魔法少女リリカルなのは Vivid Pure Light   作:ライジングスカイ

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wish:31 リカルダ・クライスラー

祝日に行われるプライムマッチを観戦するシルヴィア達

「ソネットは勝った方と次の試合で当たるんだよね」

「どちらが勝ってもおかしくありませんからね、十分な研究が必要です」

真剣な眼差しでスタジアムを見据えるソネット

その瞳は闘志に燃えている、そのことに気付いたシルヴィアは

「さあ!いよいよ選手の入場です」

フーカやリンネ、そしてキャリーに付き添われながら入場するリカルダ選手

「あれっ?フーカさん?」

「リカルダ選手はフロンティアジムだからな、聞いてみたらあいつもコーチしてるそうだ」

「じゃあリカルダ選手のスタイルって覇王流?」

「いや、どっちかっていうとリンネのスタイルに近いな、何でもこなすトータルファイティング」

ノーヴェの言葉と共にゴングが鳴り試合の火ぶたが切って落とされる

前よりの構えで懐に飛び込みに行くリカルダに対して距離を取ろうとするモニカ

射撃魔法でモニカがリカルダを狙うがその攻撃をリカルダは直進しながらかわして懐を狙う

「くっ」

モニカが何とかガードをしようとするが叩きこまれた一撃にガードの上から吹っ飛ばされる

 

「すごいアッパー」

「あたしは見覚えあるなぁ、ありゃリンネの仕込みだな」

技の威力ももちろんだがその拳に込められた魔力の強大さは離れた観客席からでも感じる

「すごい………」

立ち上がったモニカがリングへと復帰する

クリーンヒットを避けながら反撃しようとしていた

「落ち着け、公共のもんをぶっ壊す気か」

「あっ」

シルヴィアは気付くと力いっぱい手すりを握りしめていた

「シルヴィア、お前が魔力コントロール上手くなるとちょうどあんな感じになる、そこに今まで培ってきたスピードとテクニックが加われば………」

「会長………」

「だから今は我慢のしどころだ、体動かしたい気持ちもわかるが、な」

「はい………」

 

「はっ!」

モニカ選手のボディにクリーンヒットが決まりそのまま倒れる

「これでソネットの相手はリカルダ選手に決まりだね」

「モニカ選手も頑張ったんだが、リカルダ選手相手に打ち合いじゃ勝ち目は薄いか」

「私には師匠に教わった双剣術があります、それに私はまだ力のすべてを出したわけじゃない」

「いよいよ解禁だね、ソネットの本当の戦い」

「え?なになに?ソネットの隠し玉?」

「隠し玉というほどじゃないんですけど………」

好奇心むき出しで迫ってくるシルヴィアを何とか制するソネット

「アルマはノイチェとだ」

「は、はい、頑張ります」

「今から緊張してどうするの………」

「初参加の頃のミウラを思い出すなぁ」

 

「ハックシュ」

「あらミウラちゃん風邪かしら?」

「なんか誰かに噂された気がします」

試合の結果をまとめていたミウラが突然くしゃみをするのでシャマルが心配して声をかける

その一方でソネットは集中した様子でフリスビーをもって練習していた

ゲイルラッドをコントロールするための訓練だろう

的に向かって投げたフリスビーを魔力糸を使って手元に引き寄せた

「気合入ってるね、ノイチェ」

「ええ、アルマさんの魔法は怖いですから」

上位選手相手でも通用する威力の炎熱砲撃

ノーヴェが教えた格闘技も初心者とは思えないレベルまで成長している

「でも大丈夫です、私が勝ちますから」

 

聖王教会ではソネットとイクスが荷造りをしていた

「お?二人でどっか出掛けんの?」

部屋の前を通りかかったセインが聞いてみるとほぼ同時に振り返った

「次の試合の前に一度故郷に行っておきたくて」

「私はその付き添いで」

「気合入ってるなぁ………上位選手とだもんな次の試合」

「シャンテ師匠も張り切って試合のプランを考えてくれています」

「ソネット」

ちょうどそこへ通りかかったオットーが小さな袋を差し出した

「これ、僕とディードから差し入れ、手作りクッキー、向こうでみんなと食べておいで」

「ありがとうございます、オットー」

「ちょっと量あるから残りはまとめておくよ、行く前に寄って」

「はい、私が責任をもって預かります」

オットーの言葉をつないでイクスが胸を張る

そんなイクスの姿にセインとソネットがくすくすと笑っていた

 

ナカジマジムでリオの指導の下トレーニングを続けるアルマ

「試合を見ていたときにはあんなに緊張してたのに………」

「いつまでもうじうじしたまま勝てるほど甘い相手じゃないんで………」

「へえ、いっちょ前に選手の顔つきになってきてるじゃん」

「………まだ不安ですけど」

項垂れるアルマを見て苦笑するリオ

 

同じ頃ソネットは故郷の小高い丘の上にある両親の墓に祈りをささげていた

「(見ていてね、お父さん、お母さん………私、頑張るから)」

 

