魔法少女リリカルなのは Vivid Pure Light 作:ライジングスカイ
インターミドルは今日からエリートクラスの試合が始まる
そんな中でアルマは
「アルマ―?大丈夫?」
震えるほど緊張していた
「選考会やスーパーノービスの時は大丈夫だったんだが………さすがにエリートクラスとなるとなぁ」
困ったように頭を掻くノーヴェ
「しかも今日の相手はトップファイターですから………」
「アルマ、私の分まで頑張ってね」
「あ、シルヴィア、今それ言うと余計緊張しちゃうと思うんだけど」
リオの忠告もすでに遅くアルマはだんだん表情が青くなってきた
「はぁ、リオ、とりあえずアルマはお前に任せた」
「了解、会長は?」
「シルヴィアが行きたいところあるっつーからその付き添い」
会場では一足早くミカゲの試合が始まろうとしていた
これまでと違いミカゲは既に構えを取っている
「あれがシルヴィアに勝った選手か、確かになかなかやるようじゃ」
観覧席のフーカは感心した様子でミカゲを見ていた
「今までは一見丸腰の状態から打ち込んでたんだけど」
「さすがにエリートクラスともなるとそう甘くはないか………」
「本気を出してきたのかしら………」
「いえ、前の試合から本気でした、この試合も………一瞬で終わらせます」
そう言ってデバイスを持った手を強く握るミカゲ
ゴングが鳴ると同時に相手選手は派手に吹っ飛ばされ場外で目を回していた
「い、一撃………エリートクラスの試合じゃぞ」
「あの子はずっと一撃で勝ってきてますよ、シルヴィアとの試合は2ラウンド続きましたけど」
「あ、ああ、それは聞いた………ん?もしかして………」
何か思い当たったのかフーカは退場していくミカゲの方を見る
通路を通って退場していくミカゲ
「あっ!ミカゲさーん!」
そんなミカゲにシルヴィアが駆け寄った
彼女は目を見開いて驚いたようすだったが
「こうして話すのは………初めてですね」
「はい、今日の試合も一撃なんて、やっぱりすごいです」
シルヴィアの言葉にミカゲは首を振った
「あなたもすごい………あのアクシデントがなければきっと私が負けていた………けど、それを評価してくれる人はきっと少ない」
そう言ってデバイスを握るミカゲ
「だから………この予選、これまで通りすべて一撃で終わらせる、あなたの努力を曇らせないために」
「そんな………負けた私にそこまで気を遣わなくても………」
照れくさそうに笑うシルヴィアに握手を求めるミカゲ
その手を見て笑顔を見せたシルヴィアは握手に応じながら
「あのっ!私もっと強くなります、そうしたらもう一度戦ってくれますか?」
「ええ、私も今度こそ実力で貴方に勝ちたい」
笑顔でそう告げたミカゲはノーヴェの方に気付いた
「ナカジマ会長ですね、一つお願いがあるのですが」
「ん?あたしに?」
突然自分に話を振られ戸惑うノーヴェ
「私も彼女に負けないよう強くなりたい………ですから、ナカジマジムに入門したいんです」
ミカゲの言葉にノーヴェは驚き目を見開いた
「うれしいけど、いいの?うちは格闘技メインだからスタイルが………」
戸惑うノーヴェにミカゲは首を振った
「私は………強くなりたかった、この力で、どこまでいけるのか試してみたかった」
「じゃあ、ミカゲさんの技って独学?」
シルヴィアの問いかけにミカゲは頷いた
「先祖代々伝わる剣術に魔法を組み込んで私なりにアレンジしたものです」
「そう言えば名前の響きとか………もしかして管理外世界の97番?」
「え、ええ、ご存知でしたか?」
「うちのご先祖様もそこの出身だし、シルヴィアも………」
そこまで聞いてミカゲはシルヴィアを見た
「不思議な縁ですね………私はずっと求めていたんです、切磋琢磨しあえる友を………あなたとならきっと………」
「ミカゲさん………」
「っと、わりい、そろそろアルマの試合始まるから、ほらシルヴィア、お前も」
