かなり適当なんですが、よろしくお願いいたします。
遠坂と並び、冬木における名家の一つとして数えられる間桐家には、裏の顔がある。そう、魔術師の家系であるということだ。それに加え、間桐に伝わる魔術は、正確にはマキリ・ゾォルケンの代からではあるが、蟲を使った醜悪なモノである。
そんな間桐は、魔術師の世界では遠坂およびアインツベルンとともに聖杯戦争を行う、御三家の一つにも数えられいる。しかし、間桐家の魔術師としての血は衰退の一途を辿っており、後継者の魔術回路数は少なくなっていくばかりであった。
そんな間桐家に生まれた間桐雁夜は、魔術回路の本数は中の下程度のであったものの、兄であり、長男でもある鶴夜が魔術回路すら持たなかったため、蔵硯により後継者と定められていた。それがゆえに、小学生にもならない幼い頃から、蟲蔵での過酷な調教を受けさせられていた。
某日、蟲蔵
イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ
自身の身体を異形の蟲に貪られる苦痛に顔を歪めながら、間桐雁夜は考えていた。
どうして自分はこんな目に遭わなければならないのか?なぜ自分はこんな気持ちの悪い蟲達に蹂躙されなければならないのか?
雁夜はそれらの問いに対する答えを幼いながらもしっかりと認識していた
—間桐家の絶対的な支配者である蔵硯には誰も逆らうことができないからだ。
間桐家の"表向きの"先代当主であった父も、その妻であった自身の母も、間桐家の他の人物も、全員例外なく、最期は蟲蔵で蟲達に喰われて死んだ。
換言すれば、全員、蔵硯によって喰われたのである。
自分も将来はそうなるのだろうか?
いや、絶対にそうはならない。
雁夜は幼いながらにも決心していた。
間桐家の呪縛から逃れることを決意する一方で雁夜は、自身が抱いている感情—いや、脅迫観念とした方が正しいか—にも薄々と気が付き始めていた。
—誰にも触れられたくない。
そう、ある日、気が付いた時から気色の悪い蟲達に嬲られていた雁夜は、自身の身体を他者に触れられることを恐れ始めていた。それも無理はない、雁夜にとって身体に触れられることは貪られることを意味したのであるから。
そんな渇望を抱きながら、雁夜は毎日のように行われる調教に耐えるのであった。
それから数年後
雁夜は間桐家を出奔し、フリーランスのジャーナリストとして生計を立てていた。
出奔するときには蔵硯に殺されるのではないかと心配したが、戸籍上の父は
「その面、二度と見せるではない」
と言っただけであった。
当然のことながら、雁夜も蔵硯などには二度と会いたくない。ゆえに、そんな言葉を聞いても雁夜は逃げ出すことができる嬉しさ以外の感情を感じなかった。
そして、雁夜は晴れて間桐家およびその絶対的支配者たる蔵硯から自由の身となったのである。
もう二度と蟲蔵で嬲られることもない。もう二度と、肉親が眼の前で蟲に喰われているところを見させられることはない。雁夜は完全に間桐家で経験した全ての物事から自由になったのである。
—たった一つを除いては。
そう、間桐雁夜は未だに他者との接触への恐怖を克服することができていなかった。いや、雁夜のその脅迫観念は幼きころのそれよりも更に強くなったと言って良いだろう。
自身のその脅迫観念に対し、雁夜も何もしなかったワケではない。事実、雁夜は精神科に通院してその症状と向き合おうとした。
しかし、結局、雁夜のその脅迫観念が消えることはなかった。
そんな脅迫観念を抱えていた雁夜も、間桐家から出奔し、人間的な生活をする内にバイクという趣味が出来た。フリーランスのジャーナリストとして稼いだ給料で買った、愛車であるZundappKSの軍用バイクに乗って風を感じているときには、自身の自由さを感じられたからである。
以上のように雁夜も人間らしい生活をおくっていたのである。ある男に出会った、あの日までは。
第1話です。
書いてから思ったんですが、シュライバーの能力ってfate/zeroだと強過ぎる感ありますよね汗