ジントの修技館時代    作:いち領民

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ジントの修技館時代 第11話

主計修技館のとある教室で、委員長と他二人のクラスメイトの会話

 

「エレセーヌ(エメレル訓練生)、クミセス(サリセーフ訓練生)、ジント君と私が想人になるために良い案はないの?文芸サークルに誘ったのは、いいけどなかなか、友達以上の関係には発展しないわ。」

 

「そうね。確かに、彼は鈍いみたいだから委員長の気持ちなんて全く気付いていないみたいだし、まずは、最もよい形で愛の告白をして、そのムードによって、ジント君からも逆に告白させて、それをクリューノに録音して証拠としてあとは、アーヴらしく押しこむ方法でいいと思うわ。もちろん、告白は噂のファミリアレス園の紅葉の一本木の下よ。噂ではあそこで告白した恋は絶対実ると聞いたわ。」アーヴにしては珍しくジンクスの話をするクミセス

 

「クミセスちゃん、そんな科学的根拠に乏しいものダメだよ。第一、成功するとは限らないよ。だって…。私、ダリシュ君に試したよ。ふられっちゃったけど…」少し涙目になりながら話すエレセーヌ

 

「エレセーヌ、いつ告白したの?それに私達二人はダリシュ君に関して協定を結んだじゃない。抜けがけするなんて、協定違反だわ。」友達に裏切られたと思って怒るクミセス

 

「二人とも、悪いけど私が考えて欲しいのはダリシュ君のことではなくて、ジント君のことよ。その辺りをしっかり、心にとめといて、それにダリシュ君は今、私がふって落ち込んでいるのだからその隙に優しい言葉で近づけば、心が傾くのじゃないの?ダリシュ君が好きなものとか、あと、好きな場所とか、その他もろもろの個人情報を伝えるから、あなた達はそれを参考に考えてみればいいでしょう。さて、ダリシュ君の話は、おしまいにして、ジント君よ。彼は、地上世界出身だし、その辺りも考慮しないとなかなか難しいわ。」話があらぬ方向に行こうとするので本題に戻す委員長。

 

そして、本題に戻ったが、三人ともそれなりの意見はいうけど、結局はまとまらなかった。三人が一番考えて、苦労したのはジントが地上世界出身者ということだった。三人とも地上世界出身の恋愛の流儀もわからなかったし、そのせいで告白したとき、決定的な失敗を起こしてしまうのではないと思っていたのだった。

 

そこで、三人ともとりあえず、主計修技館蔵書院に行き、地上世界の恋愛に関して資料を調べることにした。すると、そのうちの三人とも極端に古い資料に目が止まった。

 

「委員長、この方法はどう?『恋の禁じ手』という資料の中に『ヨバイ』というものがあるのよ」この資料を最初に見つけたクミセス

 

その資料によれば、深夜、眠っている意中の異性の所に押し入り、告白し、あわよくば関係を結ぶものである。(資料的欠陥と不完全な解釈であるという前置きはその資料にはあった)

 

「クミセスちゃん、なんだか、かなり、過激で野蛮な方法ね。でも、地上世界出身の貴族のリン訓練生なら、この方法がいいかもしれないわ。何より『恋の禁じ手』なんていう資料からですもの、効果はあるはずよ。」その方法を賛成するエレセーヌ

 

「で、でも、これはいくらなんでも恥ずかしいわ。無理よ」顔を赤くして反対する委員長

 

「委員長、確かにかなり、野蛮な方法ね。でも、委員長の恋敵はアブリアルの姫君なのでしょう。これくらいやらなきゃ、勝てないんじゃないの。私なら優雅に負けるより野蛮に勝つ方法を選ぶわ。」クミセスもこの方法を薦める

 

「確かに、私とジント君が一緒にいられるのもあと1年くらしかないわね。このあたりで勝負しないといけないかもしれないわ。何しろ相手はアブリアルの姫君なのですから。うん、わかった。私は自分の誇りを賭けて、この想いを成就させるわ。その『ヨバイ』という方法をとるわ。」ついに決心する委員長。

 

「それで、決行日はいつにする?」もうかなり乗る気のエレセーヌ

「そうだ。今度、試験終了後に1週間の休暇があるわ。そのときに、委員長がリーダーの文芸サークルで合宿をすることにして、それも厳選メンバーですればいいのよ。もちろん、私達二人も前面サボートするわ。」我ながら妙案だと思うクミセス

 

「うん、わかった。それでいきましょう。他に何か言いたいことある?」最後の確認をする委員長

 

「えーっと、その合宿にダリシュ君も誘ってくれないかな。私達も機をみて、考えたいの。」頬を赤くするエレセーヌ

 

「え、わかったわ。あとは、決行日までに詳細をつめるまでね。これからこの恋愛作戦を『嵐山作戦』と決める。みんな、強力をお願いするわ。あくまでも、私とジント君が想い人になることを目的とするわね。」二人の真意は察したが、あくまでも目的はジントが委員長の想い人になることだと釘をさす委員長

 

 

こうして、ジントは委員長によって、命ではなく、貞操の危機に遭うのであった(爆)

,主計修技館の試験期間もすぎ、委員長の『嵐山作戦』が始まる2日前、ジントは寮の自室で文芸サークルの合宿の準備をしていた。

 

「よし、これでだいたい終わったな。でも、なぜ、今回選抜メンバーなんだろうかな。まぁ、ダリシュも誘われたので、いいかな。場所は委員長の家みたいだし、あとは、ディアーホを誰かに預ければ大丈夫だな」と独り言をいいながら荷物を整理していた。

 

そこへ、ジントのクリューノが突然鳴った。

 

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