魔法少女リリカルなのは Vivid Pure Light 作:ライジングスカイ
聖王教会
ミッドチルダ北部、ベルカ自治領に本部を構える次元世界最大の宗教組織
各方面に多大な影響力をもち管理局同様危険な古代遺失物の保守管理も行う
教会が独自に保有する教会騎士団の代表、カリム・グラシア氏は管理局にも籍を置く
そんな聖王教会の中庭にやってきたヴィヴィオ
「あ、来た来た」
「ヴィヴィオー、こっちだよー」
リオに呼ばれそちらに向かうヴィヴィオ
テラスには既に別の女性の姿もあった
「リオ、コロナ、久しぶり」
かつてのチームメイトとの久々の再会にハイタッチするヴィヴィオ
「シルヴィアは?」
「イクスと一緒にソネットの所」
リオの問いかけにイスに座りながら答えるヴィヴィオ
「リオは一緒に練習することあるんだよね、あの子の調子どうなの?」
「頑張ってるよ、一流の修道騎士になるんだって、今もシャンテと」
赤い修道服風のバリアジャケットに身を包んだ女性、シャンテに向かって切り込むソネット
シャンテはソネットの剣を自身の剣で受け止めると軽く流して反撃する
その攻撃を何とか受け止めていたソネットだがシャンテの鋭い攻撃で剣を跳ね飛ばされ首筋に剣をたてられる
「はい、じゃあここまで、休憩にしようか」
そう言って自身の剣を待機状態に戻すシャンテ
肩を落としながらソネットも剣を待機状態に戻すと
「残念だったねソネット」
「うわっ!?シルヴィア!いらしてたんですか!?」
「あたしがソネットの攻撃受け止めたあたりからずっといたよ」
突然シルヴィアに声を掛けられ驚くソネット
シャンテはシルヴィアがいたことに気付いていたらしく特に驚く様子もない
「シャンテは気づいていたんですね」
「これでもプロの競技選手だからね」
イクスの問いかけにも平然と答えた、ソネットは彼女がいることも気づいていなかったらしく驚いていたが
「ママたち中庭で待ってるって、ソネットも行こう」
そう言ってソネットの手を取るシルヴィアだったが
「シルヴィアお嬢様、しばらくお待ちを」
「流石に汗だくの体でお客様の前に出るわけにはいきませんので」
「あなたたちもいつから居たの」
ロングヘアーの女性と短髪の紳士服に身を包んだ人物の二人組
ディードとオットーがいつの間にかいたことに再度肩を落とすソネット
オットーがかけたタオルで軽く汗を拭きながら不服そうに教会の建物に戻るソネット
「そう言うわけですので、お嬢様は先に中庭でお待ちいただけますでしょうか」
「ん、わかった」
「あたしも汗流さないとなぁ」
ソネットとシャンテがその場から離れるのを確認するとオットーとディードも会釈してその場を離れる
「それでは私たちは先に中庭で待っていましょうか」
「うん」
イクスに連れられ中庭に向かうシルヴィア
しばらく母やその友人とお茶をしながら待っていたがしばらくしてオットーとディードに連れられソネットもやってきた
「私も御一緒してよろしかったんでしょうか?」
シルヴィアに促されて座りながらソネットが訪ねる
「平気平気、今日は友達と待ち合わせなの、夕方一緒に練習する前に師匠を紹介しようと思って」
「どうしてここで?練習場でもよろしいのでは」
シルヴィアの問いかけに彼女は笑ってみせると
「ソネットのことも紹介したかったから」
「そんな、私は紹介していただくような人間では」
「あ、居た居た、おーいシルヴィア!」
シルヴィアの言葉にソネットが畏縮していると水色のショートヘアのシスター、セインがアルマを伴ってやってきた
「アルマ、こっちはソネット、私の友達でここのシスター」
「ソネット・フランソンです、どうかよろしくお願いいたします」
「あっ!アルマ・ラフェスタです、こちらこそよろしく」
ソネットの礼に緊張気味に返すアルマ
「リオさんとコロナさんもアルマとは初めてだよね」
「教会騎士団のリオ・ウェズリーです、こっちは本局戦技教導官の」
「コロナ・ティミル、よろしくね、アルマちゃん」
リオとコロナが自己紹介するとアルマは慌てて頭を下げる
「じゃあ、みなさんも?」
「うん、ノーヴェ会長に教わってたんだ」
アルマの問いかけに頷くコロナ
「あたしとコロナ、ヴィヴィオは同級生で、ナカジマジム発足当時のメンバー」
「もう一人いるけど、きっとそのうち会えるよ、まずはノーヴェ会長………」
「おーい」
すると中庭の入り口付近から彼女たちに話しかける声が
「あ、噂をすれば」
ヴィヴィオが覗き込むと息を切らしながら入ってくるノーヴェの姿が
「わりぃな、野暮用で遅くなっちまった」
「どっから走ってきたの」
疲れた様子のノーヴェを見てヴィヴィオが笑う
「で、そっちが例の」
「あ、アルマ・ラフェスタです」
