「ハァ…」
アリアと俺が隣の席になった後、皆の前で貸したベルトを返したことにより大変な誤解を産み、授業が終わり休み時間になると男子生徒達に追いかけられるハメになった。そして今は昼休み…つまり学校で一番長い休み時間になる。サバイバルな昼休みを屋上の給水塔の裏で送っているため作った弁当は食べる気にも慣れず、購買部で勝ち取った焼きそばパンも食べる気には慣れずただ時間が過ぎるのを待っている。
「ハァ…どうして面倒事に巻き込まれるんだ俺…」
眼下に広がる街の眺めていると、スマホにメールが届いた。
「あっ斑鳩先輩からだ…」
[昨日約束したラーメン屋さんの件だけど、今日でいいかな?明日だと私と花楓ちゃんの予定が合わなくなるので。もし大丈夫なら5時に男子寮の前に行くから。]
「別に予定とか無いからなぁ…別にいいか」
斑鳩先輩の返事に了解ですと返しスマホをしまうと、人の気配を感じた。
「陽菜か?」
「某の存在に気付くとは…流石でごさる…」
給水塔の上に忍びの様な口あてをした少女が立っている。
「まぁな、んで何の様だ?」
「はっ師匠が政時殿が大変な目にあっているのではないかと心配していたので」
「アイツ自分のセイで俺が追われてると思ってんのな…」
「アリアファンクラブのメンバーが血眼になり貴方様を探しているでごさるよ」
「フ…ファンクラブ何て物が出来たのか…」
いつの間にか結成されているファンクラブに驚きそして、面倒な事になってきたと頭を抱えた。
「人気者のアリア様は今頃は皆とランチですかな?」
「いや、アリア殿は1人で昼食を取っているでごさる…それに人気があるのは男子生徒から、女子生徒からは悪口など言われているでごさる」
「1人で…それに悪口まで…」
転入初日にそんな扱いは酷い。友達がいないのなら俺がなればいい。迷惑かも知れないがアリアが1人でいるよりはマシだ。そう決め弁当をもち立ち上がる。
「陽菜…焼きそばパン食っていいぞ」
陽菜にそういい教室に向かうと、いきなりアリアファンクラブのメンバー達に出会った。短時間で結成されたとは思えない人数だ。
「いたぞ!政時だ!!」
「馬鹿めのこのこと現れやがって!」
「そこをどけ!!俺はこれからアリアと昼メシを喰うんだ!!」
弁当を持った腕を突き出すと、ファンクラブのメンバー達の怒りが更に上がる。
「貴様ァァァ」
「アリア様とのランチだとッ?」
「絶対に許さんッ」
ガヤガヤと批判の声を浴びせられるが、ちっとも気にはならなかった。
「フンっ気に食わんなら俺を止めてみろ!!俺はアリアと昼メシを食いに行くんだ!」
アリアとの昼メシを食べるために俺は人の大群に向かっていった。
「何としても奴をとめるんだ!!」
「アリア様と昼食を食べるなんて絶対に許すな!!」
「フンっSランク武偵を無礼るなぁァァ」
逃げも隠れもしないのは何故か?それは全校学生徒に俺はアリアの友達だと言う事を教える為だ。友達が1人出来ればまた1人と増えていき、それが何回と繰り返されれば学校の生徒全員が友達になる。
「俺は!アリアとっ昼メシを喰うんだぁ」
邪魔する生徒達をかき分けようやくアリアのいる教室に着き、ドアを勢いよく開けた。クラスメイト達の視線が刺さるが気にならなかった。
まとわりつく生徒を引き剥がしアリアに近づいて行くと、まだ昼メシを食べている途中だった。
「ちょ、政時どうしたのよ!?」
「アリア…ハァハァ一緒に昼メシを食べよ…」
「え!?う…うん…」
未だにクラスメイトの視線を浴びながら、俺はアリアと机を迎え合わせにして昼メシを食べ始めた。
「…有難う…」
「ん?何か言ったか?」
「な…何でも無いわよ!」
そう言い俺の弁当箱から卵焼きをとり、口に入れた。
「あっ…卵焼きがっ」
「んん!!おいひぃ」
俺が作った卵焼きの味が気に入ってくれた様で、まるで子供の様な笑顔を浮かべている。
そんな笑顔に思わずドキッとしたのは秘密である。
そして時は流れ放課後に。
「クソッ武藤達め…掃除を俺には押し付けやがって…」
アリアと昼メシを食べた腹癒せで俺以外の掃除当番は皆帰ってしまい、結果俺が掃除全てを請け負うことに成った。
「畜生…アイツら覚えておけよ…教務科にお前らがやった違反ばらしてやるからな…」
最後に机を並び終え掃除用具を片付けていると、誰かが教室に入ってきた。
「政時、掃除終わったようね」
「アリアかどうした?」
「あんた私の奴隷になりなさい!」
「…は?」
突然の出来事に言葉を失った。
「だから私の奴隷になりなさいって言ってるの!」
「奴隷って…何するんだ?…」
「そ…それは…一緒に依頼をしたりとか…」
(あぁ要するにパートナーって事か)
「わかった、アリアのパートナーなってやんよ」
そう言うとアリアの顔が赤くなっていく。
「パ…パートナーじゃなくて奴隷よ!でも本当にいいの?この学校で私がどう思われているのかあんた知ってるんじゃないの?」
確かにこの変わり者の多い武偵校で浮く位アリアは変わっているが、あんな悲しそうな表情で言われたら断るに断れない。
「誰がどう思おうと関係ない、俺はアリアのパートナーになるそれだけだ」
更にアリアの顔が赤くなっていく。
「大丈夫か顔が赤いぞ?」
やたらと赤くなっているのが気になり熱があるのか確かめるために、自分のおデコをアリアのおデコにあてる。
「にゃ!?」
「ん〜熱は無いな…」
「かっ」
「ん?」
「風穴ッ!!」
「な”っ!?」
おデコを離すといきなりホルスターから2丁のガバメントを取り出し、俺に向け構えた。
「馬鹿政時ッ!!他の女にもそんな事をしてるんでしょ!?」
「するか!!何故そうなる!?」
「嘘よ!だって女の子の扱いがやたらと上手いもん!!きっとそうやって何人も手篭めにしてきたんでしょ!」
「さっきのはアリアが初めてだしんじてくれ!」
白いガバメントを持つ手を掴み俺の頭にガバメントをあてる。体は防弾制服で守られているが、頭は無防備なのだ。
「信じくれアリア!俺はお前だけの物だ!!」
「わ…私だけの…」
銃を握る手に力が抜けていくのを感じ、手を離すとガバメントをしまい教室から出ていってしまった。
「あ…やっちまった…これはパートナー解約か?あっヤベェ今何時だ?」
教室の時計を見ると、今からムスタングを飛ばせば約束した時間にギリギリ間に合う時間だった。
「急がねぇと遅れる!」
鞄を持ち教室を後にし廊下を走っていると、誰かに付けられている気配を感じた。
(陽菜じゃない…武藤達しては尾行が下手すぎる)
「下手な尾行は辞めろ…出てこいよ居るんだろ?」
その場で止まり何も考えていなかった為、殺気を出してしまった。少しすると気配が消え、誰かがいた場所に言ってみると、そいつが落としたらしい生徒手帳を見つけた。
「間宮あかり…1年の強襲科でEランクか…問題ないな」
尾行していた人物に害は無いと思い、急いで先輩達の元へむかった。
その後、遅刻した俺に先輩達は罰として色々な物を奢らされたのは言うまでもない。
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