そして訪れた試合当日の朝

「うぅ………なんだか私まで緊張してきた………」

「もぉ、シルヴィアったら」

がちがちの様子のシルヴィアを見て苦笑するヴィヴィオ

するとそばの通路を通った人影がこちらに気付いて声をかける

「あ、ヴィヴィちゃん、お久やー」

「あれ?ジークさん!?どうしてここに?」

「今日の組み合わせのこと聞いて気になってん、となりええか?」

そういってヴィヴィオの隣に座ったジーク

「会長は一緒じゃないん?」

「この後すぐアルマちゃんの試合なんでアインハルトさんとはそっちについてます」

「さよか、そっちも楽しみや」

ジークは最初こそ笑顔だったもののすぐに真剣な様子でシルヴィアに声をかけた

「シルヴィア、試合のことハルにゃんに聞いたよ、平気か、ずいぶん落ち込んだそうやないの」

「ママとフーカさんのおかげでもう大丈夫です、むしろ早く次に進みたくてうずうずしています」

「ほならよかった、一緒に二人を応援しような」

シルヴィアの答えを聞いて満足したのか笑顔でその頭を撫でるジーク

「ジークさんリカルダ選手とも知り合いなんですか?」

「うん、フーにゃんに頼まれて何度か稽古つけたよ、真面目なええ子や」

ヴィヴィオに聞かれて笑顔で答えるジーク

ちょうどそのリカルダ選手がバリアジャケット姿で入場してくる

そして反対側からもソネットがバリアジャケットを纏い愛剣を握りしめリングへ向かう

 

「あっ!フーカさんとリンネさんだ!あれ?もう一人って」

「ローザ選手やったな、あの子確か無所属の選手やなかった?」

「そのはずだけど………どうしてあそこにいるんだろう」

 

「ローザ選手、私の試合しっかり見ていてくれ」

「………」

「そんな堅くならんでも、セコンドの仕事はワシとリンネに任せ」

リカルダ選手に声をかけられフーカに肩を叩かれてもなお、ローザ選手の表情は晴れない

「これは重症かな」

「リンネには言われたないと思うぞ」

「うっ」

 

「(彼女の攻撃は迅く鋭い………だが見切れないスピードじゃない)」

「(温存はなしだ………一気に決めに行く!)」

『Ready………Fight!』

ゴングが鳴ると同時にリカルダが真っすぐソネットに向かっていく

「(反撃してきたところをクロスカウンター気味に叩き込む!)」

拳を振り上げ攻撃に入るリカルダ

だが次の瞬間ソネットの姿が彼女の視界から消えた

「何っ!?」

上を取ったソネットが剣を振り下ろす

だが察知したリカルダはすぐさまバックステップでその攻撃を回避する

しかしソネットの対応も早く空振りの直後回し蹴りでリカルダに先制ダメージを与えた

 

「っし、奇襲成功!」

「ここまで温存できてよかったよ、ソネットの強さは双剣術だけじゃない………」

セインがガッツポーズをとる横でシャンテは出会った日のことを思い返していた

 

「なんでだぁぁ!」

怒りのままに魔力を噴き上げさせるソネットの周囲には火花が散っていた

思わず身を庇うほどの魔力の奔流

勢いよく向かってくるソネットを何とかシャンテが受け止める

 

「そう………今までは双剣術だけだったけど………あいつの本領はその一歩先」

雷を纏ったソネットが剣を構える

「双剣術+変換資質、それがソネットのスタイル」

 

「うちも見せてもらったけど、あの子のスピードは半端やない、並の選手やったら目で追うんはほぼ無理や、ヴィヴィちゃんらぐらい目がいいならともかく初見で見切るんはきついで」

真剣な表情でリングの上のソネットを見据えるジーク

カルナージで戦った時もジークはソネットのスピードについていけず最初のうちは回避が精いっぱい

時間をかけてタイミングを計ってようやく反撃できたほどだった

 

「(侮っていたわけじゃないが………まさか手の内を隠していたなんて)」

「ボサッとすんな!来るぞ!」

フーカの声と共にソネットが向かっていく

咄嗟にフィールド系で防御を固めるがソネットの攻撃でダメージが蓄積していく

「(ご丁寧に切れ味も抜群………なるほど、これは手ごわい)」

スピードと切れ味を活かした速攻

あまりの速さにカウンターを狙いに行けず防戦一方となるリカルダ

「(右………上………左………そこだ!)」

ソネットの攻撃に何とかタイミングを合わせ反撃するリカルダ

だが気付けばソネットの剣にその攻撃は受け止められていた

「なっ………」

すかさず懐に潜り込んだソネットが剣を構える

「双輪剣舞!」

左右の剣による同時攻撃が決まりリカルダの体が大きく揺らぐ

「(ダウンは取れない………か)」

「(あのスピードでこちらのカウンターに対応してくるか………格闘技だけでは対応が難しいな)」

ソネットが再び加速し切り込んでいくとリカルダは魔力を纏って迎え撃つ

「(このラウンドは捨てるしかない………けど、次で叩く)」

リカルダが防御に徹したままラウンド終了のゴングが鳴った

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