魔法少女リリカルなのは Vivid Pure Light 作:ライジングスカイ
現在Stヒルデ魔法学院では一学期前期試験の真っ最中
シルヴィアもアルマも真剣な表情で試験に臨んでいた
そしてシルヴィアにはもう一つ楽しみなものが
ファビアやなのはとともに自宅でお茶をしていたヴィヴィオだったが突然通信がかかってくる
「ヴィヴィオさん」
「アンジュ!久しぶり!そっちはどう?」
かつてヴィヴィオと同じ部隊に所属していた人物
アンジュ・マーキュリーからの通信にうれしそうに声を上げるヴィヴィオ
「週末からのおやすみ無事確保です!予定通り行けますよ」
「そう、ならよかった、シルヴィアも会いたがってたよ」
「シルヴィアもですけど、新しく友達になったっていう子にも早く会ってみたいです」
「みんなでそろうのも久しぶりだしね」
そういって笑うヴィヴィオ
一方こちらは時空管理局の一室
書類を抱えた二人組
「そっか、今年ももうそんな時期か」
「ええ、もともとはヴィヴィオさんたちが選手時代に始めたことだそうですけど」
本局査察官のヴェロッサ・アコースとリエラ・ハラオウン
「ま、楽しんでおいでよ、僕ら査察官っていうのは何かと恨みを買いやすい、力をつけておくに越したことはないさ」
書類を持ちながら楽しそうに歩くヴェロッサ
「こんな仕事、本当は君にはしてほしくないんだけどね………君は大事な親友の娘、僕自身も小さい頃から知ってる、こんな因果な仕事をわざわざ選ばなくても」
「私が自分で決めたことです、プレシアさんが違法研究に進むきっかけになった事件は本来、プロジェクトを強行した会社側にも責任があるはずだった………」
「そういった事件で不幸になる人を少しでも減らしたい、か………ご立派だね」
そういって小さく笑うヴェロッサだった
本局執務室では一人の男性が書類をまとめため息をこぼしていた
「終わったぁ、これで何とか間に合いそうだな」
「大変っすねぇカレルは、補佐官つけずによくあれだけ」
ウェンディの言葉に苦笑する
「僕としては補佐官と一緒のティアナ執務官がどうして毎回そうなるのか気になりますけどね」
「カレル、あんた言うようになったじゃない」
ウェンディとその上司、ティアナ・ランスター執務官が大量の仕事を片付けるべくひーひー言いながら働いていた
カレルの皮肉に青筋を立てるティアナだがそちらを向く余裕は一切ない
一方ナカジマ家では
「スバルたちもオッケー、っと」
ノーヴェが何やらリストのようなものをまとめていた
「あとはうちのチビ達が何人参加できるかだな」
「仕切り役というのも大変だな」
そんなノーヴェにチンクが声をかけた
「まあ、これがあたしの役目だし、ギンガは?」
「部屋にこもって引継ぎの関係で通信だ、部隊長という立場がこういう時邪魔になってしまうな」
「そういえばもう一人」
そういって横目でリビングの方を見るノーヴェ
疲れ切った様子で机に突っ伏すディエチの姿がそこにはあった
「ふぅ、とりあえず今日の試験はここまでかな」
そういって鞄に荷物をまとめため息をこぼすアルマ
「シルヴィアどうだった?」
「魔導運用学やばいかも」
机に突っ伏しながらアルマの問いかけに答えるシルヴィア
魔力運用の苦手なシルヴィアにとって魔導運用学は数少ない苦手科目だ
もっとも、アルマがそれを知ったのはつい最近の事
試験ではデバイスの使用ができないため魔力運用の実技はシルヴィアにとって鬼門といえた
「明日で試験もおしまいだし、それさえ乗り切れば」
「うん、無事試験が終わったらだけどね」
そういってため息をこぼす
「そんなにやばいんだ………」
Stヒルデ魔法学院は教会系列のミッションスクール
成績優秀な生徒が多く追試などはめったなことではありえない
「元気だしなって、試験の後は楽しい合宿が待ってるんでしょ」
「ただいま」
帰宅して玄関にあがるシルヴィア
「お帰り、シルヴィア」
そんな彼女をヴィヴィオが出迎える
シルヴィアは笑顔を見せていたが
「(ママは私と違って魔力運用がうまい………学生だった時もどの科目も優秀だったって聞いてるし………)」
自身が劣ってると不安を感じるシルヴィアだったが
「ほらシルヴィア」
突然ヴィヴィオがそんな彼女を持ち上げ抱きかかえた
「なんか元気ないけど、もしかして魔導運用学の試験?」
「えっ?どうして」
「ママは何でもお見通し、今日はシルヴィアの好きなものいっぱい用意したから」
そういって戸惑うシルヴィアを肩車するヴィヴィオ
「試験がダメでもシルヴィアが私の娘だってことに変わりはないんだから、気にしないの」
すべて見透かされたようなヴィヴィオの言葉に微笑むシルヴィア
「でもママ!私そこまで駄目じゃありません!」
「わわっ!危ないから暴れないで」
まだまだママには敵わないことだらけです
教会ではリオとソネットが資料整理をしていた
「シルヴィアたちは大変みたいですね」
「あたしも昔は苦労したよ、その点ソネットはいいよね、もう学士資格まで持ってるもん」
