黒江双葉18歳
「修さん、この問題なんですけど」
「えっと、これはこの公式の応用を使って…」
「なるほど。ありがとうございます」
双葉の自室で修は双葉の受験勉強のための家庭教師をしている。
修は恋人である双葉と一緒に居られるため苦ではないのだが、本当ならば『ボーダー推薦』で大学に入れるため、双葉自身はほとんど勉強する必要はないのである。
だが、双葉曰く「駿と同じ馬鹿に見られるのは嫌なので」と彼女の幼馴染で学力的な問題児である緑川がその推薦を使って大学に入った為、それと同じ様に見られるのは癇に障るようだ。
一つの教科が終わり、二人して少し休憩を取っていても話は受験のことから離れない。
「それにしてもかなり成績も伸びてきたし、これなら一般の推薦でも受けられるんじゃないか?」
「はい。最近の模試でもA判定を取れましたし、担任の先生ともこの前、そのことを少し話しましたから多分大丈夫だと思います」
ミルクココアを飲みながら、双葉は自分の鞄からその模試の成績を修に見せる。
「そうか。良かったな」
「それもこれも修さんが勉強を教えてくれたおかげです」
「いや、双葉が頑張った成果だよ。本当によくやったと思う」
「あ、ありがとうございます」
修の褒め言葉に双葉は顔を赤くしながら微笑む。
その後も二人での勉強は続き、辺りは暗くなり始めていた。
「それじゃあ、日も暮れてきたしボクはそろそろ帰るよ」
「もうそんな時間ですか…」
帰ろうとする修を見て、双葉は意を決したような表情を固める。
「あの、修さん。髪にごみがついてます」
「え? どのあたり?」
「あたしが取るので少しかがんでください」
修が言われた通りに姿勢を低くすると、双葉は修の唇にキスをした。
「えっと…」
「…今のは今日のお礼です。…髪にごみがついているっていうのは、ウソです」
双葉は恥ずかしさから真っ赤な顔を修から背ける。
「その、双葉…」
「はい?」
修に呼び掛けられて、双葉が思わず修の方を向くと唇に唇を重ねられる。
想定外の出来事に、双葉は顔を赤らめたまま修を見ながら固まってしまう。
「今日は双葉も頑張ってたし、模試でもA判定取ったから、そのご褒美にと思ったんだけど…ダメだっだか?」
「あ、いえっ! その、修さんからキスしてもらったことあんまり無かったから、つい驚いちゃって…。でも、あの、嬉しかったです」
「そうか。それなら良かった」
ふたりとも赤い顔のまま微笑みあった。
「それじゃあ、もう暗いから」
帰ろうとする修の服の袖を双葉が掴んで、修に尋ねる。
「その、頑張ったらまたご褒美…、お願いします」
その双葉の言葉に修は再び顔を赤くした。
黒江に甘えられたらかなりヤバいと思う
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