主計修技館に入学して2年目の訓練生となったジントだが、相変わらずアーヴの常識と授業の内容をその日の放課後に復習するという日々を送っていた。そこへ、委員長が話しかけてきた。
「ねぇ、ジント君、ちょっと頼みがあるのだけど、いい?」
「うん、いいよ。僕が役に立つなら微力を尽くすよ。」
久しぶり会う委員長だが、なんだか少し大人っぽくなっていたとジントは思っていた。
「今度私が作る文芸サークルにジント君も入って欲しいのよ。このサークルの基本的内容は紙で作った本を読んだり、自分で誌や小説を書くサークルなんだけど、大丈夫?」熱心な様子でジントを誘う委員長。
「え、なんだい?そのサークルっていうのは。もしかして、地上世界的に言う部活みたいなものかな。でも、アーヴの軍事訓練の場である主計修技館になぜあるのかわからないよ。」委員長の意外な誘いに疑問を持つジント
「ジント君、知らなかったの?星界軍の修技館では2年からサークル活動ができるようになるよ。それを自分で作ったり、昔からあるサークルに参加したりするの。訓練生の2年目になると、修技館生活にも余裕ができると思うので、訓練ばかりの生活だけでは、息が詰まると思って、こういうものも作っておいたほうが、精神的にもリラックスできると星界軍は考えて認めているのよ。他にも色々あるわ。無重力球技サークルや無重力剣術サークルやアーヴ美術サークルなど、それで、たぶん、ジント君はどこにも入っていないので私が作った文芸サークルに参加して欲しいと思ったのよ。」丁寧に説明する委員長
「そうなんだ。じゃぁ、いいよ。でも、僕にも条件があるよ。ダリシュも入れてくれないかな。彼もこの話を聞いたら入りたがると思うからね。」
「うーん、それはダリシュ君本人に聞いてから考えるわ。まぁ、彼が入れば部員は増えそうだけどね。私のクラスの女子とかが入るかもしれないわ。」意味深に微笑む委員長
。
「うん、わかったよ。ダリシュに聞いてくるよ。」
その日の夕食
「ダリシュ、今日、委員長に文芸サークルに入ってくれと頼まれたけど、ダリシュ、君もどうだい?」
「うーん…。残念ながらその話は断るよ…。」すまなそうに答えるダリシュ
「え…。もしかして、委員長のことはあきらめたの?」ダリシュの微妙な態度に反応するジント
「うーん、まだそれについては迷っている。実はいうと、例の救命夾の事件の後に委員長に思いきって告白したんだ。でも、そのとき、こっぴどくふられてね。それで、あきらめようかと思ったけど…・あきらめきれないという状況なんだ。だから、1回彼女との距離を離れてしばらく考えようかなと思っている。それに今、家の仕事の引継ぎでけっこう忙しいからサークル活動をする暇は無いんだ。」苦しそうに話すダリシュ
「そうなんだ…。だったら、なおさら入るべきだと思うよ。まだ、委員長をあきらめる気がないなら、名前だけでも登録しておいて、今の家の仕事が落着いた頃にそのことは決めても良いと思うよ。」親身にダリシュのことを考えるジント
「ありがとう、ジント。君のいうとおりにするよ。このことは、委員長にあとに話しておくよ。とにかく、自分の気持ちを見つめなおすよ。」少し心が晴れた様子のダリシュだった。
そこへジントのクリューノに通信が入ってきた。