ジントの修技館時代    作:いち領民

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ジントの修技館時代 第3話

・・・・委員長、ダリシュ、ジントの3人は、アーヴ征服史歴史博物館にいた。・・・・

「ジント君、シュリル訓練生遅くなって、ごめん。待った?」いつもは、二つの三つ編み上の髪型の委員長だが、今日はポニーテールだった。

「いや、待ってないよ。委員長。それと、シュリル訓練生というのは、やめてくれないかな。僕もジント同様に名前のダリシュでよんでくれないか。」この点ではジントに軽い嫉妬を感じるダリシュ

「うーん、どうしようかな・・・・。いいわ。ダリシュ君、今日はよろしくね。」

「ところで、気になったのだけど、どうして歴史博物館なんかに呼んだの?委員長の趣味なの?」当然の疑問をもつジント

「うん、そうね。私は歴史がとても好きなの。地上世界の歴史も興味深いけどやっぱり、我が『星たちの眷属』の歴史が一番ね。それと、なんといっても、一番好きなのが征服史ね。帝国がどのように拡大したかを今でもよく映像資料でみているわ。」楽しそうに話す委員長。

「え、そうなんだ。(だから、ハイド伯国の創設話を聞きたかったのか・・・)」ようやく彼女がジントに興味を持った理由を理解するジント

「ところで、ダリシュには、どうして興味を持ったの?君の趣味とはあまり関係ない気がするのだけど」

「ジント、それは、彼女の趣味にアーヴの士族や貴族、皇族の歴史を研究することだからさ。」委員長のかわりになぜかダリシュが答える

「あら、わかっていたのね。ダリシュ君。そう、根源氏族には、スポールやビボースなどの魅力的な一族の歴史も多いけど、私はどっちかというと、名も無い士族や新しくできた新興貴族の歴史とかを研究するのがたのしいわ。それで、頭環に能力制限機能がついているアーヴなんてみたことなかったし、それが家の伝統と聞いたので、ちょっと興味をもったわ。シュリル一族のキルヒム家にね。」

「そうなんだ。でも、わざわざ、ここに呼んで聞くことでもないきがするけど、」ジントやどうやら征服史なんていう名前のつく博物館には良い印象を持っていないらしい。

「それは、ジント君。あなたのためよ。あなたはどうやらアーヴの歴史について知らないことがありすぎるから、ちょっと、私が教えるわ。常識の一つとして学んでもいいと思うわ。そのかわり、今度こそハイド伯の創設話を聞かせてもらうわよ。」好奇心に満ち溢れていて、もう逃がさないという視線だった。

「ところで、委員長。僕の一族のことは、何かわかったかい?」なぜか、いたずらっこのような笑みを浮かべるダリシュ

「それが、ほとんど、わからなかったわ。大抵の一族や家に関してはけっこう、調べれば資料が出てくるはずなのに、あなたの一族と家は、紋章院創設のとき少し携わったということくらいは、対したことはのってなかったわ。」不思議に思う委員長。

「そうか、なら、僕の家のことに詳しいことが知りたかったら想・」とダリシュが告白しようとした瞬間。ジントのクリューノが鳴った。それは、ラフィールから通信だった。

,「ご、ごめん。ダリシュ・・・。(なんでこんなダリシュの重大なところで、僕のクリューノが邪魔するなんて、いったい誰だろう?)」慌てるジント

 

そして、ダリシュにすまなそうにクリューノを見ると、ラフィールからだった。

「ラフィール、久しぶり、突然どうしたんだい?」

「ジント、もしかして、その通信はクリューヴ王家の姫君からきたのか?」ジントに告白を邪魔されたことなんて気にしていない様子のダリシュ

「え、そうだよ。」「そうか、なら、僕達は邪魔だな。委員長、あそこの休憩所でしばらく、二人でジントを待とう。君の質問も答えることができるものなら答えてあげるよ。」

「うーん、・・・。わかったわ。ジント君、王女殿下と話を続けていいわよ。私はダリシュ君を質問攻めにしているから。」アブリアルの姫君に気を使う委員長。

 

そして、ジントから二人は離れていった。

 

「ジント、久しぶりだな。どうやら、誰かそっちにいたみたいだけど、私は邪魔ではなかったのか?」久々に話すので少し緊張気味のラフィール

「いや、大丈夫だよ。こっちにいる人には気をつかってもらって、ラフィールに話すことに専念できるようにしてもらったよ。ところで、どうしたんだい?手紙はよくもらうけど、直接クリューノに話しかけてくるなんてなかったから、びっくりしたよ。」久々にラフィールの声を聞けて嬉しいジント

 

「うん、ちょっと、軍大学の研修でこっちに来ていて、少し休暇がとれたから、連絡してみただけだ。別にジントが忙しいなら、私はこのまま切ってかまわぬぞ」あいかわらず嘘が下手なラフィール

「いや、そんなことないよ。君が話してくれて嬉しいよ。それで、そっちの生活はどうかな?僕は少しずつだけど、アーヴの生活に慣れてきたかな。」

「そうか。ジントも少しはアーヴ貴族らしくなったのか?今度会えるときは、楽しみにしているからな。ところで、さっきジントと一緒にいた者だけど、ジントどんな関係なのだ?」やっぱり、気になるラフィール

「えーっと、一人は同部屋の友人でもう一人は、その友人が好きなクラスメートさ。」

「そうなのか。でも、ジントはどうしてそこに一緒に居るのだ?」

「その友人に好きな子と想人になれるように協力してくれと約束したからさ。まぁ、いきさつを話すと長くなるけど、ラフィール、今度、手紙で説明しようか?」

「いや、いい。他人の恋愛に興味を持つのは私の趣味ではないからな。でも、ジントにそんな器用なことができるか?約束したなら結果をださなければ、その友人には悪いであろ。」ジントがアーヴ同士の恋愛のキューピットとなるのは無理だと考えるラフィール

