ジントの修技館時代    作:いち領民

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ジントの修技館時代 第28話

修技館の年に一度ある上級生を上がる直前にある1ヶ月の休暇の直前になって、リン・スーニュ・ロク=ハイド伯爵・ジントは悩んでいた。去年は、ダリシュの家に1ヶ月ほど滞在していてとても、居心地のいい中で暮らせたのだが、今年もその方向で考えていたが、直前になって思わない事態が起きていた。

 

 

「ねぇ、ダリシュ、やっぱり、しばらくは会えないの?」と何度目かの質問をするジント

 

「ごめん。ジント、僕は今まで、『青の牙』のヘルマスターとして、それなりの仕事をやってきたけど、そろそろ、前線の任務に出ないといけないんだ。ただ、上で策を考えているだけでは部下に対して申し訳無いしね。かといって、主計科の授業をさぼるわけにいかないし、やっと、そこで、前線で任務ができる時間ができたんだ。この間にできるだけ、色々な任務に参加するつもりだ。」と説得する風に言うダリシュ

 

 

「でも、そうすると、君の家に僕がいると色々と問題が・・・・・・(もし、ユーリルと二人きりになったら僕の理性が・・・・)」と言葉を濁すジント

 

 

「なら、クリューヴ王宮に行くか?僕は、あまり、賛成できないな。先日、あんな騒動が起きたばかりだしね。」と不満げな表情を浮かべるダリシュ

 

 

「うーん。(確かに、あの後、ドゥヒール殿下とはちょっと、気まずくなったし、会わない方がいいかもな)」やはり、悩むジント

 

 

「まぁ、ジントは気にしているのは要はユーリルだろう。彼女がよからぬ行動をするのが問題というわけなんだよね。」ジントの心情を見ぬくダリシュ

 

 

「まぁ、ダリシュの言うとおりなんだけどね。君がいれば、彼女をとめてくれそうだしね」自分の考えが見ぬかれあせるジント

 

 

「そうか、なら、ユーリルは僕からきつくいっておく。無茶な行動をさせないようにね。それに、監視役もつけるよ。それで、家に来てくれないかな。不在の僕がこういうのは、あれだけど、今回は父さんも家にいられるから。」説得にかかるダリシュ

 

 

「うん、でも、監視役って誰だい?」

 

「ティアラさん。僕の遺伝子提供者の人さ。それに、彼女は『青の牙の軍師』といわれている人でね。ユーリルや父さんも一目置いている。まぁ、上手い風にジントを守るさ。」とにっこり微笑むダリシュ

 

 

「あの人か・・・・。まぁ、けっこう、気さくな人だったみたいだし、大丈夫そうだね。わかったよ。ダリシュの言う通り、キルヒム家に行くよ」

 

こうして、ジントは結局ダリシュの説得を受け入れ、今回の1ヶ月の休暇もダリシュの家にすごすことになった。

 

 

「ダリシュ、送ってくれて有難う。じゃぁ、気を付けて」

船を飛ばせないジントを気遣って、ダリシュが家まで送ってくれたのだった。

ジントがダリシュの家につくと、すでに、ダリシュの父親のハーデスと妹のユーリルがいた。

そして、二人の横に緑色の瞳と髪をした美女が穏やかな笑みを浮かべて立っていた。

 

 

「ハイド伯爵閣下、お久しぶりです。アイリーフ・ウェフ=ケレス・ティアラです。まぁ、休暇の間は、この家に閣下と共に暮らすのでよろしくお願いします。」と地上人がやるように握手を求めるティアラ

 

 

 

「あ、ありがとうございます。よろしくお願いします。」と少してれながらジントは、ティアラの細い手を握り締めるジント

 

 

「じゃぁ、ティアラさん。ジントをよろしくお願いします。ジント、僕はこれから、早速、仕事へ行くよ。帝都ラクファカールに帰ってくるのは、1ヶ月後のくらいだ。ジントはここで、羽を伸ばしておけよ」そういって、ダリシュは、交通艇にのって、家を出ていった。

 

 

 