「よろしくな、あたしはノーヴェ・ナカジマ、ジムを経営しながらシルヴィアやほかのチビ達に魔法や格闘技を教えてんだ、まああたしの場合ほとんど格闘技なんだけどな」
アルマに気さくに挨拶を返すノーヴェ
「んじゃ早速行ってみるか、お前らも参加するか?」
そういってリオとコロナのほうを見るノーヴェ
「そう思って準備は万端です」
「ソネットも一緒にやろうよ」
リオとコロナが荷物を掲げているとシルヴィアがソネットに声をかける
「えっ!ですが私は」
「行ってきなよ、シスターシャッハにはあたしから言っとくから」
「あたしバイク回しておくね」
最初は遠慮していたもののシャンテに言われソネットも同行することに
ノーヴェを先頭に一行が練習場にやってくるとそこでは碧銀の髪を一つに結んだ女性が子供たちと待っていた
「なんだ、お前も来ていたのか」
「アインハルトさんも今日はお休みだったの?」
「ええ、まあ、このところ連続勤務が続いて、ひと段落ついたので今日は午前中で切り上げたんです」
そういって肩に乗ったぬいぐるみをなでながら一同に笑いかけるアインハルト
アインハルトさんはママたちとチームメイトだった元競技選手
覇王イングヴァルトっていう昔の王様の末裔で、昔はそのことでいろいろ悩んだりしたみたい
ちなみに肩に乗ってるのはアインハルトさんの相棒で豹型デバイスのアスティオン
練習着に着替えながらチームに所属する女の子たちと話すアインハルト
気が付くと次々彼女の周りに集まっていく
今は管理局で仕事しながらいろんな境遇の子供たちに自分が受け継いできた技を教えてくれてる
チームの中にはアインハルトさんと同じ覇王流の技をメインに使う子もいるし、私もいくつか使える技があるんだけど
「シルヴィア、行くよ」
練習着に着替えを終えたヴィヴィオがシルヴィアに声をかける
シルヴィアはそれに笑顔でついていく
私自身はママが教えてくれた今のスタイルが気に入ってる
「つーわけだからみんな、これから一緒に練習することになるアルマだ、ま、よろしく頼むな」
ノーヴェに紹介されアルマが礼をすると同時に子供たちから拍手が沸き起こる
ノーヴェの指示でそれぞれが練習を始める
ノーヴェ会長が主に教えてくれるのはストライクアーツ
ミッドチルダで一番たくさんの人がやってる格闘技
もっというと「打撃による徒手格闘技術」のことを指したりもする
「シルヴィアはアルマに基本の型とか教えてやってくれ、アルマもそのほうがやりやすいだろ」
とのことだったのでシルヴィアは現在アルマにストライクアーツの基礎を教えているところだった
「シルヴィアはすごいね」
「ん?」
組み手の最中アルマの言った言葉に首をかしげるシルヴィア
「勉強もできて、こんな風に格闘技もやってて、本当に何でもできるって感じで、私なんかとは大違い」
それを聞いたシルヴィアは笑いながら
「私にだってできないことぐらいあるよ」
そういってアルマに自分のこぶしを突き出す
アルマもぎこちないながらそれを受け止める
「それにママや会長たちに比べたら私はまだまだ弱いから」
アルマのこぶしを受け止めるとシルヴィアもすぐまたこぶしを突き出した
「アルマやチームのみんな、ソネットたちと一緒に強くなっていきたいんだ」
「ではシルヴィア、みなさん、またいずれ」
そういってヘルメットを被りソネットがリオの運転するバイクで帰っていく
この日の練習が終わるとすっかり日が沈み徒歩や自転車で帰路に就くもの、迎えに来た親と共に帰るもの
シルヴィアもまたヴィヴィオに手を引かれ帰ろうとしていた
「あいつはいくつになっても母親にべったりだな」
「仲がいいのはいいことです」
それを見ていたノーヴェとアインハルトが苦笑しながら話していると着替えを終えたアルマがやってきた
「ノーヴェ会長、アインハルトさん、お疲れさまでした」
「おう、お疲れ、どうだった、今日一日一緒に練習してみて」
二人に礼をしていたアルマは頭を上げノーヴェの問いかけに頬を赤らめた
「シルヴィアはもちろん、みなさんすごくて、不安はもちろんあるんですけど………」
言い淀むアルマの頭にノーヴェが手を置く
「なに、今日見た感じじゃ筋は悪くない、お前もきっと強くなれるさ、あたしが保証するよ」
「はいっ、ありがとうございます」
勢いよく頭を下げてから帰っていくアルマ
「とはいえ、もうちょっと自信つけてやりたいところだな」
そうつぶやいたノーヴェはデバイスを取り出し何かを入力していく
「少し遠慮してるようにも見えますし、そこもどうにかできるといいんですけど」
「おお、お前と一緒だな」
ノーヴェの何気ない一言に図星を突かれへこむアインハルト
「ま、そこはあたしに任せなよ」
そう言って画面を見ながらにやりと笑うノーヴェだった