「まぁ、そこが痛いところだけど、あくまでも協力するのが約束であって、結果に関しては、責任はもっていないから、その辺りについては彼は許してくれるよ。」ジントも自分に似合わない役目をやっていると自覚しているようだ。

「そうか、ただ、忠告しておくけど、他人の恋愛にはあまり深くかかわらないほうがいいぞ。そのうち色々なトラブルが起きるからな。」

「え、ラフィール。君はそんなことがあるの?」

「私が?あるわけないであろ。父上がそういったことがある。私はさっきもいったとおり、そんな趣味はない。」

「じゃぁ、ラフィール自身は恋愛経験あるの?(しまった、勢いで聞いてしまった)」自分の軽はずみな発言で動揺するジント

「ば、馬鹿・・・。そんなことあるわけないであろ・・・」だんだん声が小さくなって黙ってしまう殿下

「あ、そうか・・・」ジントも気まずいことを聞いて、黙ってしまう。

 

しばらく沈黙する二人。すると、沈黙が好きではないラフィールから話しかける。

 

「ジ・ジント、そなたは、恋愛経験があるのか?」こっちの方が気になるラフィール

「え、僕・・・。まぁ、僕も年頃の男だし、初恋くらいはあるよ。まだ、地上世界にいた頃の話だけどね。聞きたいの?ラフィール」ラフィールがこの話に興味を持つことに不思議がるジント

「え、やっぱりいい。そうだ、もう、休暇が終わる時間だ。ジント、そろそろ切るぞ。元気でな。」と慌てて、通信を切るラフィール。そのときの彼女の表情は耳まで真っ赤だった。

「ラフィール、急にどうしだんだろう。まぁ、いいか。今度、手紙で興味があるなら、初恋について教えてもいいよと書いておこう。」突然、通信を切られて、とまどうジントだった。

「あ、そういえば、ダリシュと委員長が待っていたんだ。早くいかなきゃ。」

,ダリシュと委員長がいる休憩所を向かうジント

「委員長、ちょっと、それ以上は秘密なんだ。ごめんよ。でも、君が僕の想人になるなら全部教えることができるよ。これは、我が家の家風でね。」困った顔で答えるダリシュ

「また、だめなの。あなたの家には相当な秘密があるみたいね。まぁ、断片的な情報から想像するわ。それと、残念ながら私はダリシュ君の想人にはなるきはないわ。」はっきり断る委員長

そこへやってくるジント

「ダリシュ、うまくやっているかい?」

「いや、残念ながら僕は家のことについて彼女にあまり話すことができないんだ。これも家風なのでしょうがないけど、役に立てなくて残念だよ。」

「まったく、そのとおりだわ。もっと、ダリシュ君が協力的ならいいだけど、まぁ、自分で調べるという興味はますますもったわ。こっちの話は終わったので、ジント君、あなたのハイド伯爵家の創設話の方を聞くわ。いいでしょう。」ダリシュに対しては、あまり満たされなかったので、今度はジントの話で自分の知的好奇心を満たそうとする委員長

「ええ、僕かい?」覚悟を決めていなかったので、あせるジント

「委員長、君のいきごみもわかるけど、そろそろ食事にしないかい?ここよりは、そっちで食べながら聞こうよ。」ジントの様子をみて、フォローするダリシュ

「うん。そうね。ここの博物館の隣にレストランがあるから、そこで食べましょう」

 

 

「ジント君、思ったけど、君自身は、ハイド伯爵家の創設についてあまり良い印象をもってないから話したくないの?」サンドイッチを食べながら確信をいきなりつく委員長

「え、やっぱり、わかった。実は言うと、そうなんだ。僕は、つい最近まで、爵位はいつでも捨てていいかなと思っていたよ。でも、ラフィール。あ、パリューーニュ子爵殿下に会って、アーヴでいることに決めたよ。」スルグー片手に神妙な顔つきで答えるジント

「だったら、別に話してもいいと思うよ。これからアーヴ貴族として、生きていくなら自分の家について誇りをもたなきゃ。まぁ、創設話を話さないというのを君が家風にするなら別だけどね。」自分の家と比較するダリシュ

「そんなものないよ。わかったよ。話すよ。委員長。これは、真実とは言えるかどうかはわからないけど、僕の子供の頃の記憶と印象をハイド伯爵家の創設として話すよ。」覚悟を決めるジント

「当時、僕はマーティンでいう8歳、旧・地球暦でいうと10歳かな。そのときに夜空に流れ星がでてきた。それがアーヴの星界軍の宇宙艦隊だった…・」当時感じた印象を話すジント

「ジント君、ごめんね。そんなに辛い話だったとはわからなかったわ。私が興味本位で聞く話じゃなかったのね。」急に神妙になる委員長。

「まぁ、ハイド伯爵家が大変なのは、これからだよ。委員長。今は敵の領土だが、帝国は絶対取り返すと思うし、そのときは、ジント自身がこの領地も家も決めなければならないことだろうしね。これから、ジントを見ていけばハイド伯爵家の歴史のはじまりがどうなるかがはっきりわかるだろう。」ダリシュは何か知っているらしい言い方だった。

「うん。そうね。さて、私の聞きたいことは聞いたし、あとは、ジント君。今日は私の歴史講義をしっかりききなさい。少しはアーヴ貴族らしい常識をみにつけられるようにビシビシ鍛えるから。」そして、委員長はいつもの笑顔に戻り、ジントをアーヴ征服史歴史博物館へつれていった。

この後、ジント達は約5時間も、委員長の歴史講義とやらにつきあわされたのであった

 

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