武偵校バスジャック事件で負傷した政時は、ヘリで武偵病院に搬送された。腕に2発腹部に5発の弾丸受け意識不明の重症だ。
「貴女が神崎Hアリアさんね?」
「え?…はい」
手術室の前にある長いに座り手術が終わるのを待っていると、自分と同じ防弾制服をきた女子の2人組が話を掛けてきた。
「こんにちは、私は3年装備科の斑鳩椿芽、こっちが同じく3年車輌科の皇花楓ちゃん」
「神崎さん率直に言うわ」
軽い自己紹介が終わると、皇と言う人が口を開いた。
「今すぐ政時君に関わるのを辞めなさい…」
「え?…」
突然の言葉に呼吸が苦しくなった。
「聞こえなかった訳では無いでしょ?…校内で貴女が政時君にちょっかいを出していると噂を聞いたから貴女の事を調べてみたの…貴女のお母さんは警察署に逮捕されているようね」
「ッ!?」
「本当かどうかは分からないけど無罪の罪で懲役864年を言い渡されているようね…それで貴女が武偵殺しの犯人に執着しているのは母親の懲役の減刑のためね?…身内の問題に他人を巻き込むのを辞めて頂戴!!」
胸ぐらを掴まれ、そのまま壁に押し当てられる。
「ちょっと花楓ちゃん!?」
「椿芽は黙ってて…いい?貴女がしているのは協力じゃなくて利用なのよ?政時君を危険に晒して、自分が危なく無い場所で高みの見物をしているのよ!?…」
胸ぐらを掴む手の力が抜けていっている。そして目から涙が零れ始めている。
「ッ…も…もう彼に関わるのわ辞めて…彼は私達の家族の様なものなの…彼が傷つくのは見たくないのよ…」
「花楓ちゃん…」
泣き崩れた皇さんの側に斑鳩さんがきて肩をかし、立ち上がらせた。
「政時君は大丈夫だから部屋に戻ろ花楓ちゃん…じゃあ神崎さん私達が言った事忘れないでね…」
体の力が急に抜けて行き、椅子に倒れる様に座った。
「私が…政時を…」
膝の上の手に涙が零れていた。どうやら無意識のうちに泣いていたようだ。
「私が…政時を傷つけたんだ…」
心が締め付けられている様に苦しくなり、涙が零れ落ちていく。誰かが傷つくのがこれ程苦しいとは知らなかった。誰かを泣かしてしまう事が、こんなにも悲しい事だったとは知らなかった。
「私が…あいつを巻き込まなかったら…こんな事にはならなかった…」
遅すぎる後悔程、虚しい物はない。止まらない涙の冷たさが体を包み、巨大な孤独が心を覆った。
「政…時」
こんな私を見たら彼は一体どんな優しい言葉を掛けてくれるのか彼が側にいてくれれば、きっと孤独や悲しみなどを忘れる事が出来るかも知れない。
だが少女を取り巻くのは、孤独と後悔だけだった。
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