魔法少女リリカルなのは Vivid Pure Light   作:ライジングスカイ

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wish:4 アインハルト・ストラトス

「え?練習試合ですか?」

アルマが練習に加わって数日

ノーヴェの持ちかけた話にアルマは目を見開いた

「まあ、チーム内での練習だ、お前もだいぶ慣れてきたし、ここらで実力のほうを確認しておこうと思ってな」

「あの………それで私の相手っていうのは」

アルマの問いかけにノーヴェは黙って指をさした

その先には一人型を確認するシルヴィアの姿が

「え?」

「ん、相手はシルヴィアだ、スピカとの連携を見ておきたいってのもあるけど、ま、親友同士やりやすいだろ」

 

「へぇ、アルマちゃんと練習試合」

夕食の最中シルヴィアの話を聞いたなのはは思わず声を上げた

「うん、ノーヴェ会長はいろいろ考えてるみたいだけど、私としては、アルマが魔法戦競技をもっと好きになってくれるきっかけになったらいいなぁって」

そういって笑うシルヴィア

「そういえば、お母様とアインハルト一尉の出会いも最初は練習試合からだったと」

「あ、その話聞いたよ、アインハルトさんはすごく恥ずかしそうにしてたけど」

サマーラの話を聞いたシルヴィアはかつて聞いた話を思い浮かべる

母は陽気に話していたが隣で聞いていたアインハルトは恥ずかしそうに赤面していたのを覚えている

「ママとアインハルトさん本当に仲良しだもんね、私もアルマとずっと仲良しでいれるといいな」

シルヴィアの言葉になのはは小さく笑った

 

アルマはシルヴィアとの試合に備え練習しようと街を歩いていた

するとバイクのクラクションが響き振り返ると

「リオさん?」

「会長に頼まれてね、乗って、あたしでよければ協力するよ」

そういってもう一つのヘルメットをアルマに差し出すリオ

 

シルヴィアは一人公園で自主練習に励んでいた

しばらく型を確認した後スピカと分離してため息をこぼす

「やっぱり一人だとうまくいかないなぁ」

手応えを感じることができず肩を落とすシルヴィアだったが

「不満そうですね」

ジャージ姿のアインハルトが座り込むシルヴィアに声をかけた

「アインハルトさん?」

「ノーヴェさんから、試合に向けて一人で練習してるだろうから付き合ってあげてほしいと」

アインハルトのその言葉を聞いたシルヴィアはうれしそうに笑った後一瞬で立ち上がり拳をふるった

だがアインハルトは片手でその拳を受け止めていた

ただしティオは衝撃で彼女の肩から落ちそうになり必死にしがみついてはいたが

「だいぶ使えるようになってきましたね」

「当然、ママを超えるために頑張ってるんだもん」

強気で言い放つシルヴィアに同意するかのようにスピカも羽を広げる

「手加減しません。全力で来てください」

アインハルトの言葉に何とかよじ登ったティオも力強く鳴いた

 

アルマもまた試合に向けて特訓をしていた

聖王教会の中庭でリオの持つミットに向けて次々拳をたたき込む

「よし、そこまで、いったん休憩だ」

ノーヴェの言葉を受けアルマはその場に座り込んでしまう

肩で息をして疲れた様子だったが

「大丈夫?ほら、これ飲んで」

リオに差し出されたドリンクを飲むと少し落ち着いたようだった

「ありがとうございます、リオさん」

「気にしないで、あたしは会長からアルマのこと頼まれてるし」

そういってリオはアルマの隣に座った

「それにしてもアルマはすごいね、ストライクアーツを始めたばかりなのに」

リオに褒められ照れるアルマだったが

「シルヴィアの隣にいて………恥ずかしくないようになりたいんです」

恥ずかしそうに口を開いた、思い出すのはシルヴィアと初めて会った日の事

環境の変化に戸惑い一人縮こまっていたアルマに隣の席のシルヴィアが手を伸ばした

「私高町シルヴィア、よろしくね」

笑顔で継げるシルヴィアの手を遠慮がちにとるアルマ

それから二人はどんどん仲良くなっていった

課題の術式に詰まって考え込むアルマにシルヴィアがアドバイスをくれたり

初めてシルヴィアの家に遊びに行った日

彼女の母親と偶然出会い、現役の執務官だと知って驚いた

そんなある日の事

魔法の授業で基本のシューターを実践することとなる

初めての実践に緊張するアルマだったがシルヴィアは落ち着いていた

集中した様子で詠唱し指先に魔力を集める

アルマは初めて見るシルヴィアの姿に魅了されていた

魔法を使うシルヴィアの姿がとても輝いて見えたのだ

「小さいころから魔導師にあこがれてて、私もあんな風にって思ったんです」

瞳を輝かせて語るアルマ

普段の彼女からは考えられない様子に目を見開くリオ

「そのすぐ後でした、シルヴィアが格闘技をやってるって知ったのは」

 