「さてと、ダリシュ君は、いったし、閣下落ちついたら、皆で夕食をとりましょう。閣下やダリシュ君の訓練生生活も興味あるしね。」ダリシュと同じ雰囲気を漂わせる穏やかな笑顔をするティアラ

 

 

「はい、わかりました。ディアーホを部屋においてから食堂へ行きます。」ジント

 

こうして、ジントはキルヒム家の食卓について、ユーリル達との会話を楽しんだ。

 

 

「この料理美味しいですね。地上人の僕でも満足できる濃い味付けなのですが、機械でつくったのではないのですか?」と今まで食べた中でも最高クラスの味に驚くジント

 

 

 

「伯爵閣下に満足してもらって嬉しいです。それは、私がつくったのです。私の趣味の一つは料理ですから、しかも、アーヴ料理だけではなく、様々な地上世界の料理を作るの。ダリシュは、私の遺伝子を受け継いでいる影響か、なかなかの良い弟子だけど。ユーリルちゃんは、まだまだね。アーヴ料理は大丈夫だけど、他の地上世界の味の違いがまだわからないみたいね。」と穏やかに微笑むティアラ

 

 

 

「うーん、ティアラさん。痛いところつくわ。私ももっと、このことを勉強していれば、あのとき、委員長に勝てたのにね。でも、ジント、今後は彼女に習って、あんな失敗は2度としないわ」ユーリル

 

 

「なるほど、わかりました。だから、ダリシュの料理の腕は一流だったのですね。ところで、その伯爵閣下というのは辞めてもらいたいのですが、お願いします。」閣下の称号にまだ、慣れないジント

 

 

「ティアラ、ジント君もそういっているし、いいんじゃないか。ユーリルやダリシュも呼び捨てにしているし、彼がそう望むなら、いいだろう。」ハーデス

 

 

 

「閣下、残念ながら、断らせていただきます。私は、星界軍はすでに退役していますし、今後閣下とかかわりあうとしても、そのときは宮廷序列に従いますわ。それに、その称号をいつまでも、いやがっていては、アーヴ貴族として閣下が成長できるとは思えません。甘やかすつもりはないですわ」と子供を諭すような視線を向けるティアラ

 

 

 

「ティアラさんの言うことも、もっともね。ジント、伯爵閣下の称号に慣れるためにも、ここは、耐えないといけないわ。アーヴ貴族らしくね」悪戯っ子の笑みをするユーリル

 

 

「はぁ、わかりました。しょうがないですね。」とほおをかきながらあいまいの笑顔をするジント

 

 

「さてと、ハーデス、ユーリルちゃん。前もいったけど、3日後から、旅行にいくから、準備はいい?」

 

 

「うん、いいわ。大丈夫。」ユーリル

 

「私もすでにしている」ハーデス

 

 

 

「あのう、もしかして、僕もそこに行くのでしょうか?」と当然のごとく聞くジント

 

 

「閣下、もちろんです。この旅行はダリシュに頼まれて、閣下のために計画したものですから、大丈夫です。閣下は地上世界出身なので、地上世界もいくつか、行きます。」穏やかな笑みをするティアラ

 

 

「そうだ。ディアーホもつれていかないとね。猫用の発信機の準備もしなきゃいけないわ」ふと猫を思い出すユーリル

 

 

「大丈夫なんでしょうか?アーヴが地上世界にいっても、何か嫌な予感がするのですけどね」と少し不安なジント

 

 

「閣下、まぁ、安心してください。地上世界といっても、紋章院の諜報員を育成するための訓練施設のいくつかです。ここには、領民政府や領民はいなくて、ほとんどが紋章院所属の訓練生や教官だけですから、それに、陛下の直轄領地なので、代官の代わりを紋章院がしているわけです。まぁ、アーヴだけでなくて、地上人の国民もいますけど、そう問題は起きないでしょう。」人の心を癒して安心させるような微笑をするティアラ

 

 

 

「はい、わかりました。僕も久々の大地ですから、楽しもうと思います。」ようやく、安心するジント

 

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