「習得まで大変でしたけどね」
教会に来たばかりのころシスターシャッハに厳しく勉強を教えられていた時のことを思い出し苦笑するソネット
余談ではあるがStヒルデ魔法学院の場合学士資格を習得するのに10年もの勉強が必要である
それをソネットはわずか1年でこなしているあたり彼女も優秀といえよう
「さ、さっさとこの仕事終わらせちゃお、あたしも合宿行くし、ソネットも行くよね」
「えっ!?私も一緒に行っていいんですか?」
「お疲れさまでした、ティミル教導官」
そういってアインハルトがコロナに声をかける
コロナは今日アインハルトの所属する部隊で仮想敵として模擬戦を行った
「お疲れ様です、ストラトス陸尉」
「それでは、自分たちはこれで」
他の局員たちが全員去ったのを確認するとコロナは大きく息を吐いた
「すいません、気を使わせてしまいましたか?」
「いや、そっちはいつもの事だからいいんですけど、模擬戦、アインハルトさんも参加するなんて聞いてませんよ」
「ほかの隊員たちから是非にといわれて断り切れずに」
コロナからの追及に気まずそうな顔をするアインハルト
「撃墜されなくてよかったぁ、私にも教導官としての立場があるんですから」
「私もつい本気を出してしまいました、どうでしょう?この後一緒に食事でも」
「フフッ、お供します、アインハルト隊長」
かつて一緒に所属していた部隊での呼称を使いアインハルトをからかうコロナ
「今日はもう一人一緒なんですが………」
アインハルトの言葉とほぼ同時に二人の前に現れたのは
「お久しぶりです、アインハルト陸尉、コロナ教官」
「ロイス!久しぶり!」
かつて同じ部隊に所属していたロイス・ローレンスだった
「じゃ、ロイスも参加できるんだ」
「仕事の都合合わせるのには、少々苦労しましたけどね、久々の模擬戦で燃えてます、な、リヴァイアス」
「yes」
ロイスの言葉に彼の愛機、リヴァイアスも答える
食事の席での話題はかつての仲間たちの近況や最近の仕事の話がもっぱらだった
「この前の事件ではカレルと一緒の捜査でしたが、ずいぶん頼もしくなっていましたよ」
「リエラもやり手の査察官として名は通ってきているし、アンジュも救助隊で頑張っているようだし、かつての同僚たちが活躍して、僕も誇らしいですよ」
食事を口にしながらのロイスの言葉に苦笑するアインハルトとコロナ
「ロイスだって、上級キャリア試験一発合格!艦長だって夢じゃないって聞いてるよ」
「チンクさんやギンガさんにみっちり教え込まれましたからね」
かつて108部隊で実地研修していたころの事を思い出して青い顔になるロイス
「僕の場合珍しい資質抱えてることもあってかある程度優遇はされましたし、コロナ教官たちに鍛えてもらったおかげもあるんでしょうね」
そういって自身の右頬をなでるロイス
「あそこでの経験がなかったらこうはいかなかったと思います、その件に関してはどれだけ感謝しても足りないですよ」
ロイスのその言葉に笑顔になるアインハルトとコロナ
「さて!先輩としていいお手本になれるよう頑張らなきゃ」
「僕も競技選手の経験はないですが、今年はシルヴィアもいるわけですし、張り切らないと」
「yes」
目前に迫ったイベントに闘志を燃やす一同
「あ、でもロイスの魔法は珍しすぎて参考にはならないと思います」
「ですよね」
アインハルトの言葉にわかっていたとはいえ凹んでしまうロイスだった
「機動六課ぁあ!?」
前期試験終了後の高町家にアルマの驚愕の声が響いた
「あはは、さすがに知ってるか」
「当然だよ!機動六課って言ったらかつて幻と呼ばれ、表舞台に上がった今でも魔導師たちのあこがれと呼ばれてる伝説の部隊でしょ!でもまさか………」
アルマが振り返った先には苦笑するヴィヴィオとなのはの姿
「ヴィヴィオさんが以前その部隊で隊長やってたなんて………」
「ちなみになのはママもその幻といわれた創設メンバーの一人なんだよ」
ヴィヴィオの説明になのはは苦笑し、アルマは目を見開いたまま動かなくなった
「さすがにアルマちゃんぐらいの年の子は知らないかぁ、ここ数年は教導ばっかりだったから」
「もうずいぶん前線に出てないもんね、なのはママは、実力でいえば現役バリバリだけど」
「まだまだ若い世代に負けてられないよ」
そういってガッツポーズをとるなのは
一方アルマは疲れ切った表情でシルヴィアに耳打ちしていた
「この間騎士カリムが言っていたことの意味が分かった気がする」
「あはは」
もはや乾いた笑いしか出てこないシルヴィアだったが
「そういえば、試験はどうだったんですか?」
サマーラの問いかけに笑顔を見せ成績表を取り出した
「花丸評価!無事試験クリアだよ」
「あっ!すごい!魔導運用学も好成績だ」
なのはがシルヴィアの成績を見て目を見開く
嬉しそうなシルヴィアの頭に手を乗せるヴィヴィオ
「よく頑張ったね、えらいよシルヴィア」
ヴィヴィオに撫でられて照れ臭そうに笑うシルヴィアだった