげようと思って」
そう言って組手を続けるシルヴィアたちを笑顔で眺めるギンガ
幼い頃スバルにシューティングアーツを教えた時のことを思い返し笑みをこぼしていると
「あたしが立ち直った話持ち出すのはなしな、みんな言うんだから」
「えっ!?あ、そんなことないわよ、うん、ない」
「しようとしてたな………」
「そんなに言われてる?」
「最近は特に、お嬢にディエチに、セインにまで言われるし」
「みんな言うのね」
困ったように肩を落とすノーヴェに小さく笑うギンガ
「きっかけはなんとなくわかるけどね」
実際ギンガもノーヴェが立ち直り指導者としてより一層努力しようとしていることを嬉しく思っていた
そのきっかけとなったのがシルヴィアだった
「そうだギンガ、せっかくだからアルマの相手してやってくれ」
「アルマちゃんの?」
事情を説明し向き合うギンガとアルマ
軽く拳を振るい脚を上げるギンガ
「うん、鈍ってはいないみたい」
安心して構えるギンガ
相手が管理局の部隊長というだけあってアルマの方は緊張気味の様だ
「そんなに硬くならなくていいわよ、とりあえず最初は装備なしで」
アルマもなんとか構えをとる
「組手の後だし確認程度だから1分でいいだろ、二人とも準備はいいな」
「Timer set」
デバイスを片手に確認をとるノーヴェ
彼女の言葉にギンガもアルマも頷いた
「さ、ノーヴェがどんな風に教えてるか、見せてもらおうかな」
「ふぅ、疲れた」
スパーリングを終えノーヴェと共に帰宅するギンガ
「お帰りギン姉」
「スバル!帰ってたのね」
普段は一人暮らしをしている妹の姿に驚くギンガ
「うん、本当についさっき」
「ギンガとは入れ違いになっちゃったね」
台所からエプロンを畳みながらディエチが顔を出す
「もう準備は出来たから、先着替えてきたら?二人ともすごい汗だよ」
「ええ、、そうするわ」
「お帰りギン姉」
着替えを終えたギンガがリビングにやってくるとゲンヤと話すトーマの姿が
「トーマも帰ってたんだ」
「スゥちゃんと一緒だったんだ」
「みんなでお昼にしましょう」
ディエチと共に食器を持ったリリィもやってくる
「いただきまーす!」
テーブルの上に所狭しと並べられた昼食
大人数に加えほぼ全員が良く食べるのでナカジマ家の食事はいつも大量だった
「お、これうまいな」
「それ作ったのリリィだよ」
「トーマやディエチさんに教えてもらいながらだけど」
「いやぁそれでも大したもんだ」
「先日の事件では………」
「そうそう、あの後事後処理大変だったッス」
にぎやかな家族の食卓
日常の事、仕事の事、他愛ない話題で盛り上がる日々
「ふぅ」
食事を終えソファに座り込むギンガ
「ギンガ」
「あ、ノーヴェ、午後の練習は?」
「気温が高いから今日は休み、ギンガの方こそずいぶん疲れてるみたいだけど、やっぱ部隊長の仕事大変なのか?」
「そうじゃないの、もちろんそれもあるんだけど」
体を起こしてブリッツキャリバーを見つめるギンガ
リボルバーナックルを装着して眺めていた
「明日だったよな、墓参り」
「ええ、今でも時々思うわ、お母さんが生きていたら、今頃どうしていたか」
四年前の事件で一度対面した母の姿
「できることなら、あなたたちをもっとちゃんと紹介してあげたかった」
「チンク姉には絶対いうなよそれ、まだ気にしてんだから」
「あら、私たちからすればまだ気にしてたのねって感じよ」
「達ってことは共通の認識か………」
頭を抱えため息を零すノーヴェ
「だからせめて、明日はみんな頑張ってますよって伝えるの」
翌日
ギンガとディエチ、トーマは朝から大忙しだった
お供え物に加えみんなのお弁当
家族総出ということもありかなりの量となるが………
「ギン姉、あたしも手伝うよ」
「あたしも、今日は特別な日だからな」
「私も参加させてもらうよ」
「やるッスよぉ!」
「あわわっ!ごめんトーマ!手伝うつもりが寝坊しちゃった」
なんと全員が駆けつけた
そのかいあって予定より早く調理は終わった
喪服姿の一同が墓参りを終えて霊園の外へ向かっていた
「なんでぇ、それじゃあ俺だけ手伝わなかったのか」
「いいじゃないですか別に、お父さん料理なんてほとんどやったことないんだし」
ギンガの言葉に全員が笑って見せる
正論を突かれたゲンヤは照れくさそうにしていた
広い公園へとやってきた一同
ここでピクニック気分で昼食………と行きたいところ
だが調理が思ったより早く終わってしまい時間を持て余す結果となった
ふとギンガはノーヴェがメールを見ていることに気付いた
「それ何のメール?」
「シルヴィアたちの練習の報告、リオとアインハルトから………っと」
ここでノーヴェは画面を閉じてギンガの方へ向き直った
「そういえば昨日は悪かったな、疲れてるはずなのにつき合わせちゃって」
「別に構わないわよ、ね、さっきのメール私にも見せて」
「おう」
画面を開きながらノーヴェが説明をしていた
ノーヴェはストライクアーツの事、教え子の事を話すとき、瞳がものすごく輝いて見える
「で、ギンガから見てなんだけど」
「うん、あの魔力球はもう少し出力を抑えたほうが安定するんじゃないかな?」
「やっぱりそう思うか?」
「もう少し体が大きくなったらあのサイズでも問題ないとは思うけど」
本当にストライクアーツが、指導者の仕事が好きなんだとわかる
家族の交流を兼ねた墓参りの翌日
ノーヴェが出かけようとするとジャージ姿のギンガが声をかけた
「ね、また練習見せてもらっていい?」
ノーヴェが来るまでの間準備体操をしていたシルヴィアとアルマ
「あっ!ノーヴェ師匠!」
ギンガを引き連れてやってきたノーヴェにシルヴィアが元気良く手を振った
「ギンガさんも一緒なんですね」
「お休みは今日までだし、せっかくだから妹が教え子たちにどう思われてるか聞いておこうと思って」
「ちょ、やめてくれよギンガ恥ずかしいから」
ギンガの言葉に顔を赤くするノーヴェ
「ギンガさん、先日はありがとうございました」
「こちらこそ、インターミドル頑張ってね、私も応援してるから」
「そうだ!ギンガさん!今日は私とやりましょうよ」
アルマとギンガが話しているのを聞いたシルヴィアが元気よく提案する
それを聞いてギンガはしばらく考えるしぐさを見せると
「うん、わかった!やりましょうか!」
と、シルヴィアの提案に笑顔で乗った
リボルバーナックルの装着部に触れゆるみがないか確認するギンガ
「今日は最初から装備付きでやるんですね」
「うん、ノーヴェの愛弟子がどこまでやるのか興味あるし」
「ギンガ!」
顔を真っ赤にして叫ぶノーヴェを無視して構えるギンガ
少し笑ってから立会人のリオが合図を出す
すぐさまギンガとシルヴィアは相手に向かって飛び出した