「ストライクアーツ?シルヴィア格闘技もやるの?」

「というよりこっちがメインなんだけどね」

アルマと話しながらそういって拳を突き出すシルヴィア

「うちのお母さん覚えてる?」

「ヴィヴィオさんだよね?覚えてるよ、現役の執務官なんだよね」

アルマがシルヴィアの家に行ったときたまたま夜勤明けだったヴィヴィオの帰宅時間と重なった

そのためアルマはその時ヴィヴィオが着ていた黒い制服を見て驚いた

「私ぐらいのころ、ストライクアーツの選手だったんだ、でも前衛の資質がなくて、ずっとつらい道のりだったって………」

「………今は、どうしてるの?」

「競技選手はもうずいぶん前に引退したし、前衛だけでやっていくのはやめて前中衛、でも、今でも格闘技は好きみたい」

そういって拳を握るシルヴィア

 

「シルヴィアもヴィヴィオさんと同じスタイルだって聞いて、シルヴィアの強くなりたかった理由がわかる気がしたんです」

そういって拳を握るアルマ

「きっとヴィヴィオさんのスタイルが強いことを証明したいんだと思う、シルヴィアに一緒に強くなりたいって言ってもらってうれしかった、だから私も頑張ろうって思うんです」

「えっと………もしかしてアルマいろいろ誤解しちゃってるかな」

頭を掻きながら困ったように笑うリオ

「まあでも、シルヴィアはヴィヴィオに憧れてストライクアーツを始めたわけですし、間違っちゃいないんじゃ」

「ん?ああ、そっか、イクスは知らないんだっけ」

イクスの言葉にきょとんとするリオだったがすぐ手をたたいて納得する

「もちろんそれもあると思うんだけど、シルヴィアが今のスタイルにした理由は………」

リオが耳打ちするとイクスは驚いて目を見開く

「そんなことがあったんですか!?」

驚き声を上げるイクスに驚いたのかアルマがこちらを見ていた

「あ、ううん何でもないの、気にしないで」

リオが弁明するとアルマは首をかしげながら立ち上がる

「そろそろ休憩はやめにして、練習続けましょう」

 

シルヴィアが続けざまアインハルトの持つミットに向けて拳をたたき込む

最後に回し蹴りを放つとアインハルトの体がミットごと大きく揺らぐ

「ここまでにしておきましょう、もう時間も遅いですし」

「はい、ありがとうございます」

礼を告げるシルヴィアに合わせるようにスピカも頷く

それを見たアインハルトは小さく笑い

「よろしければ家まで送りますよ」

笑顔でそう答えた

 

「昔を思い出しますね………」

シルヴィアを家まで送る道すがら

突然アインハルトが言い出したので首をかしげるシルヴィア

「それって、ママやアインハルトさんたちがまだ選手だったころ?」

「むしろ選手なりたての頃でしょうか………」

シルヴィアの問いかけにアインハルトは笑いながら答えた

「あの頃のヴィヴィオさんは本当にまっすぐで、今のシルヴィアさんとそっくり」

「えへへ、そうかな」

「そうやって笑うところも似ていますよ」

アインハルトがシルヴィアの頭をなでると照れ臭そうに笑うシルヴィア

「(そう、本当にそっくり………違うところがあるとすれば………)」

真剣な表情でシルヴィアを見るアインハルト

そんな彼女の表情を見てティオが心配そうに鳴くが

「大丈夫ですよティオ、あなたが心配するようなことは何もありません」

そういってティオを慰めるアインハルトだったが心中は複雑だった

「(そう、何もないにこしたことはありません………)」

 

「ただいまー!」

「おじゃまします」

シルヴィアに続いてアインハルトが玄関に上がる

「あ、ちょうどいいところに帰ってきましたね」

そんな二人を出迎えたサマーラの言葉に首をかしげるシルヴィア

 

「あ、お帰り、アインハルトちゃんもいらっしゃい」

「アインハルトさん、わざわざありがとう」

サマーラに案内されリビングにやってくるとなのはがヴィヴィオと通信しているところだった

「ママ!」

それを見たシルヴィアは真っ先に画面に食いつく

「聞いたよシルヴィア、アルマちゃんと練習試合だって」

「うん、ストライクアーツの先輩として頑張ってるとこ見せなきゃ」

そういって構えて見せるシルヴィア

「おー、頼もしい、ママは見に行けないけど」

「大丈夫、アインハルトさんが練習ついててくれてるし、試合だって」

「なら安心だ、あ、ちょっとアインハルトさんと二人で話したいんだけどいいかな」

ヴィヴィオの提案にシルヴィアは少し考えると

「じゃあ私はその間に宿題やってくるね」

と言って部屋に上がっていった

アインハルトはなのはに促されるように彼女の隣に腰かけた

「なんでしょうか?」

「シルヴィアの練習見てくれてありがとうございます、っていうのと、アインハルトさんから見て今のシルヴィアはどうかなっていうのと」

「強いですよ、格闘技に関しては十分すぎるレベルです」

「すごーい、私なんて趣味と遊びのレベルなんて言われたのに」

「………ヴィヴィオさん実は根に持ってます?」

過去の出来事を掘り起こされ訝しげな表情になるアインハルト

「いやだなぁ冗談ですよ、でもそっか、頑張ってるんだな………シルヴィアは」

「ええ、ですが、一つ問題が」

アインハルトのその言葉に真剣な表情になる一同

「今日のメニュー、スパーの内容、シルヴィアさんは格闘技を主軸に置きすぎている気がするんです」

「じゃあ、やっぱりシルヴィア………」

なのはの言葉に頷いてシルヴィアの部屋のほうを見るアインハルト

「彼女は………試合で魔法を使うことを恐れている可能性があります」

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