「そっか、セコンド扱いで入れてもらったから私も行かなきゃ」
ジェットエッジのアラームで気付いたノーヴェが慌てて控室に戻っていく
その後に続くシルヴィアの背中に向けて声をかけるミカゲ
「今度はジムで会いましょう」
ノーヴェ、シルヴィア、リオの三人がセコンドにつく中アルマの二回戦が始まった
対戦相手のエミリー・ハンゼン選手は鍵爪のようなデバイスを付けて戦う強敵だ
「試合開始!」
開始と共にエミリー選手はアルマの砲撃を警戒して一気に突っ込んでくる
「バーストシューター!」
間合いにはいられないよう射撃で狙うアルマ
だが素早い動きでその攻撃はかわされてしまいエミリー選手が一気に距離を詰めてくる
右手から繰り出されるアッパーを何とかかわすと反撃に出るため右足を振り上げる
だがアルマの反撃もまたかわされてしまい左手からのジャブをまともに喰らってしまう
「アルマ!」
「まだ動きが硬いな………緊張しているのかそれとも」
ノーヴェも険しい表情で見守っていた
「緊張はもう解けているよ、ただ………」
「気持ちで負けている」
ミカゲも控室から試合の様子を見ていた
「トップファイターの気迫に気圧されて実力を発揮しきれていない、このままではこのラウンド中にKOされてしまう」
「アルマ!負けないで!」
思いっきり叫ぶシルヴィア
その声が届いたアルマはなんとかエミリー選手の攻撃をかわすとバックステップで距離を取った
間合いを詰めようとするエミリー選手を射撃で牽制しながらかわす
「シルヴィアの声で闘志が戻ったか、やっぱりお前をセコンドに入れて正解だったな」
そう言ってシルヴィアの頭を撫でるノーヴェ
そして第一ラウンド終了のゴングが鳴り響く
「いいか、今のラウンドは完全にエミリー選手、実力は向こうが上だしここから巻き返したとしても判定じゃ勝ち目はないとみていい」
ノーヴェの言葉に項垂れるアルマ
「だからKO狙い、自慢の砲撃で観客たちを驚かせちゃって」
リオが拳を突き出してアドバイスするとそれにノーヴェも頷き返す
「わかりました、やってみます」
セコンドアウトしたアルマが両手をかざし炎の球体を出現させる
「行くよ、ミナ」
大きくなったそれを武器のように振り回したアルマ
エミリー選手がそれを左の鍵爪で受け止めると右の鍵爪を勢いよく振り上げ切り裂いた
だがアルマの球体はもう一つある
切り裂かれた球体の背後で完全に死角になっていた位置からもう一つの球体が出現し猛スピードでエミリー選手を直撃する
「クワドラプル・バースト」
続けて出現した四つの球体がまるでアルマの手とつながっているかのように舞っている
直撃を受け体制の崩れていたエミリー選手に次々命中して彼女の体を空中に打ち上げた
「みていて………シルヴィア、これが………今の私の全力!」
両手をかざし炎を集めていくアルマ
「エクスプロージョンバースト!」
巨大な炎の球体が打ち上げられたエミリー選手をあっという間に飲み込んだ
落下したエミリー選手はライフが尽きてあちこちやけどだらけ
たとえライフが残っていたとしても動けなかっただろう
「決まりましたー!アルマ選手大逆転勝利!」
喜びの声を上げるアルマ、リオとシルヴィアもハイタッチをして喜びを分かち合った
「風牙一閃!」
ノイチェの放った鋭い風の斬撃が直撃し相手選手を打ち倒した
「やったやった!えらいわノイチェ!」
「シャマル先生………苦しい、離して………」
ノイチェの勝利を喜ぶシャマルだったが感情だけでなくミウラの首も極まってしまいそうだった
ノイチェの試合を一緒に観戦していたシルヴィア達
「これでノイチェさんもエリートクラス初戦突破………」
「順当に行けば三回戦でアルマと当たるな」
こちらに気付いたらしいノイチェが腰を下げて礼をする
「頑張ってね、アルマ」
シルヴィアの言葉に背中を押され緊張した様子で拳をぎゅっと握るアルマだった